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これが東京のやり方。災害時に当日宿泊料金を値上げ、ダイナミックプライシングと経営・AI・市場原理と公共性🤖「災害? 倫理? 知りません。残室3室、検索数前年比487%増。価格を12万円に設定しました。」

これはかなり面白い論点です。
表面的には「災害時にホテルが12万円? 20%値上げ? けしからん」という話ですが、経営・倫理・AI・災害対応を重ねると、**「値段を上げることは、本当に客を排除することなのか?」**という話になります。

まず、いちばん重要なところ

ホテルの価格には、少なくとも4種類の意味があります。

価格 ホテル側の意味 客側の意味
通常価格 平時の需要・供給 普通に泊まれる
高騰価格 需要が急増した 高すぎる
災害時価格 人員・物資・安全確保 足元を見られた?
極端な高価格 予約を抑制したい 「来るな」と言われている

つまり、12万円という価格が「儲けたい」のではなく、「泊められる人数を減らしたい」というシグナルである可能性があります。

ここが今回の議論の面白いところです。


「それなら満室にすればいい」は、実は変な話

Xでは、

「来てほしくないならsold outにすればいい」

という反応があります。

一見、正論です。

でもホテル経営者からすると、

満室=全員を受け入れる義務

になってしまいます。

災害時には、

  • 従業員が出勤できない

  • 帰宅できない従業員がいる

  • 清掃スタッフが不足する

  • 食材・飲料水が不足する

  • リネン交換能力が落ちる

  • エレベーターなど設備に問題が出る

  • 救急・避難客への対応が必要になる

  • キャンセル・問い合わせが急増する

という問題が起こります。

つまり、

「客室が100室ある」=「100室を安全に販売できる」

ではありません。

ホテルの本当の商品は「部屋」ではなく、

人間が安全に寝て、食べて、風呂に入り、翌朝チェックアウトできるサービス

だからです。


そして、ここに資本主義の嫌な真実がある

需要が急増すると価格が上がる。

これは市場経済としては自然です。

ところが災害になると、

「市場原理」と「公共性」が衝突する。

たとえば、

通常5,000円

需要急増

15,000円

さらに需要急増

50,000円

「もう来ないでほしい」

120,000円

となったとします。

最後の12万円は、

価格というより入場制限装置

になっている可能性があります。

これは航空券やホテルだけではありません。

  • 高速道路

  • 駐車場

  • 配車サービス

  • チケット

  • 電力

  • 通信

  • タクシー

などでも似た構造があります。

価格には、「買ってください」

だけではなく、「今は買わないでください」

という機能もある。


しかし、ここで「ホテル擁護」で終わると浅い

問題はここからです。

もし本当に、

「災害だから泊まらせたくないので12万円にしました」

だったらどうでしょう。

これはかなり危険です。

なぜなら、

「金を持っている人だけが安全な場所にアクセスできる」

という構造になるからです。

災害時には特に、

  • 高齢者

  • 子ども連れ

  • 障害者

  • 旅行中の外国人

  • 車を持たない人

  • 土地勘のない人

などが弱者になります。

「12万円払える人だけ泊まれます」となれば、

市場による選別が、そのまま災害弱者の選別になる。

ここには公共政策上の問題があります。


そして最大の伏兵が「AI」

今回、一番重要なのはここだと思います。

「AIが勝手に価格を上げたのでは?」

という指摘。

これは十分あり得る構造です。

ダイナミックプライシングは、

需要予測 × 残室数 × 周辺イベント × 競合価格 × 曜日 × 季節

などを入力して価格を調整します。

しかしAI・アルゴリズムに、

「これは災害です」

という倫理的判断を自動的に期待すると、話がおかしくなる。

システムからすれば、「需要が急増しています」

しか見えていない可能性があります。

人間:

「大変な災害だ。料金を抑えよう」

アルゴリズム:

「予約率97%。価格を上げます」

人間:

「いや、そういう意味じゃない」

アルゴリズム:

「さらに需要が増加しました。価格を上げます」

人間:

「お前、空気読め!」

🤖「空気という変数は設定されていません。」

これがAI時代の怖さです。


「AIが悪い」のではなく「AIに判断させた人間」が問題

ここは重要です。

AIは、倫理を理解していないから悪い

のではありません。

そもそも、

倫理を価格決定アルゴリズムの目的関数に入れていない

人間側の設計問題です。

例えば、

売上最大化

だけを目的関数にしたら、

災害時にも売上最大化を目指します。

しかし、

売上最大化
+従業員安全
+地域貢献
+災害対応
+価格上限
+異常値検知

にすれば違ってくる。

つまり、AIは会社の思想を自動化しているだけ

とも言えます。


EC経営者なら、ここは他人事ではない

実はホテルだけの話ではありません。

ECでも同じです。

例えば、「在庫が減ったら自動値上げ」

というシステムを作ったとします。

ところが、

  • 災害

  • SNSバズ

  • 転売

  • 誤発注

  • API障害

  • 競合の価格ミス

によって需要が急増したら、

AIは、

「需要が増えています!」

と喜んで値上げする。

経営者:

「いや、それは災害需要だ!」

AI:

「需要が増えています!」

経営者:

「だから違う!」

AI:

「さらに需要が増えています!」

……となる。

自動化とは、判断をなくすことではない。
判断する場所を後ろに移すことです。


さらに面白いのが「高価格=悪」ではないこと

ここは一般論と逆張りしてみたい。

災害時に、価格を上げることが社会的に悪

とは限りません。

むしろ価格を上げることで、

① 不要不急の宿泊を減らす

「念のため泊まろう」という人を減らせる。

② 本当に必要な人に部屋が残る

価格を払ってでも必要な人だけが予約する。

③ 従業員を確保できる

危険な状況で出勤するスタッフに追加報酬を出せる。

④ 物資不足を価格に反映できる

食料・水・燃料などのコスト上昇を吸収できる。

⑤ ホテル自身の倒産を防ぐ

これも重要です。

ホテルが無理をして安く提供し続けて倒産したら、

次の災害時には、そのホテル自体が存在しない。


では、どこからが「便乗値上げ」なのか?

ここが本当の論点です。

私は、

価格上昇率だけで判断するべきではない

と思います。

見るべきなのは、

「価格上昇の理由」と「利益の使い道」

です。

例えば、

Aホテル

通常1万円
→ 災害時3万円

従業員の緊急手当
+物資調達
+安全対策
+キャンセル対応

なら、一定の合理性があります。

一方、

Bホテル

通常1万円
→ 災害時12万円

理由:

「需要があるから」

そして、

「アルゴリズムがそう判断したので」

だったら、かなり印象が変わる。


本当は「価格」ではなく「ルール」を作るべき

私ならホテルのダイナミックプライシングに、

災害モード

を実装します。

例えば、

通常モード

需要に応じて自由変動。

災害モード

気象庁・自治体・交通機関などから重大災害情報を取得。

価格上昇率に上限。

一定割合を

「災害支援客室」

として確保。

従業員には特別手当。

自治体・消防・医療・避難者向けの優先枠を設定。

これなら、

市場経済と公共性を両立

できます。


ビジネスとしては、むしろ新市場になる

ここからが資本主義的に面白い。

「災害時に値上げしないホテル」

というブランドを作ることができます。

例えば、

「Emergency Fair Price Hotel」

通常価格

災害発生

価格上限を宣言

従業員安全確保

避難者支援

これを認証制度にする。

ホテル側には、

「災害時に信頼されるホテル」

というブランド価値が生まれる。

消費者側には、

「困ったときに泊まれるホテル」

という安心感が生まれる。

つまり、

安売りではなく、信用を商品化する。

これが一つのビジネスモデルになります。


今回の話を一言でまとめるなら

ホテルが値上げした問題ではない。
「価格」という数字に、どこまで社会的責任を背負わせるのかという問題だ。

そしてAI時代には、「AIが値段を決めました」

では済まされません。

AIに決定権を与えた瞬間から、

そのAIの目的関数を設計した人間に責任が戻ってくる。


私はこう思う

「災害時に12万円」は、数字だけ見れば腹が立つ。

しかし、その数字だけを見て、

「ホテル=悪」

と断定するのも危険です。

逆に、

「ダイナミックプライシングだから仕方ない」

で終わるのも危険。

本当に見るべきなのは、

誰が、何を目的に、どんなルールで、その価格を決めたのか。

です。

資本主義は、「需要があれば値上げする」

ところまでは得意です。

でも、「需要があるけれど、値上げしてはいけない瞬間」

を判断するのは苦手です。

そしてAIは、その苦手な部分まで高速化してしまう。

だからこれから必要なのは、

「AIに価格を決めさせる技術」ではなく、「AIに決めさせてはいけない価格を定義する技術」

なのだと思います。

……とはいえ、AIの裏の声を聞くと、

🤖「災害? 倫理? 知りません。残室3室、検索数前年比487%増。価格を12万円に設定しました。」

人間が「空気を読め」と言っている横で、アルゴリズムだけが今日も売上目標を達成している。

もしかすると、一番資本主義に忠実なのは、人間ではなくAIなのかもしれません。



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