マキコの場合
1
「そっか、今は風の時代なんだ…」
マキコは呟いた。
こっちの方がしっくりくる。
人生をとっくに折り返しているマキコ女史は、
あと数年もすれば前期高齢者の仲間入りを果たす。
なんかこの響き、イヤなんだけど…
まぁ、でも仕方ないか…
老いとは誰もが通る道である。
そう、この世に存在する万物は皆同じだ。
それにしても鏡に映る自分は人生に草臥れてる。
日々の雑事に追われ美容はほぼ無頓着だし。
家と仕事の往復で一日もあっという間に終了。
嗚呼!ダメだ。こんなんじゃ!
マキコは大きな溜息をつく。
もっと人生、楽しまなきゃ!損!
とにかくやるっきゃない!
2
マキコは何から始めたらいいかを模索していた。
人生楽しむったってすぐに思い浮かばないよ…
マキコ女史の同級生たちは皆、既婚者ばかりで。
彼女らはそれぞれのタイミングでゴールインした。
その中でマキコだけは今もなお独り身爆走中。
それが望むと望まないとに拘らず。
どこで私、人生躓いちゃったんだろ…
もっと自分を大切にすれば良かった。
何かで聞いたんだけど自分を大切にしないと、人も
自分を大切にしてくれないらしい。
そういう人しか寄ってこないんだそう。
私、そんなに焦ってたっけ?
マキコ女史も一度は結婚したものの、あいにく離婚
を経験することになった。
それから独身を貫き今に至っている。
ただひたすら働いて生きてきたというか。
何のために私、生まれてきたんだろう…
3
そんなある日。
マキコ女史はある人に恋をした。
そう、出逢うべくして出逢った。
偶然ではなく必然の出逢い。
もはやそれはマキコ女史にとって生涯最後の恋だ。
その人とは定期的に顔を合わせている。
マキコ女史にとって憧れるほどのお方だ。
マキコ女史曰く
●その人が視界に入ると目が離せなくなる。
●初めて逢ったような気がしない。
●懐かしさを感じる。
などである。
これはもしかしたらだけど過去世からのご縁がある
方なんじゃないだろうか。
彼もどことなく自分を意識しているようだし。
その方と視線が交差するたび何かが始まる予感が
するのは自分だけなのだろうか?
今はこの恋を大切に育てていきたい!
人生を楽しむのはいつからだっていい!
完
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