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ハッセルブラッド907x CFVii50cを購入してから

ハッセルブラッドVシステム──デジタルバックを買って、再びフィルムへ戻った

約20年前からハッセルブラッドVシステムを所有している私が、デジタルバック907X CFV II 50Cを購入した後、Vシステムとの付き合い方がどのように変化したのかを記してみたい。

Vレンズは、C、CF、Fなどの区別をしなければ、焦点距離でいうと24mm、30mm、40mm、105mm、160mm、180mm、300mm、350mm以外は、おそらくほとんど所有していると思う。それなりに長い間Vシステムと付き合ってきたが、CFV II 50Cの導入によって、その使い方は何段階かに分かれて変化していった。

第一段階──まずはデジタルバックばかり使うようになった

CFV II 50Cを購入して最初に起きたのは、いろいろなVレンズを500C/Mに付けて、デジタルバックで撮影する回数が非常に増えたことである。撮影にデジタルバックとフィルムバックの両方を持っていっても、結局フィルムは一枚も撮らなかった、ということもよくあった。

しかし、しばらく使っていると、フィルム時代との画角の違いが気になるようになった。特に広角系では、その差が歴然としている。例えば重いC50mmを付けてフィルムで撮影すると、広い画角を生かした特徴的な写真が撮れる。しかしデジタルバックでは、色味は非常にきれいなのだが、画角が狭くなり、このレンズ本来の魅力が大きく減ってしまうように感じた。SWCも同様である。

一方、望遠レンズをデジタルで使う場合には、別の問題が出てきた。500C/MでCFV II 50Cのライブビューを使うのは、私にはどうも操作が煩雑である。通常のファインダーでピントを合わせるにしても、ピント拡大が簡単に使えるミラーレスカメラと比べれば、望遠系ではどうしても不利になる。そのため望遠レンズについては、Vレンズをアダプター経由でミラーレスカメラに付け、ピント拡大を利用して撮影することが多くなった。

結果として、CFV II 50Cを500C/Mで使う際に出番の多い焦点距離は60〜120mmあたりに落ち着き、その中でも最も気に入って使っているのはC100mmかもしれない。

Sony α7R IIIにアダプターを介してVレンズを使うことも、最初は喜んで試していた。しかし、小ぶりなカメラ本体にそれなりの大きさのアダプター、さらに大ぶりなVレンズが付くと、どうにも全体のバランスがよろしくない。次第に、この組み合わせで撮影する頻度は下がっていった。

当たり前の話なのかもしれないが、カメラとレンズは、やはり本来の組み合わせが一番しっくりくるようである。

第二段階──やはりVシステムはフィルムカメラだった

そのうち、そもそもVシステムは元来フィルムカメラなのだから、フィルムのコストが多少気になるとはいえ、それを理由にフィルム撮影をやめてしまうほどのことでもない、と考えるようになった。

そこで、あまりフィルム代を気にせず、気軽にブローニーフィルムを使うように自分を仕向けてみた。

すると、以前にも何度も経験したあの感覚が戻ってきた。

12枚しか撮れないはずなのに、何かに取り憑かれたように、弾むような勢いで次々とシャッターを切り、気がつけば一本を撮り切っている。そんなことが何度もあった。

不思議なことに、この感覚はデジタルバックではあまり起こらない。

デジタルバックも便利だし、きれいに写る。しかし、フィルムを装填した500C/Mを手にしたときに感じる、あの「12枚を撮り切りたい」という妙な高揚感については、どうしても肩透かしを食らったような感覚が残るのである。

第三段階──そしてフィルム贔屓になった

そうしてフィルムを優先的に使うようになると、ときどき「これはフィルムでしか撮れなかったのではないか」と思うような写真に出会うようになった。

そうなると、当然ながらフィルム贔屓になっていく。

特に富士フイルムのポジフィルムの写りは、今でも格別だと思っている。デジタルでは非常に簡単にきれいな写真が撮れるが、ポジフィルムでうまく撮れた一枚には、また別の魅力がある。

もちろん、だからといってデジタルの便利さを否定するつもりはまったくない。そもそもフィルムで撮った写真でさえ、最終的にはデジタル化して取り込んでいる。フィルムかデジタルかと二者択一にするのではなく、両方と程よく付き合っていくのが一番よいのだと思う。

ちなみに、907Xをミラーレスカメラとして使う方法もかなり楽しんだ。XCD 45Pを付けたり、アダプターを介してHC150mmを使用したりした。ただ、907XでVレンズを使う場合には電子シャッターとなるため、動体では歪みが気になる場面もあり、次第にその使い方は減っていった。

結局、またフィルムへ戻ってきた

振り返ってみると、CFV II 50Cというデジタルバックを購入した結果、最終的には再びハッセルブラッドでフィルム撮影をする機会が増えた、ということになる。

もちろん、デジタルバックも今でも使っている。気軽にスナップ写真を撮ることもあるし、撮影後すぐに結果を確認できる便利さは何物にも代え難い。

それでも、500C/Mにフィルムバックを付け、12枚を撮る時間が以前よりむしろ楽しくなった。

そういう意味では、CFV II 50Cは私にとって、フィルムからデジタルへ移行するための道具ではなかった。むしろ、長く所有してきたVシステムをもう一度使い直し、フィルムの魅力まで再認識させてくれたデジタルバックだったのである。

CFV II 50Cは、本当に買ってよかったと思っている。

今後はハッセルブラッドVシステムそのものだけでなく、ミラーレスカメラとの関わり、ライカとの関わり、ハッセルブラッドのデジタル機、新たに増えてきたフィルム機材、さらに米国在住という立場から見た海外のカメラ事情についても、少しずつ書いてみたいと思っている。

写真のカメラ: Sony A7R3 レンズ: R Leica Elmarit 90mm 2,8

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