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初心者におすすめのボーカル録音用のマイク(2026年版)

2026年現在音楽制作を取り巻く環境は少しずつ変わってきています。
そこで今回は最新の状況を踏まえた上で「2026年版・初心者におすすめのボーカル録音マイク」を改めて整理したいと思います。

宅録を始めようと思ったとき最初にぶつかる大きな壁が「どのマイクを選べばいいのか?」という問題だと思います。
楽器店やネットショップを見ても、数千円から数十万円するものまで溢れていて、どれが自分に合っているのか判断するのはなかなか難しいものです。

そこで、マイクの種類やそれぞれのメリット・デメリットまで解説します。



◆マイクをパソコンに繋ぐ方法の違い(フォンプラグ、USB、XLR)

マイクを選ぶ際に意外に重要なのが「接続方法」です。
お店やネットショップでマイクを探していると、マイク自体の形は似ていても後ろ側の端子が全然違うことに気づくと思います。

大きく分けるとマイクをパソコンなどの機器に繋ぐ代表的な方法は以下の3つがあります。

  1. フォンプラグ

  2. USB

  3. XLR(キャノン)


1. フォンプラグで接続するタイプのマイク

「フォンプラグ」というのはヘッドホンやイヤホンなどの端子と同じような「細長い棒状の形」をしているタイプです。

パソコンのイヤホンジャックの近くにマイクのマークがついた小さな入力端子が用意されていることが多いため「ここに挿せばいいんだ!」と、手軽さに惹かれて買ってしまう方もいると思います。
私も初心者の頃はそうでした。

しかしDTMやボーカル録音をこれから始めようという方には「フォンプラグ」タイプのマイクはおすすめしません。

理由はシンプルで「録音される音が良くない傾向があるから」です。

パソコン本体に備わっているマイク入力端子は基本的にはWeb会議やボイスチャット用として設計されていることが多く、音楽制作に耐えうるような品質な部品は使われていないこともあります。

そのためいざ録音してみると、

  • 「サー」というノイズが入ってしまう

  • 音がこもって聞こえる

  • 歌声の繊細なニュアンスが消えてしまう

といった結果になってしまうこともあり、「思っていたのと違う……」とガッカリしてしまうかも知れません。


実際、プロのレコーディング現場でフォンプラグ接続のマイクが使われることはほとんどありません。
そのためメーカー側もこの端子を採用するマイクは「簡易的なもの」として作っていることが多く、マイク自体の性能も低いものが多い傾向があります。

せっかく練習して歌を録音をするのであれば、より良い音で録音できるマイクで録音したほうが良いと思います。





2. USBで接続するタイプのマイク

次に初心者の方が選んで失敗してしまうことがあるのが「USB接続タイプのマイク」です。

パソコンにはUSB端子がついているので、ケーブルを挿すだけで使える手軽さは確かに魅力的です。
Zoomなどのオンライン会議や、ちょっとしたボイスチャットで使う分にはUSB接続タイプのマイクは便利です。

しかし、「本格的なボーカル録音」という視点で見るとUSBマイクにはいくつか注意したいポイントがあります。

ボーカル録音に不向きな理由

USBマイクの中には録音された音が細くなってしまったり、十分な音量で録音できない製品もあります。
これにはUSBマイク特有の構造が関係しています。

  • コストの制約: USBマイクは「マイク本体」の中に「オーディオインターフェイス」の機能を詰め込んだ構造になっています。そのため、価格を抑えようとすると、肝心のマイクカプセル(音を拾う心臓部)に安価なパーツが使われがちです。

  • 用途の違い: もともとUSBマイクは配信やテレワーク向けに設計されているものが多く、ボーカル録音に求められる繊細なニュアンスを捉える設計になっていない製品が目立ちます。

また将来的に「もっと良いマイクに買い替えたい」と思ったとき、USBマイクだとオーディオインターフェイス部分まで一緒に買い直す必要があります。
最初から「オーディオインターフェイス」と「通常のマイク(XLR接続)」を別々に揃えておけば後からマイクだけをアップグレードできるため、結果的にコストパフォーマンスが高くなるケースが多いのです。

とはいえ「オーディオインターフェイスはどうしても購入したくない」という人もいると思いますので、この記事の最後のほうでボーカル録音でも使えるUSB接続タイプのマイクもいくつか紹介します。




3. XLR(キャノン)で接続するタイプのマイク

本格的にボーカルを録音したいなら、おすすめは「XLR(キャノン)」と呼ばれる端子で接続するタイプです。

音楽スタジオやライブハウスに置いてあるマイクの多くはこの「XLR」タイプです。
丸い形の中に3本のピンが並んでいるのが特徴です。
普段の生活ではあまり見かけない形かもしれませんが音楽制作の世界ではこれがマイク端子の標準的な規格になっています。

高音質なマイクのほとんどはこのXLR接続を採用しているので、ボーカル録音用のマイクを探すときは、まずは「XLR(キャノン)」かどうかをチェックすると良いでしょう。

XLRタイプのメリットとデメリット

XLRマイクにはメリットもありますが注意点もあります。

  • メリット:圧倒的な音質の良さと選択肢の多さ ノイズに強く繊細な音まで捉えることができる傾向があります。数千円の入門機から数十万円のプロ用までラインナップが豊富なので、自分の成長に合わせてマイクを買い替えていけるのも魅力です。

  • デメリット:そのままではパソコンに繋げない パソコンには「XLR(キャノン)」の端子を挿せる穴は見当たりませんよね。XLRマイクを使うにはマイクとパソコンを橋渡しするための「オーディオインターフェイス」という専用の機械を別途用意する必要があります。


オーディオインターフェイスの重要性

「マイク以外にお金がかかるのはちょっと……」と躊躇してしまう方もいるかもしれません。
確かにオーディオインターフェイスは安いもので1万円前後、プロ用になると数十万円以上するものまであります。

確かに出費は増えるのですがオーディオインターフェイスを使うのと使わないのとでは録れる音のクオリティは大きく変わることも多いです。

また一般的に音質が良いと言われている「コンデンサーマイク」を使う場合には、マイクに「ファンタム電源(+48V)」という電力を送る必要がありますが、この電力を供給する際にもオーディオインターフェイスがあると便利だったりします。

おすすめのオーディオインターフェイスについては別の記事で整理していますので、そちらも参考にしてみてください。



◆「ダイナミック」マイクと「コンデンサー」マイクの違い


マイクは端子の種類だけでなく「ダイナミックマイク」か「コンデンサーマイク」かという種類の違いもあります。
厳密には「リボンマイク」という種類もあるのですが、現代のボーカル録音で使われているのは「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」のいずれかです。

よく初心者向けのガイド記事などで「コンデンサーマイクの方が音質が良いから、こちらを選ぶべき!」という断言しているような説明を見かけることもありますが、実は一概にそうとは言い切れません。

どちらのマイクにも独自のメリットとデメリットがあり自分の声の質や、録音する部屋の環境によって最適な選択は変わってきます。
実際、プロのレコーディング現場でも、あえてダイナミックマイクを選択して素晴らしい名曲が生まれることもあります。

ここでは、それぞれの特徴を整理して、どのように使い分けるのが良いのかを見ていきましょう。



◇ダイナミックマイクのメリット

ダイナミックマイクの魅力は「タフさ」と「扱いやすさ」です。
特に録音環境が完璧ではない初心者の方にとっては心強い味方になってくれます。

頑丈で保管がラク
精密なコンデンサーマイクと違い、ダイナミックマイクは衝撃に強く少々手荒に扱っても壊れにくいです。
湿度管理などもそれほど神経質になる必要がなく、机の上に置いておいたり、カバンに入れて持ち運んだりしても劣化しにくい傾向があります。
(プロレスラーがパフォーマンスでリングにマイクを叩きつけているシーンを見たことがある人もいると思いますが、あれもダイナミックマイクです。)

ライブに近い感覚で歌える
手で持って歌っても「ガサガサ」というタッチノイズが入りにくく大きな声を出しても音が歪んだり割れたりしにくい傾向があります。
ステージやカラオケと似たような感覚で自由に歌いやすく、パフォーマンスに集中しやすいです。

余計なノイズが入りにくい
余計な音を拾いにくい特性があるため、エアコンの動作音やパソコンのファン、外を走る車の音といった「生活ノイズ」が録音に入り込みにくいのも利点です。

吹かれ(ポップノイズ)に強い
息が直接かかった時の「ボフッ」というノイズを抑える設計のものが多く、初心者でも失敗の少ない録音が可能です。

コストパフォーマンスが良い
プロがレコーディングやライブで実際に使っている定番機種であっても、1万円〜3万円台で購入できることもあります。

どこにでもある安心感
リハーサルスタジオやライブハウスなどで無料で借りられることが多いため、外で練習や録音をする際も同じ環境を再現しやすく、使い慣れたマイクでリラックスして歌うことができます。



◇ダイナミックマイクのデメリット

メリットも多いダイナミックマイクですが、録音のクオリティを追求する上で知っておくべき弱点もあります。

感度が低く繊細な音は捉えにくい
コンデンサーマイクに比べるとダイナミックマイクは音を拾う感度が低いため、吐息のようなかすかなニュアンスや、声の細かなキラキラした成分を捉えるのは苦手です。
スタジオで録ったようなクリアで広がりのある空気感を出すのも難しい場合もあります。

最近のトレンド
とはいえ、最近はダイナミックマイクでありながらコンデンサーマイクのような広い周波数特性を持つハイエンドなモデルも増えてきています。


◇コンデンサーマイクのメリット

プロの現場ではボーカル録音にコンデンサーマイクを使うことが多いです。


繊細なニュアンスをキャッチできる
コンデンサーマイクは感度が高いため、歌い手の繊細な息遣いや、声の震え、唇が動く瞬間の細かな表情といったニュアンスまで捉えやすい傾向があり、聴き手に「すぐそこで歌っているような臨場感」を与えることができる場合もあります。

録音できる音の範囲(周波数特性)が広い
低音高音まで広い範囲の音をバランスよく録音できます。
特に高音域の伸びが良いため、オケ(伴奏)に埋もれにくい音や、キラキラと輝くようなサウンドを得られやすいです。

最近のトレンド
昔は「コンデンサーマイク=高価」というイメージがありましが、現代では技術の進歩や価格競争によりエントリーモデルでもクリアな特性を持つ製品も増えています。1万円〜2万円台の製品もあり、初心者にとっても手が届きやすい存在になっています。


◇コンデンサーマイクのデメリット

高音質な録音が可能なコンデンサーマイクですが、繊細であるために扱う上でのハードルがいくつかあります。
購入前に以下のポイントも押さえておくと良いと思います。

デリケートで保管に手間がかかる
機種にもよりますがコンデンサーマイクは基本的に衝撃に弱く、湿気にも気を使います。
マイクの心臓部が結露したりカビたりするとノイズや故障の原因になるため、使い終わったら出しっぱなしにせず防湿庫や乾燥剤を入れたジップロックなどで保管する必要があります。
持ち運びの際もできるだけ振動を与えないよう注意が必要です。


歌う姿勢が制限される

コンデンサーマイクは「手持ち」での使用を想定していない設計の製品が多いです。
そのためマイクスタンドに固定して歌うのが基本となりますが、顔の位置が少し前後ずれるだけで音質が変わってしまい場合もあり、慣れないうちは姿勢を維持したまま歌うことに窮屈さを感じるボーカリストもいます。

ポップガードが必要
コンデンサーマイクは「息の吹かれ」に敏感で、マイクに息がかかると「ボフッ」というポップノイズが発生します。
そのため「吹かれ」を防止するための「ポップガード」を別途用意する必要があります。
(最近はポップガードを内蔵したコンデンサーマイクもあります。)

周囲の環境音を拾ってしまう
コンデンサーマイクは感度が高いため普段では気にならないような小さな音まで録音されてしまいます。
エアコンの動作音、パソコンのファンの回転音、家やスタジオの前の道路を通る車の音、自分や家族の足音まで拾ってしまうため、どうやって静かな録音環境を整えるかという問題に直面することも多いです。

導入コストが高くなりがち
プロが愛用するような定番機種を狙うと10万円〜数十万円という高額な予算が必要になることも珍しくありません。
またマイク本体だけでなく、スタンド、ポップガードなど周辺機材もこだわると、さらにコストがかかっていきます。

「ファンタム電源」が必要
コンデンサーマイクを動かすにはオーディオインターフェイスから「ファンタム電源(+48V)」という電気を送る必要があります。


◇ダイナミックマイクとコンデンサーマイク、どっちがいいの?

ここまでそれぞれの特徴を見てきましたが「結局自分にはどっちがいいんだろう?」と迷ってしまいますよね。

自宅や一般的な練習スタジオで録音する場合コンデンサーマイクは「感度の良さ」が裏目に出てしまうこともあります。

宅録や一般的なスタジオではボーカルのすぐ近くにパソコンを置いて録音することも多いと思いますが、コンデンサーマイクを使うと、パソコンのファンの回転音やマウスの「カチッ」というクリック音、さらには同席者・見学者のわずかな咳払いや貧乏揺すりの音まで拾ってしまうことがあります。

また、ボイストレーニングを始めたばかりのボーカリストの方だと、息が安定しなかったり、口や喉の開閉時に出る「クチャッ」「ニチャッ」といったリップノイズが入りやすい人もいます。
これらは特にコンデンサーマイクだと目立ちやすく、せっかくの歌が台無しになったり、後処理が面倒になってしまうこともあります。


以前、プロのミックスエンジニアと雑談していたときに
「アマチュアの人から『コンデンサーマイクで録りました!』という音源が送られてくることは多いんだけど、正直なところダイナミックマイクで録ってもらったほうが曲として良い仕上がりになるだろうな……と感じることも多いんだよなぁ」
と言っていました。

これはダイナミックマイクが余計なノイズを拾わずに、ボーカルの「芯」の部分を捉えてくれる傾向があるからだと思います。
歌い方の訓練をこれから積んでいく段階であればダイナミックマイクの方が扱いやすく、結果として「良い感じ」に録音できるケースも多いと思います。


ダイナミックマイクはライブでも使える

もうひとつの大きな違いはライブで使えるかどうかです。
一般的にコンデンサーマイクはライブでは使いづらい機種がほとんどです。
一方、ダイナミックマイクであれば、普段の練習使い慣れたマイクをそのままライブと録音の両方で使うこともできます。


コンデンサーマイクはスタジオでレンタルできる

「どうしてもコンデンサーマイクのあの空気感を体験してみたい!」という方にはレコーディングスタジオでマイクをレンタルするという方法もありあます。
前記のとおりコンデンサーマイクは保管場所や湿気に気を遣いますし、セッティングも面倒ですが、レコーディングスタジオでマイクをレンタルする形であればエンジニアさんにお願いをして、マイクの立て方から音量の調節まで、最適な状態にセッティングしてもらえることもあります。
またスタジオによっては個人ではなかなか購入できないような数十万円クラスの名機を数千円程度でレンタルできることもあります。


ステップアップとしてのマイク選び

ですので、初心者の方はまず「自分の声に合ったダイナミックマイク」を手に入れて、録音やライブの経験を積んでみて、ボイストレーニングなどで安定して声を出せるようになったらコンデンサーマイクに挑戦する……という順番を踏んでいくのも賢い選択だと思います。

とはいえ「コンデンサーマイクを自分も使ってみたい!」という気持ちも大事ですよね。
モチベーションが上がる機材を選ぶのも上達への近道です。

そこで、ここからは初心者の方におすすめのダイナミックマイクと、扱いやすいコンデンサーマイクをいくつかピックアップして紹介していきたいと思います。




◆初心者におすすめのボーカル録音用マイク

最初におすすめのダイナミックマイクを紹介した上で、その後に扱いやすいコンデンサーマイクを紹介します。

ダイナミックマイクのおすすめ


SHURE「BETA 58A」

「おすすめのダイナミックマイクは?」というアンケートを取れば、上位い入ってくるあろう定番モデルがSHURE(シュア)の「BETA 58A」です。

音楽スタジオに必ずと言っていいほど置いてある「SM58」というマイクの上位モデル的な立ち位置で、SM58よりも感度が高く、高音域がスッと抜けていくような透明感のあるサウンドが特徴です。

声がこもりやすい男性ボーカルはもちろん、繊細なニュアンスを大切にしたい女性ボーカルとの相性も良いです。

感度が高い一方でマイクの正面以外の音を拾いにくい設計になっているため、防音の甘い環境のレコーディングでも余計な騒音を拾いすぎず歌声だけを捉えてくれる傾向があります。

プロもライブだけでなくレコーディングで使うこともあり、例えばYouTubeの『THE FIRST TAKE』「凛として時雨」のTKさんはこのマイクを使ってパフォーマンスをしていてます。

価格は2万,000円前後(2026年4月時点)とプロ向けの機材の中では手が出しやすい部類に入ります。

一方で「設計が古くなってきた」「最近のコスパモデルに負けている」という声もありますが、長年愛されているのには理由があります。
もしこのマイクで綺麗に録れないとしたら、マイクのせいではなく、歌い方や部屋の環境に原因があると言っても良いような、1つの基準となりうるなるマイクだと思います。

【購入時の注意!】
「BETA 58A」は人気モデルゆえに残念ながら偽物(模造品)が市場に多く出回っています。
極端に安い中古品怪しいネットショップには十分注意してください。
信頼できる楽器店や代理店から新品で購入することをおすすめします。



SENNHEISER 「E835」「E935」

SHUREと並んでマイクの世界的ブランドであるゼンハイザー(SENNHEISER)。
その中でも「歌ってみた」録音、ライブ配信などでの支持も厚いのが「eシリーズ」です。

手軽に録りたいなら:e 835

「e 835」は「録音した音の扱いやすさ」がメリットです。

通常、録音したボーカルを伴奏(オケ)に馴染ませるためには不要な低音をカットしたりといった細かな調整が必要です。
しかし「e 835」は最初から中高域がスッキリと抜けるように調整された「さっぱりとした音」で録音できます。
「ミックスのやり方はよく分からないし誰かに頼むお金もない。でもオケと合わせた時にできるだけ歌声が埋もれないようにしたい」といった初心者には扱いやすいマイクです。

2026年現在でも新品で1万円前後というリーズナブルな価格ですので「取りあえず最初に買ってみる」マイクとしては有力な選択肢になると思います。


クオリティにこだわりたいなら:e 935

「e 835」の上位モデルにあたるのが「e 935」です。

「e 835」に比べると録音できる音域(周波数レンジ)が広く音の密度も濃い印象がありり、歌い手の個性も残してくれます。
音の情報量が多い分、そのままオケに混ぜると少し音が太すぎると感じることもありますが、イコライザーなどで不要な部分を削っていけば理想的なサウンドを追求しやすいと思います。
「録られていない音」を後から足すことはできませんが「録れている音」を削ることは可能なので、「最初から加工された音で録音するのは避けたい」という場合には「e 935」のほうが良いでしょう。



AUDIX「OM」シリーズ

クリアな音質と、オケに埋もれにく「音抜け」の良さで根強い人気があるマイクがAUDIX(オーディックス)の「OM」シリーズです。

このシリーズの魅力はラインナップの豊富さです。
予算や声質に合わせて自分に合ったモデルを選ぶことができます。

  • OM2(1万3,000円前後): シリーズの中で最も手頃ながら、AUDIXらしいクリアなサウンドが楽しめます。

  • OM5(3万円前後): シリーズの代表的なモデル。中音域がスッキリと整理されており、特に男性ボーカルがオケに埋もれず、前に出てくるような感覚があります。

  • OM6(2万円前後): 低域から高域までレンジが広く、非常に滑らかな音質。女性ボーカルの繊細な響きを活かしたい場合に相性が抜群です。

(価格はいずれも2026年4月時点)


男性は「OM5」、女性は「OM6」が相性が良いケースが多いと思います。
ただ2026年時点での価格を見ると「OM6」の価格が安くコストパフォーマンス面で優れているため「予算は限られているけれども良いマイクが欲しい」という場合は男性が「OM6」を購入するのもアリだと思います。

非常に素直に声を拾ってくれるのがメリットですが、人によっては「マイクによる味付けが少なくて、少し物足りない(真面目すぎる)」と感じる人もいると思います。
それだけ歌い手の地力をストレートに引き出してくれるマイクとも言えるかも知れません。



オーディオテクニカ「AE6100」

「人とは違うマイクを使いたい」という方におすすめしたいのが、日本が誇るオーディオブランド、オーディオテクニカの「AE6100」です。

定番機種に比べると知名度は劣りますが、実はプロでも使っている人もおり、ポテンシャルの高いダイナミックマイクです。

AE6100の特徴はボーカル用にチューニングされたサウンドです。
高音域の立ち上がりが良く最初からイコライザーで調整したかのような輪郭のはっきりした音で録音できます。
録音後のミックス作業の手間を減らしたい人には有力な選択肢です。
他方で声を自然な状態のままで録音したいという人は注意が必要です。

2026年現在の新品価格は2万円弱と前述の「BETA 58A」や「e 935」と同等か少し安いくらいの価格帯ですが、知名度が低いためか中古市場では状態の良いものが1万円以で見つかることもあります。

オーディオテクニカの製品は国内でのサポート体制も信頼できるます。
ダイナミックマイクは故障率は比較的少ないと思いますが、万が一の故障やトラブルが心配な場合は新品を購入したほうが安心感があるでしょう。


コンデンサーマイクのおすすめ


ここからは「やっぱりコンデンサーマイクの繊細な響きが欲しい!」という方へ、初心者でも扱いやすいモデルを紹介していきます。


オーディオテクニカ「AT2035」


初心者が直面する「4つの壁」を解決

初めてコンデンサーマイクを導入しようとすると悩みが出てきます。

  1. 保管や持ち運びで壊してしまいそう

  2. ショックマウント(振動ノイズを防ぐホルダー)選びがわからない

  3. ポップガード(吹かれノイズを防ぐフィルター)が邪魔、が面倒

  4. PCのファンやエアコンのノイズが入ってしまう

AT2035はこれらの心配が少ない初心者でも扱い安いマイクです。


① 振動にも強く、スタジオへの持ち出しも怖くない

AT2035は構造的に振動にも比較的強くスタジオへの持ち運びやセッティング変更でも衝撃で壊れるリスクが小さいです。

AT2035は「バックエレクトレット・コンデンサー型」という仕組みを採用しているのですが、これはスマホやICレコーダーなどにも使われているもので一般的なボーカル用のコンデンサーマイクに比べると湿気に強く壊れにくいです。

使い終わった都度マイクを防湿庫などにしまうのは面倒ですが、AT2035ならマイクスタンドに設置したままでも(湿気が多すぎる環境とかでなければ)あまり問題ありません。
振動にも比較的強いので、初心者の方でもスタジオに持っていった際に壊してしまうリスクも低いと思います。

もちろん精密機器なので大切に扱うに越したことはありませんが、デリケートすぎるマイクに気を使いすぎて疲れてしまう…なんてことがないのは初心者にとってメリットだと思います。

防湿庫がない環境でも扱える丈夫さと、手に入れやすい価格設定のおかげで「道具として気兼ねなく使える」のは嬉しいポイントだと思います。

「スマホと同じ原理なら音が悪いのでは?」と心配になるかもしれませんが、宅録環境であれば正直なところ上位機種と比べても音質面で大きな違いがある訳でもなく、環境さえきちんと整えることができればクリアなサウンドで録音できます。

② ショックマウントが標準付属

マイクを固定する「ショックマウント」は足音や床の振動がマイクに伝わるのを防ぐ重要なパーツですが、AT2035には専用のショックマウントが最初から同梱されています。

他のマイクだと適合するものを探す手間がかかったり、設置にコツが必要だったりすることもありますが、AT2035はマイクを「スポッ」とはめるだけでセッティング完了です。

③人気の 「AT2020」との比べると?

オーディオテイクカのマイクには「AT2020」という大人気機種もありますが、「AT2020」にはショックマウントが付属していません。

AT2020本体とショックマウントがセットになったものも販売されていますので、そちらも良いと思いますが、AT2035との価格差は数千円程度です。


スペック的にもAT2035の方が少し感度が高いですし、AT2035は同じ箱の中にショックマウントを一緒に保管しておけるので、個人的にはAT2035のほうが使い勝手が良いと思っています。

④ 専用ポップガードがあるのでセッティングが簡単

ボーカル録音に欠かせない「ポップガード」ですが、「アーム式」と呼ばれる一般的なポップガードはマイクスタンドの角度を変えるたびに微調整が必要で初心者にとっては扱いづらいことがあります。

しかしAT2035には専用設計のポップガード(AT8175など)が用意されていて、これはショックマウントやマイク本体に直接クリップで固定するタイプなのでマイクの向きを変えてもポップガードの位置がズレません。
また一般的なポップガードと比べてコンパクトに収納できるのも魅力です。


⑤ 部屋のノイズを抑える「ローカット」機能

宅録で悩まされるのがエアコンの動作音やPCのファンノイズです。
AT2035には不要な低音をカットする「ローカットフィルタースイッチ」が搭載されています。
防音設備が完璧ではない自宅環境や、隣のバンドの演奏音が漏れてくるようなスタジオでも、マイク側でノイズを抑えることができるのは便利です。

このように「AT2035」は「最初から失敗したくない、でも扱いにくいマイクは嫌だ」という方に、おすすめできる1本だと思います。



オーディオテクニカ「AT4040」「AT4050」

「もうワンランク上の音で録りたいな」という人ににとって有力な候補になるのが「AT4040」や「AT4050」といった上位機種です。

なかでも「AT4050」はプロのレコーディング現場でも使われることがある信頼性の高いモデルです。
一般的にプロ仕様のコンデンサーマイクは十万円から数十万円の価格であることが多いのですが、AT4050は8万5000円前後(2026年4月時点)で手に入るので、本格的なプロ向けのマイクとしては手が届きやすい価格設定です。

とはいえ「いきなり8万円はちょっと勇気がいる……」という方には、4万円前後で買える「AT4040」もおすすめです。


AT4040とAT4050、どっちがいいの?

AT4040とAT4050の音を比べると確かに音は違うのですが、初心者にとってはAT4040のほうが使いやすいと思います。

AT4050は低域も含めて広いレンジを録音できるためアコースティックギターや、クラシック系の男性のボーカルなどを録音する予定がある場合にはAT4050のほうが良いでしょう。

他方でポップスやロック系のボーカルを録音する用途では適度に低域をカットしてくれるAT4040のほうが使いやすいと感じることも多いです。

私自身、AT4040とAT4050の両方を持っていますが、ボーカルの録音では後処理が楽になるように敢えてAT4040を使うこともあります。

むしろ、AT4040とAT4050の違いとして気をつけたほうが良いのは「指向性(音を拾う範囲)」の切り替え機能です。
AT4040は単一指向性(正面の音だけを拾う)のみですが、AT4050は無指向性や双指向性にも切り替えられます。

1人のボーカルの歌を録るだけならAT4040で十分ですが、アンサンブルの録音や、部屋の鳴りを録りたいといった場合にはAT4050が本領を発揮してくれます。


「基準」が手に入るメリット

40シリーズ(AT4040とAT4050)のいいところは音に余計な味付けがなく、素直で癖がないという点です。
初めての本格マイクとして扱いやすいのはもちろん、将来もっと個性的なマイクを買い足したときにも「基準」を再確認するためのリファレンスとしても活躍してくれますし、ボーカル以外の録音にも使えるため1本あれば様々な場面で活躍してくれます。

個性が少ない40シリーズは耳が育ってくると「物足りない」と感じることも出てくると思いますが、万能選手的な立ち位置なので初めてのマイクとして「取りあえず1本買う」という場合には便利だと思います。



AKG ( アーカーゲー ) / 「C214」「C414」

AKG(アーカーゲー)といえばマイクやヘッドホンで世界中のクリエイターから愛されている超定番メーカーです。
なかでも「C414」というモデルは音楽制作の歴史を作ってきたと言ってもいいほど、世界的に有名なコンデンサーマイクです。
(現在はサムスングループの傘下ブランドになっています。)


スタジオの風景には欠かせない「C414」
レコーディングスタジオに行けばボーカルやアコースティックギターの前にこの「C414」が立っているのをよく見かけますし、ドラムの録音で「C414」がオーバヘッド(上から狙う)マイクとして使われていることもあります。

私たちが普段耳にしているヒット曲の中にも、C414のサウンドは数え切れないほど紛れ込んでいます。

C414の現行モデルには音のキャラクターが異なる「XL II」と「XLS」の2種類があります。

  • C414 XL II: 高域が華やかに強調されるタイプ。エンジニアが「C414の音」と言う合にはこのXL II系の音をイメージしているケースが多いと思います。ボーカルを際立たせたいときにぴったりですが値段は少し高めです。

  • C414 XLS: XL IIに比べるとフラットで落ち着いたサウンド。楽器を選ばず万能に使えて価格も少し抑えられています。

以前ならC414は「ちょっと頑張れば初心者でも手が届く、最高の一生モノ」というポジションでしたが、最近は物価高騰や円安の影響もあって価格が上がってしまいました。

最近では10万円を大きく超えてきているので初心者にはオススメしにくくなってきています。


初心者にはAKG「C214」がオススメ

予算が限られている初心者の方にオススメなのが同じAKGの「C214」です。

C214は上位機種であるC414の「単一指向性(正面の音だけを拾うモード)」に特化させて構造や回路を設計し直した「弟分」のような存在で、宅録ユーザーの間では根強い人気を誇ります。

大人気歌手のAdoさんも数年前にSNSにアップした画像を見ると、当時はC214を使っていたようです。
2026年現在でも4万円程度で手に入るエントリークラスのマイクですが、圧倒的な歌唱力があればマイクの価値は価格だけではないということがよく分かると思います。


実際に私もミックスの依頼を受ける際にC214で録音されたボーカルデータをいただくことがよくありますが、「C214ってボーカルの良いところを引き出してくれる良いマイクだな」と感じることも多いです。

高価なマイクを追い求めるのも夢がありますが、まずはC214のようなマイクで自分の声をじっくり磨いてみるのも良い選択だと思います。



Austrian Audio ( オーストリアン・オーディオ ) / 「OC16」「OC18」

AKGの対抗馬として注目を集めているのが比較的新しいメーカーの「Austrian Audio(オーストリアン・オーディオ)」です。

実はこのメーカー、AKGで長年開発に携わってきたエンジニアたちが中心となって立ち上げたブランドなんです。
Austrian Audioの製品は現代のニーズをしっかり捉えていて、最近ではAustrian Audioのファン少しずつ増えてきている印象です。

録ったあとの「馴染み」が抜群
Austrian Audioのマイクの特徴としては録音時の失敗が少なく、録った音が他の楽器や伴奏馴染みやすい点です。
なぜそうなのかは分からない部分もあるのですが、面倒な加工をしなくても形になりやすいので、ミックスの手間を減らしたい方には心強い味方になってくれます。

Austrian Audioのマイクには主に以下の2つのモデルがあります。

  • OC16 :初心者の方でも手に取りやすい価格帯のモデルです。上位機種の設計思想をしっかり引き継いでいるので手軽に本格的なサウンドを楽しめます。

  • OC18 :こちらは上位機種にあたってプロのレコーディングスタジオでも見かけることが少しずつ増えている印象です。

OC16やOC18には「セラミック・カプセル」という精度の高いパーツが使われていて、温度や湿度の変化に比較的強いという特性もあります。
日本の四季の中でも安定したパフォーマンスを発揮してくれるやすいので、一本目から「本気のマイク」を探している人にとっては頼もしい存在だと思います。




◆初心者には「おすすめしない」マイク

ここからは、あえて「初心者の方にあまり購入をおすすめしない」マイクについても触れておこうと思います。


SHURE「SM58」

SHUREの「SM58(通称:ゴッパー)」は「定番」「最初の一本におすすめ!」と紹介されているのを見かけたことがある人も多いと思います。

個人的に「SM58」を「使うこと」自体は良いと思いますが、わざわざ自分のお金を出して「買うこと」はあまりおすすめしていません。



その理由は、主に3つあります。

どこにでもあるので、買わなくても使える
「SM58」ほとんどの練習スタジオやライブハウスに「当たり前」のように置いてあるので、いつでも借りることができます。
わざわざ「マイマイク」として買わなくても使うことができます。

初心者には少し扱いが難しい
「SM58」は意外と歌い手の力量が音にストレートに出ます。
マイクの扱いに慣れていないと音が「こもっている」ように聞こることも多く、特に初心者にとってはきれいに録るのが難しいマイクだったりします。

コスパで見ると微妙
最近は「SM58」よりも低価格であっても性能の良いマイクが増えているので、純粋な音質や性能だけで比べると少し割高に感じてしまいます。

もちろん、歌が上手くてマイク捌きに長けたボーカリストが「SM58」使うと素晴らしい歌声いなることもあります。
兄弟機の「SM57」もレコーディング現場の定番ですが、これらはあくまで「使いこなせてこそ」の魅力。

初心者のうちは難易度の高いSM58と格闘して「抜けてこない……」と悩むよりも、もっと簡単で扱いやすいマイクを手に入れたほうが、歌や録音の楽しさを実感しやすいと思います。

中古の偽物にも要注意

もうひとつ気をつけたいのが、SM58は有名すぎて中古市場に偽物が数多く出回っているという点です。
フリマアプリなどで安く売られているものは海外の模造品だったりすることもあるので、知識がない状態で中古品に手を出すのは危ないかもしれません。



NEUMANN(ノイマン)(特に高価格帯のモデル)

多くのボーカリストにとってNEUMANN(ノイマン)は憧れのブランドです。
プロのレコーディング風景を見ると「U87」というノイマンのマイクが立っていることが多いですよね。
「ボーカル録りといえばまずはノイマン」というくらい、レコーディングの現場でもファーストチョイスされることの多い定番ですし、好きなアーティストが使っているのを見て「いつかは自分も……」と憧れる気持ちもよく分かります。

ただ、正直なところ、初心者の方がいきなりノイマンを買うのは、あまりおすすめしていません。

環境が整っていないと宝の持ち腐れになる
ノイマンは確かに良いマイクですが、ボーカル録音用に整えたブースのような適切な環境がないと、そのポテンシャルを活かすことは難しいです。

重い、周辺機材にもお金がかかる
ノイマンのマイクは実際に手に持ってみると想像以上に重いことが分かると思います。
安価なマイクスタンドだと重さに耐えきれず倒れてしまう危険もあるため、ノイマンを使うならスタンドも頑丈で高価なものを使いたくなってきます。
さらに専用のショックマウントも高額だったりします。

自分で買わなくてもスタジオで借りることができる
多くのレコーディングスタジオには「U87」が置いてあります。
わざわざ自分で数十万円出して所有しなくても、スタジオを使えばプロのエンジニアが適切な状態でセッティングしてくれたノイマンで録音することができるので、敢えて「マイマイク」としてノイマンを買う必要性は大きくないと思います。

「ブランド料」という側面も
定番の「U87」は2026年現在では40万円を超えるような価格になっています。素晴らしいマイクであることは間違いありませんが、価格には「ノイマンというブランド」の価値も大きく上乗せされています。
「U87」は設計が比較的古いマイクでもあり、最近ではもっと安くて性能の良いマイクも増えているので純粋なコスパという面では少し疑問が残るのも事実です。

それでも「ノイマン」という名前が欲しいなら

「それでも、どうしてもノイマンのロゴが入ったマイクが手元に欲しい!」という場合は10万円前後の「TLM 102」あたりから検討してみるのが無難だと思います。

これなら比較的扱いやすく宅録環境でもノイマンらしいエッセンスを感じることができると思います。
いきなり最上位機種に飛びついて「扱いきれなくて挫折した……」となるよりは、現実的なラインから試してみるのが精神衛生上も良いと思います。



◆どうしてもUSBマイクで録音したい場合

前記のとおり、USB接続形式のマイクでボーカルを録音することはおすすすめしていませんが、「機材をシンプルにまとめたい」「どうしてもUSBマイクで歌いたい」という方もいると思います。

そこでボーカル録音でも使えるUSBマイクをいくつか紹介しておきます。



RODE ( ロード ) / NT1 5th Generation

「初めてのボーカル録音で失敗したくない」という人におすすめしやすいUSBタイプのマイクが、RØDE(ロード)の「NT1 5th Generation」です。

RØDEの「NT1」シリーズは「宅録文化」の象徴ともいえる存在で、かつて「コンデンサーマイクといえばプロが使う数十万円の高級品」だった時代に手が届く価格でありながら十分なクオリティの録音を可能にし、世界中のクリエイターに衝撃を与えた機材です。
ニコニコ動画の「歌ってみた」やYouTubeの黎明期を支えてきた、音楽制作を民主化したマイクの進化系が「NT1 5th Generation」です。

① 「音割れ」の悩みから解放される32bit float録音
初心者にとって難しいと感じるのが録音時の音量(ゲイン)調整です。
「声が小さすぎてノイズが目立つ」あるいは「声が大きすぎてバリバリと音が割れてしまった」という失敗をしてしまうこともあり得ます。

しかし「NT1 5th Generation」はUSB接続で使用すると「32bit float(浮動小数点)」という仕組みで録音をすることができ、大きな音を入力してもクリップ(音割れ)が起きないようになっています。
録音した後にソフト側で音量を調整するだけでクリップのない音を取り出すことができるので、初心者でもゲイン調整に悩むことなく録音に集中することができます。

② XLRとUSB、どちらでも使える
このマイクのとXLRとUSB-Cの両方で使うことができます。

最初はオーディオインターフェイスを持っていなくてもUSBマイクとして手軽に使い始めることができ、将来的に本格的なオーディオインターフェイスを導入した際はそのままXLR接続のマイクとして使い続けることができます。
自分の成長に合わせて機材の構成をステップアップさせることができるのも魅力だと思います。

「音のキャラクター」
NT1は昔からの定番モデルであり、私自身も所有していた時期があります。
そのサウンドは非常に明るくキラキラとした「綺麗な音」という印象を持つ人も多いと思います。
ただ一方で高域に独特の主張があるため、人によっては少し「シャリシャリ」とした印象を持つかもしれません。
USB接続という利便性にこだわらず最初からオーディオインターフェイスを使用するのであれば、同価格帯では前記のオーディオテクニカ「AT4040」、AKG「C214」などのほうが扱いやすいと思います。

とはいえオーディオインターフェイスがなくても録音環境が手に入るという利便性はあるので、マイク1本で宅録を始めたいという方にとっては「NT1 5th Generation」は有力な選択肢になると思います。



SHURE(シュア)/「MV7+」

SHURE(シュア)のMV7+は配信やナレーション用途で広く使われているUSB対応ダイナミックマイクなので、それをボーカル録音に使うのはどうなのか・・・と思う人もいると思いますが、一応ボーカル録音にも対応可能なモデルです。

このマイクのルーツは定番マイクであるShure SM7Bにあり、さらにその前身であるShure SM7はマイケルジャクソンのレコーディングで使用されたことで知られています。
つまり「MV7+」はプロ系サウンドの系譜を持ちながら、初心者でも扱えるように設計されたモデルです。

① 音量調整で失敗しにくい「オートレベル機能」
前記のとおり初心者の方は録音で入力ゲイン(音量)の調整で苦労することが多いですが、「MV7+」にはマイクがリアルタイムで音量を判断し、最適なレベルに自動調整してくれる「オートレベルモード」が搭載されています。
これによりマイクとの距離が変わったり急に大きな声を出したりしても、常に「ちょうどいい音量」に調整してくれます。

② ノイズに強いダイナミックマイク
「MV7+」はYoutuberが配信で使っているのを見かけたことがある人も多いと思いますが、エアコンや冷蔵庫の動作音などは基本的に気にならならないことがほとんどだと思います。

前回の記事でご紹介した「NT1 5th Gen」のようなコンデンサーマイクは、非常に繊細な音まで拾う反面、部屋の反響音やエアコンの動作音まで拾いすぎてしまう難点があります。
これはMV7+はダイナミックマイクであり、ノイズを拾いにくいためです。

防音ブースがない部屋で録る、PCのファンの音が気になる、外のが入りやすいといった環境で録音する場合、MV7+は「扱いやすい音」を録音することができます。

③ 仕上げができる内蔵DSP
MV7+は専用アプリ「MOTIV Desktop」を使うことでマイク内部のDSP(デジタル信号処理)を活用できます。

これにより、録音中の背景ノイズや吹かれ(パフっという音)を軽減したり、自分の声の好みに合わせてトーンを調整したりできます。

録音した時点で「それっぽい音」になるため、後のミックス作業が楽になります。

ボーカル用としての音質と注意点
気になる音質ですが、ダイナミックマイクらしい「中域が太く、芯のあるサウンド」が特徴です。
コンデンサーマイクのような高音域のキラキラした繊細さや解像度を再現するのは難しいですが「耳に優しく、聴きやすい音」になりやすいです。

「音質を極める」というよりも「どんな環境でも確実に平均点以上のクオリティを出す」ための機材という印象もありますが、歌だけでなく、ゲーム実況やライブ配信も一本のマイクで済ませたい人にとっては便利だと思います。

こちらもXLR接続にも対応しているため、将来的にオーディオインターフェイスを導入した際はXLR接続のマイクとして使うこともできます。


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