250302 酒とバラ
今日のプレイ・リストから 133
ジョン・フェイヒー
40年以上前、神戸に住み始めた頃、ちょうど今の季節でした、瞽女が玄関に立ったことがあります。歌などの音曲を生業とした遊行する盲目の女性です。故郷の京都では修行僧が門付することはありましたが、瞽女が来ることはありません。こんな街中にも来るのかと驚きました。彼女の哀切な歌声が住宅街に揺らめくように響いていたことが忘れられません。
たまたま、あるno+eで盲目のギタリストの話を読みました。久しぶりにブラインド・ジョー・デスことジョン・フェイヒーが聴きたくなりました。しかし、いろいろ検索したけれど、なかなか見つかりません。やっと探し当ててみると、2001年に61歳で亡くなっていたばかりか、そもそも盲目ではありませんでした。
ジョンの両親はピアノを弾いたそうです。アメリカのメリーランドで育ち、ブラインド・ウィリー・ジョンソンら盲目ギタリストに魅了されました。自分のあだ名に「ブラインド」を冠するほどです。やがて、彼らの奏法にチャールズ・アイヴズやバルトーク・ベーラによる現代音楽の不協和音を導入して、アメリカン・プリミティヴ・ギターというフィンガー・スタイルを確立しました。
60年代にブレークし、レーベルを創設するほどにまでなりますが、すぐに流行から取り残されました。しかし、アメリカの音楽シーンは彼を忘れることはありませんでした。80年代では自然回帰を志向したニュー・エイジ・ミュージックのウィリアム・アッカーマンが、90年代ではシカゴ音響派ポスト・ロックの雄、ジム・オルークが影響を受けたと言うたびに再認識され、リヴァイバルしました。
ボクはジム・オルークの影響で知りました。今日の今日まで盲目だと思っていたほど中途半端なファンですが、改めて彼の曲を聴いて、そう思うのも無理はなかったなと強弁しておきます。
