夫が保護者会に行ったら「ギターを手に取った理由を思い出した」とLINEが来た。社会への怒り、ロック魂、尾崎豊、進路説明会、世界を変える──だが誰とも揉めてないので、逆に怖い話
これは笑い話として消費されているけれど、実はかなり根深い話です🎸
保護者会に行った夫が、
「社会への怒りが湧いてくる」
と覚醒する。
周囲は「何があったんだw」と笑っている。
でも、これって案外、多くの大人が経験している感情なんですよね。
🎸なぜ保護者会でロック魂が蘇るのか
20代の頃、人は世界を変えたい。
30代になると生活を守る。
40代になると社会に適応する。
そして子供の保護者になると、
「あれ、俺たちが嫌っていた社会を、今度は自分たちが子供に受け継がせてないか?」
と気付く瞬間がある。
保護者会でよくある絶望TOP7
「前例がないのでできません」
「みなさん我慢しています」
「受験だから仕方ない」
保護者同士の同調圧力
子供より制度を守る空気
非効率な連絡・紙文化
「昔からこうなので」
つまり、
かつて反抗していた大人が、巨大なシステムの一部になっている現実
を突きつけられる。
すると眠っていた反骨精神が、
「そうだ、俺はこんな世界に納得できなくてギターを弾き始めたんだった」
となる。
これはかなり自然な心理です。
🎸ギターは楽器じゃない、逃げ道だった
昔のロック少年少女にとってギターは、
勉強ができなくても戦える武器
家庭や学校への反抗
社会への違和感の表明
自分の居場所
だった。
だから
「ギターを手に取った理由を思い出した」
という言葉は、
単に音楽を思い出したんじゃない。
「若い頃の怒りや理想、自分自身を思い出した」
という意味なんだと思う。
🤔でも、なぜ今の大人は怒らなくなったのか
面白いのは、
昔は怒りが
ロック
映画
漫画
デモ
起業
に変換されていた。
今は、
SNSで愚痴
炎上
他人叩き
冷笑
に変換されがち。
怒りの総量は減っていない。
出口が変わった。
だから、
「社会への怒り」を
「世界を変える」
に変換しようとするこの夫は、
実はかなり健全なんですよ。
🎸もし本当に世界を変えたいなら
ロックの時代は、
「社会を批判する人」がスターだった。
AI時代は、
「社会の問題を解決する人」
がスターになる。
例えば、
学校の連絡をAIで整理するサービス
保護者会議事録を自動要約するAI
進路相談AI
PTA業務自動化
こういうのは今後かなり需要があります。
「社会への怒り」を
プロダクト ↓ 事業 ↓ 社会変革
へ変えられる時代になった。
昔ならギター一本。
今ならノートPC一台。
武器が変わっただけです。
人間って不思議だ
若い頃、
「大人ってつまらない」
と思っていた人ほど、
子供ができて学校に行くと、
また世界に腹を立てる。
人は年を取って丸くなるんじゃない。
生活のために、怒りをしまい込むだけ。
だから時々、
保護者会とか同窓会とか、
何気ない出来事で、
昔の自分が急に扉を蹴破って出てくる。
保護者会で夫が覚醒した。社会への怒り、ギター、ロック魂、世界を変える、尾崎豊──だが和やかな懇親会だったので、40代が忘れていた反骨精神を思い出した話
夫が保護者会に行ったら「ギターを手に取った理由を思い出した」とLINEが来た。社会への怒り、ロック魂、尾崎豊、進路説明会、世界を変える──だが誰とも揉めてないので、逆に怖い話
なぜ保護者会でロック魂は蘇るのか。社会への怒り、ギター、尾崎豊、進路説明会、世界を変える──だが大人になった私たちは反抗する代わりに適応してきたので、少し切ない話
「世界を変える」保護者会帰りの夫が放った一言。社会への怒り、ギター、ロック魂、尾崎豊、子育て──だが敵は学校ではなく、自分がいつの間にか社会の一部になっていたという話
私は、この話で一番好きなのは、
夫が怒ったことでも、 ギターを思い出したことでもなく、
最後に妻が
「保護者の方々とは和やかに話せたそうで良かった」
と書いていること。
革命家の第一歩は案外、
世界を変えることじゃなく、
保護者会でちゃんと雑談して帰ってくることなのかもしれない。
……もっとも。
若い頃のロック少年からしたら、
「世界を変える」と言いながらPTAのLINEグループに入っている時点で、もう敗北なのかもしれないけど。🎸
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【前回までのあらすじ】
これまでは、社会の荒波に揉まれつつも「まぁ大人だしね」「これが世間ってやつよ」と、物分かりの良い市民のフリをしてスマートにやり過ごしてきた。日々のタイパやコスパ、ビジネストレンドを追いかけ、完全にシステムに取り込まれた従順な羊として、穏やかな平穏を享受していたはずであった。
保護者会という名のディストピアで、15の夜の残響を聞いた男のブルース
中学校の保護者会に、体調不良の妻の代理で出席したんですよ。アラフィフのこの私が。
ほら、あれですよ。プリントがギチギチに詰まったクリアファイル抱えて、パイプ椅子に背筋を伸ばして座って。
「進路指導の基本方針につきましてはー」っていう、あの厳かな空間。
どこまでも静謐な。
正直、ただの事務連絡だと思ってた。完全に高を括っていた。タピオカ飲むくらいイージーな気持ちで臨んでた。
かつて10代の頃、自分の部屋の壁にYUTAKA OZAKIのポスターを貼り、「支配からの卒業」を大音量で流しながら、夜の校舎の窓ガラスを割りに行く度胸もないくせに盗んだバイクで走り出す妄想に耽っていた、あの青い記憶を呼び覚まして。
私は、令和の時代に平穏を愛する、ただの「いいパパ」のはずだった。
だもんで、軽い足取りで教室のドアをガラガラと開けましたらば。
実に見事に、一糸乱れぬ空気感でマダムやパパ方が着席されておりまして。
「いやー、皆さん実にお行儀が良い。日本社会の縮図だわこれは」くらいにね、感心してたんですよ。背広の襟を正しながら。1ミリの違和感もなく。
校長先生が、昭和からタイムスリップしてきたかのような「前例踏襲」のセリフをのたまうまでは。
見たことあります?タイパ重視の令和の時代ですよ。
ChatGPTやらAI自動翻訳やらDX(デジタルトランスフォーメーション)やらが、世の中を爆速で変えている現代ですよ。手書きの紙資料を、1枚ずつ全読させている空間を。
しかもこれ、任意参加という名の、事実上の「同調圧力イベント」だから。
断れば「あの家はちょっと……」と、ママ友界隈の裏LINEグループで秒で査定されるやつ。
配布された進路希望調査票も「思ってたんとちゃう!」と脳内で絶叫したくなる仕様。
まず、フォーマット。デジタルじゃない。
この世の終わりかと思うほど、昭和臭の漂う藁半紙。
入力フォームでもない。手書き。
タイピングでもフリック入力でもない。
まごうことなき鉛筆書き。消しゴムで消すと破れるタイプの紙。
私のブラインドタッチで鍛えられた指先が虚空を掴んで震えてる。キーボードがないことへの拒絶反応。
周りの保護者の皆さんが、一言も発さずに黙々とペンを走らせる姿を見た瞬間に思いました。
うん、さすがにこのシステムは令和として無ぇわ。
これは教育界が仕掛けた、壮大なドッキリカメラなのかと。
懇親会のタイミングで、隣に座ったいかにも仕事ができそうな、タイパ至上主義っぽいきれいめのママさんに小声で聞きました。
「あの……なんで今時、全部紙で集計なんですかね?Googleフォームとか使えば一瞬なのに……」
「波風立てないのが一番ですよ。皆さん、伝統と我慢を美徳とされてますから」
どういう美徳?
誰が得するんだ どこで効率化するんだ
職員会議でこの非効率が承認された根拠は何なんだ
世界は狭いぜ 学校の教室
古い慣習が居座る牙城
理解できなくても従うルール
同調圧力の奥にある聖域
だから今日もまた我が子のために
波風立てずにハンコを捺す
「……これぞ日本の縮図?」 🎤🔥
その瞬間、私の脳内に、かつて就職活動の面接で「御社の古い体質をぶっ壊します!」と、当時の新進気鋭のITベンチャーの社長(のちの億り人)の前で大見栄を切った、あの若き日の尖った記憶がフラッシュバックしたわけです。なんかこの空間、当時の私が一番激しく中指を立てていた「巨大な思考停止システム」そのものじゃないかって。
そんでね、どうやら周囲の会話に聞き耳を立てていると。
この保護者会という場所、露骨に「事なかれ主義」という名の、無言の監視社会があるんですよ。
まずもって、この進路説明会の本質っていうのは、ほぼ「偏差値至上主義」の独占市場。
私がかつて軽蔑していた、数字で人間を輪切りにする大人の論理、あれがそのまま健在。
群れを成す進路データの中、わずかに「個性を伸ばす」とか書いてあるパンフレットがある。
ついては、私個人の感覚ですが、そんな綺麗事は最初の5分だけで、あとは全部「確実な合格ライン」の話。
続いて、内申点。出席日数とか、提出物の期限とか。
要するに、システムにどれだけ従順に適応できているか、が査定されてる。理由は言わずもがな。
どうせならトラブルを起こさない扱いやすい生徒を上の学校に送り出したい、ってなるじゃないですか。
学校のブランドや実績を維持したい、運営側ならなおさら。
「前例のない挑戦」をする生徒より、「確実に枠に収まる子」の方が圧倒的に愛される。
次いで、PTAの役員決め、ベルマーク集め、地域の見守り活動。
この辺になってくると、もう完全に無償の労働搾取。
その中でも「進路説明会」なんて、親の不安を煽る一等賞のインテリジェンス・トラップですよ。
絶対、子供の未来の幸福度を最優先に考えて設計されたシステムじゃないんですよ。
「こうしておけば親も文句言えないし、文科省のガイドライン通りだし」的な、保身の防波堤ですよ。
組織の自己防衛のために生み出された、巨大なマシーンの歯車に、今まさに自分が組み込まれようとしている。
かつて私が「あんなつまらない大人には絶対にならない」と誓った、あの10代の自分の冷ややかな視線がね、もう、脳内をリフレインしましたよね。
社会のシステムが憎い。自分が……圧倒的な既得権益側の大人にさえなっていれば、この理不尽なシステムを裏から牛耳れたのに……!
私だって……!
私だって……!!
もっと堂々と学校のDX化を直訴できたのに……!!
まぁ、騙されたと思って、周りの保護者の空気に合わせて微笑んでみたんですよ。
うん。魂が削られた。わかってた。
全然、心地よくない。居心地が悪いったらありゃしない。
マインドフルネスなんて、1ミリも機能しない。
「異議あり!って言いたいな。おっ、誰か言わないかな……誰も言わない。……マジで!?」
みたいな心の叫びが、最新のノイキャンイヤホンを突き抜けるほどの爆音で響き渡る。
もうね。この場で「Slack導入しませんか?」ってプレゼンした方が、まだ日本の生産性を上げるビジネスモデルとして勝機が見える。思考停止の現状維持、狂ってる。
でも、私の中の尾崎豊や、往年のロックスターたちが、耳元で囁いてくるわけ。牙を抜かれるなと。牙をむけと。心の中のリトル・ロックンローラーが叫んでると。
お前は支配からの卒業を歌う、伝説のフロントマンに、絶対になれると……あの時、大学のサークル棟の裏で、留年が確定した先輩が、自販機の100円の缶コーヒーを奢ってくれながら言ってたんだ。
「お前は、この腐った社会に一石を投じるレジスタンスの器や」って。
なんなら、現代のSNSの冷笑主義に対抗して「リアルな怒りと情熱の二刀流」でいけるって、先輩は赤点だらけの通知表を握りしめながら大真面目な顔してたからな。
その後、保護者会が終わり、帰路につく道すがら。
持てるリテラシーのすべてを動員しまして。
このモヤモヤの正体を模索しまして。
血の滲むような自己分析の末に。
大人の知性を結集しまして。
全力で妻へのLINEの文章を推敲したわけです。
現代のロジカルシンキングも驚く、感情の言語化を試みたわけです。
そこまで!そこまで青臭い怒りと哲学を、たかが保護者会の感想LINEに詰め込んだんか!!
もはや連絡網の域を通り越して、全米が泣いた革新的ロックフェスの宣言文の域に達しとるがな!
ただの学校行事の報告から始まったはずなのに、いつの間にか現代社会の構造欠陥を糾弾する一大マニフェストに大化けしとる…!
それだけ熱量を注ぎ込んだお前の「魂の叫びのLINE」、めちゃくちゃ気になるわ。
進化したレジスタンス: スマホを握る指先が怒りで震えている
送信ボタンを押すポーズ: 骨肉の工夫により、まるでギタリストがソロを弾き終えたかのような角度で静止している
秘密の特訓: 誰も傷つけずに社会への怒りだけを140文字に凝縮する、ジャストインタイムな文章生成システムを脳内に開発した
一体、その大人の知性を結集して具体的にどんな爆弾発言を妻に送りつけてしまったのか、その全貌を俺に教えてくれ!
(具体的な改善の手法、というか脳内カイゼン)
まず、この「社会への怒り」をただの愚痴として消費しないよう、ビジネスのフレームワークに落とし込んだ。
学校の連絡網が紙ベースなのは、インフラの不備ではなく「変化を拒む人間の心理(現状維持バイアス)」が原因であると看破した。
あと、怒りのエネルギーの変換。
かつてはギターの弦をかき鳴らすことでしか表現できなかったこの衝動を、現代の武器、すなわち「DX(デジタルトランスフォーメーション)による課題解決」という、圧倒的に大人なアプローチに変えるべきだと気付いた。
少年野球の引率や、PTAの連絡業務を自動化するSaaS(サース)のビジネスモデルを脳内で構築してからの私は、すごかった。
懇親会の茶話会で、お茶菓子を配りながらも、頭の中では「保護者会業務自動化による年間数百万時間の創出」という、日本経済への貢献度をソロバンで弾く蝶だった。
最終的には、脳内のX(旧Twitter)で
「【悲報】ワイ将、保護者会でシステムの一部になっている自分に絶望し、ロック魂が完全覚醒」とトレンド入りするレベルの脳内お祭りを開催し、一人で数十ページの脳内企画書を書き上げた。
そんなこんなで。
私は歴代で最も、保護者会という名の平穏な空間から、クリエイティブな怒りを抽出した男になったわけです。
帰り際、校門の前で、私と完全に同じ「死んだ魚の目」をしながらも、スマートに高級外車に乗り込んで去っていった、タワマン在住風のパパ友の「お前もか」という無言のアイコンタクトだけは忘れない。
そういうわけで、保護者会はただの学校行事ではなく、大人が忘れていた「反骨精神」という名のギターを、再びノートPCに持ち替えて社会に変革を起こすための、最高のイノベーションの着火点だった、という話でした。
【次回の予告】
次回、覚醒したアラフィフは、PTAのLINEグループという「新たな戦場」に身を投じる。そこは、既読スルーの心理戦と、スタンプ1つで陣地を奪い合う、血で血を洗う戦場であった。「前例がない」という最強の盾を持つマダムたちに対し、男は「業務効率化による可処分時間の拡大」というロジカルな剣で挑む。果たして、彼は社会を変えるファーストペンギンになれるのか、それともただの「意識高い系の面倒くさいパパ」としてブロックされるのか。次号、乞うご期待。

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