自分で選んだはずなのに…。📚自己決定の落とし穴(ちくまプリマー新書499)
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
最近読んだ本の中からお気に入りをご紹介。
今回紹介するのはこちら。

(ちくまプリマー新書499)
著者 石田光規
【まずは土台から】
昨今当たり前すぎて珍しくもなんともない〝自己決定〟という概念。
自分たちが子供の頃はテレビだって音楽だって…。
なんて語り出すとキリがないので、とりあえずこの〝自己決定〟という概念が生まれ浸透するためには、〝物的条件〟と〝思想的な条件〟が整わなくてはならないそうです。
物的条件とは、単純に物質的に豊かであること。
思想的な条件とは、民主主義的な考え方と言っても差し支えないかもしれません。
ともかく日本は第二次世界大戦後からこの二つの条件が急速に整い、特に1990年代以降、この本のタイトルでもある〝自己決定〟という概念が我々の生活に浸透したと言われています。
ただこの自己決定は誰にでも平等に与えられているわけではありません。いや自分で決める(選ぶ)ことは誰にでもできるけれども、その選択肢の数は生活環境その他に大きく影響されます。なるほど、高校までで一見無駄とも思える一般科目を勉強する意味がこの辺りにありそう。
【自己決定の代償】
〝自己決定〟と聞くとなんでも自分で決められる、決めていいような自由な香りがして、特に生殺与奪の権理を親や先生に握られている学生諸君には〝なんでもありの魔法の言葉〟のように感じるかもしれないけれど、実はそうでもありません。
なぜなら自己決定には〝自己責任〟が伴うから。
この自己責任は、自分で決めたことが上手くいっている時には鳴りを潜めているけれど、その選択が悪い結果をもたらした時に突然鎌首をもたげて「お前が決めたことだろう、だからお前が責任を取れ!」と襲いかかってきます。
このことは2004年に起きたイラク日本人誘拐事件を思い出してもらえれば、よくわかるとおもいますが….。
【自己決定→自己責任とは言い切れない】
ただこの2004年の事件については、詳しく背景を探ってみると、一概に当人だけの責任かというとそうでもなかったりします。
〝当人だけの責任〟とは言えないと言えば、2024年末に発覚したフジテレビと中居正広氏のあの事件。
事件発覚当初被害者女性に対しては「自己責任では?」という意見も多数聞かれましたが、内部調査などが進められていく中で、会社組織の力が強く働いて、そう選択せざるを得ない状況だったという報告もなされています。これはかなり怖いけれども、会社組織に属していると大なり小なりあるような。
そしてもう一つこの自己責任を揺るがす重要な要素がありますが、それは本書を手に取ってご確認ください。
【自由で窮屈な〝自己決定〟と向き合う方法】
なんでも自分で決められるこの世の中で厄介なのは、選ばない、決めないという選択肢がないこと。
この〝自己選択〟という概念の世界では、選ばないということは「選ばないことを自分で決めた」、決めないということは「決めないということを自分で決めた」という厄介なことになって、これも「自分の責任だ」ということになります。なんだか頭がこんがらがってきたぞ。
例によって例の如くこの辺りが第1章。
本当は2章以降のことも書きたいのですが、書き始めたら取り止めもなく書いてしまう気もするし、この本の魅力を上手く伝えられる自信がありません。ただ一つ言えることは、最後まで読んでいただければ、この息苦しくもある〝自己決定→自己責任〟との上手い向き合い方を知ることができるので、気になった方はぜひ手に取ってみてください。
今日はここまで。
【基本情報】
タイトル:自己決定の落とし穴(ちくまプリマー新書499)
著者:石田光規
出版社:筑摩書房
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2025年08月
発売日:2025年08月07日
ISBN:9784480685308
電子書籍:あり
【おまけ】
この本が気になった人には、こんな本もオススメ。

(ちくまプリマー新書506)
著者 浅生鴨
最後に
読書っていいよね、
