イベントを見て、違う街のおしゃれな店に足を運んで、来てよかったと思った。
本当は区立の美術館があれば、それも駅のそばになどあれば、そこに心地のいいカフェなどがあれば、少しうれしいのに、そして、便利なのにと思うことがある。
それでも、大田区は、東京都のすみっこだし、地域によって、アートなものの豊かさに差ができるのは当然だし、とはいっても都内にいるから、別の場所に行けばいいや、みたいな気持ちだった。
ただ、ここ数年、地元の組織の頑張り(そういうくくり方も失礼だけど)によって、アートのイベントも増えた。
やっぱり、うれしい。
地域社会を育むアート
大田区の区民ホールでアートをテーマにトークイベントをするというので、夜だったのだけど、妻と一緒に出かけた。
中村政人--アーティストでもあり、今は藝大の教授にもなっている人が登壇するので見ようと思った。
中村自身の作品も興味深かったし、千代田3331というアートを広げていこうとするような場所を運営したりと、すごくまっすぐにアートに取り組んでいるイメージがあったからだ。
このトークイベントでも、アートを成り立たせるのは「純粋・切実・逸脱」という3要素だと思うという話を、中村政人はかなり冒頭でしていて、それにすごく納得もできたし、私が鑑賞者としてアートに求める条件は、その3つがかなり重要なのも再確認できた。
登壇者は、他にNPO法人を作って、長く街に根ざすアート活動をしている女性と、アーティストユニットを名乗る2人のおしゃれな男性だった。
街で活動を続ける女性は、アートだけではなく、アートに取り組む人への揺るぎない信頼のようなものに明るい凄みを感じたし、2人の男性が実際に運営している実店舗にも興味が持てた。さらには、中村政人の、人の話していることを的確にまとめる能力のとんでもない高さにびっくりしながら時間が進んでいった。
最後の方で、質問の時間があり、いろいろな人が発言をして、他の人の邪魔にならなそうな感じになったので、自分も聞きたいことを聞こうと思った。
それは、地元のアートに関する出来事について、だった。
最寄りの駅の柱がアーティストの作品で覆われたことがあった。それは黒っぽい絵で、でも、元は、この湿地帯のような土地にいたであろう動物などが描かれていて、そのことで駅の価値のようなものもあがって、ちょっとうれしかったし、それは、そのアーティストの個展なども見ていて、すごいと思っていたせいもある。
だけど、他の人に聞いたことがある感想は、暗い絵だし、これならミッキーの方がいい、というもので、それについて、どれだけ時間が経っても、アートが必要とされるような社会にならないように思う、けれど、それについての感想などを質問した。
中村政人は、自分自身が実践していて、大変なことも多そうなのに、まずは、私の質問をもっと精度が高い言葉で的確にまとめてくれた。自分の実際の発言よりも頭がいい人の言葉のようになってしまい、ちょっと恥ずかしくはあったけれど、感謝する思いにもなった。
そうした質問に対しても、登壇者の方々は、静かにあきらめない持続のようなことを話してくれた。
ただ、妻によれば、それから会場の発言が活発になったというから、何を聞いてもいいんだ、言葉も難しくなくていいんだ、というような空気になってくれたら、それは、そこまで狙っていないけれど、うれしいことだった。
そうしたイベントの中で、おしゃれな男性二人組のアーティストユニットは「L PACK.」で、池上という土地で、ショップを開いているのも改めて知った。
写真で紹介されていたショップは、何も知らないと、おしゃれなバリアで近づき難く、通り過ぎてしまうだろうけれど、ここで紹介もされていたことで、近くに行ったら、寄りたい、という話は妻ともしていた。
「DAILY SUPPLY SSS」に、やっと行けた
その時に知った店は、「DAILY SUPPLY SSS」という名前だった。
ショップのサイト自体が、池上本門寺の門前町である池上にある店としては異質なおしゃれさを放っていると思った。
私が知っている池上の印象は、最近、駅が新しくなって見違えたとしても、葛餅の店や、古い建造物を生かした喫茶店が象徴するようなものだった。
だけど、この土地に、少し違った日用品をコンセプトに店を出して、それを継続させるのは、想像しただけで大変そうでもあったのだけど、そういえばトークイベントのときに、まずは周囲を掃除することから始めている、というような地道な話をしていたのも思い出した。
その近くの病院に行くことがあって、地図を見たら、そこから徒歩2〜3分くらいの距離だったので。薬を処方されている間の時間に、向かった。
その通りは、何度も通っているはずだし、池上本門寺へ向かう道で、妻と二人で地図を見ながら、少し不安になるくらい気配がなかったけれど、急にショップが見えた。
改めて、おしゃれな空間だった。
店内のスペースを使って展示もされている。
真夏に開催するのは、
アーティスト山本万菜さんによるインドで見つけたアーティストバイヤーズ!
カラフルで見ていて楽しい日用品がたくさん揃いました。
万菜さんのイラストをプリントしたオリジナルグラスやリソプリントのポスター滞在日記のZINEも。
インドの風景のペインティングやシャツにパッチした作品はそのまま
飾っておきたい。
会期中には、サモサとチャイのイベントも開催予定です。
その展示物も含めて、店内のあちこちにアートなものがあって、微妙な緊張感もあり、久しぶりに、こうした空気を味わえて、気持ちが良かった。
そのショップのコーヒーも飲んで、小さいドーナツも食べた。
ちょっとした時間だったけれど、地元にギャラリーがあった時を思い出し、こういう店が近くにあったら、その商品の値段は、自分にとってはやや高額だけど、でも、たぶんかなり頻繁に通うと思う。
行こうと思ってから、いろいろあって、4か月くらいが経っていた。
やっと行けた。これで、あのトークイベントもやっと終わったような気にもなったし、何しろ、来て良かった。
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