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【ステイホーム】#21 ついに投薬開始

 令和3年(2021年)10月4日(日)、今日からN中の登校日だった。普段はテレワークの私だが、この日はたまたま早朝から外出する用事があった。いつものように妻も朝から出勤したので、次女は珍しくひとりで家に残ることになった。
 お昼になって、行けたかな?と次女のスマホGPS情報を見ると、「位置情報不明」となっている。これは、証拠隠滅のために位置情報共有を切りやがったな!。でも、てことはN中に行かないと言う意思ありだな。案の定、帰宅したら部屋にこもったままだった。2階建の広い家の中でたったひとりなのに、あえて5畳の自室から一歩も出ないというレジスタンス。なかなか根性、座っとるやんけ。などと見当違いの感心をしてしまった。
 妻は違った。夜、ずっとドア越しに「それ心の病気だから。医者に行って治そう。薬で治るから医者に行こう。」と語りかけていた。

 10月13日(水)、以前「若者・心の相談室」と言う市の相談コーナーで「評判いいですよ」と紹介された隣の市のSメンタルクリニックへ3人で訪れた。子供のメンタルも診てくれると言うクリニックだ。初めの診断は次女と妻のふたりで。待合室で待っている間、本棚の『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』と言う漫画を読んだ。妻が出てきて私も入れと言うので途中から入室した。子供向けヒーローのソフトビニール人形がたくさん並んでいる。
 それまでの話の経緯とか全くわからないのに、突然「お父さんの性格は?」と聞かれた。なんか妻たちが答えにこまったので呼び込まれたらしい。どう答えていいものか言い淀んでいると、先生が流すように「普通ですかね」と言うので、(普通ってなんだよ。わざわざ遠くから来てお金払うのに、それじゃヒアリングにならないでしょうが!)と内心ムッとして、「いえ、『変わってるね』とよく言われます」と答えた。さぞかし変な人に見えただろう。
 ちなみに、「お金払うのに」って言うのは、市内だったら中学生までの医療費はいつも無料なのだが、ここは市街だったので有料になるのがちょっと悔しかったのだ。(しかしあとで住んでいる市から返金があった。)

 薬を処方された。「集団が苦手なのでしょう。敏感さがあって新しい環境になじめない。本来自分とは何かを悩む時期なので、人とのつながりがないと自信をなくす。人から悪口を言われてるような気がする。うつの薬を飲んで休んでいく。気持ちの揺れをおさめる薬だ。多少眠気がある」と言われた。

 エビリファイ錠 1mg  (成分:アリピプラゾール錠)
 朝1回1錠 16日分

 クリニックの帰りはドライブになった。お腹が空いたので、次女の大好きな「いつもの」サイゼリヤに行った。次女は「いつもの」ドリアを頼んだ。「新しい環境にはなじめない」。食後にエビリファイを一粒、ここから飲み始めた。
 帰宅して、マインクラフトの空飛ぶアイテムとかワールドエンドとか見せて説明してくれた。娘の気分は穏やかである。
 「N高かS高か、どっちにするか答えなきゃいけないんだけど、どっちにする?」その流れでなるべく自然に問いかけると、機嫌よく「N高!」と答えてくれた。さもあらん。SよりNの方が「新しくない名前」だもんね。ともかく、機嫌が悪くない。これは薬の効果か、そういうプラシーボ効果か、まあ平穏ならいいか。考えるのやめよう。

 その夜のNHKニュース。
 文科省の発表で、不登校の子が約20万人(過去最高)になったとのこと。今年は感染回避の影響があるから増えた分もあると言っていた。いやいや、違うって、それ都合のいい言い訳であって、本当は行きたくないからだよ!黄色いところ(不登校)しっかり増えてんじゃん!ってテレビに突っ込んだ。しかし「子供の自殺者数も増えている」とサラッと言われると、一瞬、凍りつく我が家のお茶の間であった。

(続く)

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