【ステイホーム】#31 かりそめの一家団欒
3月4日(金)、珍しく娘が朝から風呂に入っている。妻によると、朝から機嫌が最悪なので気分転換に風呂に入れと言ったらしい。どういうことかというと、昨夜、娘が友達のRちゃんと電話で話している時に何か気に障ることを言われたのだという。昨夜のご飯に手がつけられておらず、今朝もりんごをむいたが食べないという。今朝になって、「私も普通の高校に行きたかった。だから(地元の)中学に行っておけば良かった」などと後悔しているそうだ。
何を今更言ってるんだと信じられなかった。N高は、娘が自分で選んだ道だし、いやゆる普通の進路へ何の思慮もなく流されていくよりもずっと素晴らしい環境だと思うよ。そしてその日、N高から入学確定のメールが来た。おめでたいことなのに、本人には喜びがない。またこの日には、まん防が再延長されたのもあって悶々とした。
3月9日、長女が大阪から帰省してきた。家族みんなでトランプやBLOCKS(ボードゲーム)などして遊ぶ。この時は平穏な家族のように見えた。N高の学生証と入学書類が来た。
3月15日(火)、地元中学の卒業式。当然、同級の子達と顔を合わせたくないので午前中の式には行かず、午後に妻と2人だけで卒業証書を取りに行った。久しぶりに袖を通した制服姿、これが最後だからと記念写真を撮ろうとしたが嫌がられた。すぐに中学から帰ってきて部屋に閉じこもってしまった。先生に何か不愉快なことを言われたのかな…。妻はそこから午後出勤へ。
3月18日(金)、この日はN中の最後の通学日だった。しかし教室でコロナ感染者が出たとのメールが来た。明日は修了証書授与式(卒業式みたいなもの)だが、開催できるのだろうか?
3月19日(土)、結局、修了証書授与式は行われた。ひとりひとり名前呼ばれて教室長から何か証書のようなものを手渡されるだけの儀式。その後、母の入っている施設に行って、孫の顔と修了証書を見せてやった。もう認知症がひどくて母は識別できていないだろうが。帰りにショッピングモールに寄って、買い物して、夜は家族で鍋を囲んだりトランプをしたり。と書くとやはり平穏な一家団欒のようになるが、それは対決したくないから距離を置いて平穏を装っていただけで、本当はみんな相手が自分の思い通りにならないストレスを抱えていたことを、この頃はまだわかっていなかった。
