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「ゆるんでいく空気。2ヶ月ぶりの図書館」。2020.6.4

 図書館に行くだけなのに、ちょっとワクワクしている。
 約2ヶ月ぶりに、行けることになった。

 4月7日に緊急事態宣言が発令され、図書館も急にしまった。最初は、5月上旬までの予定だったのが、さらに緊急事態宣言は延長され、5月25日に解除された。

 東京都の独自の基準で、5月26日から「ステップ1」になり、図書館は、予約していた図書は引き取りに行けるようになり、その2日後には、「ステップ2」という基準が6月1日から適用され、新規予約が可能になる、とホームページで通知されていた。

 再開されるといっても、予約して、図書などが取り寄せられて、初めて本が借りられる体制だから、まだ本格的に開いているわけではない。東京都大田区内のことだけど、こんなにこまめに変更していく基準も、その意味合いも、よく理解できなかったし、緊急事態宣言下は、「ステップ0」だったことも知らなかった。


 今月に入ってから、特に空気がゆるみはじめた感覚があった。

 月曜日(6月1日)。近所のスーパーで、50枚2980円でマスクが売っていた。
 コンビニは、ずっと立ち読み禁止で、それが続いていたが、本当に久しぶりに、タンクトップでショートパンツの男性が、雑誌を読む姿があった。それでも、そんなに緊迫感もなかったし、厳しい視線を向けられてもいなかったと思う。

 火曜日(6月2日)。昼ごろ。家の前の道路に、何人も高校生が歩いている。久々に聞こえてきた女子高生の会話。町が、少し生き返ったようにさえ、思った。この道路は通学路でもあったのに、その機能が、2ヶ月くらい使われていなかった時間を改めて思い出す。これまで、すごく静かだった。それは、やっぱり普通ではなかった、と思う。

 水曜日(6月3日)。駅前の1000円カットの理容室は、満員の赤いランプがついていた。シャッターがゆっくり開く音がやけに大きく響いて、それは、学習塾が開く音だった。この1年で何軒も駅前に出来たタピオカ屋が、1軒だけ再開していた。スーパーには、まだマスクの箱が積まれていた。2日前にはあった「1家族1箱のみ」という札は、もう貼っていなかった。

 電気屋にも行った。実家で見つけた、20年くらい前の、古い体温計に使えるかもしれないボタン電池を先月頼んでいた。世界中で不足している、といわれるLR41が、入荷したと電話があったので、引き取りに行った。2つ注文していたが、3つ入っていた。電話をして、確認したら、間違いらしく、明日、返しに行くことになった。20年くらい前の体温計は、まだ生きていた。かなり意外だった。自分の体温は36度だった。

 木曜日(6月4日)。午前中にラジオを聞いた。
 2日前に新たな感染者数が30人を超え、発動された東京アラートのことを話していた。何が変わるかといえば、レインボーブリッジと都庁が赤く照らされるだけらしい。不要不急の外出を控えてくださいとも言われ続けているので、直接見ることもないはずだった。それが注意喚起になる意味が、分からなかった。

 昨日(3日)の都内の感染者は12人。そのうち、半分の感染経路が分かり、そのうちの半分が「夜の街」での感染らしいということだったけど、全体でいえば、25%。それなのに、「夜の街」がやたらと目の敵にされている空気は感じる。私は、アルコールを飲まなくなったので縁が薄くなったけど、飲まなきゃやっていられない人が、かなりいることは知っている。

 今週になって、また元に戻ったらしい「満員電車」については、それほど言われないのだから、何を「敵」とするかは、データだけの判断ではないように思う。それも、神奈川県では、すでにライブハウスの営業も再開可能になっていたのも知った。そうした基準の違いも、よくわからない。何に、どのくらい気をつけたらいいのか。これからも自分で考えるしかないようだった。


 6月4日。午後2時過ぎ。
 家を久しぶりに妻と一緒に出る。妻は、ほとんど外出もしなかったから、先月開店したパン屋が営業しているのを、初めて見た、とうれしそうだった。薬屋に、マスクが売っている。中華料理屋が2軒並んでいて、いつ通っても、どちらも店の前にテーブルを置いて、おかずをずっと売っている。
 駅前で、若い政治家が、マスクをして、1人で演説をしている。誰も、前にいなかった。

 図書館まで歩く。
 線路側には立葵が並んで咲いている。
 小学生の集団が自転車で、話しながら、笑いながら、踏切を渡っていく。マスクは半分くらいしか、していない。

 気温は高くて、夏の気配さえある。

  図書館は久しぶりだった。
 「密」の注意喚起の看板は増えていた。人は少なかった。受付のカウンターに、2ヶ月前よりも、ビニールはきちんと貼られているようになって、職員は3人いる。

 並ぶ時のソーシャルディスタンスのためのシールは、きちんとはってある。妻と2人で、距離をとって、並ぶ。
 2ヶ月間、ずっと家にあった図書とCDの返却をして、2ヶ月前に、予約していた図書を、また新しく借りる。
 以前は、入ることができない開架棚は暗かったのに、今日は、そこの蛍光灯もついているから、2ヶ月前の時より、館内は明るかった。
子供連れもいて、8人くらいがカウンター付近に、いる。

 図書を借りる時に、「返却は18日までです」と、スタッフが、しっかりと伝えてくれた。
 それは、先の予定が分かっているということで、だから、なんだか明るい気持ちになれた。

 帰りに、電気屋に、昨日、間違って入っていた、小さい銀色のボタン電池を返しにいった。
 世界中で不足している、と聞いていたので、それは、少しだけ「銀色の丸いダイヤ」(?)だと思えていた。電気屋の店員さんは、やはり、2個注文のお客さんの、1個分が足りなかったみたいで、だから、困っていたらしく、恐縮するくらい感謝された。
 まだ品薄は続いていて、次にいつ入荷するか、分からない状態だとも聞いた。インターネットで8000円で買わされてしまった人もいると聞き、まだいろいろなことがおかしい状況は続いていると思った。

 感染者が増えてきたら、またどうなるのか分からない。

 せっかく久しぶりに出かけたので、駅前の、何年か前にできた天然酵母のパン屋で、パンを買った。そのあとに近所のスーパーでアイスも買った。そこにあった、3日前にもあったマスクの箱は、まだ積まれていた。


(他にいろいろと書いています↓。クリックして読んでもらえたら、うれしいです)。

『コロナ禍 「いい予感」と「悪い予感」』2020.5.27

「図書館が、ちょっとだけ再開しました」2020.5.26

緊急事態宣言で、図書館まで完全に閉鎖されてしまった




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