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ideal_vole718
[ショートショート] ろうそく
「一つだけ願いを叶えてあげましょう。ただし、条件があります。これを24時間離さずに持っていてください。これは死のロウソク。手を離したり火を消した者は死んでしまいます。」
死神はそう説明すると、男に燭台を渡した。
その一時間後、強い地震が来た。
ろうそくの火が激しく揺れる。彼は動揺した。安全のため火を消そうとしたが、消すと死んでしまう。
揺れが収まり、ロウソクを確認する。火がついたままだ。危ないところだった。
男は避難所へ向かう。
外は晴れているため、通行人はロウソクを持っている彼を怪訝な目で見ている。
道中で風が吹いた。
「あっ…」
ロウソクの火が消える。男は心臓が止まるかと思った。
しかし彼は死んでいない。少なくもと今のところは。
地球の風は太陽が生み出す。温められた空気は軽くなってそこは低気圧になる。そして高気圧の場所からそこに空気が流れ込む。これが風だ。
つまりそう、死んだのは太陽だ。核融合のエネルギー源である水素が尽き、白色矮星へと変化しつつある。
あと8分ほどで地球に届く太陽光が弱まっていき、地球全体が凍りついてしまうだろう…。
