海馬がロバだった件
ボクには2歳上の姉がいる。
姉は昔から頭がよく学級委員長とかするタイプの人だった。
年始にその姉夫婦が東京から帰省してきたので、数年ぶりに父と姉とで集まることになった。
机を囲んで座り
新年の挨拶を済ませたころ
おもむろに、父が思い出話をはじめた。
父『おまえら、ちっちゃい頃よー行ってた串焼き屋覚えてるかー?』
ボク『あっ・・・・』
姉『あっー!その店ー!花屋の隣にあったとこやろ。んで、その店がどーしたん?』
とか
父『京都に行った時、金なくてボッロボロの旅館泊まったん覚えてるか?』
ボク『あっ・・・・』
姉『あっー!その旅館ー!意外とご飯美味しかったとこやん。んで、ウチら姉弟うるさくて隣の部屋からクレームきたんやろ?』
とか
父の投げる、思い出ストレートに対し
イチローばりに快音響かせ安打を量産する姉。
それに対しボクは
幼少期の思い出がアダルトビデオに映る局部程度に、ぼんやり見えるだけ。
姉は完全無修正。
なんとか会話に追いつこうと
海馬に武豊を乗せ、脳内を全速力で駆け巡らせても途中で落馬する。
だめだ。
思い出せそうで思い出せない。
そう。
あの感覚に近い。
スーパーに買い物に来てから起こる
『あー、そういえば冷蔵庫のケチャップって、まだ残ってたっけ?』みたいな感覚。
なぜだ。
なぜこんなにも記憶がないんだ。
夢詰め込んでもないのに頭からっぽなんだ。
摩訶不思議。
おかあさん。
頭が良くなるようにと、あなたに食べさせられた魚の目玉は一体いつ効果がでるんでしょうか。
