制服とハンバーガー|ショートショート
トクトクトクトクトクトク…
憧れの佐野先輩が目の前に座っている。
胸の鼓動が店中に鳴り響いていると思った。
部活が終わって、部員みんなで近くのハンバーガーショップに来ていたすずは、気がついたら佐野先輩と向かい合わせの席だった。
すずが佐野先輩に片想いしているのを知っていたカコとアミが、他の先輩たちの隙間にうまく滑り込み、すずを1人で座らせたのだ。
佐野先輩は「空いていた」からと、すずの前にドサっと座る。
何とも思われていないけれど、嬉しい。
どうやって椅子に座っているのか
分からないくらい緊張でいっぱいだけど、
嬉しい。
先輩は3年だから、
遅くとも秋には引退してしまう。
早ければ、夏の大会が終わればすぐに。
まだ5月だけど、
1年のすずは指折り数えてしまうのだ。
あと何日、先輩は部活に来るんだろう。
「飲まへんのか?」
先輩が、すずのオレンジドリンクに指をさす。
反射的に頷くと「貰うで」と、先輩がストローに口をつけた。
あ、飲み…かけなのに…
(410文字)
◇おしまい◇
読んで頂いて、おおきにでした!
今、10月やのに5月の話して。
と思ったんですけど、勇敢なヘラジカさんのセブンティーアイスの制服のくだりにインスパイアされて書きました。
▽続編はこちらです▽
ほなほな、まった明日〜♪
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