お前は何も分かってない。【日記】
私は昨日、実家に帰省していた。
そう、お盆休みだ。
夕飯の準備中、母からミッションを与えられた。
それは『大根おろし』を作ること。
私は皮の剥かれた大根1/3と、おろし金、受け皿を渡された。
おろし金はプラスチック製で裏表どちらの穴にもトゲトゲが付いている。
私は母に尋ねた。
「これって裏表違うと?」
母は言った。
「お父さんはね、裏表で違うって言うとけど、なーんも変わらんとさ、どっちも一緒やけん、気にせんでよか」と笑っている。
(訳:お父さんは裏表で違うと言うけど、何も変わらない、どっちも同じだから気にしなくていい)
私は母の言葉を「そうなんだ」と受け流して、必要物品を持ち、父のいるテレビのある部屋へ行った。
父の隣で大根おろしをセッティングする。
いざ、尋常に。
私はテレビを聞きながら無心で大根をおろし始めた。
すると、父が言った。
「なーんしよっとな!素手で大根ば持つな!」
(訳:何してるんだ!素手で大根を持つな!)
私は、その注意の意味が理解できなかった。
大根を素手で持って何がいけないのか。
「なんで?」私は訊いた。
父は真剣な表情で私を見た。
「人の手の温もりで大根に臭いの着くとど!」
(訳:人の手の温もりで大根に臭いが着くんだぞ!)

私は思い出した。
そうだ、昨日、父が言っていた。
あれは、テレビでおにぎり🍙の特集があった時だ。
『もう今は素手は良くなかけんねぇ。握る人の臭いの着くけん、素手で握らんで手袋とかばした方がよか。もう食べたら、すぐ分かっとど』
(訳:今は素手は良くないからな。握る人の臭いが着くから、素手ではなく手袋をした方がいい。食べたら、すぐ分かるんだぞ)
『いや、父よ、あなた昔、残ったご飯🍚を素手✋で握って、できた爆弾おにぎり💣🍙を私達に無理やり食べさせてたやないかい』
私は思わず脳内でツッコんだ。
あんなに昭和人間だった父が、いつの間にか令和に染まっていた。そんな父の謎のこだわり。
記憶に新しい出来事だったから、その事を私は覚えていた。
「別に大根おろしくらい大丈夫やろ」
「なんば言いよっとか。ラップばせろ」
(訳:何を言ってるんだ。ラップをしなさい)
私は渋々持つところにラップを巻いた。

ラップには人の気持ちを鎮める効果が
あるのかもしれない。(#知らんけど)
改めて、いざ尋常に。
するとまた父が言った。
「裏表は分かっとっとか」
(訳:裏と表は分かっているのか)
私はまた手を止めた。
「今度は何。裏も表も一緒じゃなかと」
(訳:今度は何。裏も表も一緒じゃないの)
「粗か方のあっじゃろ。そがんとも分からんとな」
(訳:粗い方があるだろ。そんなのも分からないのか)
私はおろし金の裏表を触った。
微かに感じる凹凸の違い。
「あぁ、あるね。でもそんな変わらんやろ、どっちでも」

そんなのどっちも大差ないでしょ)
私は今までと同じ面で、また大根をおろし始めた。
すると、父が大声で詰め寄ってきた。
「なーんば言うか!お前はなーんも分かっとらん。1万円と2万円ば、お前は同じって言うとか!?」
(訳:なんて事を言うんだ。お前は何も分かってない。1万円と2万円を、お前は同じと言うのか!?)
「マジなんのはなし?」
(訳:なんのはなしですか)
言ってしまったー!とうとうあの例の言葉を言ってしまった🫢
さすがだ、恐るべし、父!🙄

おろし金の裏表は1万と2万の価値くらい違う!
意味不明、そんなに変わらないって!
いーや!全然違う!
こうして父とやり合った挙句、私は聞いた。
「じゃあ、粗いのと細かいと、どっちがいいと」
(訳:じゃあ、粗いのと細かいの、どっちがいいの)
「粗い方が良かに決まっとっじゃろ」
(訳:粗い方が良いに決まってるだろ)
私はおろし金を確認した。
結局今の面のままやないかーい!🙄
こうして、私達の不毛な争いは幕を閉じた。

粗くても細かくてもどんとこい!
どんとこい2024秋
#なんのはなしです家
#どうでもいい家
#どんとこい2024秋
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