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銀河フェニックス物語 <ハイスクール編> 第五話 掃き溜めに姫君(下巻)

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 自分の部屋だからだろうか。

 何と言うか、オレと二人きりの時のレイターの感じと似ている。
 あいつは他の奴(特に女ども)の前だとサービスして笑わせたりしてるが、オレと二人だけの時は、手を抜いてやがるんだ。

 レイターとフローラの間は指示語で会話が成立していた。

「ロッキーはさあ、こないだのあの話の時のほらアレって言っただろ」
「ああ、アレね、あの時の・・・」

「おいおい、何なんだよ」
 レイターとフローラは目を見合わせてにっこり笑った。

横顔笑顔ゆるネクタイ

 指示語で以心伝心、って長年連れ添った夫婦かよ。

「ロッキーんちの母さんが、ここへ殴り込みにきたじゃん」
 殴り込み。確かにそうだ。

 俺はこの前、レイターと一緒に家出した
 そうしたら、うちの両親が将軍家まで足を運んで、母親が将軍に文句を言って困らせたと聞いた。
「フローラも随分びっくりしたらしいぜ。将軍家始まって以来の出来事に」
「その話は止めてくれよ」
 俺は恥ずかしくて顔が赤くなった。
 二人はまた見つめ合って、愉快そうに笑った。

 いい雰囲気だ。この二人、つきあってるんだろうか? 

 いや、そんなはずはない。
 レイターはおとといも、隣のクラスの女子と朝帰りしてたぞ。

 でも、間違いない。レイターにとってフローラは他の女共とまるで違う。特別な存在だ。

 翌朝、学校で俺は聞いてみた。
「お前、フローラとどういう関係なんだ? あやしいぞぉ」

正面制服一文字

 あいつは、俺の頭をいきなりはたいた。

「何すんだよ」
「難しい質問するな、っつったろ」

 その日、レイターは変だった。

 授業を聞いていないのはいつものことだが、居眠りもしないし、宇宙船の落書きも描かない。石のように微動だにしないで、前の席の奴の背中を、じっと見つめてた。

 授業が終わった。きょうはサッカー部の練習が無い。
「どこへ遊びにいく?」
 いつものようにレイターに聞いた。こいつは出没するゲームセンターを日々変える。

 レイターは少し考えてから答えた。
「家へ帰る」
「そうか」
 サッカー部の無い日に、こいつが家へまっすぐ帰るのはめずらしかった。
「お前、体調が悪いのか? きょうは朝から変だぞ」
 オレは心配になった。

「俺、夜遊び止める」

正面ゆる制服真面目

「ん?」 
 レイターの声に決意が感じられた。

 体調が悪くて、きょうは遊ばない、って話じゃない。おそらくこいつ、夜遊びから足を洗うつもりだ。

 一体何があったんだ?
 考えられることは、
「ゲームモニターのバイトが忙しいのか?」

 レイターはぷっと噴き出した。
 バイトが忙しい、ってわけじゃ無いらしい。

 その時、オレは気付いた。
 こいつ、きょう一日、ずっと考えていたんだ。人生や将来ってやつを。
 おそらく、深く海底に潜るように、考え事を繰り返していたに違いない。
「どういう心境の変化だよ。勉強でもやる気になったのか?」
 

 レイターは、オレの目を正面から見つめた。
「俺は、心に嘘をつかねぇでやりたいことをやる」

 こいつが、やりたいことやりだしたら大変だ。
「犯罪は止めろよ」

はたく制服

 オレの頭をあいつは思いっきりはたいた。痛ぇ。

「側にいてぇんだよ」
「え?」
「じゃな」

 それだけ言うと、あいつはあっけに取られているオレの前から、風のように姿を消した。     (おしまい) 第六話「不可思議な等価交換」へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」