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はじめてのお金と、7歳のアンガーマネジメント

私がはじめて自分でお金を出して買ったものは、カメラの形をしたおもちゃだった。昔はフィルムのカメラしかなかったので、写真は運動会とかおでかけとか、特別なときに撮ることが多かった。
だからこそ当時7歳くらいだった私は、たとえおもちゃでも「自分だけの特別なカメラ」を持ちたかった。

お小遣いを握りしめて、家の一番近くの「セブンイレブン」に、ひとりで買いに行った。でもレジであとほんの少しだけお金が足りないと言われた。
恥ずかしい。たった1円でも、お金が足りなければ売ってもらえない。その時、私ははじめてお金の厳しさを知った。

でも諦めきれなかった私は、お金を貯めてもう一度買いに行った。ようやく手に入れることができた時の、あの誇らしさと嬉しさは、今でも覚えている。

ところが私は一時的な感情で、その大切なカメラをたった数日後には壊してしまった。

私が一体何に怒っていたのかは、はっきりと思い出せない。ただ、すごく怒っていた。まだ小さい私には、うまく言葉で自分の気持ちを表現できなかった。未熟だったのだ。
「どうしても、この気持ちをわからせたい」そう思った。
手元には、大切なカメラがあった。

このものすごく怒っている気持ちは、大切にしているカメラを叩きつけるくらいじゃないと表せない。等価交換だ。

そして私は怒りの感情に任せて、その大切なカメラをアスファルトに思いきり叩きつけた。
ガシャーン!という音とともに、カメラはあっけなくバラバラになった。

バラバラになって戻らないカメラ、でもちっともスッキリしない気持ち。
やっと買えて嬉しかった時のことが頭をよぎってしまい、猛烈に悲しくなった。「バカみたいだ」でも、もう遅い。惨めな気持ちになった。

今思えば、あの出来事は私にとって「怒りとの初対面」かもしれない。

アンガーマネジメントでは「怒りは悪いものじゃない」と言われている。
大切なのは怒りをどう扱うか。
私はその時まだ「ぶつける」方法しか知らなかった。
そして壊れたカメラを見てはじめて、怒りを怖いと思った。
「これは悪い感情だ」「この感情は隠して、我慢しないといけない。そうじゃないと大切なものをみんな自分自身で壊してしまう」
そう思った。

あの出来事以来、私は怒りを表に出すことが怖くなった。
言葉で気持ちを伝える方法だってある。でも言葉でも、怒りの感情はなにかを壊してしまうかも。それが、カメラよりももっと大切なものだったらどうしよう。
だから、強い感情そのものが不安だった。
怒りはコントロールが難しい、悲しくなる感情だ。できるなら近寄りたくない。
そのうち、怒りを感じるような出来事すら、目を逸らすようになった。

怒りを感じないように距離を取る。
それも自己流のアンガーマネジメントだったのかもしれない。
でも今は、感情をぶつけることだけが怒りの対処方法ではなくて、自分の気持ちを言葉で伝えることも、怒りと向き合う方法のひとつなんだとわかっている。

私はずっと「怒りの感情」から目を逸らしていたので、まだうまく言葉で伝えられない。怒りにまっすぐに向き合うと、感情が一気にあふれ出してしまい、すぐに悲しさでいっぱいになってしまう。だからつい、目をそらし、蓋をしようとしてしまう。

でも、壊すためじゃなく、伝えるために言葉はある。自分の気持ちを正しく伝えることまで、怖がって避けてはいけない。

私のはじめてのお金は、
「欲しいものを手に入れる喜び」と
「大切なものを壊す悲しさ」の両方を教えてくれた。

そして今、この記事を書くことで、自分の気持ちを相手に伝えることの大切さを、改めて考え直すいいきっかけとなったと思っている。





※この記事は、私がフォローしているまーさんの記事で知った、
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