【ステイホーム】#11 緊急事態、延長
令和3年(2021年)2月2日、緊急事態宣言の延長が発表された。予定の2月7日で終了せずに3月7日までにするという。毎日、新規感染者がどこで何人になったとニュースで言っている。
2月3日、朝、娘はベッドから起きず、妻は大声を張り上げていた。たまらず妻を引き剥がし車へ押し込んだ。車を出し、運転しながらたしなめる。「不機嫌になるから朝から大声出すなよ。9:30までにログインすればいいんだから寝かせてやれよ。」というと「寝過ぎでしょ!母親が子供を起こすのは当たり前でしょ!」と鼻息が荒い。3人とも別々の原因でイライラしてる。家の中がギスギスしてゆく。
最近は妻の通勤のために朝と夕方、自家用車で送り迎えをしている。
なぜかというと高齢の私の実母(娘から見たらおばあちゃん)が1月に転倒した。腰椎圧迫骨折をして介護老人保健施設(ろうけん)に入った。ここにいられるのは最長3ヶ月まで。4月までには、車椅子でも入れる介護老人ホームを大至急探さなくてはいけなくなった。あちこちの施設に見学予約を入れて、私の姉たちと手分けして探し回った。10箇所くらいみて回ったと思う。そのために昼間に車が必要だった。
だから朝と夕方、私が妻を送り迎えして昼間も車を使わせてもらうことにした。テレワーク中のちょっとした外出は会社にはわからない。とはいえ毎日のように施設見学したり母の面会に行ったりしてるので、実際は、ほとんど会社の仕事をやれていない。会社には嘘をついてることになるので、その辺りの後ろめたさはあったし、作業の遅れを取り戻すために、妻が帰宅してから深夜までサービス残業をする毎日だった。
さて、その日も妻を送り届けて自宅へ帰ると9:30を過ぎていた。娘は寝たまま。「9:30までにログインしたか?」となるべく穏やかに声をかけたが、返事はない。どうせしてない。そうするとまた「体調不良なので今日は休みます」と私からN中に連絡を入れなくてはいけない。これも嘘なので、じわじわ心が痛む。
2月8日、月曜日。また娘が起きないので嘘の発熱報告をN中に書いていると、ろうけんから電話が来た。「母がベッドから落下、脚が痛いと言っている。救急車を呼ぶほどではないが念のため介護タクシーで整形外科に搬送する。」と言う知らせだ。
教えてもらった整形外科病院へ駆けつけて、長いこと待たされた診断の結果は、大腿骨転子部骨折。手術が必要。入院手続きをして、ろうけんに戻り退所の手続き。
翌々日の2月10日にガンマネイル固定という大腿骨を金属で留める手術を行なった。午後から今度は、私自身の左胸が痛くなった。なんだこれ?心臓だろうか?2日ほど痛かったのだが、自然に治まった。
2月16日、今度は妻の実父(娘から見たらじいじ)が入院したと言う電話が来た。こちらも難病と診断された。妻が実家近くの病院へ行くと余命宣告までされたと言う。これには妻の方が参ってしまった。
結局、1月7日から続いた2度目の緊急事態宣言は3月21日まで延長され、やっと解除となった。とは言え、飲食店の時短要請や不要不急の外出自粛は、まだまだ続いたのだった。
(続く)
