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hukugyouotaku
サンタ酸 #毎週ショートショートnote
クリスマス飾りが目立つ街の夕暮れ。営業所に戻る凌の足取りは重かった。
デスクで項垂れていると、何かが机に置かれた。派手な模様が入った蓋付きの缶だ。顔を上げると、同期で最近付き合い始めたばかりのリナが立っていた。
「これ、この間のフィンランド旅行で買った「サンタ酸」っていう栄養食品。美味しくないから凌にあげる」
「え…?」
「美味しくない。でも一日一粒食べると元気が出る」リナはそう言うと足早に帰っていった。
商談は年内に纏めよとお達しがあり、凌は一層多忙になった。夕方、ぐったりしてオフィスに戻ると「サンタ酸」を一粒。すると少し元気が出て次の日も頑張る事ができた。
仕事納め目前の12月24日、ようやく契約が取れた。上司と笑顔で握手。自席でいつものサンタ酸に手を伸ばす。すると缶の底のメモ紙に気づいた。そこには見覚えのある字でリナのメッセージ。
「凌、メリークリスマス。それとコレ、実はただのキャンディなの」
(410文字)
たらはかに様の企画に参加させて頂きます。クリスマスキャロルなんて聴こえてこない田舎町では、これくらいが精一杯ですね。
