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【MYOG #2】 “100均の固形燃料”からシフトした理由。

内輪話ですが、かつて週に1~2回ペースで山に行っていた頃は、100円ショップの固形燃料でお湯を沸かすのが最もコスパが良い選択でした。
しかし、忙しくなって山に行く頻度が落ちると、ある問題が浮上します。あの青い固形燃料、放置しておくと気化して劣化(収縮)してしまうんですよね。ちょっとでも劣化すると燃料計算が狂ってしまい、山での計算がややこしくなります。 さらに、成分が環境や人体に有害なメタノール100%であることも、徐々に気になるようになってきました。

そんな時に日本で発売されたのが、
固形燃料「FireDragon[ファイヤードラゴン]」でした。

  • メリット: 個包装なので長期保管でも長持ち。植物由来で無臭、クッカー内に入れても素手で触っても安心。

  • デメリット: なにぶんお値段が高く、気軽には使いづらい。

さらに、火力が強すぎて私の愛用するエバニュー400FDだと炎がクッカーの底から飛び出してしまうのです。(個人的にはエバニュー570FDくらいの底の広さがジャストサイズだと思っています)。また、FireDragonは「火がつくと液化する」という性質があり、

「液体になるなら、最初からアルコールで良くないか……?」

そう思い始めました。ただ、一般的な燃料用アルコール[メタノール]は避けたい。かといって、植物由来のバイオエタノールはコスパが今ひとつ。


行き着いた最適解は「消毒用エタノール」

コスパと安全面を徹底的に調べた結果、現在の最適解として行き着いたのが「消毒用エタノール」です。エタノール濃度が80%程度なので、無水エタノールに比べると火力は劣りますが、安全面を第一に考えました。そして何より、怪我をした時の傷口の消毒・殺菌にも使える。これぞUL(ウルトラライト)の基本思想である「一石二鳥(マルチユース)」です。火力が控えめとはいえ、ちゃんとお湯は沸きます。

こうして、現在の私のクッカーセットは【アルコールストーブ + 消毒用エタノール】が基本となり、FireDragonはエマージェンシー用の予備として常備するスタイルに落ち着きました。

左:消毒用エタノール/右:FireDragon


【本題】試行錯誤して行き着いた構造

前置きが長くなりましたが、ここからが本題です! この考えと仕様をもとに自作したのが、こちらの「カーボンフェルト(CF)を使ったアルコールストーブ」です。

よくある自作CFストーブのように、ケースにフェルトをただ敷き詰めるだけだと、私の使う「消毒用エタノール」では火力が物足りず、予想以上に燃料を消費してしまいました。そこで、色々と考えながら形にしてみました。

  1. 「中央の芯」で火力をアップ フェルトを平らに敷き詰めるのではなく、中心に高さのある「芯」を作りました。これによりクッカーとの距離を近づけています。

  2. 段階的な燃焼を狙った設計 芯の周りは少し凹ませて、火が広がりながら上るようにしてみました。アルコールの染み込み具合によって「強火・中火・弱火」と段階的に変化してくれたらな、という狙いです(実際の燃焼時は全体が燃えているので、イメージ通りにいっているかはちょっと自信がないですが……笑)。 ただ、ベタ敷きの時よりも燃料消費は少なくなり、沸騰までの時間も短縮できたので、フェルトを縦にするアプローチは間違っていなかったようです。

  3. 予備燃料(FireDragon)にも対応するハイブリッド仕様 もしアルコールが切れて予備のFireDragonを使う場合は、中央の「芯」を取り外して使用します。FireDragonの強い炎を、ケースに残った周りのカーボンフェルトが適度に吸い上げて、火力をコントロールしてくれるのです。これにより、400FDのクッカーでも炎が飛び出すことなく安全に使えるようになりました。

ファイヤードラゴンはあくまで予備なので出番は少なくなりました。
これはCanDoで買ったクリームケース


100均ケースに収まる「チープさ」がお気に入り

このストーブ、ちゃんと100円ショップのアルミケースに収まる仕様です。収納時は中央の芯を横に倒せば、綺麗に蓋が閉まります。
重量は実測12g。 もっと軽いケースを探せば数グラムの軽量化はできそうですが、この絶妙なチープさとガジェット感が気に入っているので、当分はこの相棒と山へ行こうと思います。

もっと軽いCFストーブはあるけど、これでも十分軽い方だ。


スペックよりも、ゆったり流れる時間を楽しむ

一応、燃料と燃焼時間は検証しています。ただ、私自身はそこにあえてこだわりを持っていません。

ガレージブランドの商品などでは基本情報として書かれていますが、アルコールの濃度やその日の気温、場所によっても結果は変わるもの。

何より、CFストーブは構造上どうしても「トロ火(弱火)」になります。そんなストーブに対して、「どれだけ早く沸くか」を気にするのは少しナンセンスですよね。

「早く沸かせたいなら、ガスバーナーや普通のアルストを使えばいい」

そう割り切って、時間を気にせず、のんびりゆっくりとお湯が沸く時間を楽しむ。そんな心の余裕をくれるのが、このストーブの良いところだと思っています。


[ 筆者について ]
本職はグラフィックデザイナー。独立10年目の節目に、山と街の境界線をなくすULギアブランド【337 UL】を立ち上げ準備中。Instagram(@337.ulでも日々の様子や写真を少しずつ投稿していきます。記事への「スキ」や「フォロー」で応援していただけると励みになります!

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