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【漫画】講談社さん『ミニマム』の映像化はまだですか?

こんにちは、ごみくずです。

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さて、今回も宮崎摩耶先生の作品を紹介させてください。

月刊ヤングマガジンに連載していた『ミニマム』という作品で、以前紹介した『シノニム』の前日譚にあたります。

最近色々なご縁があって、宮崎先生との接点が増えてきました。
しかし、友好度合いは関係なく「面白い作品しか紹介しない」モットーには変わりはありません。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第1巻より引用

本作、全7巻で既に完結しておりますが、これは本当に凄まじい作品です。
特に最初の絵の印象と中身の世界観のギャップが圧倒的で、独特の読後感と余白がある名作。

「これは映像化したら絶対に面白い!」という直感には本当に自信があります。アニメ化も実写化も、どちらも話題になるのではないでしょうか?

それは何故か?

その理由を、作品への愛情たっぷりに語っていきます。
是非、今回もお付き合いいただければ幸甚です。


作者と作品

何度か紹介させていただいてますが、あくまで私見における宮崎摩耶先生作品を通して感じる特徴と魅力をあげると

①『ゴクジョッ。 〜極楽院女子高寮物語〜』(以下、『ゴクジョッ。』)のような革新的破壊的なバカエロ作品が有名

圧倒的な人物の画力(特に美少女の画力が突出)

③画力もさることながら、本質的には作話力が一番の肝
(リアル路線の心情描写やストーリー構築が強い

④筆も早い(『ミニマム(2010年~2015年)』、『/Blush-DC 〜秘・蜜〜(2010年~)』、『Holy Knight(2010年~)』『ゴクジョ。(2009年~2015年)』、『ジェノサイダー(原作:2014年~2015年)』、『コスプレ探偵(作画:2010年)』を発表)

本作品ミニマムは2010年から2015年まで、月刊ヤングマガジンに掲載されました。ジャンルは「恋愛&SF」に分類され、『ゴクジョッ。』と並ぶ作者の代表作の一つです。

なお、この文章を届けたいのは、「まだ読んでいない方」です。
具体的には、

宮崎摩耶作品のファンで未読の方
・今までに無い読後感を体験したい方
・奥裕哉先生や桂正和先生が好きな方
(初見でも心揺さぶられる筈です)

そしてその先に、

「編集部や映像化の企画に主体性がある方」の目に留まり、企画案の一作品としてテーブルに乗る事を想定しながら書いています。

とはいえ、読者として一番多いのは、「作品を読んで印象深かった方」でしょう。

そういう方が作品を振り返りたくなった時にネット検索でこの場に辿り着き、私の紹介文を読む事で新たに言語化された感情を見つけてくれたら嬉しいな、と思います。

勿論、究極的には「全世界中の人がこの紹介文を読む事で作品を手に取り、実際に読んでいるうちにこの作品の魅力に取り込まれてしまう」なのですが(笑)

それでは作品の紹介に移ります。

結論からまず言いたい!最初の印象と内容のギャップがすごい!

ギャップの説明にあたり、改めて第1巻の表紙を見てもらいましょう。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第1巻より引用

初めてこの表紙を見た際には、「小さいお人形サイズの女の子と少年の同棲生活の日常モノ」、もしくは「小さい女の子がクラスメイトになり、そのかわいい仕草にクラスの皆や読者が萌え萌えきゅんきゅんするファンタジー」と予想していました。

特に背景がPCで、「PCの美少女ゲームやエロゲから女の子が飛び出てきちゃた」的な話も想定できます。

少し甘ったるい雰囲気で、ここで離脱する人もいるかもしれませんが、そういう方には「ちょッまてよ!!!」と言いたいです。

この物語はこれが「掴み」だと思ってくれた方がいいです。

と言いますか、講談社さん、最初はエロで掴ませるけど結局最後壮大になる話をよくリリースしてませんかね。
BE FREE!』(江川達也/講談社)あたりからかもしれませんけど。
この話も学園エロコメ風の入り口から、ファシストと自由、そして最終的には方丈記を流しながら人生を超えた時間をみせる最終回でしたからね。。

それに表紙のデザインも良く見ると「黒地に緑」という色合いが、PC80やPC88シリーズのゲーム風の、つまり古典的なイメージの電脳世界を意図的に描いて印象深くしている気配があるのも否めませんでした。作者が意図したか、実際のところは不明ですが非常に印象深い。

そういう印象の中で、物語は東京都豊島区池袋を舞台に、主人公の二人、学校のPCでエロ動画を探す眼鏡童貞写真部の『伊東 竜介(いとう りゅうすけ。以下、「伊東」)と、そのPCのDVDドライブから伊東君の前に現れた小さい女の子『西九条 遥(にしくじょう はる。以下、「」)』の恋愛を、じっくりじっくり、丁寧に描いて進めていきます。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第1巻より引用
このシーン、シュールですが、この時点で結末がああなるとは想定外でした。
すごい振り出し方

小さいままの遥の、トイレや風呂問題、そして食事や衣服の調達などを通して、鈍感な伊東と強気でストレートな遥の成長と恋愛感情の成長を描いていきます。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第1巻より引用
このシーンを思いつくのは宮崎先生しかいないでしょ

そして、当初のイメージと違って、遥は大きくなったり小さくなったりするんですね。遥は何かをトリガーとしてるかは分からないまま、自分の存在に悩みます。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第1巻より引用
妹の純に知られないように情報収集。
ここから濃厚な名シーンが続きます

読者は二人のじっくりとしたやり取りの裏で「プレイした人が死ぬ謎のネットゲーム」のきな臭さを感じつつも、遥が体の変化する事による伊東の不器用な寄り添いがかなり濃厚な純愛になっていて、読者は二人の愛情の成長に意識が持っていかれます。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第2巻より引用

ところがある日、遥がふと、ゾクッとすることを言うのです。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第3巻より引用
「本当は私が小さくなってるんじゃなくて、この世界がおかしいんじゃないかな…?」


突然挿入されるこの不協和音から、物語が一気に変転するというか。

この不協和音をスルっと入れてきたあと、本当に独特の寒気を味わいました。

うわっ凄い!ここは凄いな!と思わず唸ってしまいました。

この辺は本当に適切に表現する語彙が無いです。
しかし言葉で説明するより、実際に読んで体験していただいたほうが一番実感できるかと思います。

この衝撃や独特な肌の泡立ちは言葉で表現し辛いのですが、せめてこの熱量だけは伝わってほしい!
そう思う次第であります。

作品の魅力

この章では、作品の魅力を具体的に整理していきたいと思います。

①謎の美少女「遥」

伊東も言っていますが、まず表情と感情表現が豊かな点が一番の魅力かと思います。

確かある記事では「ツンデレ」と紹介されていたと思うのですが、恐らくキャッチ―なワードでラベリングしてみただけで、定型的なツンデレではないんですよね。

実際の彼女は、性格的に少し我儘なところがあり、気が強くストレートな物言いをするときもあるのですが、しかしそれは彼女なりに素直に相手に向き合った結果であり、嫌味な感情はありません。むしろ、感情の機微がはっきりしていて可愛らしく、非常に生き生きとしています。

この辺のバランス感覚というか、匙加減が自然かつ絶妙ですね。
なお、その人格の背景は物語で後述されるのですが。

そしてもう一点、体のサイズが不規則に変化する点。
これは遥の謎の一つでもあり不安定な状態変化に心を奪われます。

「手のひらサイズの女の子との恋愛」を描く漫画作品は『南くんの恋人』(内田春菊/青林堂/文藝春秋)と『ミクロの人』(吉田戦車/白泉社。短編集『くすぐり様』に収録)を読んだ事があります。

南くんの恋人』は突然小さくなった彼女との同棲で、衣食住や性の問題に直面した南の内面を生々しく描写し、『ミクロの人』に至ってはギャグ漫画であり、女性が小人族、男性が巨人族という思わず吹き出すような設定で最後は虫眼鏡で性の問題を解決しようとしていました。

両作品ともに恋愛や生活において『ミニマム』のような問題を抱えていましたが、遥の様に体の大きさが変化しません。

それ故『ミニマム』は私にとっては斬新でした。他にもっと同類の作品を探せば類似の設定のものが出てくるのかもしれませんが。

遥は主体的に体の大きさを変えているわけではなく、理由も不明。
そして自分の身体の変化により社会が変化している様子もありません。
彼女にとってはとんだ災難でしかなく、本人も思い悩みます。

しかし、その違和感が、やがて彼女だけの問題ではないことを示唆し始めます。

②伊東の成長と等身大の男たち

そんな感情豊かな遥と、大人しく野暮ったい伊東とのやり取りは色鮮やかで、特に冒頭から二人の生活と心が寄り添う姿を非常に丁寧に描いているため、二人を応援したくなるような、そんな気持ちにさせられました。

この作品はヒーローのような完璧な男性は登場しませんが、どこかだらしなくありつつも、等身大の魅力的を持った人物が中心となって登場します。

例えば伊東
オタク気質であり、夢中になると一直線タイプですが、その反面、無粋で浮気性な面があります。しかし、責任感があり、不器用ながら遥のことを面倒みようとします。また、「バカ」と言われても受け入れる度量もあります

伊東の親友の斉藤も、普段は下品な軽口ばかり叩いていますが、本質的には友人想いで面倒見が良く、酔った姉や頼りない伊東を支えたり、キャサリンを匿ったりと、普段の発言からは想像できないほど頼りになり、愛を貫く男です。

光の恋人であり、週刊誌「週刊現世」記者であるも、一見だらしないところがありますが、下世話なゴシップより自分の興味を持った真相に夢中で、人の命をなんとも思わない相手に対しては怒りを見せるなど、とても魅力的に描かれています。

普段はちょっと欠けた所はあるものの情義に厚い等身大のイイ男」が宮崎先生の作品ではよく登場しますが、普段とのギャップが意外性を生み、読者も親近感が沸きやすく感情移入し易い。
先生の「イイ男の定義」はこうしたタイプなのかもしれませんね。

③じっくりと描かれる恋愛と日常からの怒涛の変転

先述の通り、遥と伊東という、タイプの違う二人が反目と寄り添いを繰り返しながら成長していく恋愛模様を、温かみを持ってじっくり描いていきます。

しかしその日常は、遥の 「本当は私が小さくなってるんじゃなくて、この世界がおかしいんじゃないかな…?」 という一言から物語は大きく動き出します。

この瞬間、読者は遥の「個人の変化」に視点を置いていた筈なのに、いつの間にか「世界の変化」という大きなスケールに巻き込まれていくのです。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第3巻より引用
このページから続く場面が何度見ても変わった鳥肌が立ってしまう

遥だけが気づく世界の異変を境に、これまでの じっくり進んできた恋愛物語が、一気にギアを上げたかのようなSF展開へと変貌。
もはや前半の日常シーンとは別作品のようなスピード感で物語が進んでいきます。

さらに、「恋愛というアナログな感情の流れ」と対比するように、デジタル的で冷淡な存在であるキャサリンが登場。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第3巻より引用
キャサリンの恐怖と変化も見所です

世界の法則が乱れ、読者も伊東や遥と共に「今自分がどこにいるのか?」という感覚に襲われながら、物語の波に飲み込まれていきます。

「ゆっくりと進んでいた日常ラブコメが、気づけばSFスリラーになっていた」

これが、『ミニマム』の最大の特徴であり、最大の魅力でもあると感じました。

冒頭でも触れたように、恋愛というアナログな関係をじっくり描きながらキャサリンのような単純な思考の存在を対比させることで、二人の感情の機微がより際立つ。

さらに、怒涛の展開が読者に余白を残し、読後感の深みを生んでいるのも本作の面白い点。

そして、世界の急激な異変が顕在化しても、内村真礼を前面に出し「こんなことやってる場合じゃないんじゃないか?」と、読者の不安を煽る三角関係をさらに挿入してくる。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第3巻より引用
(CV:内田真礼)ここからの会話回しとタイム感も非常にいいのです

このバランスこそが、『ミニマム』の唯一無二の魅力であり、映像化したときに視聴者を一気に引き込む力になるのではないかと思います。

④ ファンへのお楽しみ要素(板橋光)

これはめちゃくちゃ驚きました。

宮崎摩耶先生作品が好きな方。
この女性、気が付きましたか?

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第2巻より引用
初登場

初登場時点では「光」としか名前が明かされない彼女。
実は、宮崎先生の人気作品『ゴクジョッ。』の板橋光の数年後の姿なんですよね。
しかも、ネタ明かしは終盤のほんの一コマ、流されるようなコマで行われます。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第7巻より引用
最終局面で思わず声がでた瞬間

板橋光と言えば、宝塚の男役のような、一人称を「俺」と呼ぶボーイッシュな美少女でした。

『ゴクジョッ。〜極楽院女子高寮物語〜』(宮崎摩耶/集英社)第3巻より引用
意図してなのか、初登場が両作品とも似た構図。髪型も当時のままですね。憎い演出です

そんな彼女が 大学を経て女性的になり、かわいらしい顔で脇に愛の確認をします。

大人のコメディシーンも交えつつ、作中ではしっかり愛し合う場面も描かれています。

『ミニマム』(宮崎摩耶/講談社)第7巻より引用
振り返れば名シーン目白押しだなこの作品

「あの板橋が!?」 という高揚感と、彼女の変貌を知った後の衝撃的な展開。

その高揚から絶望感の落差によって、それまでの彼女の人生と成長がより際立ち、心を揺さぶられました。

宮崎摩耶先生作品では、作品同士の繋がりをさり気無く示唆するという、読み込むためのお楽しみ要素が盛り込まれています。例えば、『/Blush-DC 〜秘・蜜〜』の大和田と『ゴクジョッ。』の大和田円は兄妹であり、円が梅から料理を教わっていることが作中で触れられるなど、ファンにとって発見の楽しみがあります。

こうした 「一見関係なさそうな作品世界同士がつながっている」 演出があるからこそ、作品への期待感と深みが増すんですよね。
やはり最高だな、宮崎摩耶ワールドは。

親愛なる講談社様へ『この作品、映像化しませんか?絶対面白いので』

さて、ここまで読んでいただきまして、誠にありがとうございました。

「お人形さんみたいな小さい女の子と少年の恋」という題材と、それを丁寧に描く前半。

そして、中盤の遥の気づきを境に、それまでの二人のやり取りからは想像できないラストへの怒涛の展開は、視聴者を驚愕に導くはずで、それは映像化にとっては強みと考えます。

特に『ミニマム』はSFなので、実写化も向いていると思うんですよね。
特にクライマックスは立体の情報量の中でその世界が生きてくる気がします。そして『パリピ孔明』のようにアニメと実写同軸展開で、最終的にラストは映画、と繋げて。

売れると思うんだけどなあ・・・どうでしょうか?

乳房の露出が難しいなら、白抜きやら角度で何とかなるので問題ないでしょう。

まだこの作品を体験していない方で、これを読んで懐疑的な気持ちになっている方も、最初の甘々な雰囲気からは想像もできない怒涛の展開を見れば納得いただけると思いますので、最終最後まで実際に読んで欲しいです。

これを読んで共感したファンの方は、是非SNSでその有意義性を訴えるポスト、そして講談社へファンレターをお願いします(笑)

「映像化は民意」というポストを見かけましたが、「天意」に変えていきたいものです。

以上、今回も最後までお付き合い、誠にありがとうございました。
改めて、作品に興味が沸いた方は下記のリンクから購入を、そして記事が気に入った方は「いいね」を押してください。

それでは皆さん、次回も宜しくお願いします。

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