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キズテープを指に貼って、落とし続けた季節と、塗り薬と、アカギレ。

 今回は、アカギレが痛い話です。

 他人のことであっても、こうした描写などが苦手な方はご注意ください。





 秋の気配が濃くなった頃から、手のひらがかゆくて、夜の眠りが浅くなったことがあった。ここ数年は、特に気温が下がる頃からは、ニベアを手にも顔にも塗るようになっていた。だけど、かゆい、ということはあまりなかったので、ちょっと違和感はあったものの、最初は大丈夫かと思っていた。

 ただ、それから指先にアカギレができ始め、それは毎年の冬には食器洗いを担当しているせいか、多少の痛みはあったものの、いつものことだったのだけど、ただ、今回はその数が多く、何かに刺されるようなピリッとした痛みが強く、皮膚科に行った。

 それから、塗り薬を塗って、夜には白い木綿の手袋をして眠る生活が続いた。

 そのうちに手のかゆみはほぼなくなったものの、指先のアカギレは一晩でできて、場合によっては、親指、人差し指、中指、小指、薬指、つまりは指全部にできたりする時は、怖くもなった。


キズテープをマメに使う日常

 こうしてキーボードを使っている時も、その刺激だけで痛くて、だから、バンドエイドを使おうとも思ったのだけど、指先は、性能が高いテープでも、はがれやすく、だから、安い時には100枚で200円くらいのキズテープを使うことにした。

 メンタームをガーゼのところに塗ってから、アカギレの傷の部分に貼る。指先に、本当に赤い線ができている。アカギレとは、よく名前をつけたと思ったりもするけれど、不規則に指の先に、その線が入ったり、指によっては短いけれど、2ヶ所もできたりするのを見ると、やっぱり怖くもなった。

 そこにキズテープを貼る。

 それで、再び、キズテープを指先にある状態で、キーボードを操作すると、とてもやりにくい。文字を打ち間違える。普段は、意識していないのに、かなり指先の感覚に依存していたことに気がついたりするが、そうした状態で文字を打ち続けると、やっぱり微妙にイライラもするし、その状態でそれまでと同様に文章を打てるようになるほど器用ではなかった。

 そして、食器を洗うときは、ビニールの手袋を使うようになった。ずっと使っていると、厚手のはずなのに、手袋の指先だけがとれるように切れてしまうこともあった。つけたりはずしたりは面倒くさかったが、もしかしたらすこしでもアカギレにも効くかと思って、続けている。

 ヒゲをそるときに、失敗して顔に小さい傷をつけることが多くなってから、ヒゲソリ用のジェルのようなものを使うようになった。その時期と、手湿疹が出来始めた頃が、あとで振り返ると近いような気もしていて、だから、ヒゲをそる時も、ビニールの手袋を使うようになった。

 お湯の温度が分かりにくく、温かさが遠くなった。

 手にジェルを塗り、泡立ててから顔に塗る。

 ずっともどかしく、やりにくい。

 だけど、ほんの少しだけ慣れてきたような気はしていたけれど、手袋を使って、はずす時に、指先にまいたキズテープも一緒に取れて、手袋の指先にたまることも多くなった。

 お風呂に入ったりすると、両手では4つも5つも、さらにはもっと多くテープをつけていることもあるけれど、ほぼ取れてしまった。

 だから、その度に、また塗り薬をガーゼのところにつけて、アカギレを保護するようにテープを貼った。

 指先が、テープだらけになって、自分でも見苦しいと思う。

 それに、とても面倒くさいけれど、つけないと、ピリッと刺すような痛みが走るので、その習慣は続けている。

 テープをつけても、何かをつかんだり、箱を開けたり、財布から小銭を取り出したりするときは、痛みが走るので、普段から不器用だけど、余計に動きがグズグズするようになった。

 握力をあまり使わなくなっている。

キズテープをあちこちに落とし続ける毎日

 妻は心配して、指先を保護するような細い包帯のようなものを買ってきてくれたりする。

 指先につける。クッション性が増して、少し楽になる。

 家の中で移動する。いつの間にか、さっきつけたばかりの保護する包帯が、なくなっている。探す。イスのそばに落ちていたりする。

 そういえば、さっき歩いて、テーブルの下のものを探す時に、イスを動かしたのを思い出す。それだけで外れてしまうことと、思ったよりも指先に力を入れていることに気がつき、だから、何かをつかんだりするだけで、ちょっと痛いのかと思った。

 手袋をつけたりすると、こうしてコンピュータの操作をするときに、トラックパッドが反応しなくなってしまう。それを見ていて、妻が、スマホも使える手袋をわざわざ買ってきてくれて、それはありがたかったのだけど、タッチパネルと、トラックパッドが違うのか、自分の指先の感じが、なんだか弱いせいか、なかなか反応してくれなかった。

 微妙に不自由な生活は続いているが、気がついたら、指先のテープがなくなっていることも多い。

 何しろ、両手の指の全部にアカギレができて、そのままだと痛いのでテープを貼って、だけど、指先に巻くようにつけると、やっぱり無理があるみたいで、あちこちに落としている。

 廊下や部屋で、ベージュの丸まったような変なものがあると、だいたいは、自分が落としたキズテープだった。それを拾って、ゴミ箱に捨てる。

 お風呂に入ると、かなりはがれて、体を洗っているときなどは、何枚も続けて、ボロボロとあっさりはがれてくる。

 こんなにキズテープを落とし続ける毎日は初めてだった。

暖かくなると良くなるかもしれない

 それから皮膚科は何度か通った。

 その度に、ステロイドも配合された塗り薬を処方されて、毎日、塗る。

 これが終わる頃には暖かくなって、治るかもしれませんね。

 皮膚科の医師にそう言われたときには、それだけでちょっと嬉しくなったが、その時の塗り薬がなくなっても、アカギレができる日々は変わらずに、また皮膚科に行って、薬をもらってきた。

 今も、コンピュータの指紋認証はできないままで、塗り薬をベタベタに塗って、手袋をして、寝ている時に、意外と手を動かしているせいか、よく手袋は外れて、ふとんのよくわからないところで見つかったりするが、起きたときは、ちょっと指先の状況が良くなっていて、アカギレも少し減ったりしていることもあるから、薬は効いているのだと思う。

 それでも、まだ何かをつかむと、痛みが走って、不器用で弱々しい日々は続きそうだ。暖かくなったら、本当に治るのだろうか、といった不安と共に毎日を過ごしている。



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