【ステイホーム】#22 娘、妻と朝散歩する
令和3年(2026年)10月14日(木)。娘は朝から部屋にこもっていた。妻がエビリファイ2錠目を飲ませた。
10月15日(金)。朝から部屋にこもっていた。妻がエビリファイ3錠目を飲ませた。夜に公立中学に行く約束の日なのだが、出てこないのでとうとう担任の先生が家庭訪問に来た。お上がりくださいと申し出たが、遠慮されて玄関のたたきで立ち話。さすがに校長までは来なかったので、娘も顔を見せて、わずかな会話をこなしてくれた。これで担任の顔も立ったことであろう。親としても、やっとN高への提出書類である「調査書」の用紙を担任に手渡すことができた。これを学校側に書いてN高へ郵送していただければ進路問題は解決、親も先生も一安心だ。出願料1万5000円はネット銀行で振り込んだ。
土曜日、朝から部屋にこもっていた。エビリファイ4錠目。夜になっても出てこない。
日曜日、朝から部屋にこもっていた。エビリファイ5錠目。全然変化を感じない。昨日も食べてなかったが、今日もご飯に手をつけていない。部屋のドアの前に置かれたスープが冷えていく。
月曜日、朝から部屋にこもっていた。この日は半年ぶりの出社日で、東京のオフィスに行った。つまり、昼間は娘が家でひとりきりだった。心配なので急いで17時に帰宅すると、果たしてスープが飲んであった。やった!食べてくれたのだ!
また、もう一つ嬉しいニュースがあった。N高からメールが来ていて、無事出願ができたという確認だった。食事を摂ってくれたことと、進路の心配が無くなったことを妻と手を取って喜んだ。
10月19日(火)、朝6:30に変化が起きた。
娘が私たちの寝室に飛び込んできたのだ。まるでブンブン尻尾を振り回す子犬のような元気っぷりだ。「散歩に行くから、一緒に来て」と妻を叩き起こす。そして朝の太陽の光を浴びて、妻と二人で娘はまだ人の少ない近所をひとまわり歩いてきた。散歩中に妻が聞いた話によると、前日(出社した日)にN中の女性の先生とのリモート面談があったらしく、それがどうも「いい感じだったので気分が良くなった」そうだ。
それから、一緒にキッチンに立ち、お好み焼きを焼いて食べたそうだ。そのあとはまた部屋にこもってしまったが、私のぶんも1枚作って取っておいてくれた。これは嬉しかった。
水曜日、朝6:30に起こしにきて、また妻と朝散歩に行った。
木曜日、朝散歩3日め。さらにゴミ出しをしてくれたようだ。ずっと昼夜逆転だったのに、急激な変わりように驚いた。これがうつ病の薬の効果なのか!嬉しさ反面、恐ろしさも感じた。(私は薬嫌いなのだ)
金曜日、朝から冷たい雨が降っていたが、今日も妻と二人で傘をさしての朝散歩へ。4日連続だ。さらに朝飯に鮭を焼いてくれた。娘が「ヘアアイロンが欲しい」と言い出したので、言われるがままの結構なお値段の商品をAmazonで即発注した。なんか髪型を整える美容家電らしい。よくわからんのだが、それは外出したいって気になったということなのかな?すげえな、エビリファイ。
土曜日も日曜日も、朝散歩は続いた。休日なので、車に三人でショッピングモールやラーメン屋に行ったり、スーパーマーケットで食材を大量に買い込んだりした。久しぶりに楽しい週末を過ごせた。夕方に帰宅すると自転車のカゴに置き配があり、見ると娘のヘアアイロンだった。そうしてその後も、雨で中止した日などもあったがおおむね毎朝、妻と二人で朝散歩(そして機嫌よくおしゃべり)するという日が続いたのである。
(続く)
