アセクな私がロマだと自認する理由
私はロマアセク。他者に恋愛的魅力を感じるアセクシュアルです。
結構なタイトルつけてますけどね、すごく簡単な理由だったりします。
場合によっちゃ「はぁ?」ってなるかもしれない、私の中の答えです。
若い頃、大人の恋愛小説を読んでいたら「愛=性行為」みたいな描写が湧いて出るほどあって、正直げんなりしました。多分周りの大人に言ったら「あなたがまだ子どもだから」とか言われたんだと思います。
だから、性行為を求めない=恋愛感情はない? と思ったこともありました。
そもそも私は恋バナすら好きじゃありませんでした。同級生の初恋にも、ましてや彼氏とどこまでいってる、ってのも正直興味がないし、むしろ不快でした。彼女たちが男とどれだけ深く繋がろうが、知りたくもなければ想像したくもない。どうして恥ずかしげもなくそんな話ができるのか疑問でした。
しかしながらワタクシ、自分はわりと恋多き女だと思っていた時期がございます。
それはまだ違うだろ、とツッコミを受けそうですが、初恋は幼稚園の時。自立心旺盛な一匹狼的な男の子に惹かれます。孤立しているわけじゃないんだけど、1人で堂々としている子でした。
それからとんで小学3年生、演劇系の習い事をしていた時、立ち位置に向かおうとしたら逆方向に向かおうとする子が多すぎて前に進めないでいたところ、腕を引っ張ってくれた子がいました。めっちゃ痛かったし、ましてやアセクの「触んなコラ!」的な感覚をすでに持っていましたのですこぶる腹が立つわけですが、「私だって気づいて引っ張ってくれたんだ」と思うとラブがロックオンするわけです。その子のことは習い事をやめて何年か経ってもずっと好きだったなぁ……。
高校生の時も少しだけいいなと思った子がいましたが、振り返ればその子とは単純に友だちになりたいだけでした。
この頃は水泳の授業の水着姿を見ただけで馴れ馴れしくしてきた男どもに嫌悪感を抱く多感な時期でもありました。
それでも推しはいたんです。男どもと思いながらも男性の推しがいたし、女性の推しもいました。なので自分がバイセクシュアルかもしれないと悩んでいた時期でもありました。結果、バイではないと思います。
もし女性に付き合ってって言われたら、その人のことをすごくいい人だと思ったり、誠意に打たれたりしたら付き合うかもしれません。付き合えないことはないです。女性だから嫌、みたいなことはない。ありがたいことです。
とはいえ、私を恋愛対象と見てくる女性は、しばしば私を男役として見ている節があります。背がデカくて髪の毛が短かったらまぁそうなるでしょうね。実際、歩く時は車道側に回ってあげるし、高いとこのものは取ってあげる。買い物の荷物はもちろん持ってあげるし、「赤と青どっちがいいかな?」って訊かれたときの完璧な返しも多分できる。
でも私、どちらかというと「対等でいたいけどたまには守られたい」タイプなので、完全に彼氏を求められたらご期待には添えません。基本的に末っ子早生まれなのであまちゃんなとこあるんですよ。
おそらく、「彼氏に不満があって愚痴りたい、買い物したい、誰か付き合って!」ってなったときに呼ぶのに最適なメンズ系友人です。「うん、うん、そうかそうか」って深い相槌と共に拝聴させていただきます。
逆にいえば、甘やかしてくれるなら性別は問わないですね。となるとやはりバイでは? と思ったりましますが、女系家族で育ってきた私は女性の気分屋具合、癇癪、ヒステリーを信じられないくらい喰らってきたので、女性のそういう部分を当てられたら「こいつもか」ってうんざりしてしまう気がします。
さて、話を戻しましょうか。
大学生のとき、ちょっといいなと思う子がいて、このときにアセクシュアルを自認するわけです。
アセク=アロマでないとおかしい? と思っていた私が自分に恋愛感情があると思った理由。これ、人によっては「ふざけんなお前ぇぇ!」ってなりそうですが、思い切って言いますね。
それは、推しの熱愛報道に動揺したから。
ほんと、舐めてんのかって思われそうですけど、実際そうなんですよ。
あるときふと思ったんです。あのショックはなんなんだろう、と。
推し活って、ある種の疑似恋愛じゃないですか。「もし推しと付き合ったら〜」って考えませんか? 私は考えます。推しとお茶したら、とか、普通に。
ガチ恋かって言われたら、そこまでではないけれど、ほのかな、憧れっていうんですかね? バレンタインチョコを渡そうか迷っている二個上の先輩、みたいな距離感。
そういう気持ちが一切なく、ただ普通に「人として好き」とか「パフォーマンスが好き」って気持ちで応援しているだけだったら、「あ、彼女できたの? おめでとー」くらいの感じじゃないです?
でも「マジか……」と振られたような気分になったら、それは恋愛に近いんじゃないかと思うわけです。基本浮気性なので推しが一度に5人くらいいることもザラなんですけど、そんなちょい推しくらいの人でも恋人ができたらショックです。
実際の片思いみたいに「あの人彼女いるの? 諦めよう」とはならないけど、多少気持ちは離れますよね。まして結婚とかされちゃったらもう……。喪失感と言いましょうか。ロスですよ。ロスと失恋は違うだろと思われる方もいらっしゃるでしょうが、疑似でも恋を失っているんです。こういう気持ちが抱けるっていうのは、恋愛感情ありきなんじゃないかと思うわけです。
アセクと気づいてから、現実世界で「いいな」と思う人ができると憂鬱になりました。私はこの人と手も繋がなければ性的な行為はなにひとつしたくない。そういう人間が「付き合ってください」とか言っても、うーん。「しないけど好きなので付き合ってください」はおそらく怪訝な顔をされるでしょうね。意味がわからない、と。普通そうですよね。多分、ランダムに100人くらいに言ってみたら、1人くらい共感してくれるでしょうか。だから私の恋心は秘めるしかないんです。
そのせいか、遠く離れた、目の前に現れるはずのない推しに愛情を注いでしまう。今の推しは年上が好きらしい。こちとら上、上よ。でも子どもが2人欲しいんだって。無理だな。
そうやって、推しとの疑似恋愛でも痛みに振り回される日々。
以前、手相占いのおじいちゃんに言われたことがあるんですよ。
「結婚できるかはわからないけど、あと何回か本気の恋愛もしくは推しに出会う」
おじいちゃん曰く、「本気になれば恋愛も推し活も大差ない」。
そうね、私の恋心は推しに注がれていくのかもしれない。
時々思うんです。将来、独りきりでただ推しをなんとなく眺めながら寂しくご飯をかき込むのかな、とか。推しを愛でられるだけ幸せなんですかね?
同じロマアセクの人と知り合って結婚する? いやはや、お互いにロマアセクだからって理由だけで結婚はしないでしょう。同性愛の方が同性なら誰でもいいわけじゃないし、それと同様の理由で、同じ考えだからってだけで簡単に結びついたりはしない。
自分がすごく歳をとった時に、そういう理由でおひとり様の方を集めたマンションとかあったらいいのにって思ったりします。それぞれ別々の部屋で暮らしているんだけど、お互いに生存確認しながらときどき世間話なんかをする、みたいな。こんなのは夢の話ですね。
そう言ったわけで私はロマアセクを自認します。
ロマを持て余しているアセクです。
