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実は結構肌が綺麗なのですが

どこまでいっても三十路の戯言なのでどうか傷つけないでほしいのだが、私は結構肌が綺麗である。もちろん年齢とともにシミもくすみもよく見ればあるけれど、白いしきめが細かい。
ありがたいことに褒めてもらえることも多く、傲慢なことに陶器とか卵とか言われたら、「そうだよね」と納得してしまうこともある。

外見の話になるとそこまで良い思い出がないわたしだが、肌にだけは褒め言葉を謙遜なく受け止めてしまえる。

それは祖母のせいであり祖母のおかげだ。
ぼんやりした顔立ちの私は祖母に、「鼻が低い」だの「目つきが悪い」だの率直なご意見をいただき傷つけられてきたのだが、そんな彼女が私の肌だけは、「あんたの肌は男を狂わせる」と絶妙な表現で褒めてくれたのだ。

こんなに私をけちょんけちょんにしてくるのに、ここだけは最上級の(?)褒め言葉をもらったとなれば、悪い気はしない。
実際この肌の遺伝元と思われる父方の祖母は晩年もちゅるちゅるの赤ちゃん肌に若干の年季が入っている、表現が難しいお肌をしていた。きっと私もそうなるのだ。

〜〜

先週末、夫と軽井沢に行ったときのこと。
あとはたらふく酒のんで寝るだけから、安心してすっぴんで肉を喰らっていた。すると、夫がまじまじと顔をみて「肌、綺麗だね」と言った。

え、いま???????

出会って7年、同棲して3年半、結婚して2年。すっぴんなんて何度も何度も何度も何度も見てきただろうに、今なのかい???

考えてみれば、夫に肌を褒められたことはなかった気がする。なんとなく私の機嫌が悪い時に猫を愛でるようにかわいいかわいい、とか言ってくることはあるけど、「綺麗ですね」みたいな口説かれかたはない。

わたしも酔っ払いの勢いで、
「え?生まれてこの方この肌のなんですけど!多分日本で10番目くらいには肌綺麗なんですけど!」
過言のかぎりを尽くすと、彼はおろおろして、
「いや、いつもは化粧してるかもしれないと思って...」
と縮こまる。

いや、お風呂上がりに一緒にゲームしたりしてたから、少なく見積もっても同棲して3年分の1000回くらいは見ている。確かに見ている。

この結婚記念の旅行まで、彼がわたしの魅力に気がついていなかったなんて、そんなこと起こるとは。
彼はやっぱり何年経っても彼だなあ、と笑ってしまった。

おばあちゃん、ここにわたしの肌に狂わないメンズがいました。7年経って、やっと気がついたようです。

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