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大事に使おうと思えるハンドクリームのパッケージ。

 年齢を重ねると、肌の状態が悪くなる。

 それは知っていたのだけど、汗っかきであるから、自分にはそんなに影響が出にくいと思っていた。

 だけど、いつの間にかスーパーで買い物をしたあと、薄いビニールを開けようとしたときに、とても苦戦するようになった。

 そのために、そういう場所には指先を湿らせるアルコール(コロナ禍になってから、水ではなく、アルコールになったのだけど)があるとは思うのだけど、周囲を見て、自分より明らかにかなり年齢が上の人であっても、こんなにビニールに手間取っていないのを見て、もしかしたら、肌の乾燥の度合いがひどいのではないか、と思えるようになってから、ニベアを手指にも使うようになった。

 やっぱり塗ることで、少し肌の感じが違うような気がしていた。


ひどい手荒れ

 それでなんとか寒い季節を乗り切ってきたのだけど、昨年から、今年にかけては、特に手のあれがひどかった。

 それで、皮膚科にも行ったのだけど、コンピュータの指紋認証までできなくなった。

 手荒れがひどくなってから、皮膚科に行って薬ももらってきて、それも塗り、綿の手袋をして眠るようなことをして、しばらく経ってから、少し手荒れが軽くなったので、その習慣はなくなったのだけど、普段使うハンドクリームは、自分でも、いろいろと試すようになった。

 それまではニベアだけを使っていたのだけど、手荒れの度合いがひどいときは、あまりその機能が追いつかないような気がしたので、薬屋の棚に並んでいるハンドクリームと名付けられたものを使っていった。

 再び、指紋認証ができるようになったのは、気温が35度を超えるような猛暑日もあるような、とても暑い夏になってからだった。

ただ、自分から見て、高額すぎるものは日常的に使うものだから、継続性に無理が生じると思って、おそらくは視界に入りにくくなっていたものの、それでも何種類か試してみると、それほど敏感でない自分でも、その違いというか、自分の手指との相性のようなものがわかってきたような気がする。

赤いチューブ

 それで、なんとなく使い続けることになったのが、赤いチューブのハンドクリームだった。

「薬用ハンドクリーム」。この薬用という名前で、手にとってみようと思ったのは、それだけ指の状況がひどかったからだけど、このクリームは最初は携帯用のチューブのものを購入し、外出時に、できるだけマメに使うようにしていた。

 ただ、このハンドクリームは、チューブが赤かったから、それほど迷わずに手に取ることはできていたのだけど、そして、文字などのレイアウトも考えられている印象はあったものの、情報量が多かった。

 マッサージパウダー配合。
 オレンジ色のツブ入り。
 薬用ハンドクリーム。
 HAND CREAM.
 モアディープ
 角層にまでうるおい浸透。

 だから、何度か購入したのだけど、その商品名はよくわからないまま、薬用ハンドクリーム、ということと、赤いチューブ、という目印だけで買い続けた。

 それは、気がついたら習慣になっていた。

大事に使おうと思えるパッケージ

 だから、外出時だけではなく、家でも、この「薬用ハンドクリーム」を使おうと思った。

 チューブだけではなく、赤い容器の方が量的にも多いし、と思って購入し、ニベアは顔などに使うのだけど、特に寒くなってくると、手指の方は、「薬用ハンドクリーム」を使うようになった。

 その容器のフタを開けて、指を中心に手にも塗り続ける。

 そういう日々が続いて、何度か赤い容器も買い続けることになった。

 そして、最近も購入して、使おうとした。

 フタを開ける。

 そのまま使い始められるわけではなく、一枚、透明なシートがある。

 そこには、文字とイラストがある。

〈お使いになる前に〉
① キャップを回して取り、中のシールをはずします。
② つぎにキャップをきちんとしめます。

 それだけではなく、キャップと、中のシールを指ではさんで、はがす動きイラストでも描かれている。

 この説明をゆっくりと見たのは、もう何個も購入してきたのに、初めてだったかもしれない。それは、かなり手の指が荒れて、コンピュータの指紋認証ができなくなって、再び、それが可能になってきて、ホっとしていたら、気温が低くなってきて、まだ表面的には指の荒れがそれほどでもないのに、コンピュータの指紋認証ができにくくなった頃だった。

 昨年ほどではないにしろ、また指の肌が不調になってきたから、だけど、まだなんとかできるのではないか。そのためには、これからでも、きちんと手入れをしないといけない。そんな気持ちになっているから、そのパッケージの文字やイラストがよく見えたのかもしれない。

 そのイラストの手指が繊細すぎないのだけど、でも、やっぱり美しいと思えるバランスで描かれているし、フタを開けたら、すぐにクリームが顔を出すのではなく、ビニールのシールが一枚はさまれているだけで、その商品は大事にされているような気がした。

 さらには、考えたら、そのシールは、フタを開ければ、すぐに取れるのだから、そこに説明のための文字や、それに加えてイラストまで添える必要はないはずだ。

 だけど、そうしたシールの上の文章やイラストは、これから使おうとする人間に、例えば自分だったら、手や指を大事にしよう、と思えるような、そんな控えめに背中を押してくれるような感じがした。

 もしかしたら、1人の消費者の勝手な思い込みだったり、勘違いかもしれないけれど、それは、その商品も、肌のために大事に使ってください、というメッセージにも思えてしまった。

 それは、もしかしたら、気持ちが少し不安寄りになっているから、より伝わったことかもしれない。

 でも、自分にとってはありがたいメッセージだった。





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