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【DTM】作曲の方法・コツのまとめ

◆はじめに

現代の作曲において、パソコンやDAWは欠かせないツールとなっています。初心者から上級者まで、DAWを使いこなすことで幅広い音楽表現が可能になり、創作の幅が大きく広がります。

この記事では、DAWを活用した作曲の基礎から、効率的にクオリティを向上させるための方法やコツを備忘録的に整理したいと思います。

私自身まだまだ勉強中の身であり、偉そうなことを言える立場ではありませんが、ここに書かれている内容は、私自身の経験や、作曲家やエンジニアの先輩方から学んだことをまとめたものです。

作曲の方法は、年代やジャンルによって「流派」のようなものが分かれており、人それぞれのやり方が異なることがあります。
例えば、クラシックではNGとされることがロックでは許容されたり、その逆もまた然りです。
ジャンルによって異なるルールが存在するため、以下で紹介する方法は絶対的なものではなく、1つの考え方として参考程度に見ていただければと思います。

作曲の方法は様々ですので、以下で記載していることを鵜呑みにするのではなく、批判的な見方を持ちながら読んでいただいたり、役に立ちそうな部分だけ参考にしていただくという形でも良いと思います。

この記事は量が膨大なため、目次を使って必要な部分に飛んで読むことをおすすめします。

なお、ミックスやマスタリングの手法やコツについては別の記事にまとめる予定なので、ここでは基本的に「作曲」に焦点を当てますが、作曲とミックスの作業は密接に結びついており、切り分けることが難しいものです。

そのため、作曲の段階からミックスを踏まえた準備作業を行うことも重要です。
この記事では、ミックス作業の要素を含む説明もいくつか含まれていますので、その点はご了承ください。



◆DTMによる作曲に必要なもの

(ある程度の経験がある人は読み飛ばしてもらって構いません)



◇DAW(Digital Audio Workstation)


DAWは、曲の作成や編集に使うソフトで、DTMを始めるにはまず最初にこのDAWを購入する必要があります。

日本では「Cubase」「Logic」「Studio One」などのDAWがよく使われており、これらの中から選べば後悔するリスクはかなり少ないでしょう。
ただし、「Logic」はmac専用のため、Windowsでは使用できない点に注意が必要です。

無料のDAWもありますが、それで操作を覚えた後に有料のDAWに移行すると、操作方法を一から覚え直さなければならない場合があり、慣れるまで苦労することもあります。

その点、定番の有料DAWには、機能を制限した低価格版が用意されていることもあるため、予算に余裕がない場合は、まずその低価格版から始めるのがおすすめです。
これにより、操作方法を何度も覚え直す手間を省くことができます。



◇オーディオインターフェース


オーディオインターフェースは、パソコンと音楽機器(スピーカー、ヘッドホン、マイク、ギターなど)を接続するためのデバイスです。

オーディオインターフェースがなくても作曲は可能ですが、使わないと音質が悪くなったり、不便に感じたりすることがあります。

オーディオインターフェースについての詳しい情報は、以下の記事でまとめていますので、ご参照ください。



◇モニタースピーカー・モニターヘッドホン

オーディオインターフェースだけでは音が出ないため、別途スピーカーやヘッドホンを用意する必要があります。

リスニング用のスピーカーやイヤホンは、音が「派手」に聞こえるよう調整されていることも多く、せっかく作った曲が他のスピーカーで聴くと「音が薄く感じる」といったことが起こりがちです。
そのため、作曲やミックス、演奏のモニタリング用に設計された「モニタースピーカー」や「モニターヘッドホン」を使用すると安心です。

スピーカーとヘッドホン、どちらを選ぶべきか?

ミックス作業では「スピーカーで行うべき」と言われることが多いですが、近年ではソフトウェアや機材の進化により、アマチュアの世界ではヘッドホンでミックスを行う人も増加しています。

おすすめのスピーカーやヘッドホンについては、別の記事にまとめているので参考にしてください。

ヘッドホンやスピーカーは1つずつあれば、初めのうちは十分です。
ただし、ミックス作業も自分で行う場合は、モニタースピーカーに加えてラジカセサイズのフルレンジスピーカーがあると便利です。

自宅でのミックス作業で作った音源は、音響が整ったスタジオと異なり、「完璧に仕上げた」と思っても、他の環境で聴くと音が崩れてしまうことがよくあります。

ラジカセサイズのフルレンジスピーカーは、このようなミックスの失敗が見えやすい特性があるため、モニタースピーカーで「ミックスが完成した」と感じた後、フルレンジスピーカーでチェックする習慣をつけておくと、後から修正が必要になるリスクを減らせます。

ミックス確認用のフルレンジスピーカーとしては「AURATONE」が有名ですが、高価でアンプを用意する必要もあるため、導入のハードルが高いです。

一部のスタジオやDTMerの間では、SONYの「ZS-M5」というラジカセがミックス確認用として使われていました。
しかし、このモデルも生産終了から長い年月が経ち、現在では入手が困難です。

そのため、私はメインのFocalのスピーカーの上にJBLの「Pebbles」という小さめのフルレンジスピーカーを置いて、ミックス確認用として使うことが多いです。

JBL「Pebbles」は手頃な価格でコンパクトに設置可能なため、私もモニタースピーカーの上に置いて活用しています。
このスピーカーはUSBでパソコンと接続するタイプなので、オーディオインターフェイスを介して音を出せない点が不便に感じられるかもしれません。
しかし、逆にDAWからの音声出力はオーディオインターフェイス経由でメインのモニタースピーカーから出し、DAW以外の音声出力を「Pebbles」から出すことで利便性が向上します。

(特にDAW使用中、オーディオインターフェイスによってはDAW以外の音声をパソコンから出力できない場合があるため、USBスピーカーを併用することでこの問題を解決可能です。)


その他、ADAM Audioの「D3V」というスピーカーは、フルレンジではなく2wayのスピーカーですが、USB接続に対応し、比較的小さなサイズながらもADAM Audioならではの高音質サウンドを再現できると評判です。

ニアフィールドモニタースピーカーとしても注目を集めており、手軽に高解像度なサウンドを楽しめる点で話題になっています。



◇MIDIキーボード・MIDコントローラー

DAW内で立ち上げた楽器を演奏したり、打ち込みを行う際、MIDIキーボードは非常に便利なデバイスです。
しかし、鍵盤を弾けない人にとっては、最初のうちは必ずしも必要ない場合もあります。
特に、マウスやキーボードでの打ち込みに慣れている人であれば、無理に購入する必要はありません。

とはいえ、DTM作業に慣れてくると、MIDIキーボードがあった方が圧倒的に作業効率が上がることに気づくでしょう。
例えば、メロディやコード進行を直接演奏して入力することで、より直感的で自然な表現が可能になります。
また、打ち込み作業のスピードも大幅に向上します。

したがって、予算に余裕が出てきたタイミングで、MIDIキーボードを購入することをおすすめします。
最初から高価な機材を選ぶ必要はなく、自分の作業スタイルや予算に合ったモデルを選ぶことが重要です。

MIDIキーボードについては以下の記事で整理しています。




◇マイク

ボーカル(歌声)、アコースティックギターなどを録音する場合にはマイクも必要になります。

初心者向けのボーカル録音用マイクは以下の記事でまとめています。

上級者になっても使えるようなマイクについては以下の記事でまとめています。




◆作曲の流れ


DTMでの作曲は、以下のような流れで進めていきます。
ここでは、アイデア出しから曲の大枠を考える段階に焦点を当てて解説します。




◇アイデア出し~曲の大枠を考える


1. アイデア出し~曲の雰囲気やテーマを決める

作曲の第一歩は、曲の雰囲気やテーマを決めることです。

  • どんな感情を表現したいか?

  • どんなジャンルの曲にするか?

  • 誰に向けた曲にするか?

こうした要素を考えながら、曲の方向性を決めていきましょう。


2. 楽器を使ったアイデア出し

楽器が弾ける人であれば、鍵盤を弾いたり、ギターを弾きながら鼻歌でメロディを考えても良いでしょう。
「曲を作ろう」と意気込んでパソコンの前で悩んでいても、なかなかアイデアが出てこないことがあります。そんなときは、リラックスした状態で適当に楽器を弾いてみることが有効です。

  • ミニ鍵盤を使って、ソファーに座ったり、寝っ転がりながら演奏してみる。

  • CASIOのCasiotoneのようなコンパクトキーボードを使う。上級者でも、アイデア出し用にこうした機材を使っている人がいます。

  • YAMAHAの「PSS-A50」は、MIDIキーボードとしても使え、録音も可能なため、アイデア出し用のコンパクトキーボードとして便利です。

3. DAWを使ったアイデア出し

楽器が弾けない人でも、DAW上でメロディやコード進行を入力しながら曲を作ることができます。

  • DAWのピアノロール機能を使って、メロディやコードを打ち込む。

  • 既存のコード進行やリズムパターンを参考にしながら、自分なりのアレンジを加える。

基本的なコードやコード進行については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。


◇MIDIのデータ打ち込み

MIDIデータの打ち込み~効率的な作業方法と裏技

曲のアイデアがまとまったら、次はDAWにMIDIデータを打ち込む作業に入ります。この工程は、作曲や編曲において非常に重要なステップです。
ここでは、MIDIデータの打ち込み方法と、作業を効率化するためのテクニックを紹介します。


1. MIDIキーボードを使ったリアルタイム入力

鍵盤が弾ける人にとっては、MIDIキーボードを弾きながらリアルタイムでMIDIデータを記録する方法が最も効率的です。

  • 演奏のニュアンスやタイミングをそのまま反映できるため、自然な表現が可能。

  • 特に、メロディやコード進行を素早く入力したい場合に適しています。


2. マウスとキーボードを使った手動入力

鍵盤が弾けない場合や、複雑なデータを打ち込む場合には、マウスとキーボードを使って地道に打ち込む方法が一般的です。

  • DAWのピアノロール機能を使い、一つ一つの音符を正確に入力。

  • 細かい調整や編集がしやすいため、緻密な作業に向いています。


3. オーディオをMIDIデータに変換する裏技

単音楽器(和音を使わない楽器)の場合、鼻歌でメロディを録音し、それを「オーディオ(音声)をMIDIデータに変換する」機能を使って入力する方法もあります。

  • この方法は、楽器が弾けない人や、メロディのアイデアを素早く形にしたい場合に有効。

  • 例えば、鼻歌で録音したメロディをMIDIデータに変換し、さらに編集を加えることで、オリジナルの曲を作成できます。


4. オーディオをMIDIに変換するソフト

鼻歌を含め「オーディオをMIDIデータに変換する」機能を提供するソフトはいくつかありますが、その中でも「MELODYNE」は特に有名です。

  • MELODYNEの「ASSISTANT」以上のバージョンでは、オーディオをMIDIデータに変換する機能が利用可能。

  • ボーカルピッチ補正用ソフトとしても知られていますが、メロディや単音楽器の録音をMIDIデータに変換する際にも非常に便利です。


◇編曲(アレンジ)

打ち込んだMIDIデータに、他の楽器パート(ベース、ドラム、ギターシンセサイザーなど)を追加し、曲の全体像を作っていきます。


◇ミックス・ミキシング

各パートの音量(フェーダー)、左右の配置(パン)、各音域ごとのバランス(イコライザー)、時間毎の強弱(コンプレッサー、トランジェント)など調整し、全体のバランスを整えていきます。

編曲と同時並行でミキシングをする場合もあります。


◇マスタリング

最終的な調整として、マキシマイザーなどで全体の音圧を上げたり、全体的な周波数特性をイコライザーなどで調整します。

なお、以前はミックスとマスタリングは別の工程として作業をするのが通常でしたが、最近ではDAWが進化したこともあり、ミックスとマスタリングを同時並行で行う人も増えてきました。



◆初心者のための作曲のコツ(全体的な話)


◇「Cメジャースケール」から始めよう

作曲を始めたばかりの頃は、「調(キー)」について悩むことが多いでしょう。特に、音楽理論を学んだことがない人にとっては、24種類もある調を覚えるのは大変です。
しかし、初心者でも簡単に作曲を始められる方法があります。
「Cメジャースケール」を使った作曲のコツを紹介します。


1. 最初は「Cメジャースケール」で作曲する

Cメジャースケール(ハ長調)は、ピアノの白い鍵盤だけを使って演奏できるスケールです。

  • 初心者にとって最も扱いやすい調であり、音楽理論の基礎を学ぶのに最適です。

  • 最初のうちは、この1つの調だけを覚えれば十分です。他の調は、必要に応じて後から学んでいきましょう。


2. トランスポーズ機能を活用する

DAW(デジタルオーディオワークステーション)や一部のキーボードには、トランスポーズ機能が搭載されています。
この機能を使えば、Cメジャースケールで作った曲を他の調に簡単に変換できます。

例えば、Cメジャー(ハ長調)からDメジャー(ニ長調)に変更したい場合、以下の手順で作業できます。

  1. ドラム以外の各トラックのトランスポーズ設定を「+2」にする。

  2. ピアノロール上では、Cメジャースケールと同じように音符を入力する。

この方法は、プロの作曲家も使っている場合もあり、初心者にとって非常に便利です。

また、最近のキーボード(鍵盤楽器)にもトランスポーズ機能が搭載されている機種が増えています。
これを使えば、Cメジャースケールと同じ感覚で他の調のコードを演奏できます。


MIDIキーボードに関しては以下の記事でまとめています。



3. トランスポーズ機能を使うメリット

  • 曲作りが簡単になる:Cメジャースケールで白鍵を中心とした作業に集中でき、他の調を覚える必要性が小さくなります。

  • 後からの調整が楽:トランスポーズ機能を使わずに曲を作ると、後からキーを変更した際に音色や雰囲気が変わってしまうことがあります。最初からトランスポーズ機能を使うことで、この問題を回避できます。

トランスポーズ機能を使わずにCメジャー(ハ長調)で曲を作った後に、後からトランスポーズ機能などで各楽器のキーを上げ下げするという人もいますが、この方法だと各楽器の音色・雰囲気が変わってしまったり、楽器的に音が出なくなってしまったりして、後から調整をするのが面倒です。

なので(絶対音感がある人でなければ)最初からトランスポーズ機能を使って「ピアノロール上はCメジャー・ハ長調」「出音は実際のキー・調」という形で曲を作ったほうが、曲は作りやすいと思います。



・長調と短調の区別~初心者が知っておくべきポイント

作曲を始めたばかりの頃は、「長調(メジャースケール)」と「短調(マイナースケール)」の違いについて悩むことがあるかもしれません。

しかし、初心者のうちは、この区別を厳密に考える必要はありません



1. 長調と短調の基本的な違い

  • 長調(メジャースケール)明るい雰囲気の曲に適しています。

  • 短調(マイナースケール)暗い雰囲気の曲に適しています。

しかし、メジャースケールとナチュラルマイナースケールは、使う鍵盤がほとんど同じ場合があります。
例えば、ピアノの白い鍵盤だけで曲を作る場合、以下のように使い分けられます。

  • 最初と最後の音を「ド」にすれば、メジャースケールっぽい曲に(ハ長調)。

  • 最初と最後の音を「ラ」にすれば、マイナースケールっぽい曲に(イ単調)。


2. 現代音楽における長調と短調の曖昧さ

最近の音楽では、長調と短調の区別が曖昧な場合も多く見られます。

  • 曲の最初の音が「ド」で、最後の音が「ラ」だったり、

  • 最初や最後の音が「ド」や「ラ」のどちらでもない場合もあります。

そのため、厳格なクラシック音楽を学んでいる人以外は、以下のポイントだけ覚えておけば十分です。

  • 最初と最後の音が「ド」ならば、ハ長調(Cメジャースケール)。

  • 最初と最後の音が「ラ」ならば、イ短調(Aマイナースケール)。

これに加えて、トランスポーズ機能を使えば、ほぼ全ての調(キー)に対応できます。


3. 調(キー)の一覧とその使い方

以下は、調(キー)の一覧です。
ただし、DAWを使って作曲する場合、トランスポーズ機能でキーを変えて曲を作成すれば良いので、この一覧を暗記する必要はありません
後から「自分が作った曲の調(キー)を調べたい」という場合に、以下の一覧を参考にする形で十分だと思います。


ハ長調 ( C major ) →「ド」で始まり終わる
イ短調 ( A minor ) →「ラ」で始まり終わる
※ハ長調もイ短調も基本的に白鍵盤を使う

変ニ長調 ( D♭ major )  →「レ♭」で始まり終わる
ロ短調 ( B♭ minor )  →「シ♭」で始まり終わる
※ハ長調・イ短調を半音1個分上げた(11個分下げた)時の調(キー)

ニ長調 ( D major )  →「レ」で始まり終わる
ロ短調 ( B minor )  →「シ」で始まり終わる
※ハ長調・イ短調を半音2個分上げた(10個分下げた)時の調(キー)

変ホ長調 ( E♭ major )  →「ミ♭」で始まり終わる
ハ短調 ( C minor )  →「ド」で始まり終わる
※ハ長調・イ短調を半音3個分上げた(9個分下げた)時の調(キー)

ホ長調 ( E major )  →「ミ」
嬰ハ短調 ( C♯ minor )  →「ド♯」
※ハ長調・イ短調を半音4個分上げた(8個分下げた)時の調(キー)

へ長調 ( F major ) → 「ファ」
ニ短調 ( D minor )  → 「レ」
※ハ長調・イ短調を半音5個分上げた(7個分下げた)時の調(キー)

変ト長調 ( G♭ major )  →「ソ♭」
変ホ短調 ( E♭ minor )  →「ミ♭」
※ハ長調・イ短調を半音6個分上げた(6個分下げた)時の調(キー)

ト長調 ( G major )  →「ソ」
ホ短調 ( E minor )  →「ミ」
※ハ長調・イ短調を半音7個分上げた(5個分下げた)時の調(キー)

変イ長調 ( A♭ major )  →「ラ♭」
へ短調 ( F minor )  →「ファ」
※ハ長調・イ短調を半音8個分上げた(4個分下げた)時の調(キー)

イ長調 ( A major )  →「ラ」
嬰へ短調 ( F♯ minor )  →「ファ♯」
※ハ長調・イ短調を半音9個分上げた(3個分下げた)時の調(キー)

変ロ長調 ( B♭ major )  →「シ♭」
ト短調 ( G minor )  →「ソ」
※ハ長調・イ短調を半音10個分上げた(2個分下げた)時の調(キー)

ロ長調 ( B major )  →「シ」
嬰ト短調 ( G♯ minor ) →「ソ♯」
※ハ長調・イ短調を半音11個分上げた(1個分下げた)時の調(キー)


ちなみにWAVESの「Key Detector」などのプラグインを使うと自動で数秒で曲のキーを検出してくれるので便利です。




◇曲の構成をシンプルにする~初心者が挫折しないためのコツ

アーティストの素敵な曲を聴いていると、「自分も複雑な曲を作りたい」という気持ちになるかもしれません。
しかし、初心者のうちは、シンプルな曲構成を目指すことが大切です。


1. シンプルな構成から始める

初心者が最初に目指すべきは、「Aメロ+サビ」や「Aメロ+Bメロ+サビ」といったシンプルな構成です。

  • 複雑な構成に挑戦するよりも、シンプルな形で一曲を完成させることが重要。

  • 一度シンプルな構成で曲を作り、そこから「イントロ」「ブリッジ」「アウトロ」を少しずつ追加していく方法もおすすめです。


2. 現代の音楽シーンに合わせた曲の長さ

昔の曲は、CDの形で売るために4分~5分程度の長さが必要でした。
しかし、最近はYoutubeやストリーミングサービスが主流となり、曲を長くする必要がなくなっています。

  • 短くてシンプルな曲の方が、多くのリスナーに受け入れられやすい傾向があります。

  • 特に初心者のうちは、2分~3分程度の短い曲を目指すと、作業負担が軽くなり、挫折しにくくなります。


3. シンプルな構成のメリット

シンプルな曲構成には、以下のようなメリットがあります。

  • 挫折しにくい:複雑な構成に比べて、作業が簡単で完成までの道のりが短い。

  • リスナーに受け入れられやすい:短くてわかりやすい曲は、ストリーミング時代に適している。

  • 応用がしやすい:シンプルな構成をマスターした後、徐々に複雑な要素を加えていくことができる。





◇1曲に時間をかけ過ぎない~上達のための効率的な曲作り

趣味で音楽制作をしていると、締め切りがないため、完璧を目指して1曲に時間をかけ過ぎてしまうことがあります。
しかし、上達するためには、量をこなすことが重要です。


1. 量をこなすことが上達の近道

1曲にこだわり続ける人よりも、定期的に複数の曲を作り続ける人の方が、上達が早い傾向があります。

  • 例えば、1年に1曲しか作らない人と、1年に30曲作る人を比べると、最初の1曲は前者の方がクオリティが高くても、後者の30曲目は前者を圧倒的に上回ることが多いです。

  • 多くの曲を作ることで、経験が積まれ、技術や表現力が向上します。


2. 完璧を目指し過ぎない

プロの作曲家の中には、以下のような考え方を持つ人もいます。

  • 完璧を目指すといくら時間があっても足りないので、厳しい締め切りに追われいる中では自分の中の完璧の70%くらいで曲を仕上げざるを得ないこともある

  • 自分の中で70%の完成度であっても、他の人から満足してもらえる曲を作るのがプロ

このように、完璧を目指し過ぎず、適度な完成度で曲を仕上げることが、効率的な曲作りには重要です。


3. 自分で締め切りを設ける

曲を作る際は、自分の中で締め切りを設けることをおすすめします。

  • 締め切りが来たら、ひとまず完成とし、次の楽曲制作に取りかかる。

  • この方法を繰り返すことで、多くの経験を積み、スキルを向上させることができます。




◇他人のアドバイスを謙虚に受け入れる

曲を作って他の人に聴いてもらうと「素敵だね」といった肯定的な感想をもらえることも多いです。
しかし、悲しいことに「ダメ出し」をされてしまうこともあります。

自分が頑張って作った曲にダメ出しをされるのは、想像以上にメンタルに響くものです。
時には、「音楽のことを何も知らないくせに偉そうなことを言いやがって」と不満を持ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、肯定的な意見だけでなく、否定的な意見も非常に参考になることが多いです。
音楽に詳しい人だけでなく、音楽の素人(父親、母親、兄弟姉妹、おじいさん、おばあさんなど)からの厳しい意見が、実は的を得ているということもよくあります。

私自身も「この楽器の音が大きすぎる」「キーが高すぎる」などとダメ出しをされることがあります。
1人で曲を作りながら何度も繰り返し聴いていると、他の人が「違和感」を感じる部分に自分が気づいていないことがよくあるのです。

作曲の技術が急速に伸びる人は、アドバイスを謙虚に受け止める勇気を持っている人だと言われています。
人からアドバイスを受けた時、最初は「イラッ」としても、自分の曲に本当に問題がないか謙虚に見直す姿勢が大切かなと思います。


◆曲を作りたいのに作れない場合、何のアイデアも思いつかない場合


◇リファレンスを活用する

「曲を作ろうと思ったけど、何も思いつかない」という人は多いと思います。
そんな時は、自分が好きなアーティストの曲を参考にし、その音作りや構成を分析するところから始めるのがおすすめです。

もちろん、アーティストの曲を丸パクリするのはダメですし、メロディが同じ曲を作るのもアウトです。
しかし、全体的なコード進行、使われている楽器の音色、ブレイクのタイミング、シンコペーションの使い方などは真似をしても、基本的に問題はありません。

また、プロの作曲家も、作曲の依頼を受ける際に「このアーティストの、この曲のようなイメージでお願いします」と参考となる楽曲が提示されることがあります。
「他のアーティストの曲を参考にした上で曲を作る」という手法は、よく使われている方法です。

例えば、「インドの人が作った曲」を一度も聞いたことがない人が「インドの映画音楽」を作ることは難しいでしょう。
インドで流行っている曲を作りたいなら、インドの曲を何曲も聴く必要があります。
同様に、ハードロックの曲を作るのであれば、ハードロックを何度も何曲も聴いたほうが、イマジネーションが湧きやすくなります。

当たり前のことのようですが、意外にもパソコンの前でウンウン悩んでいるだけで作業が進まないという人もいます。
煮詰まったら、色んな音楽を聴いてみることも大事です。このことを頭の片隅に入れておくと良いでしょう。


 コード解析ツールを活用する

リファレンス(参考曲)を解析する際に、「何のコードを使っているのか分からない」という場合には、コードを解析してくれるサイトやDAWの機能を使うと便利です。

昔からある有名なコード解析サイトとして「Chordify」があります。最近は、スマホアプリとして使える解析ツールもあるので、自分が使いやすいものを選ぶと良いでしょう。

また、Studio OneやCubase(12以降)といったDAWにも、コードを解析してくれる機能がついています。
例えば、Studio Oneの場合、参考曲のオーディオファイルをDAWにドラッグ&ドロップし、オーディオファイルを右クリックして「コードトラックに抽出」を選択すると、コードがずらっと表示されるので非常に便利です。



◇コード進行から考える

何も曲が思い浮かばない場合、最初にコード進行の流れを作ってしまう方法が有効です。
以下の記事でも詳しく書いていますが、世の中にある名曲は「王道のコード進行」を使っていることが多いです。


代表的なコード進行の例:


  • 丸の内サディスティック進行
    ⅣM7 → Ⅲ7 → Ⅵm7 → Ⅰ7
    (例:FM7 → E7 → Am7 → C7)


  • 小室進行
    Ⅵm → Ⅳ → Ⅴ → Ⅰ
    (例:Am → F → G → C)


  • カノン進行
    Ⅰ → Ⅴ → Ⅵm → Ⅲm → Ⅳ → Ⅰ → Ⅳ → Ⅴ
    (例:C → G → Am → Em → F → C → F → G)


王道のコード進行パターンはこれ以外にも多数あります。
コード進行はネットで調べればたくさん出てきますし、MIDIデータが付属したコード進行のパターン集なども販売されています。
こういったものを活用するのも便利です。

コード進行が思いつかない場合には、Cubase Proに入っている「コードアシスタント」という機能を使ったり、「SCALER 2」というプラグインを使う方法もあります。

何もないところから曲を作るよりも、コード進行を作ってからメロディを考えるほうが、頭の中に曲が浮かびやすいです。
「何から手を付けて良いか分からない」という場合には、まずはコード進行から考えてみるのも良いでしょう。


◇サンプル音源・ループを使う

作曲が何も思い浮かばない場合、サンプル音源(楽器やボーカルの録音データ)やMIDIのループ素材をDAWに貼り付けて作曲する方法があります。

サンプル音源は、DAWに最初から入っているものや、CDなどで販売されているものがありますが、Spliceなどのサブスクリプションサービスを利用して、自分が必要なものだけダウンロードする方がコストパフォーマンスが良く、データの管理も楽です。

ちなみに、Studio Oneはバージョン7以降、DAW内でSpliceのサンプルを検索して貼り付けることができるようになりました。

MIDIのループ素材は、ドラム音源に入っていることも多いですし、「EZ BASS」「EZ KEYS」など、ベースや鍵盤楽器系の音源にも含まれています。

ループ素材を並べる際は、規則性を持たせて「繰り返し」を意識すると良い結果を得られるケースも多いです。

「繰り返し」のあるループを聴いていると、「ここに変化を加えてみよう」や「音を追加してみよう」といったアイデアが湧いてくることがあります。
タイミングを変えたり、音の高さを変えたりしながら、曲を少しずつ作っていくことができます。


◇音源・音色選びを工夫する

1. 音源や音色の選び方の重要性

曲のアイデアを作る際、音源や音色の選び方は非常に重要です。
「曲を作っても良い感じにならない」「迫力がない」「厚みがなくてペラペラとした感じがする」という場合、原因はさまざまですが、使っている音源(楽器)の選択が適切でないケースもあります。

2. イメージに合った音色選び

イメージに合っていない音色や「安っぽい印象のある音源」を使っていると、いつまで経っても「イメージどおりの曲にならない」と悩んでしまい、作業が止まってしまう人もいます。
一方で、アーティストが普段から使っているような品質の良い音源で音を鳴らすと、それだけでインスピレーションが一気に湧いてくることもあります。

3. 音源のクオリティ向上

最近のDAWにデフォルトで入っている音源のクオリティは上がってきていますが、何度やっても「しっくりとこない」という場合には、音源のプラグインを追加してみたり、サンプル音源などを活用することを考えてみると良いでしょう。


◇自分の頭の中の「情報量」を増やす

1. 情報量がイマジネーションを生む

曲を作る際、自分の頭の中にある音楽に関する「情報量」が多ければ多いほど、イマジネーションが湧きやすくなります。
自分の頭の中の「情報量」を増やす方法として、以下のような方法があります。

  • 様々なアーティストの曲を聴いてみる

  • DAWの中のプラグインの音色をチェックしておく

  • 持っているオーディオサンプルを試聴しておく

  • 興味のある楽器を練習したり弾いたりしてみる

  • 作曲の方法論に関する書籍を読む

2. イメージを再現するための準備

作曲でよくある悩みが、「頭の中にあるイメージの音をすぐに再現できない」という点です。
楽器が弾けないために音を再現できないというパターンもありますが、頭の中で鳴っている「音色」が何の楽器の音なのか分からない、またはシンセサイザーの音だと分かっても「どの音源のどの音色を使えばその音が再現できるのか」が分からない
というパターンもあります。

そんな時に、普段からDAWの中に入っている音源の音色を把握しておくと、「この音源のこのあたりにこの音色があったな」と、作曲のイマジネーションが消える前に再現することができます。

3. 楽器演奏の経験を積む

また、様々な楽器を完璧に弾けるようにならなくても、下手でも良いので一度演奏してみることで、「これはあの楽器の音だな」ということが分かったり、「強く叩いた時と弱く叩いた時の音は全然違うんだな」という経験を蓄積することができます。
これらの経験は、作曲のイメージに活かすことができます。

4. 様々なジャンルの音楽に触れる

普段から好き嫌いを問わず、様々なジャンルの曲を聴くことも重要です。
対バン形式のアマチュアのライブを見に行くと、1つのライブに複数のバンドが参加するため、自分の好きではないジャンルの曲が演奏されることもあります。
しかし、自分の好きな曲ばかり聴くよりも、苦手なジャンルの曲を聴いたほうが得るものが多いこともあります。
また、なぜ自分がそのジャンルが苦手なのかを分析することも、作曲に役立つことがあります。

5. 映画・アニメ・テレビの音楽に注目する

映画・アニメ・テレビを見ることも、作曲に役立つことが多いです。
普段は気にしていない人が多いと思いますが、映画・アニメ・テレビでは、演出を盛り上げるための「劇伴」と呼ばれる音楽が効果的に使われています。
映画・アニメ・テレビを見る時にも、どのような場面でどんな曲が使われているのかを意識し、なぜその曲が使われているのかを考えることも、自分が作曲する場面で役に立つのでおすすめです。


◇テーマ・対象を明確にする

「どんな曲を作れば良いか全く浮かばない」という場合、「テーマ」と曲を届けたい「対象」を決めることで、イメージが湧いてくることがあります。

例えば、「ボカロ系の音楽を作る」ということだけ決めて作り始めるよりも、「曲の主人公は高校生の女の子で、学校で人間関係の悩みを抱えている」といったテーマを考えたり、曲を聴いて欲しい対象は「思春期の中学生や高校生」などと決めてから、曲や歌詞を考え始めたほうが、具体的なアイデアが浮かびやすくなります。


◇仲間を作る

1. モチベーションを高める環境づくり

「曲を作ろうとしても作れない」という場合、そもそも曲を作るモチベーションやきっかけが少ないということもあります。
そのような時は、家で引きこもって曲を作るよりも、音楽制作グループに入ったり、バンドを組んだりして、半ば強制的に曲を作らなければならない環境に身を置いてみるのも1つの方法です。

2. 仲間からのフィードバック

仲間がいれば、曲の作り方について客観的なアドバイスをもらえこともあります。
曲を作った後に褒められれば「もっと作ろう」という気持ちになりますし、逆にダメ出しされても「次は良い曲を作って見返してやる」という気持ちになるなど、仲間の存在はモチベーションを維持する推進力になってくれます。

3. 依頼を受ける際の経験

作曲の技術が向上してくると、人から依頼を受けて作曲をする機会が増えてくることもあります。
そんな時には、他の人が何を望んでいるのかをくみ取る力や、自分の作曲のクセを俯瞰的に把握する能力が必要になってきます。
仲間とコミュニケーションを取りながら作曲をした経験は、こうした場面でも役に立つでしょう。



◇共作する

1. 共作のメリット

「仲間を作る」に似ていますが、共作(コライト)をすることも、強制的に曲を作る方法の1つです。
共作の方法は様々ですが、以下のような方法があります。

  • 何人かのクリエイターで集まって話し合いながら進める

  • 他の人に作ってもらった歌詞をベースに曲を作る

  • 他の人が作った曲を編曲する

1人ではやる気が出ないけれども、他の人と一緒に作業するとやる気が出てくるというタイプの人には、共作は特におすすめの方法です。

2. 共作のプラットフォームを活用する

「ピアプロ」というサイトでは、作詞家、作曲家、イラストレーターなど、様々なクリエイターが集まって共作をすることができます。

例えば、「曲は作れるけど歌詞が思いつかない」という場合に、歌メロを「ららら」で作った音源をピアプロにアップすると、作詞家の方が歌詞を書いてくれることもあります。

また、公式のTwitterで音源をアップしてもらえることもあり、その場合にはデモ曲の段階で数百~数千再生されることもあります
自分の曲をいろんな人に聴いてもらいたいという場合にも、こうしたプラットフォームを活用してみると良いでしょう。



◆メロディの作り方


◇ボーカルのキーを意識する

初めて作曲をする時によくあるのが、「ボーカルが出せない音域のメロディを作ってしまう」という事故です。
ボカロや合成音声(AI)に歌ってもらう場合には、キーの幅が広くても何とかなることもありますが、低い音や高い音が不自然で人工的なサウンドになってしまうことがあります。
そのため、リアルの人間が出せる音域を意識した上で曲を作ると、歌声が自然になりやすいです。

標準的なボーカルの音域


ボーカルが出せる音域は人によって異なりますが、参考までに標準的と思われる音域を記載しておきます。

  • 男性の場合

最低音
誰でも無理なく出せる:D3~F3
声が低めの人:A2

最高音
誰でも地声で無理なく出せる:E3
上手い人であれば出せる:A4
裏声で出せる人もいる:E5

  • 女性の場合

最低音
誰でも無理なく出せる:G3~A3
声が低めの人:C3

最高音:
誰でも地声で無理なく出せる:A4
上手い人であれば出せる:D5
裏声で出せる人もいる:A5



ボーカルの音域を事前に確認する


歌うボーカリストが決まっている場合には、事前に以下のポイントを確認しておくと良いです。

  • 余裕で出せる低域

  • 瞬間的に出せる低域の限界

  • 余裕で出せる高域

  • 瞬間的に出せる高域の限界

  • 裏声で出せる高域


最高音の使い方に注意

最高音が「D5」と言われたとしても、サビでC5~D5付近を繰り返すようなメロディだと、ボーカルの喉が持たないことがあります。
そのため、最高音は「ここぞ」というポイントに絞って入れるという意識でメロディを考えると、ボーカルも歌いやすく、リスナーにとっても気持ち良く聴いてもらえる曲になります。




◇コードとの関係性を意識する

メロディを作る際、コードの構成音でメロディを組み立てていくと「聴きやすい」メロディになりますが、「単調でつまらない」という印象を与えることもあります。
一方で、コードの構成音「以外の音」を入れると「緊張感」や「目新しさ」を演出できますが、「コードとぶつかっている」「ズレている」という印象を与えてしまうこともあります。

そこで重要なのは、コードの構成音「以外の音」をどのように効果的に盛り込んでいくかです。
例えば、経過音や倚音(いおん)を使うことで、メロディに動きをつけつつも、コードとの調和を保つことができます。
また、テンションノートを活用することで、メロディに深みや緊張感を加えることも可能です。

コードの構成音とそれ以外の音をバランスよく組み合わせることで、「聴きやすくて印象的なメロディ」を作ることができます。
このバランスを意識しながら、メロディを作っていくことが重要です。




◇コードとメロディが「ぶつかっている」場合の対処法


1. コードとメロディの衝突

ロック系の音楽などでは、プロが作った楽曲でもコードとメロディが「ぶつかる」ことでカッコ良く聞こえる曲もあります。
しかし、あまりにもコードとメロディが「ぶつかり」過ぎていると、不自然で「初心者が作った曲」っぽく聞こえる傾向があります。

2. アボイドノート(避けるべき音)

基本的に、コードの構成音の「半音上」または「半音下」の音をメロディに入れると「ぶつかっている」という印象になります。
例えば、和音楽器で「C」(ド・ミ・ソ)のコードを鳴らしている時に、メロディに「ファ」の音(5度のソの半音上の音)を入れると、「ぶつかっている」「汚く濁っている」という印象になります。
このような「ぶつかる音」のことを「アボイドノート」(避けるべき音)と言ったりすることがあります。
最初のうちは、「コードの構成音と半音ズレた音を鳴らすとぶつかったり、濁りやすい」と考えておくだけでも良いでしょう。

3. ぶつかる音を使わない場合のデメリット

ただし、「ぶつかる音」を一切使わない曲は、逆に「優等生」が作ったような「お上品な」雰囲気になってしまい、つまらない曲になってしまうこともあります。

4. 解決策

では、どうすれば良いのかというと、いくつかの解決策があります。

・原則として「拍の頭」と「着地」の部分に「ぶつかる音」を使わない


4拍子の曲の場合、1小節の中に「タン・タン・タン・タン」という4つの「拍の頭」があります。

基本的にこの拍の頭に「ぶつかる音」を持ってくると違和感が生じやすいので、「ぶつかる音」は「拍の頭」以外で使うようにしたほうが無難です。

また「ひとかたまりのメロディ」が着地する地点に「ぶつかる音」があるとこれまた違和感があるので、「ぶつかる音」を使った後はコードの構成音で着地(解決)させるように意識をしたほうが無難だと思います。



・ちょっとだけ寄り道する音


・和音の構成音から上か下の隣の音に移動して後にすぐに元に戻る音(刺繍音)

・和音の構成音から階段のように同じ方向に進み和音の構成音に進む途中の音(経過音)

などは「ぶつかる音」であっても使うことが許されることが多いです。

ベースやギターでも「半音~1音下がった後にすぐにルートに戻る」というフレーズは良くありますし、ギターソロでもペンタトニックスケールの途中の音を半音刻み繋ぐことも良くありますが。

このように「ちょっとだけ寄り道する音」が「ぶつかる音」であっても基本的に問題はないですし、むしろカッコ良いフレーズになることが多いです。


・コードを見直す

「コードとメロディがぶつかったけど、メロディはこのままでいきたいな」という場合には、コードの構成音を見直すという方法もあります。

前記のように「C」(ド・ミ・ソ)のコードを鳴らしている時に、「ソ」の半音上の「ファ」の音(Cの5度のソの半音上の音)をメロディに入れるとぶつかってしまいますが、「ド・ミ・ファ」の「Csus4」というコードに修正すれば「ぶつかっている」という印象は無くなります。


コードを覚える時は基本的な3和音の「メジャーコード」と「マイナーコード」を覚えた上で、

「3度」の音が変わるパターン

「5度」の音が変わるパターン

「6度」の音を追加するパターン

「7度」の音を追加するパターン

というように整理して覚えおくと、メロディと「ぶつかった」時に使える修正先のコードが思いつきやすいと思います。

コードの覚え方は以下の記事も参考にしてください。



◇テンションノートを効果的に使う

テンションノートの活用は、音楽に「緩急」をつけるための重要な手段です。
多くのヒット曲では、テンションノートが効果的に使われています。


「拍の頭」や「着地」の部分に「ぶつかる音」を使わないという原則があります。
しかし、あえて1拍目や3拍目の頭にテンションノート(9度、13度)のメロディを載せることで、緊迫感を演出することができます。


特に、コードが変わった後の最初の1拍目にテンションノートを持ってくると、リスナーに強い印象を与えることができます。
この手法を使うことで、音楽に劇的な効果を加えることが可能です。


ただし、テンションノートだけを使い続けると、音楽として破綻してしまいます
テンションノートを使った後は、必ずコードの構成音に戻ることが重要です。
この繰り返しによって、緊張と緩和のバランスが生まれ、リスナーの記憶に残りやすい音楽を作ることができます。

なお、メロディにテンションノートを入れる際、コード楽器が必ずしもテンションコードを弾いている必要はありません
状況に応じて、テンションコードを使うかどうかを判断すれば良いです。



◇急激な音程の変化について

最近では、ボーカロイドなどの合成音声ソフトが充実しています。
そのため、現実のボーカリストにとって難易度の高い、急激な音程の変化を伴うメロディも気軽に採用できるようになりました。
しかし、リアルなボーカリストに歌ってもらう予定がある場合には、音程の変化に注意を払う必要があります。


1音だけ急に音程を高くする場合や、1音だけ急に音程を下げるようなフレーズは、経験豊富なボーカリストでも歌うのが難しいことがあります。
このようなフレーズを多用すると、ボーカリストに過度な負担をかける可能性があります。


何も考えずにサビのメロディを作ると、高音域のメロディが続いてしまうことがあります
生身のボーカリストは、高音域を長時間歌い続けることが難しい場合が多いです。
そのため、メロディを作成する際には、ボーカリストの音域を考慮することが重要です。


特に女性ボーカリストの場合、低音域が出しにくいという悩みを持つ人も多いです。
前記のとおり、ボーカルが決まっている場合には、前述のとおり事前に「無理なく歌える音程」と「一瞬ならば出せるギリギリの音程」の両方を確認しておくことが望ましいです。
これにより、ボーカリストが無理なく歌えるメロディを作成することができます。


急激な音程の変化を伴うメロディを作成する際には、ボーカリストの音域や歌唱能力を十分に考慮することが重要です。
これにより、ボーカリストが無理なく歌える、質の高い楽曲を作成することができます。





◆ボーカルのアレンジなど

「ボーカルパートが物足りない」「インパクトを足したい」という場合、いくつかの方法があります。

以下その方法を紹介します。


◇ハモリパートを追加する

歌モノ楽曲では、隠し味程度でもハモリパートを入れることで、ボーカルの存在感が増します。
全ての箇所に入れる必要はなく、サビなど特定のポイントにだけ入れても構いません。

基本的なハモリパートの作り方として、ボーカルの人に主旋律とは別にハモリパートを歌ってもらう方法があります。
この方法のメリットは、ハモリパートの音質が自然であること、またボーカルの人が上手い場合にはミックスの手間が少ないことです

ただし、アマチュアのボーカリストの場合、ハモリパートを上手く歌えないことがあります。
主旋律のハモリパートの歌い出しやリリースポイントがズレてしまい、逆にミックスの作業が繁雑になることもあります。
その場合、プラグインを使って主旋律のボーカルのピッチを変えてハモリパートを作ると楽です。

プラグインを使ったハモリパートの作り方は以下の記事で解説していますので、適宜参照していただければです。

ハモリには「3度」のハモリと「5度」のハモリが使われることが多いです。

  • 3度のハモリは、主旋律のメロディから半音で3個分または4個分離れた音です。ポップスでよく使われ、耳なじみが良く、豪華な色づけをしてくれます。

  • 5度のハモリは、主旋律のメロディから半音で7個分離れた音です。主旋律よりも上でハモらせるだけでなく、主旋律から半音で7個または5個下げてハモらせると良い感じになることが多いです。

(1オクターブが半音で12個分なので、「12-5=7」で、+5と-7はどちらも5度の関係になります。)


◇EDM風のハモリの作り方

Zeddの「Stay」という曲に代表されるように、EDMではボーカルで和音を作ってハモらせるというエモーショナルな手法が使われることがあります。

この「EDM風のハモリ」を作る場合、Wavesの「OVox」やiZotopeの「VocalSynth 2」を使うと便利です。

以下に、Wavesの「OVox」を使った「EDM風のハモリ」の作り方を整理します。
Sleepfreaksさんの解説が分かりやすいですが、一応手順を簡潔にまとめます。

オーディオトラックにボーカルのWAVファイルを読み込む
ボーカルトラックを準備し、WAVファイルを配置します。

  1. 別のオーディオトラックにOVoxをインサートする
    新しいオーディオトラックを作成し、プラグインとしてOVoxを追加します。

  2. OVoxのVOICE設定をSideChainに変更し、ボーカルトラックをサイドチェーン接続する

    • OVoxの左上にある「VOICE」を「SideChain」に変更します。

    • ボーカルトラックの「センド」から「サイドチェーン」を選択し、OVoxがインサートされたトラックを指定します。

  3. MIDIトラックにハモらせたいコードを入力する
    新規MIDIトラックを作成し、ハモリとして使いたいコードを打ち込みます。

  4. OVoxのNOTESOURCEをMIDIに設定する
    OVoxの真ん中上にある「NOTESOURCE」を「MIDI」に変更します。

  5. OVoxのキー(調)をボーカルのキーに合わせる
    OVoxの真ん中上にあるキー設定を、ボーカルのWAVファイルのキーに合わせます。

  6. スケールを選択する
    キー設定の下にある「Scale」タブから、適用したいスケールを選択します。


プリセットの保存

設定が完了したら、プリセットとして保存しておくと便利です。
例えば、「preset\waves\OVox」のようにフォルダを作成し、プリセットを保存しておくことをおすすめします。


iZotope「VocalSynth 2」を使ったEDM風ハモリ

iZotopeの「VocalSynth 2」を使った方法は、Plugin Boutique Japanの動画で詳しく解説されています。そちらを参考にすると、さらに多様なハモリを作成できます。



◇ダブリング

ハモリと同じ系統の手法として、「ダブリング」というテクニックがあります。これは、同じ音程のボーカルを重ねることで、音に厚みを持たせる手法です。

具体的には、ボーカルに同じメロディを2回歌ってもらい、それを重ねて再生します。
この時、微妙なタイミングや音程のズレが生じることで、自然な厚みや広がりが生まれます。
この手法は、エレキギターで音圧感を出す際にもよく使われ、シンセサイザーのレイヤリングとも似た効果があります。


アマチュアのボーカリストの場合、同じメロディを2回歌ってもらうと、歌い出しやリリースポイント、音程のズレが目立つことがあります。
その場合、ズレを1つずつ修正する作業が煩雑になることがあります。
このズレを修正する作業は「VocAlign」やWaves「Sync VX」などのプラグインを使うことで短時間で修正することができる場合もあります。



他方で「Doubler」(ダブラー)というプラグインを使って、擬似的にダブリングを再現する方法があります。

  • 「Doubler」は、iZotopeが無償で配布してものがあります。

  • また、Wavesのバンドルにも含まれていたりします。

プラグインを使わなくても、以下の方法でダブリングっぽいサウンドを作ることができます。

  • 再生のタイミングを少しずらした音を重ねる。

  • 揺れモノ系のエフェクト(モジュレーション)をかけたサウンドを重ねる。


ただし、「Doubler」を使った場合や、擬似的にダブリングを再現した場合、機械的な雰囲気になってしまうことが多いです。
より自然なサウンドを目指す場合、ボーカルに2回歌ってもらい、タイミングやピッチを丁寧に修正する方法がおすすめです。
この方法では、より良い結果を得られることが多いです。


◇ボーカルに歪み成分を加える

ボーカルにインパクトを与える方法として、「歪み成分」(倍音)を加えるという手法がよく使われます。この手法は、以下の2つのアプローチに分けられます。

  1. うっすらとサチュレーターをかける
    ボーカルが前に出てくるように調整し、音に厚みや存在感を持たせます。

  2. 一聴して分かるくらいに歪ませる
    「壊れている・ぶっ飛んでいる雰囲気」を演出し、強いインパクトを与えます。


有名な曲の例

椎名林檎さんの「本能」という曲の冒頭部分では、「1176」というコンプレッサーのレシオを全押しするセッティング(ブリティッシュモード)で歪みが作られていると言われています。
この手法は、ボーカルに独特のキャラクターを与える効果的な方法です。


「1176」を再現したプラグインは、各メーカーから販売されています。
自分の好みや作業環境に合ったものを選ぶと良いです。
歪みの加減を調整し、ボーカルの個性を引き立てるサウンドを作り上げてみてください。



◇シンセのようなボーカル(ボーカルリード・ボコーダー)

EDMなどでよく使われる手法として、ボーカルの声をシンセサイザーのような機械的なサウンドに加工する方法があります。この手法を使うことで、独特のサウンドを演出できます。


ボーカルリードの作り方

  1. ボーカルトラックの一部を切り取り、オーディオファイルに変換する
    ボーカルの一部を切り取り、サンプラー用のオーディオファイルとして保存します。

  2. サンプラートラックに読み込み、演奏範囲を指定する
    サンプラートラックにオーディオファイルを読み込み、演奏したい範囲を指定します。

  3. MIDIデータで打ち込む
    MIDIデータを使って、シンセのようなボーカルを再現します。録音した生のボーカルの音程よりも高めの音程で打ち込むと、よりシンセサイザーらしい雰囲気を演出できます。

  4. ポルタメント機能を活用する
    ポルタメント機能(音程を滑らかにつなげて演奏する機能。グライドとも言う)を使うと、よりサイバーな雰囲気を出すことができます。


サンプラーを使った作業が面倒な場合、「シンセのようなボーカル」を作れるプラグインを使う方法もあります。これにより、手軽にシンセ風のボーカルを再現できます。

ボコーダーの活用

ボーカルリードと似た表現方法として、「ボコーダー」を使う手法もあります。
最近のボコーダー系プラグインは表現の幅が広く、以下のような使い方が可能です。

  • 生のボーカルに少しだけ「隠し味」を加える。

  • 人間の声とは全く異なるサウンドを作る。

  • ボーカル以外の音源にボコーダーをかけて、FXサウンドを作る。

プリセットやパラメーターを調整しながら遊ぶことで、さまざまなサウンドを作り出すことができます。


プラグインの例

  • Waves「OVox Vocal」
    プリセットが豊富で初心者にも使いやすく、機能も充実しているため、上級者でも楽しめる範囲が広いです。

  • iZotope「VocalSynth 2」
    セール時期であればコスパが良く、構造が比較的シンプルで使いやすいです。



◇ボーカルチョップ

ボーカルのオーディオファイルの一部を切り取り、エフェクトをかけたり、ピッチや長さを変更したりして、トラックに貼り付けることで、「人工的」なサウンドを作る手法があります。
この手法を「ボーカルチョップ」と呼びます。


ボーカルチョップの素材

  • 録音したボーカルのファイルを使うことが一般的ですが、Spliceなどのサンプルサイトから素材をダウンロードして使うこともできます。

  • また、サンプラーの中にボーカルチョップ用のサウンドがプリセットとして含まれている場合もあります。


加工方法と応用

ボーカルチョップは、以下のような加工を加えることで、さらに面白いサウンドを作り出すことができます。

  1. ボーカルリード的な手法やボコーダーを使った加工
    シンセのようなサウンドに変えたり、機械的な雰囲気を加えたりすることで、独特の印象を与えることができます。

  2. リバース(逆再生)させる
    オーディオファイルを逆再生することで、非現実的で幻想的なサウンドを作り出すことが可能です。



◆ギターのアレンジなど


ギタリストの方であれば、ギターのアレンジに困ることはあまりないかもしれません。
しかし、鍵盤系の方はギターのアレンジで悩むこともあると思います。
そこで、いくつかギターアレンジのコツを紹介します。


◇ペンタトニックを活用する

ギターを単音で演奏する場合、「ペンタトニックスケール」がよく使われます。
鍵盤系の方には、「ヨナ抜き音階」という言葉の方が馴染みがあるかもしれません。
基本的に、「ペンタトニックスケール」≒「ヨナ抜き音階」と考えて問題ありません。

ペンタトニックスケールは、適当に演奏しても「それっぽい」フレーズになるため、ギタリストがアドリブでギターソロを弾く際に多用されています。

ギターの単音フレーズのアレンジで悩んだ時には、ペンタトニックスケールで適当に入力してみると、良い感じになることがあります。

覚えておくと便利です。


ギタリストの多くはペンタトニックスケールの位置は暗記している人も多いと思いますが、暗記していない人も気合いを入れれば1週間くらいで覚えられるので、覚えておいたほうが作曲時やアドリブ演奏時に便利です。

ピアノ経験がある人もペンタトニックスケール(ヨナ抜き音階)は簡単に弾けるという人が多いと思います。


楽器が苦手な人がペンタトニックを簡単に扱う方法

ギターも鍵盤楽器も苦手という人でも、ペンタトニックスケールを簡単に演奏する方法があります。
実は、ピアノなどの鍵盤楽器の「黒鍵」がペンタトニックスケールに対応しています。
調(キー)が合っていれば、「黒鍵」を適当に押すだけで
、素人でもペンタトニックに沿ったフレーズを簡単に演奏できます。

最近のキーボードには、調(キー)を合わせるための「トランスポーズ」機能が付いている機種が増えています。
楽器が苦手な人は、この機能を使って調を合わせ、「黒鍵」を適当に演奏するだけで、「良い感じ」のフレーズを作ることができます。




◇フレーズ集を参考にする

ギターを弾いた経験がない人や、ギター初心者の場合、市販のフレーズ集を手元に置いておくと便利です。
フレーズ集は、ギターアレンジのアイデアを広げるのに役立ちます。

ギター練習用のフレーズ集の最初の部分には無機質で基本的なフレーズしか載っていなかったりしますが、中盤から後半には本格的で実用的なフレーズが多く掲載されていることが多いので、ギターアレンジで悩んだ時に参考にすると良いアイデアが思いつくこともあります。

練習用のフレーズ集であっても、練習用としてだけでなく曲作りで煮詰まった時の「アイデアの種」のような形で使うことも出来たりします。

著作権の問題があるため全く同じフレーズを使うことは出来ませんが、コード進行を参考にするとか、特定の演奏手法を取り入れるなど、煮詰まった時に役に立つと思います。



◇ギターソロを「プロ」っぽくするコツ

楽曲にギターソロを取り入れる際、「なぜか素人っぽくなってしまう」と悩むケースもあると思います。
そんな時、以下の点に注意することで、「プロ」っぽい演奏に近づけることができるかも知れません。


「ミュート」と「タイミング」の重要性

スタジオミュージシャンから「プロとアマチュアのギタリストの違いは、ミュートとタイミングの正確さ」というアドバイスを受けたことがありますgが、この2点を意識することで、録音物の質が向上します。


1. ミュートの技術

プロのギタリストは、演奏中に必要な弦以外の音が鳴らないよう、左手と右手を使ってしっかりとミュートを行います。
ギターソロを録音する際、余計な弦の音が鳴っていると、「素人っぽい」「下手な演奏」という印象を与えてしまいます。
そのため、録音時は特にミュートに気を配ることが重要です。

  • ミュートが苦手な人向けの対策
    ギターに「フレットラップ」を付けることで、余計な開放弦が鳴るのを防ぐことができます。自宅で演奏する際は見た目を気にする必要がないため、フレットラップを持っていない場合、低音弦の部分にタオルを巻き付けるという方法もあります。

2. タイミングの正確さ

プロのギタリストの演奏は、タイミングが非常に正確で、ズレは数十ミリ秒程度しかない、というケースも多いです。。
アマチュアの場合、タイミングを正確に合わせるのが難しいことが多いため、DAWのクオンタイズ機能などを活用してズレを補正すると、プロっぽい演奏に近づけることができます。


一音一音が途切れているパターン

アマチュアのギタリストの演奏を録音すると、一音の終わりに「空白」ができ、「プツ・・・プツ・・・・」と途切れたような演奏になっていることが多いです。
一方、プロの演奏は基本的に(意図的な隙間を入れない限り)、音と音の間の隙間がなく、綺麗に繋がっています。

音と音の間に「隙間」を作らないためには、音が途切れないように丁寧にフィンガリングする必要があります。
しかし、これには基礎的な練習を繰り返す必要があり、時間がかかります。

音が途切れてしまっている場合、DAWの波形編集を使って以下の手順で修正することができます。

  1. 途切れている部分を切り取る
    途切れている部分を削除し、音の繋がりを確認します。

  2. タイムストレッチ機能を使う
    実音部分を伸ばし、音と音の間に隙間がなくなるように調整します。

タイムストレッチを使うと、音が劣化してしまうことがあります。劣化を最小限に抑えるためには、以下の方法が有効です。

録音する際、「ギター直の音」(歪んでいない音)を録音した上で、タイムストレッチをかけた後にプラグインのアンプシミュレーターで歪みを加えることで、音質の劣化を抑えることができます。

この時、演奏者(ギタリスト)が「歪んでいない音」を聞きながら録音するるとなると弾きづらいことが多いです。
そのため、DAWでは「ギター直の音」を流しつつ、オーディオインターフェイスやDAWのミキサー機能を使って、演奏者には「歪んだ音」を返すようにします。
これにより、演奏者が気持ちよく演奏できる環境を作ることができます。


フーレズの開始位置と終了位置など

先ほどと逆の話に聞こえるかも知れませんが、プロのギタリストのソロフレーズを聴くと、フレーズの開始位置と終了位置をズラしていることが多く、またフレーズとフレーズの間に適切な「間」が設けられていることもが多いです。

ギターソロを作る際、以下の点に注意することで、「素人っぽさ」を減らすことができます。


  1. 「間」(息継ぎ)を意識する
    フレーズの間に適切な「間」がないと、ダサくなることがあります。ただし、意図的に音を詰め込んで「間」を入れない場合もあります。状況に応じて使い分けましょう。

  2. フレーズの開始位置を工夫する
    毎回同じ拍でフレーズを開始すると、単調でダサくなります。強拍弱拍を意識して、開始位置を変えることでリズムに変化をつけます。

  3. フレーズの終了位置をズラす
    毎回同じ拍でフレーズを終わらせると、単調さが目立ちます。終了位置をズラすことで、フレーズに自然な流れを作り出します。

  4. 終了地点の音程を意識する
    連続して同じ音程でフレーズを終わらせると、ダサくなることがあります。終了地点の音程を変えることで、フレーズに広がりを持たせます。

  5. 音数を抑える
    使っている音数が多すぎると、素人っぽくなることがあります。その場合は、5音程度に抑えたりペンタトニックスケールを活用することで、シンプルで洗練されたフレーズを作ることができます。


◆ベースのアレンジなど


◇ベースラインの基本的な考え方

ベースを弾いたことがない人にとって、ベースラインをどのように作れば良いか分からない場合もあると思います。
そのような場合、「EZ BASS」や「MODO BASS」など、ベースフレーズが最初から入っている音源を使ってみるのも1つの方法です。

しかし、それでも

  • 「ベースがメロディやコードとぶつかっているような気がするが、どう解決すれば良いか分からない」

という悩みが出てくることもあるでしょう。そのような時は、以下の点を意識すると解決できることが多いです。


  1. コードのルート音を中心に使う。

  2. コードの(完全)5度の音(ルートから半音7つ上の音)を適度に加える。

    • 5度の音を使う場合、1小節の中で8分音符または16分音符1~2個程度に抑えると無難です。

  3. ルートの1オクターブ上の音を混ぜる。

    • この時、プラグインの「グリッサンド」や「スライド」機能を使い、ベースの音を「ギュイン」と上下させると、人間が弾いているような自然な雰囲気を演出できます。


ベースラインに動きをつけるコツ

「ベースがずっとルートを弾いているのはつまらない」と感じる場合、以下の音を少し混ぜることで、「ベースが動いているけど曲に合っている」というフレーズを簡単に作ることができます。

  • コードの(完全)5度の音(ルートから半音7つ上の音)

  • ルートの1オクターブ上の音

これらの音を適度に取り入れることで、ベースラインに変化を持たせつつ、曲との調和を保つことができます。


刺繍音と経過音

先ほど、ベースのアレンジをする際には

  • コードのルート

  • コードの(完全)5度の音(ルートから半音7つ上の音)

  • ルートの1オクターブ上の音

を使ってフレーズを作ると良いという話をしました。しかし、これだけでは「つまらない」と感じることもあると思います。
そのような時には、刺繍音経過音を足してみると、ベースラインに動きや表情を与えることができます。


刺繍音とは

刺繍音は、和音の構成音から少し離れてすぐに戻る音のことです。例えば、コードがC(和音の構成音はド・ミ・ソ)の場合、

  • 「ド・ド・ド・ド ・ ド・ド・レ・ド」

というように、一瞬だけ和音に含まれない「レ」の音に移動し、すぐに戻ってくるイメージです。これにより、単調さを解消しつつ、違和感のないフレーズを作ることができます。


経過音とは

経過音は、和音と和音の間を階段状に繋ぐ音のことです。例えば、コード進行がC(ルートはド)→Em(ルートはミ)の場合、

  • 「ド・ド・ド・レ ・ ミ・ミ・ミ・ミ」

というように、「ド」と「ミ」の間に「レ」を入れて、「ド・レ・ミ」と階段状に繋ぎます。
これにより、和音の構成音から外れた音でも、自然な流れを作ることができます。


ベーシストにとって、ルートをずっと弾いているのは退屈です。
そのため、刺繍音経過音を普段から取り入れている人も多いです。
これらの音を活用することで、ベースラインに動きや個性を持たせることができます。



キックとの関係性

ドラムとベースを合わせて「リズム隊」と呼ぶことがありますが、ベースはドラムと同様に楽曲のリズム感・グルーブ感を作る上で大事なパートです。

特にべースはキックと一体感を持たせることが大事です。

そのため、基本的にはキックを叩くのと同じ拍で、ベースはコードのルート音を鳴らすと無難です。
これにより、リズムの基盤がしっかりと作られ、楽曲全体の安定感が増します。


ベースの音の長さ

楽曲のリズム感グルーブ感を作る上で、ベースの1音1音の「長さ」は非常に重要です。

ベーシストの中には、常に音符の長さと同じ長さで音を鳴らす(次の音の開始地点まで鳴らし続ける)人も多いです。
しかし、1音1音を敢えて短く区切ることで、独特な「ノリ」を再現することができます。

この「1音1音を敢えて短く区切る」という演奏方法は、実際にベースで再現しようとすると難易度が高いです。
しかし、DTMでの打ち込みの場合、ノートをまとめて選択し、「ノートの長さ」を短くするだけで簡単に再現できます。

音の長さでノリを作るためには、以下のような方法もあります。

  • リリースタイムを短めにする
    ベースの音作りにおいて、リリースタイムを短く設定することで、音の切れをシャープにします。

  • パッシブピックアップのベースを選択する
    歪み量を少なくすることで、音の輪郭を明確にし、ノリを強調します。


スライド奏法の再現

ベースの打ち込みで難易度が高いのが、「スライド奏法」の再現です。
ベーシストは、音と音の間を「なめらか」に移動させるスライドという手法をよく使います。

DTM用のベース音源にも、この「スライド奏法」を再現する機能が搭載されていることが多く、ピッチベンドのコントロールを書き込むことでスライド奏法を再現できる・・・はずです。

しかし、生身のベーシストが演奏する「スライド」と、DTM上の音源で再現した「スライド」は、「何か違う」「迫力がない」と感じてしまうこともあると思います。

ベースを自分で弾ける人であれば「DAW上でチマチマとスライド奏法のコントロールを書き込むくらいなら、自分で弾いたほうが早い」と思うこともあると思います。

この問題については、ベースパートの全てを自分で弾いてしまうという方法もありますが「スライド奏法」のうち「ここは目立たせたい」という部分だけ実機のベースを別トラックに録音するという方法もあります。

スライド奏法はフレット間を「ギュイン」とするだけなので、ベースの演奏が苦手なDTMerでもあっても部分的な演奏であれば出来ることが多いと思います。

逐一録音をするのが面倒な場合には、スライド奏法のパターンを10種類くらい録音してWAVファイルとして保存しておき、必要に応じてペタペタとDAW上に貼り付けるという方法もあると思います。

さらにSpliceなどのサンプルのインスツルメントで「bass」を選択した上で、「slide」「down」「up」などで検索するとカッコ良い感じのスライド演奏が出てくるので、それを活用するという方法もあります。

特に曲の「キメ」となるような部分では、打ち込みのベースや、実機を演奏したベースよりも、50Hz前後の低音域まで詰まったサンプルを貼り付けたほうがインパクトを出せることもあります。




◇ベースのバリエーション

ベースは基本的に「ルートと5度」の音を使うと良いという話をしましたが、いつも同じようにルートと5度の音ばかりを使っていると、「つまらない」と感じることもあると思います。
そのような場合、オンコードを活用することで、ベースラインに変化をつけることができます。

オンコードについては、「簡単なコードの覚え方(初心者向け)」という記事で詳しく説明していますが、ベースがオンコードに関わる場面としては以下のパターンが考えられます。

  1. ベースが同じ音を弾き続けている間に、鍵盤楽器がコードを変えてオンコードになるパターン
    ベースが一定の音をキープしつつ、鍵盤楽器がコードを変化させることで、オンコードの効果を生み出します。

  2. 鍵盤楽器が普通のコードを弾いている裏で、ベースが荒れ狂うように動き回るパターン
    ベースが自由に動き回り、コード進行とは異なる動きを見せることで、独特のグルーブ感を生み出します

市販の音源でも、特にロック系の音楽では、理論的な裏付けを無視してベースが荒れ狂うように動き回っていることがあります。
この場合、「理屈はともかくカッコ良ければそれで良い」とある程度の割り切り方を良いのではないかと思います。

「ベースが荒れ狂うように動き回る」パターンには、明確なルールがないのでセンスが重要になります。
例えば、L’Arc~en~Cielのtetsuyaさんは「動き回るベース」のセンスの塊のような天才的なベーシストだと思いますので参考にすることで新しいアイデアを得られるかもしれません。



◇サイドチェインを活用する

EDM系の楽曲では、「サイドチェイン」と呼ばれる手法を使って、キックの音が重なる部分のベースの音量を瞬間的に下げることが多いです。

例えば4つ打ち系の曲のベースにサイドチェインをかけると

「ゥンワ・ゥンワ・ゥンワ・ゥンワ・・・」

と波を打つような裏打ち的なリズムになります。

ベースにサイドチェインをかける手法は、EDM系の楽曲でよく使われますが、ポップスロックなど他のジャンルでも活用できます。
控えめにサイドチェインをかけることで、ドラムのキックの存在感を増しつつ、ベースに裏打ち的なグルーブ感を与えることができます。

サイドチェインの使い方は、「自分が使っているDAWの名前 サイドチェイン」で検索すると、すぐに解説が見つかると思います。
例えば、Studio Oneの場合、以下の手順で設定できます。

  1. コンプレッサーをベースのトラックにインサートする
    DAWにデフォルトで入っているコンプレッサーを使用します。

  2. サイドチェインの設定
    コンプレッサーの画面の上部にある「サイドチェイン」から、キックのトラックを選択します。

  3. パラメーターを調整する
    コンプレッサーの各パラメーターを調整し、「丁度良い感じ」に仕上げます。

コンプレッサーでサイドチェインの設定をするのが面倒な場合、Nicky Romeroが提供している「Kickstart」というプラグインを使うと、簡単に4つ打ち系のサイドチェイン効果を作ることができます。

使い方は「Kickstart」をパッドのトラックにインサートして、好きなサイドチェインの形を選んで、ツマミでサイドチェインの強さを調整するだけです。

「Kickstart」は以前は4つ打ち系の楽曲にしか対応していませんでしたが、「Kickstart2」からは4つ打ち系以外の楽曲にも対応できるようになりました。

サイドチェインは、ベース以外にもシンセサイザーのリードパッドなどに掛けることもあります。
そのため、サイドチェイン専用のお手軽系プラグインを1つ持っておくと便利です。


◇ベースの音を前に出したい場合


ベースの音を前に出す方法はいくつかあります。


ベース音源のベロシティを110以上にする

ベース音源のベロシティはデフォルトで「100」になっていることが多いと思いますが、ベロシティを「110」以上にしたり、最大値にすると、輪郭がハッキリしてきて存在感が増すことが多いです。

ベロシティによる音色の変化は音源によっても異なりますが「何か音が弱くて存在感が無いんだよなぁ」という場合には、ベロシティを変えてみるところから試してみると良いと思います。


倍音を付加した音を混ぜる方法

ベースの音に倍音を加えることで、音を前に出すことができます。

  1. センドトラックに歪み系ペダル(TubeScreamerなど)またはサチュレーターを挿す
    歪みやサチュレーションを加えることで、倍音成分を増やします。

  2. センドトラックの高音域と低音域をイコライザーでカットする
    不要な周波数を削除し、倍音成分を際立たせます。

  3. ベースのトラックからセンドトラックに音を送り、リターンの量を調整する
    耳で聞きながら、適切な量の倍音を混ぜることで、ベースの存在感を強化します。



シンセベースを混ぜる、生ベース(弦ベース音源)を使わない

ポップス、ロック、メタル系など、生楽器系のジャンルでは、「MODO BASS」などの生ベース(弦を使った実機のベース)を再現した音源を使っている人が多いと思います。

ただ、生ベース系の音源を使っていると「何かベースの音が奥に引っ込んでいる」という感じて悩むこともあると思います。

そんな時に「ブリブリ」としたMoog系のシンセベースをレイヤーすると、ベースの音量を下げた状態でも、ベースの音が前に出てきて存在感が増すことが良くあります。

アーティストの中には生楽器系のジャンルの曲であっても、敢えて生ベース系の音源を使わずにMoog系シンセサイザーのベース音源を使っている人もいたりします。

バンドモノの楽曲だとシンセベースを入れることには抵抗があると思いますが、常識にとらわれず色々な方法を試してみると新しい発見があると思います。



◇サブベースについて

最近では、100Hz以下の低音域を再生できる民生用の機器が増えてきています。
それに伴い、流通している楽曲のトレンドとしても、低音域のクオリティを重視したものが増えてきています。

そのため、1つのベース音源生ベースだけで低音域の音作りをすることは難しくなってきています。
特に、超低音域をカバーするために、ベースラインよりもさらに1オクターブ程度下に、サブベースと呼ばれる音を入れる手法が増えてきました。

サブベースを追加することで、楽曲の低音域に厚み迫力を与えることができます。
下に、サブベースを入れる手順を詳しく説明します。


サブベースの入れ方


  1. 元のベースラインの低域をEQでカットする
    サブベースを入れる前に、元になるベースラインの低域をEQなどでカットしておきます。これにより、サブベースと元のベースラインが干渉するのを防ぎます。

  2. サイン波のような倍音が少ない音を1オクターブ下で入れる
    シンプルな方法として、元のベースラインのMIDIデータをコピーし、別トラックに貼り付けます。その後、1オクターブ下げて、コピー先のトラックにシンセサイザーなどでサイン波を出力するように設定します。

  3. 元のベースラインとサブベースをまとめる
    元のベースラインとサブベースのトラックをバストラックでまとめ、EQコンプレッサーなどをかけて音を整えます。


サイン波の作り方

一般的なシンセサイザーは、オシレーターでサイン波を出力できるようになっています。
そのまま使うか、好みに合わせて少し倍音を足す程度に調整します。

最近のシンセサイザー系のプラグインには、「Sub Bass」といったプリセットが入っていることも多いので、それを使っても良いです。
ただし、「サブベース」という名前でありながら、倍音が多めのプリセットもあるので、注意が必要です。


サブベース用のプラグインを使う方法

シンセサイザーでサブベースを作るのが面倒な人は、サブベース・サブキック用のお手軽系プラグインを使う方法もあります。

例えば、WAVESの「Submarine」というプラグインは以下の特徴があります。

  • 2種類のサブベース(キック)を追加できる

  • 帯域を簡単に調整できる

  • 倍音やミックス量もノブを回すだけで簡単に調整できる

このように、使いやすいプラグインを活用することで、手軽にサブベースを追加できます。



サブベースの帯域

サブベースの帯域については、さまざまな考え方がありますが、一般的に人間の可聴域は20Hz~20kHzと言われています。
ただ、20Hz周辺の音作りは難しいことも多いので、30Hz周辺~を目安に設定すると良いと思います。

「A4」の周波数が440Hzに設定されている場合、「C1」が32.7Hz、「D1」が36.7Hz、「E1」が41.2Hzなので、その周辺のサイン波をシンセサイザーなどで出して、手持ちのスピーカーやヘッドホンで聴いてみた上で、音作りができそうな範囲か確かめてみるのが良いと思います。

(一般的にDTMで使われるような5インチくらいのスピーカーでは30Hz前後の音であっても把握するのは難しいと思います。)

プロの中には、20Hz以下の音を入れるアーティストもいます。
しかし、大きなスピーカーで再生した際に、「圧力のような不快感」を与えたり、全体の音が濁る原因になることもあります。
そのため、30Hz以下の音は、コントロールできる自信がない限り、カットしておくのが無難です。

逆にサブベースで100Hz周辺の音まで出してしまうと本来のベースのサウンドを損ねてしまうので、サブベースの帯域の上限は60Hz~100Hz程度にしておくのが良いのでないかと思われます。


キック(サブキック)とのバランス

サブベースを入れる場合には、キック(サブキック)との棲み分けを考える必要があります。

サブベースとサブキックの両方を同じ帯域に入れてしまうと低音域が渋滞してしまい、ミックスが濁ってしまったり、マキシマイザーの処理が上手くいかなくなる原因になります。

この問題を解決するためには、以下のような方法が考えられます。

  • キックとベースの帯域をずらす

  • サブキックを使用する際はサブベースを控え、サブベースを使用する際はサブキックを控える

  • サイドチェインを利用して、キックが鳴っている瞬間だけベースの音量を下げる

作曲者の好みやジャンルによって処理方法は違うと思いますが、キックの低域を活かす場合にはベースは100Hz以上~300Hzの部分をメインに音作りをし、逆にベースの低域を活かす場合にはキックの皮鳴りが分かりやすいような音作りをする、といった工夫も考えられます。

なお、音数の少ないテクノ系の楽曲ではキックとベースを同時に鳴らすことで「重低音感」を演出することもあります。

ロック・パンク系の楽曲の場合

ロックやパンク系の楽曲、特に疾走感を重視する曲や、ベースラインが大きく上下に動いている場合には、サブベースやサブキックを入れないことが多いようです。

低域は人間の耳には遅く聴こえるという特性があるため、ロックやパンク系の楽曲で超低域を強調してしまうと「モタついている」という印象を与えてしまいます。さらに、上下に動くベースラインにサブベースを追加すると、超低域が聞こえたり聞こえなかったりする状況が続き、音に凸凹した印象を与えてしまうので注意が必要です。

ロックやパンク系の楽曲でサブベースを使用する場合は、ミックスの量を控えめにするか、疾走感を一時的に落とすブレイクのタイミングなどで瞬間的に使うといった方法が適していると考えられます。



小さいスピーカーでもチェックしてみる

大きめのスピーカーやヘッドホンだけで音作りをしていると、気づきにくいポイントがあります。特にサブベースやサブキックの音作りに夢中になっていると、フルレンジスピーカーで聴いたときに低音がスカスカになり、全体として高域が強めの軽い音源になってしまうことがあります。(私もよくやらかします……)

そのため、サブベースやサブキックの音作りをした後、ミックスも自分で行う場合(エンジニアに依頼しない場合)は、小さめのフルレンジスピーカーなどで音をチェックしておくのが無難です。

エンジニアの中にはSONYのラジカセやAuratoneなどでチェックする人もいますが、どちらも価格が高めなので、安価なフルレンジスピーカーでも十分だと思います。

例えば、JBLのPebblesはUSB接続が可能なため、オーディオインターフェースを介す必要がなく、メインスピーカーの上に横置きできるので省スペースで便利です。

また、USBケーブルを繋ぐのが面倒な場合は、Bluetoothスピーカーを活用する方法でも良いと思います。

チェック用としてだけでなく、バーベキューや花見などのアウトドアでも活躍してくれます。




◆ピアノのアレンジなど

ピアノについては、後述のシンセサイザーと共通する部分もありますが、ここではピアノのアレンジで特に注意すべき点について触れておきたいと思います。


◇ベロシティに気をつける

DAWのMIDI入力画面でノートを入力すると、デフォルトでベロシティ(強さ)が「100」になっていることが多いです。

しかし、ピアノ音源をベロシティ「100」で鳴らすと、鍵盤を叩きつけるような強い音になってしまうケースが多いです。

ピアノの実機の音を聴く機会が少ないと違和感がないかもしれませんが、ピアニストからすると、常にベロシティ「100」前後で弾いているサウンドは不自然に感じられることが多いでしょう。

ベロシティの数値がどのくらいで「自然なサウンド」になるかは音源によって異なりますが、「60」から「80」くらいの間が自然な印象になることが多いです。

また、常に「60」や「80」といった固定した数値で演奏させると、機械的で不自然なサウンドになってしまうため、DAWのランダマイズ機能を使って適宜ベロシティを調整するのがおすすめです。


◇リリースカットピアノ

近年の市販音源には、「リリースカット」という手法を用いた、リリースタイム(音の減衰)が極端に短いピアノサウンドが活用されているものがあります。

実機のピアノでは出せない機械的なサウンドをあえて使用することで、非現実的な世界観を演出したり、独特なリズム感を作り出すことが可能です。

「リリースカットピアノ」の作り方は音源によって異なりますが、例えばXLN Audioの「Addictive Keys」では、「EDIT」タブの「VOLUME」項目にある「VOLUME ENVELOPE」でリリースタイムをゼロに設定することで簡単に作成できます。


「リリースカットピアノ」については、作曲家の和田貴史先生が詳しく解説している動画もあるので、そちらを参考にすると理解が深まると思います。



◆シンセサイザーのアレンジなど


◇レイヤー(音を重ねる)


2007年頃に「SYLENTH1」というプラグイン型のシンセサイザーがリリースされた際、多くのミュージシャンは複数の音色をレイヤー(重ねて)して音に厚みを出す手法を使っていました。

最近のシンセサイザーは、プリセットの段階で既に音がレイヤーされていたり、強力なエフェクトを通して最初から太い音が作られているものも多いため、現在では必ずしも自分でレイヤーをする必要はなくなりつつあります。

とはいえ、今でも音を重ねて厚みを出す手法は有効ですし、ギターやピアノなどの生楽器にシンセの音を重ねる方法も効果的な場合があるため、レイヤーの方法や注意点について解説します。

レイヤーをすることで逆に音が痩せることがある

何も考えずに音を重ねると、波形が相殺されて音が痩せたり、奥に引っ込んだようなサウンドになってしまうことがあります。

音が引っ込んでしまった場合は、さまざまな音色を試しながら「太くなった音」「カッコ良くなった音」を選ぶのが良いと思います。

また、以下の3点を調整すると、より良いサウンドになりやすい傾向があります。

  1. 音域をずらす

  2. 波形を調整する

  3. タイミングを微妙にずらす


音量に気をつける

人間は「少しでも大きい音」を「良い音」と感じる傾向があります。

そのため、レイヤーをすると音量が大きくなることで、どんな音を重ねても「良くなった」と錯覚してしまうことがあります。

「良い音ができた」と思ったら、レイヤー前と後の音量を揃えて比較し、本当に良くなっているか確認するのがおすすめです。

音量を揃える方法はいくつかありますが、「GainMatch」というプラグインを使うのが簡単です。

手元に適切なプラグインがない場合は、Meldaproductionが無料配布している「MUtility」プラグインを使い、「VOLUME」を調整した上でオン/オフして確認するという方法でも良いと思います。


◇リフ・バッキングのバリエーション


アクセントの付け方


シンセサイザーやピアノなどの鍵盤楽器でリフやバッキングを作る際、「いつも単調なフレーズになってしまう」と悩むことがあるかもしれません。

そんな時は、以下のポイントを意識すると、バリエーション豊かなリフやバッキングを作れるようになります。


シンプルな方法としては、1拍目・2拍目・3拍目・4拍目に音を配置するやり方があります。

この方法はリズムが安定するというメリットがある一方で、単調で素人っぽい印象を与えることがあります。


単調に感じる場合は、1小節を8分音符で分割し、一部の音を8分の裏拍(2・4・6・8個目)に配置することで、スピード感を出したり、タメを作ることができます。


さらに複雑なリズムを作りたい場合は、1小節を16分音符で分割し、一部の音を16分音符に置き換えることで、より細かいアクセントをつけることが可能です。


各音の長さを調整することも、バッキングの雰囲気を変えるのに効果的です。

DAWでノートを入力すると、デフォルトの状態では音が詰まっていることが多いですが、あえてノートを短くすることで、グルーヴ感を強調したり、おしゃれな雰囲気を演出することができます。



ボーカルのメロディを活用する

「良い感じのバッキング」が思い浮かばない場合は、ボーカルのメロディを元にバッキングを作るという方法があります。

例えば、MELODYNEの「ASSISTANT」以上のエディションには、ボーカルのWAVデータをMIDIに変換する機能があります。

この機能を使ってボーカルのメロディをMIDIデータに変換し、それをシンセなどのトラックに入力します。

常にバッキングがボーカルを追いかけていると不自然なので、部分的に音数を間引いたり、5度・3度・7度の音を混ぜたり、2音を重ねて和音のようにしたりするとオシャレになったりします。

ボーカルのメロディを元にすることで、ボーカルのタイミングとズレが生じず、しかもアボイドノート(ぶつかる音)が生まれにくいというメリットがあります。



お手軽系プラグインを使う


リフやバッキングを作るのが面倒な場合は、「EZ KEYS」のようなお手軽系音源を活用するのも一つの手です。

「EZ KEYS」は膨大な量のMIDIフレーズが収録されており、収録されたMIDIデータをDAWに貼り付けることで「EZ KEYS」以外の音源で演奏することも可能です。

また「BANDMATE」という機能で制作中の曲に合ったフレーズを検索してくれる機能もあるので、検索結果で出てきたフレーズをDAWに貼り付けた上で細かいところを修正していくことで素速くリフやバッキングを作ることができます。


◇グライド(ポルタメント)・ピッチベンドなどの活用

シンセサイザーでリード音を作る際、グライド(ポルタメント)はよく使われる機能の一つです。
音を滑らかにつなぎ、音程を緩やかに変化させることで、独特の表情を加え、より流れるようなサウンドを作ることができます。
プロの音源でも頻繁に使用されており、「イメージどおりにならない」と感じたときに試す価値があると思います。

また、グライドだけでは表現しきれない音程の変化を加えたい場合には、ピッチベンドやモジュレーションを活用するのも効果的です。
ピッチベンドを使うことで、音の抑揚をつけ、より生き生きとしたフレーズを作ることができます。
さらに、モジュレーションを加えることで、音に揺らぎや動きを与え、サウンドにさらなる表情を持たせることができます。

このように、シンセサイザーでの音作りでは、音程の微妙な変化にこだわることで、サウンドのクオリティを大きく向上させることができます。


◇Pluck(プラック)を活用する

シンセサイザーといえばインパクトのあるリードサウンドを思い浮かべる人も多いですが、Pluck(プラック)と呼ばれるサウンドを効果的に曲に取り入れることで、楽曲のクオリティを向上させることができます。
プラックを使ったことがない人や、使い方が分からないという人も、ぜひ積極的にプラックも使ってみることをお勧めします。

プラックの役割

プラックは、弦楽器を弾いた(はじいた)ようなアタック感のあるサウンドが特徴的です。
リリースタイムを短めにすることで、リズム感を強調し、パーカッションのような役割を果たすこともできます。
また、曲の中に適度な「音の隙間」を作り、サウンドを整理する効果もあります。

特に、ストリングスや歪んだエレキギターを多用しすぎて音が飽和してしまった場合には、和音楽器の一部をプラックに置き換えることで、軽やかなリズムを作り出し、曲全体のバランスを整えることができます。

プラックのバリエーション

プラックをトライアド(三和音)で入力するのも良いですが、単音や二音ずつ配置することで、余白を活かした「引き算の美学」的なオシャレな雰囲気を演出できます。

メジャー・マイナーの雰囲気を明確にしたい場合は3度の音を強調し、広がりを持たせたい場合は3度の音をルートより1オクターブ上げて開放的な響きにするのが効果的です。
さらに、ルートの近くに置くパターンと、1オクターブ上げるパターンを混ぜて、3度の音の配置にバリエーションを持たせることで、フレーズに変化を加えることができます。

コード感を曖昧にしたいときは7度の音を足し、重厚な雰囲気を出したい場合は5度の音を加えてパワーコードにするのも良い手法です。

また、ベースがない部分では、プラックやピアノのルート音を1オクターブ下に配置することで、サウンドに厚みを持たせることができます。


プラックの長さ

前記のとおり、プラックは音の減衰時間(リリースタイム)を短めにすることでパーカッションのようにリズム感を出すことができたり、曲の中に適度な「音の隙間」を作り出すことができるというメリットがあります。

他方で、シンセのパラメーター・オートメーション機能・リバーブなどを使ってリリースタイムを敢えて長くするという手法も良く使われるので、自分が表現したい曲の雰囲気に合わせてリリースタイムを調整していくのが良いと思います。

Pluckのフレージングとエフェクト処理

Pluckの代表的なリズムパターンとして、付点8分音符の打ち込みが挙げられます。
特に、イントロでピアノがコードを伸ばして演奏している場合、Pluckを付点8分音符のリズムで打ち込むことで、躍動感を加えることができます。このパターンは多くの楽曲で活用可能です。

また、Pluckのコードはテンションを控えめにし、三和音でシンプルに仕上げると、楽曲全体に馴染みやすくなります。
ピアノのクローズボイシング(密集した配置)に対して、Pluckはオープンボイシング(広がりのある配置)で入力すると、音の広がりを演出することができます。

音作りにおいては、ローパスフィルターやエンベロープを活用してアタック感を強調し、ディレイやリバーブで空間的な広がりを加えると、より洗練されたサウンドに仕上がります。
フェイザーを加えることで、定位感を持たせつつ、奥行きのあるサウンドにすることも可能です。

Pluckは、使い方次第で楽曲の雰囲気を大きく変えることができるため、積極的に取り入れてアレンジの幅を広げてみてください。



◇Pad(パッド)を活用する


パッドの役割

パッドは、音と音の隙間を埋めるための便利なサウンドです。

プラック(ブラック)のように音に隙間を作る役割とは異なり、曲に「厚み・奥行き・広がり」を加えたい場合や、サビを盛り上げる際に有効です。


パッドの入力方法

パッドは基本的に曲のコード進行に沿って入力していけば良いですが、曲全体を通して常に和音で鳴らしていると、曲のメリハリがなくなってしまうことがあります。そのため、以下のように場面ごとに使い分けることが重要です。

  • Aメロ・Bメロ

    • パッドなし、または単音でルート音や5度だけを鳴らす

    • 7度の音をルート音よりも1オクターブ下げることで、控えめな印象を与える

  • サビ・ドラムのない部分

    • パッドをコード進行に沿って和音で鳴らし、動きを加える

このように、メリハリをつけることで曲の展開がより鮮明になります。


パッドを3和音(トライアド)や4和音で鳴らすと、曲全体で聞いた時に音が飽和してしまい、パッドが邪魔に感じられることがあります。そのような場合には、和音の構成音の一部を間引きして2音だけで鳴らすという方法が有効です。

また、音に「厚み・広がり」を与えたい場合には、以下のような工夫が効果的です。

  • 7度の音を追加する

  • ルート音を1オクターブずらして重ねる

これらの手法を活用することで、パッドが曲の雰囲気を引き立てる重要な要素になってくれうと思います。


サイドチェインを活用する

EDM系の楽曲では、パッドの音にサイドチェインを掛けることで、

ゥンワ・ゥンワ・ゥンワ・ゥンワ・・・

という波を打つようなリズムを作り出す手法がよく使われます。
この効果により、曲に躍動感やグルーヴ感を与えることができます。

ベースの項目で述べたとおり、一般的にはコンプレッサーを使ってサイドチェインを設定しますが、これが面倒だと感じる場合もあります。

そんな時はNicky Romeroという有名なアーティストが出している「Kickstart」というプラグインを使うと簡単に4つ打ち系のサイドチェイン効果を作ることができます。






◇トランジェントについて

シンセサイザーで主旋律のメロディを追いかけたり、ソロパートを演奏させたりする際に、キックの音とシンセサイザーのアタック部分が重なってしまうことがあります。

これにより、耳に痛い音になってしまったりマキシマイザーやコンプレッサーがアタック部分だけに過剰に反応してしまうといった問題が発生することがあります

このような場合の対処方法はいくつかあります。

1つ目は、「トランジェント・シェイパー」と呼ばれるプラグインを使って、トランジェント(音の立ち上がり部分)を調整する方法です。
これにより、音のアタック部分をコントロールし、キックとの干渉を軽減することができます。

2つ目は、前記の「Kickstart」という、お手軽なサイドチェーン用プラグインをシンセサイザーのトラックに適用する方法です。
これを使うと、キックが鳴ったタイミングでシンセサイザーの音量を自動的に下げることができ、音の衝突を防ぎつつ、リズムに合わせた自然なサウンドを作り出すことができます。




◆ドラム・パーカッションのアレンジなど


◇ドラムパターンについて

バンドを組んだことがある人であれば、ドラマー以外でもドラムパターンについてある程度理解していると思います。
しかし、音楽経験が少ない人にとっては、「どうやってドラムパターンを作れば良いのか分からない」というケースも多いでしょう。

そんな時に便利なのが、以下の2つです。

① ドラム音源用のMIDIパターン

② Spliceなどのサンプル


① ドラム音源用のMIDIパターン

「Addictive Drums」や「EZ DRUMMER 3」などのドラム音源には、最初からMIDIパターンが含まれており、追加で購入することもできます。

これらのMIDIパターンから楽曲に合ったものを選び、曲中に貼り付けて細かい部分を修正していく方法は、初心者にとっても分かりやすいと思います。

「EZ DRUMMER 3」には、楽曲に合ったドラムパターンを自動で検索し、候補を表示してくれる「BandMate」機能も搭載されています。
これを使えば、より効率的にドラムパターンを作成できます。


② Spliceなどのサンプル

Spliceなどのサービスでは、WAVファイル(音声ファイル)としてドラムサンプルを購入できます。これをDAW上に貼り付けてドラムトラックを作成する方法もあります。

サンプルを使うメリットとしては、最初から完成されたサウンドを作ることができる点や、導入コストが比較的安い点が挙げられます。
一方で、デメリットとしては、細かい修正が面倒(オーディオファイルの切り貼りやサンプラーの使用が必要)なことや、他の人の楽曲とドラムパターンが同じになってしまう可能性がある点が考えられます。

これらの特徴を理解した上で、自分の制作スタイルに合った方法を選ぶことが良いと思います。


◇フィルイン

曲中のセクションが変わる前に、曲を盛り上げたりセクションの変化をリスナーに予感させるために、ドラムの手数を増やしたり、通常のビートとは異なるフレーズを演奏することを「フィルイン」(オカズ)と呼んだりします。

フィルインのパターンの例をいくつか挙げておきます。

1. 連打する

一定の音符を単位として、スネアタムを連打する方法がよく使われます。

  • 生ドラム系の曲では、4分音符8分音符16分音符3連8分音符などが多用されます。

  • EDM系・打ち込み系の楽曲では、32分音符3連8分音符3連16分音符などの速い連打も効果的です。

また、スネアとフロアタムを一緒に「ド・ド・ド・ド・・・」と一定間隔で叩き、重心を低く保ちながら曲を盛り上げる手法もあります。


2. タム回し

ドラムセットには、タムと呼ばれる太鼓がドラマーの目の前やスネアの隣に配置されています。
このタムを回すように叩くことで、

タカ・タカ・タカ・トン
タン・トン・タカ・トン
タカ・タカ・トン・トン・ボン・ボン

といったピッチを変化させたフィルインを作ることができます。

タム回しは、ドラマーが動きながら派手に演奏するため、ライブでの視覚的効果も大きく、華やかな印象を与えます。


3. 音色を変化させる

EDM系の楽曲では、フィルインで音色を変化させる手法が頻繁に用いられます。
具体的には以下のような方法があります。

  • ピッチを変化させる

  • フィルターで再生する周波数を変化させる

  • 音の長さを変化させる

  • 発音の強さ(ベロシティ、ボリューム)を変化させる

  • リバーブの量を変化させる

これらの方法を組み合わせて曲を盛り上げていきます。各パラメータを連続的に変化させる際には、オートメーションを活用すると便利です。


ノイズを活用する

EDM系の楽曲では、ドラムキットのサウンドにノイズを組み合わせてフィルインを盛り上げる手法もよく使われます。

例えば、シンセサイザーのオシレーターからホワイトノイズなどを選択し、フィルターで最初は低音域だけを通し、徐々に中音域や高音域のノイズも通すようにオートメーションを設定すると、

シュワァァァ

という徐々に明るくなるサウンドを作ることができます。


MIDIデータ・サンプルを活用する

生ドラム系のフィルインは、ドラム経験者でないとアイデアが出にくい場合があります。

最近のドラム音源(例:Addictive DrumsEZ DRUMMERなど)には、大量のドラムパターン(MIDIデータ)が収録されています。これらのパターンを貼り付けるだけで、高品質なフィルインを簡単に作成できます。

また、EDM系のフィルイン(例:フィルターを徐々に開けていくような効果)を自分で作るのは手間がかかるため、Spliceなどのサンプルを活用するのも便利です。

EDM系のフィルターを徐々に開けていくようなフィルインも自分で作ることはできますが手間がかかるので、Spliceなどのサンプルを活用すると便利です。



◇ドラムの音色、音作りについて

ドラムのアレンジにおいて、最初に重要なのが「音色選び」と「音作り」(音色の調整)です。

ドラムやパーカッションは、それぞれのジャンルに合った「音色」「音の長さ」「ピッチ」を選ぶことが重要です。これらが合っていないと、不自然な印象を与えたり、ノリが悪いと感じられたりする原因になります。


音色の調整方法

例えば、XLN Audioの「Addictive Drums 2」というドラム音源では、ドラムの各キットのピッチトーンアタックタイムリリースタイム歪みの程度周波数特性などを細かく調整できます。
これにより、自分の曲に合わせた緻密な音作りが可能です。

「Addictive Drums2」での音色のエディットの方法は作曲家の和田貴史先生の動画が分かりやすいと思います。


また、TOONTRACK社の「EZ DRUMMER」や「SUPERIOR DRUMMER」では、「EZX」や「SDX」という名前の追加用ドラムキットが販売されています。
これらを使うことで、自分が制作している曲に合わせたドラムキットを選ぶことができます。

ただし、SUPERIOR DRUMMEREZXSDXの両方に対応していますが、EZ DRUMMEREZXしか読み込めない点に注意が必要です。

「お金に余裕がある」という方は、EZ DRUMMERやSUPERIOR DRUMMERを購入し、必要に応じてEZXやSDXを追加していく方法でも良いと思います。
理想的です。しかし、多くのDTM制作者にとって、そのような予算は現実的ではないかもしれません。

そのため、最初のうちは「Addictive Drums 2」のように、コスパが良く、編集画面が分かりやすく、自由度が高いドラム音源を使って、曲に合わせて手作業で編集する方法が良いのではないかと思います。

そして、お金に余裕ができたタイミングで、SUPERIOR DRUMMERなどの高価格帯の音源を購入し、自分の楽曲ジャンルに合わせて必要な分に絞ってEZXやSDXを追加していく方が、お財布に優しいと思います。



◇ドラム・パーカッションの打ち込みの「タイミング」について

ドラムなどをMIDIで打ち込む際には、大きく分けて2つの方法(流派みたいなもの)があります。

  1. グリッドにピッタリ合わせる

  2. グルーブ感を出すために敢えてグリッドからずらす


DAWドラム音源には、打ち込みのタイミングを自動でズラしてくれる「ヒューマナイズ」機能が搭載されていることもあります。

しかし、初心者が「グルーブ感が大事」「この曲は前ノリにしよう、後ノリにしよう」と考えてタイミングをズラそうとすると、かえって失敗してしまうケースもあります。

個人的には、ベテランドラマーではない場合には、ドラムの打ち込みはグリッドにピッタリ合わせる方が無難だと考えています。

プロのドラマーやベーシストの演奏を録音すると、タイミングのズレは10ms~20ms前後に収まっていることが多く、逆にアマチュアの演奏はタイミングが大きく前後にズレて「散らかっている」印象を与えがちです。

そのため、グリッドに合わせて打ち込むほうが、「プロっぽい」「上手い」という印象をリスナーに与えやすくなります。

グルーブ感やノリを表現する方法

「グリッドに合わせたらグルーブが出てこないじゃないか!」「前ノリや疾走感を表現したいんだ!」という意見もあるでしょう。
しかし、タイミングをグリッドに合わせていても、グルーブやノリを表現する方法はたくさんあります
以下にその手法をいくつか挙げます。

  • ベロシティ(音の強さ)を調整する

  • 音色を変える、調整する

  • アタックタイム、トランジェントを調整する

  • リリースタイムを調整する

  • ハーフテンポを活用する

  • アウフタクト・シンコペーションを意識する

  • ゴーストノートを入れる

これらの手法を駆使することで、タイミングをグリッドに合わせたままでも、グルーブやノリを表現することが可能です。
実際、プロの音源を分析しても、ドラムのタイミングがグリッドに合っている楽曲は多いです。

そのため特に初心者のうちはグリッドからズラそうとは考えずに他の手法で「グルーブ」や「ノリ」的なものを表現できないか試行錯誤してみたほうが良いと思います。

ただ、EDMなどにおいては「クラップとキックが同時に鳴っているのはダサい」という文化があるらしいので、EDMのクラップについてはキックよりも少しだけ前に出してあげると良いかも知れません。

ブルースやジャズなどではスネアやシンバルのタイミングを意図的にズラすという高等テクが良く使われますが、ドラム上級者でないとこういったテクニックを活用することは難しいと思います。

「グルーブ」や「ノリ」についてはドラマーの方でも考え方が分かれるところですが、生ドラムでも「タイミングはジャスト良い」とおっしゃっているドラマーの方も多いです。

個人的には「Rei 令 ドラム教室スクルド」さんという方の以下の動画が大変勉強になったので「グルーブやノリとは何か?」と悩んでいる人は見てもらえると良いと思います。




◇ベロシティ(音の大きさ)

ドラムを打ち込む際にはベロシティの設定は非常に重要です。

ドラム音源によって異なりますが、ベロシティを10程度変えるだけで、音色の印象が大きく変わることがあります。のため、曲のジャンルや緩急に合わせてベロシティを調整する必要があります。

また、前述のように打ち込みのタイミングをグリッドに合わせていても、ベロシティ(音の強さ)によって「グルーヴ」や「ノリ」が変化します。

例えば、「どっしり」「ゆっくり」とした印象にしたい場合、キック(バスドラム)を強めにし、ハイハットは表拍を強め・裏拍を弱めにすると、「重く」「安定した」感じのドラムになります。

ライブハウスの店長が若手ドラマーに「もっとキックを強く踏め!」と言っている場面を見かけることがありますが、これはキックの音量を大きくすることで「安定感」が生まれ、バンド全体として「しっかりしている」「上手い」という印象を与えられるからなのかも知れません。

一方で、「疾走感がある」「速い」という印象にしたい場合、EQでキックの低域(100Hz程度以下)を抑え、ハイハットを強めかつ一定にすると、「速い」「飛ばしている」という印象になります。

市販の楽曲でも、速めのロックやパンク系のバンドではキックの低域が抑えられていることが多いです。

これは、人間の耳が「低い音は遅く聞こえ」「高い音は速く聞こえる」という特性を持っているため、この特性に合わせてアレンジが工夫されているからだと考えられます。

正直なところ、手作業で「人間っぽいベロシティ」を表現するのは非常に手間がかかります。

しかし、多くのドラム音源にはリアルなドラムパターンがMIDI形式で収録されているため、こうしたMIDIデータをDAWやドラム音源のエディット画面に貼り付け、修正しながら使用する方が作業効率が良いです。


◇アタックタイム・リリースタイムやトランジェントを調整する

ドラム音源の出力はパラアウトした上で、スネア、キック、ハイハットなどのキットごとにコンプレッサーやEQをかけるほうが良いです。

特にスネアとキックに関しては、アタックタイム・リリースタイムやトランジェントを意識して調整する必要があります。

必要に応じてコンプレッサーでアタックタイム・リリースタイムを調整し、曲のBPMやノリに合わせる作業を行います。

最近ではトランジェントシェイパーという便利なツールも増えており、以前はコンプレッサーを使って試行錯誤しながら調整していたトランジェントも、比較的簡単に調整できるようになっています。

このように、アタックタイム・リリースタイムやトランジェントを丁寧に調整することで、曲の印象やノリが大きく変わるのです。

ミックス作業に慣れていないと、コンプレッサーを強くかけ過ぎてしまい、アタック部分とディケイ部分の音量の差が均一化され、歯切れが悪く、前に出てこないドラムになってしまうことがあります。

このような場合は、キックやスネアにディケイが短めの歯切れの良い音を重ねると効果的です。

重ねる音の目安としては、「ドン」「トン」の「ン」の部分を除いた「ドッ」「トッ」というような長さで、16分音符1個分くらいに設定します。

また、重ねる音はEQで余分な低域をカットすると、全体のバランスが取りやすくなります。

元の音と重ねた音が馴染まない場合は、トランジェント部分のタイミングが合っていない可能性があるため、波形を拡大して目視しながらタイミングを合わせると馴染みが良くなります。

◇ゴーストノートについて

ドラムパターンに「ゴーストノート」と呼ばれる音量が小さく、16分・32分などの細かいノートを入れると、ノリが良くなったり、疾走感が出たり、プロっぽいサウンドになります。

ゴーストノートは微かに聞こえる程度のベロシティで、リズムを補完するようなタイミングでスネアを打ち込みます。

基本的にゴーストノートは16分よりも大きいタイミングで入れますが、32分・64分で入れるとリズムが崩れて聞こえてしまうことが多いため、注意が必要です。

2小節周期でゴーストノートを組み立てた上で、若干タイミングをずらすと生ドラムっぽさが増します。

基本のリズムパターンに対して、リズムの補助的に隙間を埋めるように入れます。このとき、16分より細かいタイミングでは入れないようにしてください。16分以下の細かいタイミングだと、ノリが良くなるどころか逆にリズムがよれて音痴に聴こえてしまうことがあります。

ゴーストノートは、耳で覚えるよりもバンド練習の際にベテランのドラマーの演奏を観察し、「ここでゴーストノートを入れるのか」と目で感覚を養うほうが効率的です。しかし、正直なところ専業のドラマー以外がゴーストノートを使いこなすのは難しいと思います。私も苦手です。

ゴーストノートの入れ方が分からない場合は(私もよく分かっていませんが)、ドラマーに「ゴーストノートの入れ方を教えて」と聞いてみるのも良いでしょう。また、ドラム音源に収録されているゴーストノート入りのMIDIパターンを活用するという方法もあります。



◇ハーフテンポ(半テン、倍テン)

「ハーフテンポ」という名前を聞くと難しく感じるかもしれませんが、実はとてもシンプルな手法です。
テンポを半分に落とすのがハーフテンポ(半テン)、逆にテンポを2倍にするのが倍テンです。

例えば、Aメロでは8ビートで叩いていたけれど、サビに入ったら16ビートに変わるという曲や、全体的に16ビートの速い曲だけれど、サビの直前だけ8ビートに落とすというような手法はよく使われています。


◇スネア

スネアは作曲段階からある程度音色を整えておくと、曲のイメージを作りやすくなります。


ピッチの調整

まず、スネアの「ピッチ」を曲に合わせることが重要です。

曲にもよりますが、曲のキー(調)とスネアのピッチが異なると、スネアが浮いてしまったり、違和感が生じることがあります。そのため、ピッチを上下に調整して、しっくりくるポイントを探すのが良いでしょう。

また、スネアのピッチが高すぎるとグルーブ感が損なわれることがあるため、落ち着いたサウンドにする場合はピッチを下げるのも有効です。

音の長さ(ディケイ)

スネアの音の長さは、曲のノリやグルーブ感に大きく影響します。

  • 音が長い → 「安定感がある」「重たい」印象

  • 音を短くする → 「疾走感がある」「軽い」印象

作曲の段階で、ノリが悪い、グルーブ感が足りないと感じた場合は、スネアの音色をエディットすると良いでしょう。

XLN Audioの「Addictive Drums 2」は、ピッチや音の長さを簡単に編集できるため、初心者にもおすすめです。


複数のスネアを重ねる(レイヤー)

スネアの音色に迫力が足りない、音が前に出てこないと感じる場合、複数のスネアを重ねる(レイヤーする)ことで解決できることがあります。

サンプラーを使えばスネアの音を簡単に複数重ねることができますし、複数のドラム音源を併用しても良いと思います。

ただし、逆相になると音を重ねても逆に引っ込んでしまうことがあります。
自分の耳で確認しながら、複数のスネアの組み合わせを試してみるのが良いと思います。


盛り上げる(ピッチを上昇させる、フィルターをかける)

EDM系の楽曲では、スネアのピッチを徐々に上昇させたり、フィルターを徐々に開いたりすることで、楽曲を盛り上げる手法がよく使われます。

ピッチの変更やフィルターの調整は、オートメーションを活用すると簡単に操作できます。

この際、スネアは8分・16分で打ち込んでも問題ありませんが、途中で「3連の16分」を入れ、最後に「32分」にすると、よりダイナミックな展開になります。

ピッチやフィルターは単純に上昇させるだけでも効果的ですが、途中で一度ピッチを少し下げたり、フィルターを少し閉じたりしてから、一気にピッチを上昇させフィルターを開くと、より印象的な盛り上がりを演出できます。

スネアのマシンガン現象

生ドラムのフィルでは、スネアを「16分で連続して叩く」手法がよく使われます。
しかし、ドラム音源で16分のスネアを連続で入力すると「打ち込みっぽい」機械的なサウンドになりやすいです。
(いわゆる「マシンガン現象」)

特に「Addictive Drums 2」では、スネアを連打した時に同じサンプルが使われるため、「マシンガン現象」が発生しやすい傾向があります。
(スネアの音を逆相にして重ねると音が消えます)

これを防ぐには、以下の方法が有効です。

  • スネアが連続する部分で、1つごとに異なる種類のスネアを入力する(「Addictive Drums 2」には複数のスネアが収録されている)

  • ベロシティを調整する

  • ヒューマナイズ機能を使う

他社のドラム音源(TOONTRACKの「SUPERIOR DRUMMER 3」や「EZ DRUMMER 3」など)は、スネアを連打した際に自動で異なるサンプルを使用するため、「マシンガン感」が軽減されます。
しかし、それでもベロシティが一定だと打ち込み感が残るため、ベロシティの調整はしたほうが良いです。


◇クラップ

EDM系の楽曲では、スネアの代わりに「クラップ」(手を叩いたような音)が使われることも多いです。
以下に、クラップを効果的に使用するためのポイントを紹介します。

クラップにEQを掛ける

スネアと同様に、クラップのサンプル音には低域成分が多めに含まれていることがあります。
EQで余分な低域をカットすることで、音がスッキリとし、ミックス全体のバランスが良くなります。

リバーブ

EDM系の楽曲では、クラップに適度なリバーブ(残響音)を加えることで、音に広がりと深みが生まれ、よりカッコよく聞こえます。
リバーブの量は楽曲の雰囲気に合わせて調整しましょう。


アタック・リリースの調整

特にEDM系の楽曲では、クラップのアタック感リリースタイムを調整することで、ノリやグルーブ感が大きく変わります。
「この楽曲に合っているんだけど何か惜しい」と感じる場合は、コンプレッサートランジェントシェイパーを使って、アタック感やリリースタイムを微調整してみましょう。

クラップのタイミング

プロの楽曲を聴いていると、クラップはキックよりも少し前のタイミングで鳴らしていることが多いです。
キックとクラップを同時に鳴らすとダサく感じる場合、クラップのタイミングを少しズラすことで、リズムに躍動感が生まれます。


複数のクラップを重ねる

スネアと同様に、クラップは、複数の種類を重ねることで表現の幅が広がります。例えば、以下のような手法があります。

  • モノラル感の強いクラップに、ステレオ感の強いクラップを重ねる。

  • 楽曲の静かな部分ではクラップを1種類だけ使い、サビなどの盛り上がり部分ではクラップやスネアを重ねて厚みや広がりを出す

また、クラップとスネアを組み合わせることで、さらに豊かなサウンドを作り出すことも可能です。


◇キック(バスドラム)

昔は自宅用の再生機器(ラジカセなど)の低音再生能力が低かったため、キック(バスドラム)が注目されにくい時代もありました。
しかし、最近ではカナル型イヤホンAppleのEarPodsなど、低音をしっかり再生できる機器が普及し、低音が詰まった楽曲を手軽に楽しめるようになりました。

そのため、現代の楽曲ではキックは非常に重要な要素となっています。
特に海外の楽曲では、キックとボーカルを曲の骨格として構成されているケースも増えています。


音色の選択

サンプルからキックの音色を選ぶ際、低音再生能力が低いスピーカーやヘッドホンを使っていると、皮鳴りが派手で低音域の密度が低い音色を選んでしまうことがあります。
キックに低音域をしっかりと支えてほしい場合は、アナライザーなどを使って、50Hz~80Hzの低域成分がしっかりしている音色を選ぶことが重要です。

ただしパンクや速めのロック曲などで疾走感を出したい場合、低域成分が多いと重心が低くなりすぎて、かえって疾走感が損なわれることがあります。
そのような場合は、以下の方法を試してみると良いと思います。

そのような場合には、低域の成分が少な目のキックを選択するか、EQで低域成分を抑えめにしてあげると良いですが、低域を削りすぎて「軽い音」「密度の低い音」になってしまうと「曲を前に引っ張っていく」というキックの役割が果たせなくなってしまうので、「疾走感とドライブ感」のバランスをとる必要があります。


キックのアタック・リリースタイム

キックのアタックやリリースタイム(サスティンタイム)の長さは、楽曲のノリやグルーブ感に大きな影響を与えます。
これらの要素を適切に調整することで、曲のリズムや雰囲気をより引き立てることができます。

キックのアタックやリリースタイムを調整する際、コンプレッサートランジェントシェイパーを使う方法もありますが、まずはサンプル選びの段階で、作成中の楽曲のBPMノリに合ったキックを選ぶことが重要です。

その後、必要に応じてコンプレッサーやトランジェントシェイパーで微調整を加えると、より理想的なサウンドに近づけられます。

使用する音源(プラグイン)によっては、キックのリリースタイムを直接調整できる機能が備わっている場合があります。
このような機能を活用することで、より細かい調整が可能になり、楽曲のクオリティを向上させることができます。


キックにEQを掛ける

キックにEQを掛ける際は、ベースとの関係性を意識することが重要です。
以下に、各周波数帯域ごとの調整方法の一例を挙げていきたいと思います。


100Hz以下(「ッ」という圧迫感)

最近の市販楽曲では、キックの100Hz以下の音域もしっかりと音作りがされていることが多いです。

低域を正確に把握するためには、5インチ以上のモニタースピーカー低域が把握できるヘッドホンを使用し、50Hz~100Hzの帯域を調整するのが良いと思います。
もし大型のモニタースピーカーやヘッドホンが手元にない場合は、カナル型イヤホンでも何とか代用できることもあります。
カナル型イヤホンは密閉性が高く、低音域を把握しやすい特徴があります。

あまり予算を掛けられないという場合には、アシダ音響の「EA-HF1」がコストパフォーマンスが良いかも知れません。
「EA-HF1」は低域が強めなので作曲やミックス作業の全般では使いにくい部分もあると思いますが、低域を調整する場面で使う分には音が把握しやすいと思います。


100Hz~200Hz

キックとベースの関係性を考える際、100Hz~200Hzの帯域はベースに譲ることが多いように思われます。
この帯域でキックを持ち上げすぎると、ベースとの干渉が起きやすくなるため、注意をしながら調整しましょう。


200Hz~500Hz(下のほうの胴鳴り)

200Hz~400Hz付近は「ドッォォォン」というキック音の前半の「ドッ」という音の核心部分に関わります。
キックの美味しさを左右する重要な帯域ですが、ベースや他の楽器とも重なりやすいため、調整が難しい部分です。

100Hz~200Hzはベースに譲った場合には、キックの300Hz付近を少し持ち上げてベースの300Hz付近を少し抑えても良いかも知れません。

500Hz付近はギターやボーカルと重複しやすいため、ギターやボーカルの500Hz付近をカットし、キックを聞こえやすくするのも一つの手です。


600Hz~900Hz(上のほうの胴鳴り)

600Hz~900Hz付近は「ドッォォォン」というキック音の前半の「ォォォン」の余韻的な部分に関わる成分が多いです。

この帯域を持ち上げると重め(リリースが長め)にになり、カットすると疾走感のある雰囲気(リリースが短め)になる傾向があります。

1KHz~4KHz前後

1KHz~4KHz前後はバスドラムが振動した際の余韻が含まれている帯域なのでカットしたほうが絞まりのよいサウンドになります。

楽曲の主役であるボーカルの美味しい帯域と重複する部分で、ギターや鍵盤楽器ともかぶりやすい帯域なので、キックは控え目にしても良いと思います。


3KHz~(皮鳴り)

3KHz付近からビーターがバスドラムの皮叩いた時の「バチン」「ビチッ」というような皮鳴りの帯域になってきます。

BPMが速めのパンクやロックなどでは、3KHz~を残してあげたり、少しブーストしてあげると疾走感を演出しやすくなります。


複数のキックを重ねる

スネア・クラップと同様に、複数のキックの音色を重ねることで、低音の密度とアタック感の良さを両立したサウンドを作ることができます。

例えば、以下の2種類のキック音色がある場合、それぞれの長所を活かして理想的なサウンドを作り出すことが可能です。

  • (ア)低域の密度感は良いが、アタック感・皮鳴り感が弱い音色

  • (イ)低域の密度は少ないが、アタック感・皮鳴り感が良い音色


  1. (ア)の音色: 高域をEQでカットし、低域の密度感を活かす。

  2. (イ)の音色: 低域をEQでカットし、アタック感や皮鳴り感を強調する。

  3. 両者の音量バランスを整え、密度感とアタック感の両立を図る。

(ア)と(イ)の音色がうまく馴染まない場合、以下の方法で調整できることがあります。

  • 同じバストラックに出力: 両者の音色を同じバストラックに送り、同じコンプレッサーを掛けることで一体感を出します。

  • サチュレーターを軽くかける: 軽くサチュレーションを加えることで、音色の馴染みが良くなり、自然なサウンドに仕上がります。


キックにサチュレーターを掛ける

キックにサチュレーターを掛けて倍音を付加する(少し歪せる)という手法も良く使われます。

サチュレーターを掛けることで、音が太くなったり耳に痛いアタック感を軽減することができます。


キックにリバーブは掛けない(原則)

基本的にキックなどの低音楽器にはリバーブは掛けません。

低音域の音色のリバーブを掛けると、絞まりのないサウンドになってしまったり、ノリが悪くなってしまうからです。

ただ「ここぞ」という場面で敢えてキックにハリウッド映画風の派手なリバーブを掛けることで独特な演出をすることができます。


キックを入れるタイミング

キックを入れるタイミングは、楽曲のジャンルによって異なります。

例えば、ロック系の楽曲では、キックは主に1拍目2拍目に入れることが一般的です。

  • 3拍目にキックを追加する場合: 重心が低くなり、「もったり」としたサウンドになる傾向があります。

    • このようなリズムは、ゆったりとした雰囲気や重厚感を演出したい場合に有効です。


他方でEDM系の楽曲では、1拍目・2拍目・3拍目・4拍目の全てにキックを入れる「四つ打ち」が多用されます。

  • 特徴: 四つ打ちは、疾走感や躍動感を生み出し、ダンスミュージックに適したリズムを作ります。

キックのタイミングやリズムパターンを学ぶには、自分の好きなアーティストの楽曲を聴いてみたり、ドラム音源に入っているMIDIパターンを分析してみて、どのようにドラムパターンが作られているのか研究してみるのが良いと思います。



◇ハイハット

ハイハットは、小さなシンバルが2枚重なった構造の楽器で、足で開閉することで音色を変化させることができます。

シンバルを閉じた状態で叩くと「チッ」という硬く短い音が鳴り、開いた状態で叩くと「シャン」という広がりのある長めの音が鳴ります。

この特性を活かして、楽曲にリズムやニュアンスを加えることができます。


ハイハットの音色

ハイハットの音色を選ぶ際には、ボーカルギター鍵盤楽器よりも高域で鳴らすことを意識すると、ミックスのバランスが取りやすくなります。

例えば、高域にピークがあり、抜けが良く明るい音色を選ぶと、楽曲全体にメリハリが生まれ、聴きやすいサウンドになります。


ハイハットのパターン

ハイハットの基本的なパターンは、8分音符で刻むことが多いですが、16分音符のハイハットを追加することで、細かいグルーブ感やスピード感を演出することができます。
また、2拍目、4拍目、6拍目、8拍目のウラ(裏拍)だけハイハットを鳴らす「裏打ち」を活用すると、独特なノリやスピード感を生み出すことができます。
このパターンは、リズムに変化をつけたい場合や、曲に動きを加えたい場合に特に効果的です。

ハイハットのベロシティ

ハイハットは短い間に繰り返し叩く楽器であるため、ベロシティが一定だと「打ち込み感」や「機械が叩いているような感じ」が出てしまいがちです。
これを避けるためには、ベロシティを変化させることが有効です。例えば、1拍ごとにベロシティを変えたり、ハイハットの開き具合を調整することで、より自然な印象を与えることができます。

ベロシティを調整する際のポイントは、表拍(1拍目、3拍目、5拍目、7拍目)を強く叩くと「安定感のある」「重たい」印象になりやすく、裏拍(2拍目、4拍目、6拍目、8拍目)を強めに叩くと「スピード感」が出しやすくなります。
これにより、リズムに動きやニュアンスを加えることができます。

また、いわゆる「前ノリ・後ノリ」感を出すためにドラムのタイミングをズラす手法もありますが、計画性なくタイミングをズラすと「下手なドラム」になってしまうリスクがあります。
そのため、タイミングをズラすよりも、ハイハットの強さを拍ごとに調整したり、スネアやキックのトランジェントやリリースタイムを調整する方が、自然な仕上がりになりやすいです。

さらに、ハイハットの連打感を軽減したい場合には、サンプラーに複数のハイハットの音色を読み込み、1拍ごとに違うサンプルを使うという手法も有効です。
これにより、単調さを避け、リズムにバリエーションを持たせることができます。

ハイハットのパンをズラす

ハイハットのパンについては、生ドラムではハイハットは客席側から見て右側(ドラマーから見ると左側)に位置するため、パンは基本的に左寄りに設定されています。
生ドラム系の楽曲ではパンを変えることは通常ありませんが、EDM系の楽曲では、ハイハットのパンを極端に動かすことでリズムに変化を付ける手法が用いられることがあります。
これにより、楽曲に独特の動きや広がりを加えることが可能です。



複数のハイハットを重ねる

イハットの存在感を際立たせたい場合、複数のサウンドを重ねる(レイヤーする)という手法も有効です。
例えば、「軽くて音抜けの良い音色」と「密度のある金属的な響きを持つ音色」を組み合わせることで、ハイハットの音に厚みと広がりを持たせることができます。
さらに、サチュレーターを使って軽く歪み成分を加えると、ハイハットの音がより前に出てきて、ミックスの中で目立つようになります。

また、「軽くて音抜けの良い音色」の方に、プラグインやオートメーションを使ってピッチを少し揺らすことで、人間が叩いているような自然な雰囲気を再現しやすくなります。
これにより、打ち込み感を軽減し、よりリアルで生き生きとしたサウンドを作り出すことが可能です。

◇シンバル(クラッシュシンバル・チャイナシンバル)

クラッシュシンバルやチャイナシンバルなどの大きなシンバルは、派手でインパクトのある音を出すため、楽曲の各セクション(Aメロ、Bメロ、サビ)の頭にアクセントを付けたり、アウフタクト(シンコペーション)のタイミングを強調するために使用されることが多いです。
これらのシンバルは、曲の展開を明確にし、リスナーに「ここから盛り上がる」という印象を与えるのに非常に効果的です。

しかし、シンバルの音がオケに馴染まなかったり、埋もれてしまったりする場合もあります。
そのような時は、イコライザーコンプレッサーを使って音質やアタック感、リリースタイムを調整することで、シンバルをより際立たせることができます。
それでも解決しない場合には、サチュレーションディストーションをかけて歪み成分を加え、積極的に音作りを行うことで、シンバルの存在感を引き出す方法もあります。

また、使用するドラム音源によっては、元々のシンバルの音質がクリアでない場合もあります。
そのような場合、シンバルなどの金物系の音だけを別のドラム音源やサンプルに置き換えるという解決策もあります。
例えば、メジャーなドラム音源の中では、EZ DRUMMERSUPERIOR DRUMMERは、Addictive Drumsなどに比べて金物系の音の抜けが良いと感じることが多いです。

Spliceなどのサンプルを使用する場合、生楽器系のシンバルの音を採用するのも良いですが、サビの頭や曲の終わりなど、特に重要なポイントでは、思い切ってEDMなどで使われる「Impact」系のサウンドをシンバルの代わりに、あるいはシンバルと重ねて使ってみるのも一つの手です。
これにより、「ここからサビなので盛り上がりますよ」という印象をリスナーに分かりやすく伝えることができます。



◆ノイズを活用する


EDM系の楽曲では、曲が盛り上がる部分や静かになる部分に「プシューッ」というようなノイズが挿入されることがよくあります。

「頑張って曲を作ったけどサビにインパクトがない」

「曲が一時的に静かになるところに厚みがなくて困っている」

というような場合には小節の頭からノイズを加えることで、これらの問題を解決できることがあります。


シンセサイザーには、オシレーターの近くにノイズを発生させる機能が搭載されていることが多いので、シンセサイザーで音を作ることに慣れている人なら、自分でノイズを作成する方が早いかもしれません。

「シンセサイザーの使い方がよくわからない」という人は、Spliceなどのサンプル音源提供サイトで「noise」「down」「fall」「impact」といったキーワードで検索すると、適切なノイズ系のFXサウンドがたくさん見つかるでしょう。

ノイズのサウンドの調整

ノイズサウンドの調整についてですが、シンセサイザーの「ノイズ発生器」から生成されるノイズは、基本的にすべての周波数帯域に均等に分布した「フラット」なノイズです。
そのため、低域をEQでカットする必要があります。

また、ノイズにサチュレーションをかけたり、ギターアンプのプラグインを適用して倍音を加えることも有効です。
ただし、高音域の一部が耳に痛く感じることがあるので、その場合はダイナミックEQやディエッサーを使用して、高音域の不快な部分を抑えると良いでしょう。

さらに、楽曲の調(キー)に合わせて、曲の構成音(例えばハ長調であればC・D・E・F・G・A・B)に対応する周波数をEQで強調し、それ以外の部分をカットすることで、「曲に自然に馴染むノイズ」を作り出すことができます。

「各音の周波数なんてわからない」という人は以下のようなサイトを参考にすると良いと思います。


ノイズをシュワシュワさせる(サイドチェインなど)

ノイズを波打つように「シュワシュワ」とさせることで、さらにクールな効果を加えることができます。
このような効果を実現する方法はいくつかありますが、前記の「Kickstart」のような手軽に使えるサイドチェイン用プラグインを利用するのが比較的簡単でおすすめです。







◆曲のクオリティを上げるためのアイデア


一生懸命曲を作っても、「何か素人っぽく聞こえる」とか「自分の好きなアーティストの音と全然違う」といった悩みを抱えることは多いと思います。

作った曲を「良い感じに聞こえるようにする方法」については、ミックスの方法として別の記事で詳しく整理したいと考えていますが、ここでは作曲中に注意すべき基本的なポイントについてまとめておきたいと思います。

具体的に、この項目では

① 素人が作った曲に聞こえるのを回避する方法

② さらに曲のクオリティを上げるためのアイデア

などを整理していきたいと思います。


◇メロディの「長さ」「息継ぎ」「タイミング」「音数」を意識する

初心者が作曲する際の傾向として、

「メロディを詰め込み過ぎ」
「息継ぎのタイミングが少ない」

という問題が良くあります。

特に歌モノの曲を作り、ボーカリストに歌ってもらおうとした際に、「この曲だと息継ぎができないですけど……」と言われ、初めて自分の曲の問題点に気づくというケースも少なくありません。
また、メロディを詰め込み過ぎた曲は、どうしても「素人が作った曲」のように聞こえてしまう傾向があります。

一方で、プロが作った曲はメロディに余裕があり、「音数が少ないことを怖がっていない」傾向が見られます。
例えば、映画『ボディガード』の主題歌である「I Will Always Love You」という有名な曲のサビの頭は、「エンダァァァァアアアアイヤァァアァァアアアアア!!!」という、ほぼ同じ音程のシンプルなメロディで有名です。

鍵盤楽器やDAWだけで曲を作っていると、このような超シンプルで大胆なメロディは「怖くて作れない」と感じることが多いかもしれません。

また、布袋寅泰さんの「サレンダー」という曲のギターソロも、途中から同じ音程のフレーズを繰り返しつつ、裏でコード進行が変わることで、シンプルでありながらも格好良いサウンドを生み出しています。



初心者にとっては、「同じ音程を繰り返す」というアプローチは「怖い」と感じることも多いでしょう。

しかし実際には、「息継ぎのタイミングが少なく詰め込み過ぎたメロディ」よりも、「適度な息継ぎタイミングがあり、音数も多すぎない余裕のあるメロディ」の方が、聴きやすくプロっぽい印象を与えることも多かったりします。

DAWのピアノロールや楽器だけでメロディを考えると、どうしても「息継ぎのタイミングが少なく詰め込み過ぎたメロディ」になりがちです。
メロディを考える際には、DAWや楽器を使うだけでなく、実際に声を出して「気持ち良く歌えるか」という基準で判断する方法も取り入れてみると良いでしょう。

ただし、「メロディを詰め込み過ぎると素人っぽくなる」というのはあくまで原則論であり、例外もあります。
最近では、ボカロ系の曲などで、敢えて「メロディを大量に詰め込んだ曲」や「生身の人間では歌えないような息継ぎのない曲」を作る作曲家も増えてきています。
そのような曲が斬新で素敵だと感じる人も増えているでしょう。
憧れのボカロPが「メロディ詰め込み型の曲」でカッコいい曲を作っている場合、自分もそれを目指すのであれば、「メロディを詰め込み過ぎ」「息継ぎのタイミングが少ない」曲を作ることも間違いではないと言えます。
自分が目指す曲やジャンルに応じて考え方を切り替えることが重要です。

「メロディの詰め込み具合」は、結局のところ「バランス」の問題です。
音と音の隙間が空きすぎると退屈な曲になってしまいますし、密度を詰め込み過ぎても聞きづらい曲になってしまいます。
そのため、「丁度よい」部分を見つけることが鍵となります。
また、「Aメロ、Bメロ、サビ」といった各セクションで、「音と音の隙間」が似たような感じだと、曲が単調になってしまうため、「Aメロは音の隙間を広めにし、サビでは音の間隔を狭める」といった曲全体でのバランスの取り方も重要です。



◇ペンタトニック・スケールを使うことを考える

メロディを作る際に、「コードや伴奏と音がぶつかってしまい、うまく作れない」と悩むことがあるかもしれません。
そんなときに役立つのが「ペンタトニック・スケール」です。

「スケール」と聞くと難しそうに感じる人もいるかもしれませんが、ペンタトニック・スケールは非常にシンプルです。
これは「ドレミファソラシ」のうち、4番目の「ファ」と7番目の「シ」を抜いた音階で、「ヨナ抜き(四七抜き)音階」とも呼ばれます。

このスケールの最大の利点は、適当にメロディを作ってもコードとぶつかりにくく、誰でも「それっぽい」メロディを作れることです。
そのため、ギターの教本などでも「まずはペンタトニック・スケールを覚えよう」と勧められることが多く、実際に覚えてしまえば即興でギターソロを弾くことも容易になります。

また、ペンタトニック・スケールを使うことで、メロディに「力強さ」や「キャッチーさ」を持たせやすくなるため、かっこいい曲を作りたいときにもおすすめです。さ
らに、鍵盤楽器の黒鍵はペンタトニック・スケールと同じ並びになっているため、鍵盤が苦手な人でも、DAWやキーボードのトランスポーズ機能を活用してキーを調整し、黒鍵だけを適当に弾くだけで、それらしいピアノソロを簡単に演奏できます。

なお「トイドラ」さんという作曲家の方は、メロディを作る時は「ド・ミ・ソ」だけを使うという、さらに大胆な作曲方法を提案されています。

「トイドラ」さんの記事やYoutubeは解説やYouTube動画には高度な内容もありますが、理論的な裏付けがしっかりしており、作曲の理解が進んできた段階で参考にすると非常に役立つと思います。


◇メロディなどの開始のタイミング、シンコペーションを意識する

メロディやリフ、ギターソロなどがすべて小節の頭(1拍目)から始まっていると、単調で「初心者っぽい」という印象を与えてしまうことがあります。

開始のタイミングを工夫することで、より表情豊かな音楽を作ることができます。
例えば、メロディの開始地点を少し遅らせることで安定感や余裕のある印象を与えたり、逆に小節を跨いで早めに入る(「食わせる」)ことで疾走感を演出することができます。
「単調に聞こえてつまらない」と感じたときは、メロディやリフ、ギターソロの開始位置を調整してみると、より魅力的なフレーズになるかもしれません。

小節の頭(1拍目)からメロディを開始する場合を「強起」といい、それ以外の位置から始める場合を「弱起」(アウフタクト)と呼びます。
「強起」は「皆で一緒に開始する一体感」や「構成の分かりやすさ」を引き出し、「弱起」は「タメを作る」「ゆったりした雰囲気」「お洒落な感じ」を演出するのに適しています。
これらを場面に応じて使い分けることで、楽曲に変化を持たせることができます。

また、曲全体を通してメロディの入り方が同じだと一本調子になりがちです。
そのため、「Aメロは少し遅れて入る」「Bメロは小節の頭から始める」「サビは小節を跨いで食って入る」といった工夫を取り入れると、楽曲にメリハリをつけることができます。
同じサビの中でも「食ったほうが良い場所」と「小節の頭に合わせたほうが良い場所」を適宜使い分けると、さらに効果的です。

ちなみに、弱拍(小節の頭以外の拍)から音を伸ばし、強拍(小節の頭)以外にアクセントを置く手法を「シンコペーション」と呼びます。

音楽の教科書では

「シンコペーション・・・とは、拍子の中で本来『強く演奏される拍」の位置が『弱く演奏される拍』の位置と入れ替わること

よくわかる楽典の教科書 (ゼロからすぐに身につく本)

などと説明されています(『よくわかる楽典の教科書 ゼロからすぐに身につく本』より)。

そのため、必ずしも「シンコペーション=タイミングを早める」という意味ではありません。
ただし、バンド系の音楽では「シンコペして」と言うと、「アクセントを前にズラして(食って)」という意味で使われることが多いようです。


◇曲に「緩急」を付ける


現代の音楽シーンには膨大な数の楽曲があふれており、コードやメロディだけで斬新さを生み出すことは難しくなっています。
そのため、「曲の緩急」「リズムのパターン」「各楽器の音色」「エフェクト」などを工夫し、個性を出していくことが重要です。

特に、最初から最後まで同じリズムパターンが続くと、どこかで聞いたことがあるような「単調でつまらない曲」になってしまうことが多いです。
そこで、楽曲制作の際には「曲の緩急」や「リズムの変化」を意識するとよいと思います。

・アウフタクトやシンコペーションを活用する

前記の「メロディなどの開始のタイミング、シンコペーションを意識する」という箇所で説明したとおり、メロディや楽器の入りを、小節の頭から少し遅らせたり、逆に小節をまたぐ形で早める(「食わせる」)ことで、自然な緩急をつけることができます。
これは、アウフタクトやシンコペーションを意識することで実現可能です。

・ブレイクを入れる


一時的に音を止める「ブレイク」を活用することで、楽曲に緩急をつけることができます。具体的な方法として、以下のようなアプローチがあります。

  • 楽器隊の演奏を一時的に止めて無音にする

  • ドラムを一時的に抜く

  • キックの「四つ打ち」だけが続くセクションを作る

  • ピアノとボーカルだけの区間を作る

このような変化を加えることで、曲にダイナミクスが生まれ、聴き手の印象に残りやすくなります。


・コードの変化のタイミングを工夫する

「1小節ごとにコードを変える」という形が続くと、曲が単調になりがちです。そのため、以下のようなバリエーションを取り入れると、より聴きごたえのある楽曲になります。

  • Aメロではワンコード、または2~3個のコードのみを使用(8拍ごとにコードを変更)

  • Bメロでは基本的に4拍(1小節)ごとにコードを変えつつ、小節をまたぐ形で8分音符のタイミングで「食う」形にする

  • サビでは2拍(小節の途中)でコードが変わるセクションを作る

コードを変える際にシンコペーションを使って8分又は16分のタイミングで「食う」形にするという手法も良く用いられています。

特に、2拍ごとにコードを変える際に「食わせる」ことで、楽曲の流れがスムーズになり、疾走感を演出できます。

また、曲の冒頭から頻繁にコードを変えると、落ち着かない印象になりやすいため、Aメロ→Bメロ→サビの順番で徐々にコードの変化の頻度を増やすことで、自然な盛り上がりを作ることができます。


・曲全体の緊張と緩和

楽曲の緩急をつける方法の一つとして、AメロやBメロをマイナー調にしてテンションノートを多めに取り入れ、「緊張感」や「不安感」を演出し、サビでメジャー調に転調してコードの構成音やペンタトニックスケールを活用することで「開放感」を出す手法があります。

また、逆にAメロやBメロを開放的な雰囲気にし、サビで「絶望的な緊張感」を演出するというパターンもあります。
どの部分で緊張を持たせ、どこで開放的にするのかは、歌詞の内容や楽曲のコンセプトに応じて決めるのがよいでしょう。


・ドラムやリズム楽器のフレーズを変える

ドラムやリズム楽器のフレーズを変化させることも、曲に緩急をつける基本的な方法です。

  • 「8ビート」と「2ビート」を使い分ける

  • ハイハットを裏打ち(裏拍で叩く)する

  • フィルインを活用する

バンド経験がない人にとっては、ドラムのパターンを考えるのが難しいかもしれません。
その場合、既存のドラム音源を活用すると便利です。例えば、

  • XLN Audio「Addictive Drums」

  • TOONTRACK「EZ DRUMMER」

これらの音源には、多くのドラムパターンが収録されており、初心者でも簡単にリズムパターンを試せます。

ドラム以外の楽器でも、演奏方法を変えることで緩急をつけることができます。

  • 鍵盤楽器(ピアノ、オルガン、シンセなど)はコードをベタ打ちせず、音を区切ってリズム感を出したり、アルペジオを取り入れる

  • ギターのカッティングを変化させる

楽器ごとの演奏パターンを学ぶには、実際にプロの楽曲をコピーしながら自分の中にパターンを蓄積していくのが効果的です。

「楽器を練習する時間がない」という場合には、

  • TOONTRACK「EZ BASS」

  • TOONTRACK「EZ KEYS」

といった、フレーズ作成をサポートしてくれる音源を試してみるのも良いかも知れません。


◇曲の構成について

日本のポップスでは、展開が多い曲が好まれる傾向があり、以下のような構成が一般的です。

  1. イントロAメロBメロサビ間奏AメロBメロサビ大サビ

  2. サビイントロAメロBメロサビ間奏大サビサビ

  3. サビAメロBメロサビ間奏Bメロサビ(落ち)サビ

これまでは「Aメロ」「Bメロ」「サビ」などのメリハリを明確にし、一聴してどのパートかが分かるように作ることが重要視されていました。

しかし近年では、「TikTok」や「YouTubeショート」などの短尺動画の影響が無視できない状況となり、海外の楽曲では 「どこを切り取っても動画で使える」「すべてのセクションがサビのようにキャッチー」 という特徴を持つ曲が増えています。

また、CDやMP3プレイヤーで音楽を聴くスタイルから、ストリーミングサービスへと主流が移行したことで、リスナーが次々とスキップしながら自分の好みに合う曲を探す傾向が強まっています。
そのため、曲の冒頭の数秒以内に興味を引けないとスキップされるリスクが高まっています。

このような状況では、「しっとりとしたイントロから始まり、ゆったりとしたAメロから徐々に盛り上がる」といった構成の曲は、再生されにくくなっています。そのため、

  • 曲の冒頭にサビを配置する

  • インパクトや中毒性のあるフレーズ・テーマの繰り返しを盛り込む

といった工夫が求められる時代になってきているように思われます。



・「各セクションの長さ」を意識して変えてみる

「Aメロ」「Bメロ」「サビ」などの曲構成は、基本的に8小節単位で作るのが一般的な考え方でした。

しかし最近では、「Bメロ」的な部分を 3小節、4小節、5小節、6小節、7小節 など、これまでの常識では「中途半端」と思われる長さにすることで、 「裏切り感」や「予測不能感」 を演出し、曲に緩急をつけたり、刺激的な雰囲気を作り出す楽曲も増えています。

ただし、使い方を誤ると 「素人っぽい」 印象になってしまうこともあるため、少し高度なテクニックではあります。
しかし、あえて各セクションの長さを8小節以外にする という手法があることを頭の片隅に入れておけば、必要な場面で効果的に活用できると思います。





◇コードボイシング

「コードの構成音の並べ方」を「コードボイシング」と呼ぶことがあります。

初心者のうちは、例えば「C」のコードを「ド、ミ、ソ」と基本形で並べることが多いかも知れません。
しかし、プロのアレンジでは、同じ「C」のコードでも「ミ、ソ、ド」と並べたり、「ミ」をあえて抜いたり、「ド、ミ、ソ」の上にさらに「ド、ミ」を重ねるなど、さまざまなボイシングを試しながら、最適な配置を選択します。

・コードの音域を同じ範囲に収める

コードの並び方を工夫する理由の一つは、曲全体の流れに統一感を持たせるためです。
何も考えずにコードを配置すると、曲の中で和音楽器の音域が上下に大きく動いてしまい、響きが不安定になりがちです。
その結果、聴き手に違和感を与えたり、まとまりのない印象を与えてしまうことがあります。

この問題を解決する方法の一つが、各コードの音域を同じ範囲に収めることです。
これにより、楽曲全体の流れが滑らかになり、より洗練されたサウンドに近づくことも多いです。
特に、「和音の構成音を1オクターブ内にまとめる方法」を「クローズボイシング」と呼び、これを意識するだけで楽曲のまとまりが格段に向上します。

・オープンボイシングとクローズドボイシング

各コードの音域を統一することが重要ですが、逆に各音が近すぎると、窮屈で素人っぽい印象を与えてしまうこともあります。
そのような場合は、各音を1オクターブ以上の範囲に散らし、広がりのある響きを作る「オープンボイシング」を取り入れると良いでしょう。

ボイシングのコツは、「横の流れ(コード進行)をスムーズにしつつ、縦の響き(コードの積み重ね)が適度に広がるように調整する」ことです。
例えば、「3度」の音を1オクターブ上げて、「ルート」を1オクターブ下げると、音域が広がり、厚みのある響きを得られます。

作曲の教本によっては、「コードは同じ範囲に収めるべき」とするものもあれば、「オープンボイシングを意識しろ」と推奨するものもあり、どちらが正解なのか分からなくなることがあるかもしれません。
しかし、これは楽曲の雰囲気やジャンルによって適切な選択が変わるため、一概にどちらが正解というものではありません。

また、複数のコード楽器が使われる場合には、バランスを取るために、ある楽器はクローズボイシング、別の楽器はオープンボイシングにするという手法も効果的です。
アレンジの幅を広げるためにも、状況に応じてボイシングの使い分けを意識すると良いでしょう。





・低音域で和音を鳴らさない

和音(コード)は低い音域で鳴らすと響きが濁りやすくなります。
そのため、ベースやチェロなどの低音楽器で和音を演奏する場合、低すぎる音域で和音を作らないよう注意が必要です。

どうしても低音域で和音を鳴らしたい場合は、3度を含めるのではなく、「完全5度」(ルート音から半音7つ分上の音)でハモらせるほうが自然な響きになります。

また、鍵盤楽器を使用する際は、「C4」(ヤマハ式表記、261.626Hz)を跨ぐようにコードを配置すると、音の濁りを抑えやすくなります。

・和音の構成音を近づけ過ぎない

テンションコードなどを使用する際、コードの各構成音が近すぎると響きが濁ることがあります。
この問題を回避するために、ギターの和音を参考にする方法があります。

ギターでは、以下のような開放弦の音域を活用して和音を作ります。

  • 6弦開放:82.407Hz(E2)

  • 5弦開放:110.00Hz(A2)

  • 4弦開放:146.83Hz(D3)

  • 3弦開放:196.00Hz(G3)

  • 2弦開放:246.94Hz(B3)

  • 1弦開放:329.63Hz(E4)

ギターのように、ある程度の間隔を空けて配置することで、響きをクリアに保つことができます。
鍵盤楽器でコードを作る際も、以下のような基準を意識すると濁りを抑えられます。

①E2以上、②A2以上、③D3以上、④G3以上、⑤B3以上、⑥E4以上


なお、国内で広く使われているDAW(Cubase、Studio One、Logic、GarageBand)では「C4=261.626Hz」(ヤマハ式)が一般的ですが、SONARやMelodyneでは1オクターブ上の国際標準表記、FL Studioではさらに1オクターブ上の表記が採用されていることもあります。
使用するソフトウェアによって違いがあるため、注意が必要です。


和音の構成音を間引く


演奏の都合でどうしても構成音が近くなり、濁ってしまう場合は、一部の音を抜くことで解決できます。
以下のような順番で構成音を整理すると良いでしょう。

① ルート音を抜く

ルート音はベースが担当していることが多く、倍音と重なって音が飽和しやすくなります。
特に、セブンスコードやテンションコードを使用する際、高音域でルートを鳴らすと7度・9度・11度の音とぶつかり、響きが悪くなることがあります。
そのため、ルートを抜くことで音の整理が可能です。


② 5度の音を抜く


5度の音は、コードのメジャー・マイナーを決定づける要素ではないため、抜いてもコードの基本的な機能は損なわれません。
また、ルート音と5度音は「3倍音」の関係にあり、一緒に鳴らすと力強い印象を与えます。
そのため、繊細な雰囲気を出したい場合には、5度を抜くとすっきりしたサウンドになります。

ただし、「aug(オーギュメント)」「dim(ディミニッシュ)」「♭5(フラットファイブ)」などのコードでは、5度の音が和音の特徴を決定づけるため、抜くことはできません。




③ 3度の音を抜く(パワーコード)


3度の音を抜くと、いわゆる「パワーコード」になります。これはロックやメタルのジャンルで頻繁に使われる手法です。

ルートと5度の音を同時に鳴らすことで、力強い印象を与えることができるため、繊細さよりもパワフルなサウンドを求める場合に適しています。
また、3度の音を省くことで、メジャーかマイナーかを気にせず演奏できるため、初心者にも扱いやすいコードとなります。

このように、音の配置や取捨選択を意識することで、コードの響きを調整し、クリアで洗練されたサウンドを作ることが可能になります。


◇共通音を使う

コードを作る際に「共通する音」を活用すると、コードのつながりがスムーズになり、浮遊感を持たせることができます。
これは、前述の「各コードの音域を同じ範囲に収める」考え方にも通じる部分があります。

例えば、ギターでは一部の弦を開放のままにしてコードを変えていくことで、共通音を活かした響きを作ることができます。
こうしたテクニックは、多くのアーティストの楽曲にも見られます。

具体的な例として、Vaundyの「怪獣の花唄」冒頭では、1弦の開放弦、2弦の3フレット、3弦の2フレットの音が共通音として用いられています。
この共通音があることで、6弦のルートが移動しても哀愁感や浮遊感が演出され、独特の雰囲気が生まれています。


鍵盤楽器で共通音を活用する場合は、まずコードを並べた後に、共通させやすい音を探すという順序で考えるとわかりやすいと思います。
3度や5度の音だけでは共通音を見つけにくいこともあるため、7度、9度、sus4、増5度、減5度、6度などを活用しながら、コード間で共通する音を探すことがポイントになります。

また、ピアノの伴奏ではコードを弾きながら、高音域でギター、ストリングス、シンセ、パッドなどが共通音を鳴らし続ける手法もよく用いられます。
特にエレキギターでは、オクターブ奏法を使って小節をまたぎながら同じ音を鳴らし続けるといったアプローチが頻繁に見られます。

このように、共通音を意識してコードを組み立てることで、より自然で洗練されたコード進行を作ることができます。


◇各パートのバランスを意識する

作曲の段階から各パートのバランスを意識した音作りを心がけることで、全体としてまとまりのある雰囲気を醸し出し、ミックス作業もスムーズに進めることができます。


・コード楽器を重ねすぎない(各パートが同じ帯域に集まらないようにする)

音が飽和して「前に出てこないな」と感じる場合、その原因は複数のコード楽器(ギター、鍵盤楽器、ストリングス、パッドなど)を詰め込みすぎていることにあるかもしれません。
曲作りを始めたばかりの頃は、コード(和音)を意識しすぎるあまり、あらゆる楽器にコードを入力しがちです。
しかし、何も考えずにコード楽器を重ねていくと、ボーカルの帯域である500Hzから2kHz周辺に音が集中し、お互いの音を潰し合うという残念な結果を招くことがあります。

コード楽器は原則として1種類あれば十分です。例えば、ギターコード中心のロック系の音楽であれば、鍵盤楽器は単音で鳴らす形でも十分ですし、鍵盤楽器によるコードを中心としたオシャレ系の音楽であれば、逆にギターを単音弾きにしたほうが全体としてはスッキリします。

それでも敢えて複数のコード楽器を重ねて使いたいという場合には、「音を鳴らす帯域」を意識することが重要です。
たとえば、ピアノ(またはギター)にストリングス(またはパッド)を重ねたい場合、ピアノ(ギター)がクローズドボイシングであれば、ストリングス(パッド)はオープンボイシングで広い帯域を使うと、音が飽和しにくくなり自然な響きを得られます。

また、コード楽器の音が飽和していると感じた時には、コードの構成音の一部を敢えて使わないという方法も有効です。
特にセブンスコードは4つの音(ルート、3度、5度、7度)全てを鳴らすと他の楽器やボーカルを邪魔してしまうことがあるので、7度以外のいずれかの音を抜いてあげるとスッキリします。
ドライアド(3和音)も常に「ルート、3度、5度」の全てを鳴らす必要はなく、必要に応じて2つの音だけ鳴らすという選択肢もあります。

その他、メタル系などの音楽ではエレキギターを複数回録音して左右に振って「ギターの壁」を作るという手法が用いられることがありますが、この時も意識的に「高域、中域、低域」と分けて録音したものを重ねてあげたほうが音が飽和しにくくなり、「壁感」を効果的に作り出すことができます。

・各パートが同じ帯域に集まらないようにする

高音域から低音域までバランスよく楽器を配置し、各パートが同じ帯域に集まりすぎないようにすることが重要です。
これにより、音の混雑を防ぎ、それぞれの楽器がしっかりと聴こえるクリアなサウンドを実現できます。


・同じ音色キャラクターに偏らないようにする

各楽器には「明るい音色」や「暗い音色」といった個性がありますが、これらの音色を偏りなく使い分けることも大事です。
例えば、明るい音色だけを使った曲や、暗い音色だけを使った曲は、バランスに偏りが生じ、メリハリのないサウンドになってしまうことがあります。

明るく元気な雰囲気の曲であっても、暗い音色を効果的に取り入れることで、深みや落ち着きを加えることができます。
逆に、重々しく暗い雰囲気の曲であっても、明るい音色を適度に使うことで、哀愁や切なさといった感情を演出することが可能です。
このように、音色のバリエーションを意識して曲作りを行うことで、より豊かな表現を実現できると思われます。


・アタック感(輪郭)が似たような楽器ばかりを使わない

各楽器には、打楽器や鉄琴、ベルのようにアタックが強い音色もあれば、ストリングス(ピッチカートなどを除く)やパッドのようにアタック感が少ない音色もあります。
これらの音色をバランスよく使い分けることが、曲全体の印象を左右する重要なポイントです。

アタックの強い「輪郭」のはっきりとした音色ばかりを使うと、聴いているうちに疲れやストレスを感じるようなサウンドになってしまうことがあります。
逆に、アタックの弱い音色ばかりを使っていると、ぼんやりとしたしまりのないサウンドになりがちです。
そのため、音のアタック感を意識して楽器を配置することも大切です。

例えば、Aメロでアタックの少ない楽器をメインに使った場合、サビではアタックの強い楽器を加えることで曲にメリハリをつけることができます。
また、アタックの強い楽器の裏でパッドなどのアタックの弱いサウンドを鳴らすことで、音の奥行きや広がりを演出することも効果的です。

一方で、意図的に「アタックが強い音だけを使う」という方法でインパクトのある楽曲を作ることも可能です。
ただし、この方法は難易度が高く、バランスを崩しやすいため、初心者のうちは「アタックが強い音」と「アタックが弱い音」をバランスよく配置することを心がけたほうが無難でしょう。

もし「アタック感が強すぎて聞いていて疲れてしまう」と感じる場合には、コンプレッサーやトランジェントシェイパーを使ってアタック感を調整する方法があります。

トランジェントシェイパーを持っていない場合や使い方が分からない場合には、マキシマイザーをトラックに入れて音を潰すことでアタック感を調整することも可能です。
ただし、この方法では意図せずにリリースタイムが伸びてしまうことがあるので、注意が必要です。


・強弱のバランスを意識する

音の「強弱」を意識することは、曲に生命感や感情を与える上で非常に重要です。
これは「アタック」(輪郭)とは別の要素であり、特にピアノやドラムのような楽器では、ベロシティ(音の強さ)の調整がサウンドの質を大きく左右します。

もしピアノやドラムの音源のベロシティが一定だと、機械的で無機質な印象を与えるサウンドになりがちです。
もちろん、意図的にベロシティを一定にすることで特定の効果を生み出すこともありますが、曲に「疾走感」や「タメ」といったニュアンスを加えるためには、ベロシティを細かく調整することも大事です。

特にピアノ系のソフト音源(プラグイン)の場合、デフォルトのベロシティ設定(100/120)では音が硬すぎることがあります。
そのため、「70~90」程度に調整することで、より自然で柔らかいサウンドを実現できる場合が多いです。
ベロシティの調整は、音源の特性や曲の雰囲気に合わせて丁寧に行うことが重要です。

もしこれまでベロシティの調整をあまり意識してこなかった場合、この部分に手を加えるだけで曲のクオリティが一気に向上することもあります。



◇フレーズ・テーマの繰り返しを意識する

プロが作る楽曲には、戦略的にフレーズやテーマの「繰り返し」が取り入れられていることが多くあります。この手法を活用することで、楽曲にキャッチーな印象を与え、リスナーの記憶に残りやすくなります。
結果として、思わず口ずさみたくなるようなメロディが生まれやすくなります。

例えば、TM NETWORKの名曲「Get Wild」では、イントロとサビのメロディが同じ構造になっており、さらにサビの中でも同じフレーズが繰り返されています。
作曲を手がけた小室哲哉さんは、インタビューの中で「意図的にメロディをシンプルにし、同じフレーズを繰り返すことで印象を強める作曲をした」と話されていました。

小室哲哉さんは、日本を代表する作曲家・音楽プロデューサーとして数多くのヒット曲を生み出しました。
その楽曲の多くには、「シンプルなメロディ」と「フレーズ・テーマの繰り返しを効果的に活用する」という特徴が見られます。
他のアーティストの楽曲を分析してみても、同様の手法が取り入れられている名曲が数多く存在することがわかります。

このように、メロディを作る際には、意識的に「フレーズ・テーマの繰り返し」を取り入れることで、より印象的で記憶に残る楽曲を作ることができます。


一方で、曲全体に共通するフレーズがまったくないと、メロディが散漫になり、リスナーの記憶に残りにくくなります。
その結果、「素人っぽい」楽曲に聞こえてしまうこともあります。ただし、繰り返しを取り入れる場合は、「Aメロ」「Bメロ」「サビ」など各セクション内で行うのが効果的です。

「Aメロ」で使ったフレーズやテーマを「Bメロ」や「サビ」にも頻繁に登場させてしまうと、リスナーが飽きてしまう可能性があります。
また、メロディ自体が異なっていても、複数のセクションで同じタイミングの音を繰り返し使うと、単調に感じられやすくなります。

例えば、「Aメロ」で「8分→付点8分→8分」というリズムパターンのフレーズを繰り返した後に、「サビ」でも「8分→4分→8分」というリズムのフレーズを多用すると、新鮮味が薄れ、サビの盛り上がりが弱くなってしまいます。
そのため、「Aメロ」「Bメロ」「サビ」などの各セクションごとに、メロディのタイミングやリズムを変えることで、楽曲に緩急をつけ、飽きにくい構成にすることが重要です。

このように、フレーズやテーマの繰り返しを効果的に取り入れつつ、各セクションでバリエーションを持たせることで、印象的で記憶に残りやすい楽曲を作ることができます。



◇2番を1番のコピペで終わらせない

2番を1番の単なるコピーで終わらせてしまうと、リスナーに「手を抜いている」「つまらない」と感じさせてしまう可能性があります。
「Aメロ→Bメロ→サビ、Aメロ→Bメロ→サビ」といった構成の楽曲においても、2番には適度な変化を加えることが重要です。

「フレーズ・テーマの繰り返し」を活用することは大切ですが、1番と2番のメロディが同じであったとしても、アレンジに工夫を凝らすことで新鮮さを保つことができます。
例えば、ドラムのパターンを変えたり、ベースラインに変化をつけたり、和音楽器のボイシングやコードを少し変えるだけでも、楽曲に奥行きを持たせることができます。

また、曲の中に「1回しか登場しない音」や「一度だけのフレーズ」を意図的に取り入れると、リスナーはその瞬間をもう一度聴きたいという気持ちになり、何度も再生してくれる可能性が高まります。
こうした意外性のある要素を盛り込むことで、楽曲の魅力がさらに増します。

変化をつける方法が思い浮かばない場合は、1番を繰り返し聴いてみるのも有効です。
何度も聴いているうちに、「ここを変えてみたい」と感じる部分が自然と見つかることが多いため、アレンジのヒントを得ることができると思います。


◇曲の始まり・終わりの音を意識する


曲を作る際には、楽曲の始まりと終わりの音を意識することが重要です。「最初はCメジャースケールで作る」という項目でも少し触れましたが、基本的にハ長調(Cメジャースケール)の場合、楽曲の冒頭や終わりの音は「C(ド)」、イ短調(Aマイナースケール)の場合は「A(ラ)」が基本となります。

もちろん、必ずしも「ド」や「ラ」から始めたり終えたりする必要はありません。
楽曲によっては別の音を用いることで独特の雰囲気を演出することも可能です。
しかし、Aメロ・Bメロ・サビのすべてが「ド」や「ラ」以外の音で始まり終わると、曲のキーが曖昧になり、聴き手にとって落ち着きのない印象を与えてしまうことがあります。

楽曲のキーを意識し、基本的には「ド」または「ラ」の音で始まり終わるようにすることで、楽曲のまとまりが生まれ、「素人っぽさ」を避けることができます。

もし曲のキーを判断するのが難しい場合は、DAWやキーボードのトランスポーズ機能を活用し、「Cメジャースケール」を基準に作曲すると良いと思います。
これにより、「ド」と「ラ」の位置がすぐに把握でき、作業の効率も向上します。




◇パンニング

DAWのミキサーには「PAN」と書かれたノブ(フェーダー)があり、左右のバランスを調整する役割を持っています。

基本的に、ボーカルやピアノ・ギターのソロ、ベース、キック(バスドラム)などの低音楽器はセンター(C)に配置するのが一般的です。
ボーカルに関しては、左右から交互に聞こえるようにパンニングを工夫する演出もありますが、ベースやキックなどの低音楽器を左右に振ると、サウンド全体が不安定になり、素人っぽい仕上がりになってしまうため注意が必要です。

ハモリは左右に少し振ったり、イメージャーなどのエフェクトを使って広がりを持たせることがあります。

ピアノやギターなどのバッキングは左右に振ることで、ステレオ感を演出し、音の広がりを生み出すことができます。

同じ音を左右に振るだけでは「真ん中」から聞こえてしまうため、異なる音色を左右に配置することで、より立体的で奥行きのあるサウンドを作ることができます。
特にギターを録音する際には、同じフレーズを2回以上演奏し、異なるテイクを左右に振ることで厚みのあるサウンドを実現できます。

メタル系の楽曲では、ギターを複数回録音し、それぞれを左右に振ったうえでコンプレッサーを強めにかけることで、「音の壁」と呼ばれる迫力のあるサウンドを作り出すこともあります。


◇位相の問題

パンニングと関連して「位相」の問題に注意をする必要があります。

DAWには「位相」を反転させるスイッチが搭載されていることがあり、左右の音の位相を逆にすると、ヘッドホンで聴いた際にステレオ感の強いサウンドを得られることがあります。
しかし、このように位相を反転させた音は「逆相」と呼ばれ、モノラルで再生すると音が消えてしまったり、スピーカーで聴いた際に奥に引っ込んだようなサウンドになってしまうことがあります。

位相の問題は、単に「位相を反転させるスイッチ」を押したときに発生するだけでなく、複数のマイクを使って楽器を録音した際や、ソフト音源の音色をレイヤーしたときにも起こることがあり、扱いが難しい厄介な問題のひとつです。

特に初心者のうちは、この位相の問題を自力で解決するのが難しいこともあるため、以下のポイントを意識するとリスクを減らせます。

・ヘッドホンだけでなくスピーカーを使って音をチェックしたり、モノラルで音をチェックすることを習慣にしておく

・(必要がない場合には)位相を反転させるスイッチを押さない

・音色をレイヤーして音が引っ込んだら他の音色の組み合わせを試してみる

ギターのバッキングを録音する時は2回以上録音して左右に振る

といったことを心がけておくと位相による「事故」を起こすリスクを少なくすることができると思います。


「曲から素人っぽさはだいぶ消えたものの、何か物足りない」と感じる場合は、以下のような別の工夫を検討するのも良いと思います。

◇音をレイヤーしてみる

これまで何度か触れていますが、音をレイヤーすることも有効な方法の1つです。

最近の音源は性能が向上しており、単体でも十分に厚みのある音を出せるものが増えています。
しかし、より迫力のあるサウンドを作るために、複数の音を重ねる(レイヤーする)手法がよく使われています。

特にロックやメタルのギターサウンドでは、同じフレーズを複数に分けて録音し、それぞれを左右に配置したり、高音域と低音域で分けたりすることで、厚みのある力強い音を作り出すことがあります。

ギターに限らず、シンセサイザーの音が細く感じる場合も、別の音色を重ねることで太く力強いサウンドにすることが可能です。
ドラムの音が軽く感じたり、迫力が足りないと感じた場合には、プラグイン音源だけでなく、サンプルパックの単音スネアやキックをサンプラーで重ねて補強することで、より存在感のある音に仕上げることができます。

ただし、音をレイヤーする際には「位相」の問題に注意が必要です。
位相とは音の波の位置のことで、異なる音源を重ねた際に位相が反転してしまうと、音が小さくなったり、迫力がなくなったりすることがあります。

この現象は、ノイズキャンセリングイヤホンを想像すると分かりやすいと思います。
イヤホンが周囲の音と逆位相の音を発生させることでノイズを打ち消すのと同じように、音をレイヤーした際に不要なキャンセルが発生し、意図しない薄い音になってしまうことがあるのです。

位相の問題を解決する方法としては、DAWの「位相反転」ボタンを試してみる、シンセサイザーの内部で位相を調整する、または位相補正用の専用プラグインを活用するなどがあります。
ただし、最初のうちはこれらの調整が難しく感じることもあると思います。
そのため、音を重ねた際に「音が小さくなった」「細くなった」と感じたら、別の音を試すといったシンプルな対応を心がけるだけでも良いかも知れません。

他方で、音を重ねすぎると逆にまとまりが悪くなり、混雑した聴きづらいサウンドになってしまうこともあります。
レイヤーを加えた後は、音の太さだけでなく、全体のバランスが適切かどうかも確認し、必要に応じて調整することが大事だと思います。


◇オブリガート・オカズ・フィルインを入れる

ボーカルなどのメインメロディの隙間や、長く伸ばしたフレーズの終わりに、ピアノやシンセ、ギターなどで短いフレーズを加えると、プロっぽい仕上がりになります。
この「合いの手」のようなフレーズは「オブリガート」「オブリ」「オカズ」「フィルイン」などと言われることがありますが、ポップスの「オカズ」とクラシックの「オブリガート」は意味合いが違ったりしますし、ボーカルよりも「合いの手」のほうがメインになるパターンもあるので、名称について深く気にする必要はないと思います。

それよりも「合いの手を入れると良い感じになる場合がある」ということを覚えておくことが大事だと思います。

以前に「メロディの詰め込み過ぎ」や「息継ぎのタイミングが少ない」のは良くないという話をしましたが、逆にメロディに余裕を持たせると「メロディとメロディの隙間が気になるな・・・」「メロディラインだけだと物足りない、寂しい」と悩むこともあったりします。
そのような時に「メロディと掛け合うような形で合いの手を入れると良い感じになることがある」ということを頭に入れた上で、「合いの手」を入れるという方法を試してみると良いと思います。


◇楽器の音の「長さ」を意識する

前述で「メロディの長さを意識する」という話をしましたが、作曲に慣れてきたら「楽器の音の長さ」にも注目すると、より洗練されたサウンドを作ることができます。

メロディやフレーズは、基本的に「線」が連なるように作られますが、すべての楽器の音が同じように「線」の要素ばかりになると、サウンドがごちゃごちゃしてしまい、それぞれの音の棲み分けが難しくなります。
そんなときは、「音の長さ」を調整し、「点」の要素を活用すると、よりクリアでバランスの取れたアレンジになります。

・シンセの「プラック」(Pluck)、弦楽器の「ピッチカート」、鍵盤楽器の「スタッカート」、アタック感が強くリリースの短い「ベル」「グロッケン」「シロフォン」系のサウンドなど、「点」で繋ぐことができる音色を活用してみる

・伴奏で使う楽器の音数を減らしてシンプルにしてみる

・和音楽器のコードの構成音を減らして1音 or 2音程度にしてみる

・音と音の間のタイミングを大きくしてみる

といった方法を試すことで問題が解決していくことがあります。

また、ベースの音を短く区切ることでリズム感を強調したり、ギターのリリースタイムを調整することで疾走感を演出したりすることもできます。
細かい調整をする際には、コンプレッサーやトランジェントシェイパーなどを活用することもあります。
最初のうちは分かりにくいかもしれませんが作曲に慣れてきたら、各楽器の音の「長さ」を意識しながらアレンジすることで、より表現の幅が広がっていくと思います。


◇FX(効果音)を活用してみる

市販の楽曲の中には「スイープアップ」「スイープダウン」「インパクト」などのFX(効果音)が随所に使用されている楽曲も少なくありません。
もし曲が平坦に感じられる場合は、サビの前に「スイープアップ」を加えたり、サビの開始地点に「スイープダウン」と「インパクト」を挿入したりすることで、楽曲のメリハリを強調し、盛り上がりを演出できます。

FX(効果音)は単に貼り付けるだけでなく、エフェクトをかけて細かく調整したり、異なる長さや音色のものを重ねて音に厚みを出したりする工夫も大切だと思います。
また、シンセサイザーやドラム音源を組み合わせることで自作することも可能ですが、作り方が分からない場合は、Spliceなどのサブスクリプションサイトから適したFXをダウンロードするのも良い方法です。

ここからは、代表的なFXの種類とその使い方について説明していきます。

インパクト(Impact)

バンド系の楽曲では、サビの頭などにクラッシュシンバルを入れることが多いですが、EDM系の楽曲では特に「インパクト」をアクセントとして使用することがあります。
楽曲の構成を強調し、ダイナミクスを生み出すために効果的です。

リバース(Reverse)

「リバース」というFXとしては、シンバルやインパクトを逆再生したものなどがあります。
徐々に音量が大きくなるフェードインサウンドのため、サビ前の盛り上げや期待感を持たせたい場面に適しています。

キック(Kick / Boom)

バンド系のドラマーがシンバルを叩く際に同時にキックを踏むように、インパクト系のFXを使用する際も、中低域に厚みを与えるためにキックのサウンドを加えると、バランスの取れた仕上がりになります。「Boom」といった名称で呼ばれることもあります。キック系のサンプルは低音域が豊富なため、ベースと重なりやすい傾向があります。
そのため、ベースにサイドチェインをかけるか、キックの100Hz以下をローカットするなどして、低域のバランスを調整すると良いでしょう。

ダウン / ドロップベース(Down / Drop Bass)

ベースの音が「ドゥゥゥーン」と下がっていくような重心の低いFXは、楽曲の展開にメリハリをつけるために効果的です。
Spliceなどで検索する際は、「down」「drop」「slide」などのキーワードを使うと適したサウンドが見つかります。
また、ローパスフィルターを使用して高域をカットすると、音が丸みを帯びた落ち着いたサウンドになります。

自作する場合は、音源の説明書を参考にスライド奏法の入力方法を確認する必要があります。ピッチベンドを使用する方法や、特定の鍵盤を押すことでスライド奏法が再現できる音源もあります。

ライザー / スイープ(Riser / Sweep)

「ライザー」「スイープ」は、「ダウン」「ドロップ」とは逆に、楽曲を盛り上げるためにピッチや音量が徐々に上昇していくFXです。
フィルターを少しずつ開いていくことで、暗めのサウンドから明るいサウンドに変化させたり、モジュレーションを加えてシュワシュワとした効果を与えたりする方法がよく用いられます。

ライザーサウンドを作成する際は、ピッチベンドを活用して徐々に音程を上昇させるのがポイントです。
また、LFOを使用してパーカッションのようなリズム感を与えたり、オートパンを適用することで左右の広がりを演出することもできます。
こうした工夫によって、よりユニークなサウンドを生み出すことが可能です。



◇エフェクトを効果的に使う

曲のクオリティを向上させるためにはエフェクトを効果的に使用することも有効です。
以下に、エフェクトを使った具体的な手法を紹介します。


  1. イコライザーでの帯域調整

    • 各楽器の不要な帯域をイコライザーで削ることで、音のクリアさを向上させます。

  2. サイドチェインの活用

    • ベースとキックの周波数が被らないように、サイドチェインを使ってかぶりを解消します。

  3. イメージャープラグインでの広がり調整

    • コード楽器にイメージャープラグインを使用し、左右の広がりを調整することで、音場を広げます。

  4. チャンネルトリップやコンプでのまとまり

    • レイヤーしたサウンドにチャンネルトリップやコンプレッサーを使用し、音のまとまりを与えます。

  5. ディストーションやサチュレーターでの強調

    • キックなどにディストーションやサチュレーターを挿し、音を前に出すことでインパクトを増します。

  6. ドラムのパラアウト処理

    • ドラムをパラアウトし、パンやエフェクトを個別に調整することで、細かいニュアンスをコントロールします。

  7. アルペジオの左右振り

    • アルペジオを左右に振ることで、音の動きを強調し、曲に立体感を与えます。

これらの細かい作業を施すことで、曲の印象が大きく変わります。


◇スイングさせる(ハネさせる)

曲作りがマンネリ化してきたと感じたときには、スイングを取り入れてみるのも一つの手です。
スイングとは、基本的に1拍を三連符で分解し、その三連符の真ん中の音(2個目の音)を抜いて演奏することで、「タッタ・タッタ・タッタ・タッタ」というハネたリズムを作り出す手法です。

バンドなどで演奏する際にスイングがぴったりハマると、非常に心地よいリズムが生まれます。
しかし、DTMでスイングを再現しようとすると、少し難しさを感じることがあります。
その理由は、スイングのパターンが一概には決まっていないからです。
三連符のグリッドに合わせてしっかりと「ハネる」パターンもあれば、通常の8分音符に近い形で少しだけ「ハネる」パターンもあるため、再現には細かい調整が必要になります。

スイングを作る方法としては、地道に手作業で一つひとつ音符を調整する方法もありますが、多くのDAWには自動でスイングを適用する機能が備わっています。
また、XLN Audioの「XO」のようなドラム系の音源では、ツマミを動かすだけで簡単にスイングを調整できる機能が搭載されているものもあります。
こういった機能を活用することで、手間をかけずにスイングを表現することができるので、試してみると良いと思います。



◆曲の終わらせ方

曲の最後をどのように締めくくるかは、作曲において重要な要素の一つです。
定番の方法としては、「ド」または「ラ」をルートにしたコード(ハ長調やイ短調の場合、「C」または「Am」)で「ジャーン」と各楽器を鳴らすことで、「終わった感じ」を演出できます。
これは聴き手に自然な終わりを感じさせる効果があります。

しかし、予定調和的な終わり方が物足りないと感じる場合には、以下のようなアレンジを加えることで、より個性的な終わり方を表現することができます。

  • テンポを落とす
    曲の最後だけテンポをゆっくりと落とすことで、余韻を残しながら終わらせる方法です。

  • シンコペーションで食い気味にする
    最後の「ジャーン」をシンコペーションで少しずらすことで、リズムに変化をつけ、印象的な終わりにすることができます。

  • 「ファ」をルートにしたコードで終わらせる
    ハ長調やイ短調の場合、「F」のコードで終わらせることで、少し意外性のある終わり方を演出できます。

また、自分の好きなアーティストの曲を聴いて、どのような終わらせ方をしているかを研究するのも非常に有効です。
さまざまな終わらせ方を学ぶことで、自分の曲に活かせるアイデアが見つかるかもしれません。



◆ジャンルによる曲の作り方の違い

これまで「曲の作り方」について総花的に説明してきましたが、作りたい曲のジャンルによって細かい違いもあります。
その点について、簡単に説明していきたいと思います。


◇EDM・ダンス系

ポップスやロック系の曲を作っている人の中には、「EDM・ダンス系の曲は自分には関係ない」と考えている方も少なくないかもしれません。
しかし、現代の海外の楽曲では、ポップスやロック系の曲にもEDM・ダンス系の要素が取り入れられていることが多く、EDM・ダンス系の基本的な考え方を理解しておくことで、曲作りの幅を広げることができます。

また、EDM・ダンス系は初心者にとって取り組みやすいジャンルでもあります。
サンプル音源を並べて曲を作る方法と相性が良く、コード構成もシンプルにしやすいため、作曲を始めたばかりの方にはEDM・ダンス系の曲作りを意識することがおすすめです。


・コードよりも単音(ライン)を積み重ねるイメージ

日本の伝統的なポップスではコード進行が重要視されることが多いですが、EDM・ダンス系の楽曲では、コードよりも単音やラインを積み重ねるイメージで作られることが多いです。
そのため、「キック」「クラップ」「シンセ」「ベース」といった個々のサウンドの音色選択や、レイヤーの有無が非常に重要になってきます。

料理に例えると、EDM・ダンス系は職人が作る和食に近いイメージです。
一つひとつの素材(キック、クラップ、シンセ、ベースなど)の味(音色)を重視しつつ、シンプルに構成されている点が特徴的です。
また、メロディも「フレーズやテーマの繰り返し」を意識したものが多く、キャッチーなメロディを何度も繰り返すことで「ノリやすい・踊りやすい曲」に仕上げていることが多い印象です。



◇アニソン・アニメ主題歌系

日本のアニメの主題歌やエンディングテーマに採用されている楽曲は、非常にハイクオリティで手の込んだものが多く、さまざまなテクニックが詰め込まれています。
そのため、音楽制作の勉強としても非常に参考になります。

その理由の一つとして、アニメの主題歌は基本的に90秒(厳密には89秒)という短い時間の中で、起承転結を明確にし、アニメの世界観を表現する必要があるからです。
この制約があるため、曲作りには緻密な計算と工夫が求められます。

「アニソン」と一口に言っても、その種類は多岐にわたります。
古い時代のゴリゴリのアニソンから、アーティストがタイアップとして提供しているアニメの主題歌やエンディングテーマまで、さまざまなスタイルが存在します。
ここでは、アニメの中で用いられる歌モノの楽曲に広く見られる特徴や工夫について触れていきたいと思います。

前記の「◇曲に「緩急」を付ける」という項目で説明した事項と重複する内容も多いため、そちらも適宜参照していただければです。


・1番のサビ終わりまでの曲の長さは「89秒」

アニメの主題歌やエンディングテーマの場合、曲の長さは基本的に「89秒」に指定されています。

この「89秒」はイントロから1番のサビの終わり、または1番のサビ後の間奏の終わりまでの長さです。

もし将来的にアニメ系の楽曲のコンペに参加してみたいという場合には「89秒」という曲の長さは頭に入れて曲を作っていくと良いと思います。


89秒以内に収めるための曲の構成はさまざまですが、初心者にとって作りやすい構成としては以下のようなパターンが挙げられます。

  • サビ → Aメロ → Bメロ → サビ(→間奏・エンディング)
    この構成はシンプルで、リスナーに印象を残しやすいです。

その他の構成例としては、以下のようなパターンも考えられます。

  • イントロ → Aメロ → Bメロ → サビ(→間奏・エンディング)
    イントロから始めることで、曲の世界観をすぐに伝えることができます。

  • サビ → 間奏 → Aメロ → Bメロ → サビ(→間奏・エンディング)
    最初にサビを持ってくることで、リスナーをすぐに引き込むことができます。

  • サビ → Aメロ → Bメロ → サビ → Aメロ(→間奏・エンディング)
    最後にAメロを持ってくることで落ち着いた印象で曲を終わらせることができます。

最後のサビは、53秒~60秒あたりで始めると、89秒という枠にちょうど良く収まることが多いです。
ただし、89秒という制限の中で曲を終わらせるのはなかなか難しく、BPMで調整しようとすると中途半端な単位になってしまうこともあります。

そんな時には、1番の最後に楽器全体で「伸ばす部分」(例:ジャジャーンなど)を入れると、89秒という枠にぴったりと合わせやすくなります。


・「ブレイク」「キメ」が入っていることが多い

アニメ系の楽曲では、サビの直前に楽器隊の音が無音に近い状態になったり、一部の楽器だけが鳴っている「ブレイク」というテクニックがよく用いられます。
また、「ジャ・ジャ・ジャ」や「ジャン・ジャ・ジャン」といったいわゆる「キメ」が挿入されることも多いです。

「ブレイク」や「キメ」を活用することで、曲に緩急をつけることができ、リスナーに転調や変化の準備を促す効果があります。
これにより、曲のバリエーションが広がり、より印象的な展開を生み出すことが可能になります。

さらに、アニメ系楽曲に限らず、「ブレイク」や「キメ」があることで、映像制作においてもインパクトのあるシーンや動きを盛り込むことが容易になります。
映像の世界観を切り替えるタイミングとしても有効であり、映像制作者の立場からも曲の中に「ブレイク」や「キメ」を入れるよう求められることもあります。


・食わせる(シンコペーション)が多い傾向がある

アニメの主題歌には、「食っている」(小節を跨ぐ形で前倒しで演奏する、いわゆる狭義のシンコペーション)楽曲が多い傾向があります。
この「食わせる」テクニックを使うことで、曲に「疾走感」を与えることができ、これから始まる物語に対する「期待感」を演出することができます。

また「食っている」アニメ曲が多いのは、アニメの楽曲において長さを89秒に収める必要があることが要因の1つかも知れません。

例えば、疾走感のある曲を作りたい場合、単純にBPMを200前後に上げてしまうと89秒という枠の中で上手く尺を調整することができなくなることがあります。
しかし、BPMを140前後に抑えつつ「食わせる」ことで、BPM以上に曲に「疾走感」や「スピード感」を与えることが可能です。

さらに、ボーカルの観点から見ても、BPMが速すぎる曲よりも適度なテンポの曲の方が歌いやすいという利点があります。
特に、「どのようなスキルを持ったボーカルが歌うか分からない」という状況では、BPMを抑えつつ「食わせる」ことで疾走感を演出するテクニックは非常に便利です。
これにより、歌い手の負担を軽減しつつリスナーに疾走感を伝えることができます。



・各セクションの緩急、区別がハッキリしている

アニメ系の楽曲では、「AメロはAメロらしくあるべき」「BメロはBメロらしくあるべき」、そして「サビは一聴してサビと分かるくらい盛り上がるべき」というように、各セクションの緩急や区別がはっきりとしていることが多いです。

このような構成が求められる背景には、アニメの物語が「起承転結」で展開されることが関係しているのかも知れません。
映像が「起承転結」で表現されるため、曲にもそれに合わせたメリハリをつける必要があるのだと思われます。
また、約89秒という短い時間の中でリスナーを飽きさせずに最後まで聴かせるためにも、各セクションに明確な役割を持たせることが重要になるものと思われます。

前述の「曲の構成について」という項目で、「最近は全てのセクションがサビっぽく聞こえる曲も増えてきた」という話をしましたが、アニメ系の楽曲では、必ずしも全てのセクションを「サビ的」にすることが求められていないケースも多いように思われます。



◆作曲の方法の勉強の仕方

曲をいくつか作っていると、「もっとスキルアップしたい」「知識を増やさないと同じような曲ばかりになりそう」と悩む場面が出てくるかもしれません。
そんな時には、YouTubeなどでさまざまな人の話を聞いてみるのも良いですが、本を使ってじっくりと作曲の勉強をしてみることもおすすめです。

本を購入したら、ただ読むだけで終わらせるのではなく、そこに書かれている知識やテクニックを実際に試して曲を作ってみることが大事です。
理論や手法を実践することで、より深く理解し、自分のものにすることができます。
例えば、コード進行のパターンやメロディの作り方、リズムの工夫など、本で学んだ内容を曲に反映させてみると、新しい発見や気づきが得られると思います。



◆作った曲を人に聴いてもらう方法


作曲をする上で「クオリティの高い作品を作ること」よりも、「作った作品を多くの人に聴いてもらうこと」のほうが実は難しかったりします。

曲を多くの人に聴いてもらえる機会に恵まれる人は、機会を与えられたことに恩義を感じて感謝の気持ちを忘れずにいる人が多いです。

曲を聴いてもらう場面はいくつかありますが、「曲を聴いてもらう場」というのは、多くの人の協力のもとで成り立っていることが多いです。

例えばライブなどで、ライブを準備してくれた関係者に対して謙虚な態度で感謝の気持ちを伝えられる人は、その後もライブやイベントに呼ばれる機会に恵まれることも多く、曲を聴いてくれる人も少しずつ増えていく傾向があります。

他方で自分の能力を過信してしまい他の人に横柄な態度を取ってしまったりすると、次第に他の人に曲を聴いてもらう機会は減っていってしまうかも知れません。

人間関係や協力の重要性を理解し、周囲への感謝を忘れないことが、長期的に活動を続ける上で大切かも知れません。

前置きが長くなりましたが、ここからは「曲を聴いてもらう場所」について、いくつか紹介していきたいと思います。

◇ライブ

ライブは、オリジナル曲を他の人に聴いてもらう昔ながらの方法です。

ネットと違ってリアルで人と対面する形で曲を聴いてもらうため、人間関係が広がりやすく、新たに曲を聴いてもらえる場(別のライブやイベント)などに繋がりやすいというメリットがあります。

また対バン形式(1つのライブの複数のバンドが出るイベント)であれば、他のバンドを見に来たお客さんにも曲を聴いてもらえる可能性があるため、新たなファンを獲得するチャンスもあったりします。

デメリットとしては、曲を聴いてもらえる人の数の限度があること、聴いている人が自分の作った曲にハマるとは限らないこと、などの点で、ネットに比べると効率が悪い側面があるという点です。

Youtubeなどにアップした場合、運が良ければ数日で数百~数千再生されることもありますが、アマチュアが出演するライブはお客さんが100人いればかなり多いほう、少ない時は数人しかいないことも珍しくありません。
そのため、チケットノルマを達成するために頑張ってライブに出たものの、曲を聴いてくれる人が少なかったという状況はよくあります。

また対バン形式のライブの場合、他のバンドとのジャンルに食い違いがあると、お客さんが自分の曲に興味を全く示してくれないということもあったりするので、「ターゲット」を絞りにくいという点で効率が悪いこともあります。

さらに自分の曲をライブで演奏する場合、バンドメンバーを集めることができるか、という問題もあります。

コピーバンドの場合には比較的メンバーは集めやすいですが、オリジナルバンドの場合には、メンバーの好みが割れることも多く、自分の曲を演奏してくれるメンバーがなかなか見つからないというケースもあります。

そんな時にはDAWやMTRに演奏データを入れて同期演奏をすることで、少ないメンバーでライブに出るという方法もありますし、いざとなったら1人でライブに出るという方法も可能です。

1人でライブに出るのは勇気がいることですが、対バンイベントでは意外にも1人でライブに出ているベテランのミュージシャンがいることもあります。
1人で演奏する場合、音楽のカラーが散らばることがないため、お客さんに与える印象が強くなり、覚えてもらいやすいというメリットもあります。


◇Youtube・ニコニコ動画

現在ではライブよりもYoutube・ニコニコ動画などに曲をアップして聴いてもらうケースのほうが多いかも知れません。

初めてYoutube・ニコニコ動画に曲をアップしても数回~数十回しか再生されずショックを受けることも多いと思います。

しかし、必ずしも「再生数が少ない=曲のクオリティが低い」とは限りません。
とんでもなくハイクオリティな曲をアップしている人でも、100回程度しか再生されていないというケースもよく見かけます。

その理由は、YouTubeやニコニコ動画には既に大量のオリジナル曲が溢れており、アルゴリズムにうまく引っかからなかったり、おすすめ動画に表示されなかったりすると、そもそも人の目に留まらないからだと思われます。
それでも、曲を聴いてもらいたいという強い気持ちがあるならば、アルゴリズムに愛される日を信じて、めげずに何度も曲をアップし続けるしかありません。

ちなみにアマチュアの場合、オリジナル曲よりもカバー曲の方が再生されやすい傾向があります。
そのため、最初のうちは流行曲のカバーをアップし、登録者数が増えてきたら少しずつオリジナル曲を増やしていくという作戦も有効です。

ただし、せっかくチャンネル登録をしてくれた人でも、自分の好きなジャンルの曲をアップし続けないと離れていってしまうことがあります。
そのため、カバー曲でもオリジナル曲でも、1つのチャンネル内ではできるだけジャンルや雰囲気を統一させた方が、再生数は伸びやすい傾向があります。

◇TikTok・Youtubeショート

TikTokやYoutubeショートはアップすると一定の人に表示される仕組みになっているようで、最初のうちはYouTubeやニコニコ動画よりも再生数が伸びやすい傾向があります。また、曲が短くても問題ないため、サクッと作った数十秒程度のオリジナル曲を気軽にアップできるのも大きなメリットです。

しかし、YouTubeやニコニコ動画とは異なり、TikTokやYouTubeショートは、アップした当初は好調でも、数日経過すると全く再生されなくなることが多いです。
そのため、YouTubeやニコニコ動画とTikTok・YouTubeショートを併用し、それぞれのプラットフォームのメリットを活かし合う形で登録者数や再生数を伸ばすことを目標にした方が良いと思います。



◇SoundCloud

SoundCloudは最近あまり元気がないプラットフォームですが、動画にせずに音声ファイルのまま気軽にアップできるサイトです。

どちらかというと海外の人が好きそうなEDM・ヒップホップなどのほうが聴いてもらえる傾向があります。


◇楽曲ストックサービス

楽曲ストックサービスサイトでは、自分の作った曲をアップロードして販売したり、サブスクリプションの中でダウンロードしてもらうことで収入を得ることができます。
一定のクオリティの曲を作れる人であれば、幅広い人に曲を聴いてもらえるだけでなく、他の人が自分の曲を使ってくれることに喜びを感じることもできるかも知れません。

楽曲ストックサービスサイトとしてはAudiostockAudiojungleなどが有名です。


私自身も以前から自分の作った曲や効果音をストックサービスサイトにアップしており、毎月数万円程度の収入が得られています。

最近はサボり気味ですが、それでも一度アップした音源が使われることで毎月収入が入ってくるため、その収入を元に新しい機材やプラグインを購入し、さらに曲を作って売るという無限ループを実現することも可能です。

また、TikTokで海外の人が自分の曲で踊っているのを見たり、アニメの中で自分の曲が劇伴として急に流れてきたりすると、作曲をしていて良かったと心から感動することもあります。

ただし、ストックサービスのデメリットとして、曲を販売する際に審査があるため、初心者の方は審査に通りにくいという点が挙げられます。

さらに、「自分が作りたい曲を作る」というよりも、「ニーズの高い曲を作る」という意識が必要になるため、すべての人に合う方法とは言えません。


◇リアルの音楽サークル

現実世界で対面する形の音楽サークルに入るのも、自分の曲を聴いてもらう方法の1つです。

サークルに入って曲を聴いてもらうことで、他のメンバーから作曲や編曲を頼まれたりすることもあったりしますし、リアルで人と関わりながら音楽をやりたい人にはモチベーションを維持しやすい方法だと思います。

◇ネット上のコミュニティ

DiscordなどにはDTM系のコミュニティが複数あり、そこに参加することで自分の作った曲をアップして他の人に聴いてもらえたりします。

ただコミュニティによっては「いいね」は付けてもらえるものの、具体的なアドバイスや感想はなかなかもらえないということもあり、リアルのコミュニティに比べると、他の人が自分の曲についてどのような印象を持っているのか分かりにくいという側面はあります。




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