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江國香織に猟銃で撃ち抜かれたような衝撃を与えられたのち、チェレンコフの眠りに肩透かしをくらう〜2月に読んだもの見たもの〜

1月に続き、2月に読んだもの見たものをまとめます。
バタバタしていたので少なめですが、そんな中で久々に読んだ江國香織がとんでもなく良かったのでこれ1冊で10冊分の満足感(?)があったのでヨシ!

前回は全てにあらすじを引用記載していたのですが、今回は必要に応じての記載に変更してみました。


📚️読んだもの

・ひとりでカラカサさしてゆく|江國香織

大晦日の夜、ホテルに集った八十代の三人。彼らは思い出話に耽り、それから、猟銃で命を絶った。一体なぜ――? 突拍子もない死をきっかけに、遺された家族や友人たちの日常や記憶が交ざり合う。人生に訪れる喪失と誇るべき終焉、そして前進を描く、胸に迫る物語。

私にとって初めての江國香織は、中学生時分に読んだ『冷静と情熱のあいだ』。以降ずっと好きで読んできたけど、何が好きなのかがよくわからなくて、ふわふわなわたがしみたいなのに湿っぽい文章と、あまりに物語的なのに「その辺にいる人の人生を切り取りました」然としている感じかなとぼんやり思っていた。

で、今回久々にこちらの作品を読んで、あらすじも内容も結末も抜きにして、普通にマジで文章がうまい。あまりにも短い最低限の文章で、あらゆる人物の心象と風景描写がおこなわれている。そして、日本語がぶっこわれていない。まるで言葉数少ないのに多弁なドキュメンタリー映像のよう。

『神様のボート』と『がらくた』が特に好きな江國作品だったのですが、本作は今までとは違う方向性の作品なので、また別のランキングで1位にしたい。令和以前と令和以降のランキングということにするか?悩ましい・・・
内容についてはまた別途書きたいと思います。


・チェレンコフの眠り|一條次郎

「字が読めるのが、そんなに重要なわけ? 世界は文字に書けないことでいっぱいなんじゃないのか?」
ヒョウアザラシのヒョーは、荒廃した世界を漂流する。愛おしいほどの不条理に満ちた旅の物語。
猫のまたぐらよりも暑い夏の日の午後、ヒョウアザラシのヒョーの飼い主、悪名高いマフィアのボス、シベリアーリョ・ヘヘヘノヴィチ・チェレンコフは、私邸〈生命線プラザ〉を襲撃した武装警官隊の一斉射撃で永遠の眠りについた。その日はヒョーの誕生日パーティーのはずだった。独り残されたヒョーは、空腹に耐えかね、誕生日プレゼントでもらった全自動「アザラシ専用」ゴルフカートに乗り込み、あてどなく荒廃した外の世界に飛び出す。ヒョーのつぶらな黒い瞳に映る、汚染された土地、プラスチックの雨、肥大した三葉虫やオウムガイ……そして奇妙な人々。唯一無二の読後感、ユーモアと悲哀に満ち溢れた、不条理で美しい、旅の物語。

文庫本の帯に江國香織が「なんてチャーミングな一冊」とコメントを寄せていたので事前情報はないままひょいと手にとった。以前、江國香織が「私は書評に対しては絶対に嘘がつけない」と書いていたのを思い出す。

で、読んでみる。あらすじだけを見るに、星新一的なものなのかSF的なものなのかと想像しながら読み進める。うーん、なんというか緩慢で退廃的?

環境問題や原発問題を寓話的に批判したいのかと思ったけど(あとがきでもこのあたりに言及されていた)、とくに強い主張はなく物語の中の背景の一部に過ぎないみたい。であればこの物語はなんなのか?学びやオチを寄越せとは言わないものの、ただ無秩序な話が続いて終わった。たしかに江國香織の書評は嘘は言っていなかったけど、私好みではなかったな。


・魔入りました!入間くん 41|西 修

最初はハリーポッターみたいなものかと思って読み始めた入間くんも41巻まで来ている。そして全然ハリーポッターではなく、今どき最強ポリコレ漫画である(褒めてる)。ちなみにハリーポッターなのは集英社の『マッシュル-MASHLE-』の方。

すごく雑にまとめると、本巻では「弱小部族の統率を命じられるものの、いつのまにか弱小部族の自立を促すために奔走している」というもので、まあなんと、なるほどな、である。「今どきの漫画ね」とか「作者が女性だからね」とかいろいろ言えるけど、これを面白いストーリーにして漫画におこすって凄い熱量であるし、このスピード感(少年漫画としてはストーリー展開が少し遅い気がする)で連載を継続したチャンピオンもすごいよな。そしてこれと並行して週刊少年ジャンプのほうで原作書いてるのすごいな?


・ワールドトリガー 28|葦原大介

社会人のおじさんたちが「ワートリの28巻最高」と言っていたのでこの巻だけ単独で読んでみた。なるほどこれはお仕事マネジメント漫画。管理職の苦悩よ・・・。リリエンタールを書いていたとは思えぬ管理職向け漫画になっていた。


・殉国のアルファ~オメガ・ベルサイユ~ (7)|嶋木あこ

α、β、Ωの3つの性が存在する18世紀フランス パリ。
αの国王・ルイと、Ωの少女・フランは仇と復讐者でありながら“運命の番として本能的に惹かれ合う――。

傷を瞬く間に治す町医者のニコラと出会ったルイは、満月に照らされ赤く染まった瞳を見て、同じαだと勘付く。
赤い瞳に伴う能力は、いずれ記憶が消えていく病気だと明かしたニコラ。
さらにルイは、国の危機が訪れた時に、その病の者が多く出現することを知る。
ロベスピエールとフランが結ばれ、危機は回避されているはずなのに、ルイは胸騒ぎを感じて──。

一方、ロベスピエールに病気の魔の手が迫り、激しい頭痛で倒れてしまう。
運命の番が治療の鍵だと知ったフランは、再びロベスピエールと番になろうとするけど…?
そして、フェルゼンとの子を身籠ったマリーは、ついに出産を迎えて──!?
フランス革命を巡る運命が再び大きく動き出す!!

愛と陰謀が渦巻く壮麗ファンタジー!!

ある意味イロモノであるアルファオメガ設定を、個人の二次創作ではなく、いち出版社の少女漫画として扱うとどうなるのだろうかと思って読み始めた本作もいつの間にやら7巻まで出ている。

で、少女漫画としてオメガバースを扱うとどうなるか。普通に面白い。というか、『月下の君』で豪快に源氏物語を調理した嶋木あこ先生だからというほうが正しいのかも?しかも今回はベルサイユ宮殿が舞台でオメガバース設定というフレンチと中華の掛け合わせみたいな(伝われ)てんこ盛りなんですが、まあしっかりストーリーと予想外の展開があってすごい。漫画というか映画っぽい。ドラマじゃなくて映画。

もちろん画も上手いけど、こういう原作をたくさん書くことに徹してくれたら読者はもっと面白い作品がたくさん読めるとか・・・ある?


・トリリオンゲーム(10)|池上遼一 、 稲垣理一郎

実写よりコミック派なので毎度新刊を楽しみにしている。リーチロー先生と池上先生がタッグを組んで面白くないはずがない。

で、ストーリーの方は、成功した未来と現在が交互に来るので、久々に読むと時系列がわからなくなる。しかし面白い。毎回巻頭で未来の話が来るということは、何話おきに未来の話を挟む計算をしながら原作を書いてるってことだよなあ。


・本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部 「本のためなら巫女になる!12」 本好きの下剋上 第二部|鈴華、香月美夜、椎名優

なんとなく知っていたし、なんとなく深夜アニメを見かけたこともあったけど、コミカライズ第1部完結後、第2〜第3部を同時連載していたのは知らなかった・・・!2部から順にコミカライズをしていると完結まで約30年かかるかららしい。

スターウォーズもびっくり(?)の「原作を読むか、コミックだけで根性でついてこい」スタイル。私は原作未読で根性でついていくほうを選び、よくわからないまま走り続けている。


👀見たもの

・グランメゾン東京

映画のほうじゃなくてドラマの方を見返すなど。改めて見ると、gaku(ライバル店)のシェフ役の尾上菊之助さんの表現の旨さよ〜〜〜となった。あの女々しい感じ(褒めてる)、男気を発揮するけどやっぱり女々しい感じ(褒めてる)。


おわりに

気づいたら3月の1/3過ぎてしまっていたので、来月はもう少し早く書きたい。

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