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250930 人の不幸は蜜の味

今日のプレイ・リストから 345
バクスター・デューリー


ジャケット写真が気に入って聴いてみました。曲が始まってすぐ、お、シャレてるやんと思って、それから検索してビックリ。なんとイアン・デューリーの息子さんではないですか。スーツを着こなすのが上手いのは父親譲りだったんですね。ボクも赤い靴下を買おう。

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Ian Dury "New Boots and Panties!!" 1977年
左に立っているのがバクスター5歳

イアンの代表曲の一つは、間違いなく1981年に発表した"Spasticus Autisticus”(痙攣性麻痺と自閉症)でしょう。イアンは7歳の時に1年半もポリオに苦しみ、右半身に麻痺が残りました。障害のある彼に、1981年、国際障害者年を記念してユニセフが作曲を依頼しました。

当初は障害に負けないという前向きな歌を考えていましたが、上から目線の慈善を嘲笑し、健常者の無理解を皮肉る、あえて差別語を冠したプロテスト・ソングにしました。差別と偏見を助長する恐れがあると考えたBBCはすぐに放送禁止にしました。イアンは社会と戦うために「笑い」を武器にしたのでした。

戦略は見事に成功します。"Spasticus Autisticus"は、31年後、2012年ロンドン・パラリンピックの開会式で演奏されました。障害があるパフォーマーが集まるグレイアイ・シアター・カンパニーが高らかに歌い上げた「俺は痙攣性麻痺だ!自閉症だ!」という魂の叫びは世界に響いたのです。

    ☆

バクスターは父から「笑い」も受け継いだようです。しかし、父とは使い方が異なります。バクスターにとっての「笑い」は自分も含めた社会への冷めたパーソナル・スタイルの表現となっているのでしょう。確かに分断が進む現代にはプロテストよりもシニシズムのほうが良い戦略なのかもしれません。