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戦略的な先輩。

 中学時代のサッカー部の練習の最後に、ダッシュをすることが時々あった。

 確か、学年ごとに全員で横並びになり、何十メートルかを全力で走り、トップの人間から抜けていく、というシステムで、だから遅いほどたくさんのダッシュをすることになる。

 私は、遅い方なので、たくさん走ることを覚悟していた。

顧問の指摘

 何本か走った後、顧問が声をかけて、その練習が止まった。
 ある先輩を名指しで呼んだ。 
 怖い顧問でもあるので、空気はピリッとした。

 こんな指摘だった。

  「〇〇。
 お前、最初の何本か、手を抜いてただろ。
 自分より速い奴がいる時は、全力を出さずに、そろそろトップになれそうだから、全力でやろうとしてただろ」。

戦略的な先輩

 その先輩は、苦笑いをしていたから、図星だったようだ。

 顧問は、ものすごく怒っている、というよりは、どこかあきれながら、という口調だったのは、サッカーという戦略的なスポーツにとっては、表向きはほめられたことではないかもしれないが、必要な思考という部分もあったからだろう。

 私は、そのことに気がついた顧問にも、そういう戦略を思いつく先輩にも、どこか感心もしていた。
 
 自分は、ただ頑張って走ろうと思っていただけで、全くなかった戦略的な思考だったので、自分に欠けているものは、運動能力技術的な力だけではないことも分からされた気もした。

 それは、確か夏の練習の時のことで、私は、それから何本もダッシュをして、たぶん、同級生の中でも多めに走り、ただ苦しかったようなぼんやりとした印象しかないけれど、この「戦略的な先輩」のことは、今でも記憶にある。

 あれから、今も含めて、自分に欠けているのが「戦略的な思考」だから、その才能を持つ人のことを覚えているのかもしれない。



(今さらですが、こういう本↓を読んで、様々な思考も学ぼうとしています)。



(他にもいろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでいただければ、うれしいです)。


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