歩くチョウ。
夏の終わりのせいなのか、小さい庭なのに、アゲハチョウをよく見かけるようになった。
小さめの樹木や、植物の葉っぱの間を、ひらひらと、縫うように飛んでいく。
チョウの飛び方
クロアゲハや、アゲハや、他にも名前が分からないようなチョウが飛んできて、障害物になるようなものを、避けるように進んで、そして、あっという間に視界から消えていく。
それを見ると、ここには蜜がなかったのかな、などとも思うが、そのチョウの飛び方は、やっぱりカッコよく見える。
根拠のない想像なのだけど、空を飛び、目の前に「何か」が現れたから、よける、という、行き当たりばったりな飛び方には見えない。
何メートルか、何十メートルか先、外からは分からないような不規則にも見える軌道が飛ぶ前から見えて、そこを、ただ、スムーズに迷いなくスピーディーに、たどるように飛んでいく。
そんなふうに見えるくらい、思った以上に、速く飛んでいく。ひらひら、という表現が、すでに似合わない。
もしかしたら、季節によって、少しスピードの上下もあるのだろうか。
見知らぬチョウ
庭の小さい花に、チョウが止まっていた。
なんていう名前だろう。
ダイダイ色の羽が目立つ。もっと小さいとシジミチョウかもしれないけど、明らかに、それよりは大きい。
などと思っていたら、そのチョウは飛んだ。
このパターンは、人に怯えるのか、警戒するのか分からないのだけど、どこか遠くへ飛んで、視界から消えていくと思ったら、ほんの10センチくらい先に止まる。また草花の上だった。
歩くチョウ
そして、再び、近づいたら、飛んで、今度は、庭の土の部分に止まった。
それから、また動いた。
チョウは、歩いていた。
そこから、またあちこちに少し飛んだり、止まったり、歩いたりして、その動きは、庭にある「何か」を全部、吸っていくというか、見つけて、持っていく。そんな貪欲な姿に見えた。人がいるのに、そんなに恐れていないような気配だった。
しばらく、そうやって、庭のあちこちに移動して、たぶん、5分以上は経って、それから、どこかへ飛んでいった。
もしかしたら、そういう習性を持つチョウかもしれないが、そんなふうに歩き回るチョウは見た記憶がなかった。
ツマグロヒョウモン
検索したら、どうやら、ツマグロヒョウモンという名前のようだった。
初めて聞く名前だった。
そして、オスとメスでは模様が違い、庭にいたのは、メスらしい。
本州では1980年代まで近畿地方以西でしか見られなかったが、徐々に生息域が北上し1990年代以降には東海地方から関東地方南部、富山県・新潟県の平野部で観察されるようになった。
西から来たチョウだった。自分が知っているチョウは、本当にわずかだと改めて知った。
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