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【松下幸之助に学ぶ 子育ての極意】  「親自身が人生観を持つ」(P 40)


中学受験ママコーチ 美月ゆりです。

今回の「松下幸之助に学ぶ 子育ての極意」は、松下氏の書籍「親として大切なこと」P 40です。

ここでは、松下氏の「親のあり方」に関する考えが述べられています。

「ああしなさい」「こうしてはいけない」としつけること以上に大切なこと、それは親自身が1つの人生観・世界観をしっかり持つことです。


■「親になる」のは易しいが、「親である」ことは難しい。

生物上、プロセスを踏み、諸条件が揃い、無事出産の運びとなれば、人は「親」になれます。ですが、生んで終わりではなく、出産はスタート。人間が一人前の立派な人間として成長していくためには、生まれてから大人になるまでに、「人間として大切なこと」を、しっかりしつけられ教えられるということがどうしても必要です。
そしてそれは脳の発達段階と深く関係しています。

一般的に、脳の成長は3歳までに80%、6歳までに90%にも達すると言われています。
「三つ子の魂百まで」という諺もあります。三つ子とは3歳の子どものことで、「3歳ごろまでに形成された性格は100歳まで変わらない」という意味です。脳の発達度から見ても、その人の土台となる性格や思考パターンのほとんどは、3歳ごろまでに形成されると言っても過言ではありません。
それが転じて現代では「3歳児神話」として「子どもが3歳になるまでは母親が家にいて子育てに専念するべき」といった意味で語られることが多く、仕事復帰を考えるお母様を悩ませてもいます。実際には、ただ一緒にいるよりも、「一緒にいる時間をどう過ごしたか」の方が重要なので、この諺について私は、「脳の成長」という観点で捉えるといいと考えています。

子どもは社会の財産です。
つまり子ども達に対する方向づけというものは、広くは、その時々に生きる大人全体が果たすべき役割であり、社会で育てることといえます。
ですが直接的にはやはり、日々子供に接している親が、子どもに対するしつけ、教育と言う形で一番大きな責任を担っているといえましょう。親である限りはこの責任をどうしても果たしていかなければなりません。

それが最初の、松下氏の

「親になる」のは易しいが、「親である」ことは難しい。

に表れています。子どものうちに人間としての正しい方向づけがなされる必要がある、ということですね。
あの松下氏ですら、「これがなかなか難しい。」とおっしゃっています。


■松下氏がしつけ、教育について「1つ極めて大事」と考えていたこと

松下氏は一人の父親としては、事業なり仕事に専心した結果、子どものしつけ、教育についてはすべて奥様に任せきりでした。
ですが、「父の愛」とは働いて家族を養うこと。十分に家族に対して愛を注ぎ、また経営者として事業と社員に愛を注いでおられたからこそ、社会で成功されました。
社会でもしつけ・教育を果たされた松下氏が、とりわけ大事と考えていらしたのが、

親自身が1つの人生観なり社会観というものをしっかり持つということ。

親が自分の生きていく軸として、これまでの経験から学んだことでも、尊敬する人からの言葉でもなんでもいいと思います。人生観、社会観として「子どもに伝えたいこと」が大元にあって、細かな注意はその枝葉に過ぎません。
そして、自分の人生観、社会観を認識し、それをご夫婦で話し合う時間を取っていらっしゃいますか?
育ってきた環境やこれまでの経験から、子どもに伝えたいことに、夫婦といえどもズレはあります。下手をすれば真逆かもしれません。そうなると子どもは混乱しますし、夫婦仲も険悪になりかねません。
夫婦で共有し、お互いに歩み寄り、ベストを模索して子どもに伝える。それが子育ての軸となり、それを持つことが、お子様の能力をスムーズに引き出すことにもつながります。

また、江戸時代の子どもの養育法として伝わっている言葉に、
「三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で末決まる」
(みつこころ、むつしつけ、ここのつことば、じゅうにふみ、じゅうごことわりで すえきまる)というものがあります。

・三つ心(みつこころ)=三歳までに「心」を育む
「自分が家族や周囲の人々から大切にされている」という安心感が、生きていく強さを持った心の土台を育みます。子どもを抱きしめ、愛情を持って接し、美しいものや自然を見せ、みずみずしい感性に訴える。正しく手本を見せ、見よう見まねで子どもに覚えさせていく。
五感から脳に刺激を与え、回路を増やしていく時期です。

・六つ躾(むつしつけ)=何度も何度も繰り返しが重要
六歳までに、日常生活のしぐさ・作法の基本を身につけさせるために何度も何度も出来るまで繰り返し行う。「鉄は熱いうちに打て」と諺にあるように、この時期の子どもに「躾」という、相手を思いやるやさしさと身のこなしをしっかり身につけさせます。
脳の柔らかい時期だからこそ、何度も繰り返すことでこれより後の年齢でやるよりも身につけやすいです。また、何度も同じことを繰り返すことで、脳の回路もしっかりと開発されます。
将来かしこい人になるかどうかは、この時期までにしっかりと働く脳をつくることが、実はとても大切なのです。

・九つ言葉(ここのつことば)=他人への気配りの心
九歳までに、どんな人にも失礼にならない挨拶や、他人への口の利き方を教えます。
また、自分の言葉で話ができるようにするには、親がいろいろと話しかけ、会話を通して語彙を増やし、言葉の使い方を学ばせていきます。
「どんな言葉を使うか」がとても大切です。

・十二文(じゅうにふみ)=きちんと中身が伝えられる文章を書く
十二歳までに、文字を自在にあやつり、きちんと中身が伝えられる文章を書けるようにします。
「親に何があっても直ぐに跡を継げるように一家の主の代わりに手紙を書けるようにしておく」とのことですが、現代では中学受験の時期。逆に親主導のお子様もまだ多そうです。
江戸時代、注文書や請求書、苦情処理の弁解書もまがりなりにも書けるよう鍛えていたということは、実用的な書類の作成から、相当の作文力まで求めていたことになりますね。このことからも、我が子に「社会に適応する力があるかどうか」という視点を、この時期から少しずつ持つ必要があるということですね。

・十五理(じゅうごことわり)=知識を実践に活かす
「十五理」とは、経済、物理、科学などの森羅万象の自然の原理を暗記でなく実感として理解できるようになること。物事の本質を見抜く力や、そのために知識を活かして解決する力が問われる、ということですね。

これは江戸時代の教育方針ですが、先人の知恵と本質は現代にも通じるものがあります。その点では、これも1つの目安、軸として使えると思います。
3歳・6歳の「心と躾」は主として家庭教育で、9・12・15歳の「言葉・文・道理」は今でいう学校教育(義務教育)の節目ですね。

そして重要なのは、年齢だけでなく、この順番だと私は考えています。

心→躾→言葉→文章→理

土台は「心」であり、心が育ってからしつけや学問、ということですね。

■子どもに対する無言の教育

前述の江戸時代の教育方針は、「末決まる」という言葉でまとめられています。子どもが自立できるかどうかは、それまでの親の関わり方によるところが大きいと見ていたことがわかります。
松下氏はこの言葉をもとにおっしゃったのかどうかはわかりませんが、自身の生い立ちと、経営者として多くの人を見る中で、子育てで果たすべき親の責任について、思いを馳せておられたように感じます。
「人は言葉ではなく、背中を見て育つ」ことがわかっていらっしゃるからこそ、親に何らかの人生観、社会観があれば、それが信念となって知らず知らずのうちに親の言動に現れる。そしてそれが子どもに対する無言の教育になっていく、「背中で教育する」のが大事、と考えておられました。

そういうもの(人生観、社会観)を持たずして、いくら口先だけで「ああしなさい」「こうしなさい」と言ったとしても、それは、何も言わないよりはいいにしても、十分な効果があるかどうかは疑問だと言う感じがするのです。

私たちはつい、直接的に子どもに「こうしなさい」「こうしたらいけない」と教えたり助けたりします。たしかにそれも大切ではあるのですが、それはあくまで親もできていることが前提、です。
それはそこに自分の信念があるかどうか。信念があれば、日頃から自然とできますよね。
親ができていなければ説得力に欠け、お子様が成長してそのことに気づき始めれば、信頼も失われてしまいます。いつどんな時でも「背中で語れるか」「見本となっているか」を、意識しておくことはとても大切です。


■まとめ

松下氏は「企業経営において経営者たるもの、立派な教えを説いて聞かせることも大事だが、それ以上に自ら身をもって実践することが大切だ」と説いておられたそうです。「背中で教育する」をご自身もしっかり徹底なさっていたことがわかります。
また、前述の「三つ心」の部分には、「子どもは親の言うとおりにはならない、親のしたとおりになる」とあるそうです。これも松下氏の「背中で教育する」に通じますね。

人の深層意識は深い部分で繋がっています。特に幼い子供と母親は、その繋がりが濃く、親の本心を感じ取ります。つまり、口先の言葉よりも、信念として心にあるかどうか、を受け取ります。
実は「さげ母・コミュニケーション」を変えるときも、お子様やご主人の問題と感じる行動を自分に返し、深層意識において信じ込みを変えていきます。それによってこちらの意識と行動が変わり、それが相手に映し出されることで問題が解決します。

「あげ母・さげ母コミュニケーション」を知ると、自分を深く知ることになり、人生に深みが増します。その変化がお子様にも伝わり、物事に対する姿勢や意識が変化するので、お子様のパフォーマンスも上がり、能力も伸びはじめます。あなた自身への理解を深めながら、一緒にお子様の能力を伸ばしていきませんか?
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