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『ペイフォワードプロジェクト エピソード2 小説&エッセイ&イラスト編』

バトンをつなぐ人――雪綴ゆきさん


昨年の秋。
ゆきさんは、すでに名の知られたクリエイターだった。
あたしもフォローさせていただいてた。
けれど、その後。
なぜか見失った。
noteでは、わりとよくあることだ。

今年の夏。
ちび創作大賞、カケルンさんのブース。
参加作品を眺めていたあたしの目が、ひとつのアイコンで止まった。

あれ。この表情、見覚えがある。
その隣には、

「雪綴ゆき」

……え。
ゆきさん?

名前、変わってたのか。
そりゃ見つからんわ。
てか、あたし、大ボケだ🌀

見失っていた人を、「こころの在処」で見つけた。

できすぎた話だと思うでしょ。

でも、本当なんですって。


早速、改名の記事を読ませていただいた。

「雪」の静けさと「綴る」という創作への意志を、新しい名前に込めたという。

雪、冬、積もる、春、芽吹く、水。

……名前ひとつのお話なのに、ちゃんと季節が巡っている。

この感じ、あたしは好きだな。

などと、分かったような顔をしたところで、
『ルミナール戦記 外伝―救済という名の呪い―』へ向かった。

世界に十人しかいないS級能力者。
単騎で軍団を消し飛ばす「雷光の女神」メイサ。

……強っ。
こういう難しい設定を見ると、あたしの頭の中では、まず世界観の荷ほどきが始まる。

ところが最後に残ったのは、記憶を消されたメイサが、それでも胸ポケットの白い布を指で探す場面だった。

それが何なのか。
誰から渡されたものなのか思い出せない。

それでも、指は離さない。

記憶は奪われても、身体のどこかに残っている。

ゆきさんが書いていたのは、最強の女の強さではなく、その奥に最後まで残った「人」だった。

そして、あたしが彼女を見つけた作品。

『午前0時、こころが帰ってくる』。

こちらにいるのは、チンチラだ。

スマホの光。
チモシーをかじる音。
指先に、ちょんと触れる鼻先。

昼間、「大丈夫です」と言うたびに少しずつ留守になっていくこころが、午前0時、そこへ帰ってくる。

雷光の女神から、チモシーまで。
ふり幅は広い。

でも、拾っているものは同じだった。

見失ったもの。
消えたように見えるもの。
それでも、本当にはなくなっていないもの。

あたしが見失っていたあいだにも、
彼女はずっと、それらを拾い、言葉に綴っていた。

……あたし、何を見失ってたんだろうね。

ちょっと、もったいないことをした。

でも、もう一度見つけた。

なら、今度はちゃんと読めばいい。

雪綴ゆきさん。

以前から知っていた人。
でも今回、はじめてちゃんと知った人。



バトンをつなぐ人――きゃんコアラさん


きゃんコアラさんは、あたしも参加している無名Sさんの弱小マガジン「WORDS BOOST」仲間だ。(無名Sさん、弱小って言っちゃったよ。ごめんね。)

で。

きゃんコアラって、何者だ?

会社員。
占い師。
メイクが好き。
美容が好き。
スカートが好き。
アロマも、推し活も、サッカーも好き。
そして「女の子になりたい男の子」。

……むむ。

分からん(笑)。

ところが、ご本人も分かっていなかった。

「僕が何者かは、まだ分かりません。」

それを読んで、なんだか妙に納得した。

彼女(彼)は、何かひとつの肩書きに収まる人ではないのだと思う。

子どもの頃から、ずっとそうだった。

読書感想文なのに、ほぼ創作して優秀作品に選ばれる。
サッカーチームがなければ、自分で先生に頼んで作る。
卒業式では、みんなが泣くなか、卒業が嬉しくて笑って怒られる。

そして、男子は五分刈りという校則のなか、坊主頭でこっそりスカートを履いていた。

なかなかだ(笑)。

でも、その一つひとつを読んでいると、「変わった子だった」という話ではないことに気づく。

あの頃の彼は、いつだって本気だった。

「普通って何?」
「男だから?」
「その歳だから?」

55歳になった今も、その問いに答えは出ていない。

でも、あたしはそれでいいと思う。

白か黒かを決めるのではなく、絵の具みたいに混ぜてみる。
すると、名前のない色ができる。

それが、彼女(彼)なのかもしれない。

かつて校長先生から、

「上手に描くことより、描きたいものを描きなさい」

と渡された言葉。

今度はきゃんコアラさんが「放課後の小さな課外授業」で、誰かにそっと渡している。

正解ではなく、

「あなたは、あなたの色でいいんじゃない?」

という、小さな処方箋を。

そう考えると、この人。

ペイ・フォワードを、ずっと前からやっていたのかもしれない。

……で、結局きゃんコアラって何者なんだ?

むむ。

やっぱり、分からん(笑)。

でも、たぶん。
分からないところが、いちばんいい。



ということで。
今回は、このお二人です。

……と言いたいところですが。

実は、もうひとりいます。

ただし、その方は諸般の事情により、今回は出ません。

なので

次回。クローザー。

オオトリにふさわしい、ビッグネームです。

みなさま、ご期待くださいませ!

……って。

たび.、まだ引っ張るんか~いっ!

はい。
引っ張ります(笑)。

EP3へつづく。



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