可愛い顔して年商数千億。深セン発・ネコ型ロボットが日本のファミレスを完全支配した「内製化」のエグい戦略
ファミレスの「ネコ型ロボット」、実は高級車並みの価格!?それでも企業がこぞって導入する狂気のコスパと裏の儲け仕組み
皆さんは最近、ガストやバーミヤンなどのファミレスで縦横無尽に走り回る「ネコ型配膳ロボット」をもう見慣れましたか?

一昔前なら「ロボットが料理を運ぶなんて未来の話」と思っていたはずなのに、今や私たちは、彼らが近づいてきても驚きすらしません。スープをこぼさず健気に運ぶ姿を、ごく当たり前の日常として違和感なく受け入れています。
でも、よくよく考えてみてください。これって、人間の「慣れ」の凄さでもあり、同時にものすごい技術革命が目の前で起きているということではないでしょうか。
今回は、あの愛くるしいネコ型ロボットが一体「いくら」するのか、そしてなぜ企業はこぞって導入するのか、その本質を徹底的に掘り下げます。ここに見えるのは、これからのビジネスや労働のあり方を変える、恐るべき縮図です。
始まりは、中国の「別格の街」深センから

あのロボット、実は日本のメーカー製ではありません。開発・製造しているのは、中国の深センに本社を置く「Pudu Robotics(プードゥ・ロボティクス)」社。
中国の「深セン」といえば、泣く子も黙る世界最先端の電気街です。技術の発達スピードにおいては世界でも完全に「別格」とされるイノベーションの聖地。そこで生まれたのが、あのネコ型ロボット「BellaBot(ベラボット)」です。
これを日本に仕掛け、一気に日常の風景へと変えたのが、ガストなどを展開する「すかいらーくグループ」でした。

日本の総代理店であるDFA Roboticsやソフトバンクロボティクスなどを経由し、グループ全体で約3,000台という文字通り桁違いの規模で一斉導入したのです。
料理を運ぶだけでなく、「耳を触ると喜ぶ」「邪魔すると困った顔をする」といった、日本人の心にぶ刺さるユニークな発想のキャラクター性も相まって、彼らは一気にファミレスの「顔」になりました。
「中国製=薄利多売」のウソ。あの会社、めちゃくちゃ儲けてます

「どうせ中国製だから、安さで攻めて薄利多売なんでしょ?」
もしそう思っているなら、完全に騙されています。このPudu Robotics社、いま異次元レベルで儲けているのです。
驚くべきは、その海外売上比率。なんと80%以上が中国国外、つまり日本や欧米などの「深刻な人手不足と人件費高騰」に悩む国々で外貨を稼ぎまくっています。
しかも、彼らの強みは「主要なコア部品(センサーやモーターなど)をすべて自社で内製化している」点にあります。他社から高い部品を買って組み立てるのではなく、自社で作るから原価を圧倒的に抑えられる。つまり、売上の規模だけでなく、利益率もめちゃくちゃ高い最強の経営体質を持っています。
今やその企業価値は15億ドル(約2,300億円)を突破。この莫大な利益を元手に、彼らはすでにネコ型ロボットの先、つまりオフィス向けの「自動清掃ロボット」や、人間の代わりに複雑な作業を行う「ヒューマノイド(人型ロボット)」の開発へ、次の動線を着々と引き始めています。
ぶっちゃけ1台いくら?「自分の車より高い」という現実
では、ここからが本題です。
あのファミレスで働くネコ型ロボット、1台いくらすると思いますか?
メーカーの希望小売価格は、驚きの「約310万〜340万円(税抜)」。

「えっ、自分の車より高いんだけど…」と思った方も多いのではないでしょうか。そうなのです、実はファミレスのフロアには、高級軽自動車やファミリーカー並みの精密機械が何台も走り回っているのです。
しかし、こんな大金を一括で払えるのは大企業だけ。では、なぜ街の小さなお店でも導入されているのか?
ここに、現代のビジネスモデルの上手さがあります。彼らは一括販売だけでなく、月額約10万円〜の「レンタル(サブスクリプション)」という選択肢を用意しているのです。私たちが毎月「Netflix」に数百円払うのと同じ感覚で、飲食店は月10万円で最新ロボットを「サブスク」しています。これなら初期投資を抑えたい店舗でも、明日にでも導入できますよね。
恐怖のコスパ。人間と「時給」で計算してみよう
「便利なのはわかった。でも、結局人間を雇った方が安いんじゃないの?」
そう思われる方のために、ここで具体的な数値を計算してみましょう。
ここからが、このビジネスの最も恐ろしいインパクトです。
ロボットの寿命を約5年(60ヶ月)と仮定し、本体代や日々の電気代、メンテナンス費用を含めて計算します。彼らは年中無休、文句も言わず、シフトの穴埋めに頭を悩ませる必要もありません。もちろん、当日の朝に「体調不良でバックレる」なんてことも100%ありません。
この圧倒的な労働環境を、店舗の稼働時間で割って「時給換算」してみると……
なんと、時給にしてわずか「100円〜200円」程度になります。
日本の最低賃金が1,000円を超え、深夜手当や交通費を払っている現代において、時給150円で文句ひとつ言わずに働き続ける労働力が手に入る。このインパクトは絶大です。
そのため、営業時間の長いファミレスなどでは、導入からわずか7ヶ月〜1年少々で初期投資(300万円強)の元が取れると言われています。投資回収期間のビジネスモデルとしては、驚異的な短さです。
次にファミレスであのネコを見た時、あなたはどう感じますか?

飲食店側から見れば、これほどコストパフォーマンスに優れ、シフト管理のストレスをゼロにしてくれる「最強の働き手」は他にいません。
人間がロボットに慣れたのではない。
ロボットが、人間を雇うリスクとコストを完全に凌駕したからこそ、彼らはそこにいるのです。
中国・深センの圧倒的な技術力で生まれ、コア部品の内製化で利益を爆発させ、日本のファミレスを一瞬で席巻したネコ型ロボット。
次にあなたがお店であのネコとすれ違い、ちょっと耳を触って喜ばせる時。
その可愛い液晶の裏側にある「時給150円の狂気的なコスパ」と、これからの労働市場の未来に、少しだけ思いを馳せてみてはいかがでしょうか。これほど圧倒的なメリットがある以上、私たちの街から労働ロボットが消えることはなく、むしろ今後さらに増え続けていくことは、もはや必然と言えるかもしれません。
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