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はじめてのお金体験談

レンタル無職ズボラさんの上記の記事を見てわたしも参加してみようと思いました。
#はじめてのお金

自分がはじめてお金を稼いだ記憶といえば、やはり大学生ではじめてバイトした時です。

当時、大学の同級生と輸入食品屋さんで人生初のバイトに挑戦していました。
といっても特に変わったお仕事でもなく、ワインやチーズなど輸入食品を売っているお店で品出しをしたり、レジ打ちしたりとまぁ普通のバイトでした。

で、全くお金の話とは関係ないのですが(関係ないんかい)そこにオープン当時から勤めていたバイトの女性A子さんがいました。
当時わたしは大学1年生で19歳、A子さんは確か26歳くらいだったと思います。7歳年上というのは当時の私には相当お姉さんという感じがしました。

髪を金色に染めてややギャル風な外見ながら、どちらかと言うとクールな雰囲気を漂わせるA子さんは初バイトの私に対して、かなり冷淡な印象でした。最初はA子さんと同じシフトになるとやや緊張したのを覚えています。

それでも私は徐々に仕事に慣れていき、A子さんともお互いの事を少しずつ会話するようになりました。
A子さんはその当時、彼氏と同棲をしているようでした。彼はアウトドアが好きな人で、週末になると毎回サーフィンに行くらしく、A子さんも度々一緒に行って、ボディボードをやっているとのこと。わたしはどちらかと言うとインドアなので、すごいですね〜的な相槌をしていたのを覚えています。

年齢は離れているものの、A子さんとわたしは徐々に打ち解けて、よりお互いの濃い話をしていきます。

彼氏が毎週サーフィンに行き、最近はデートらしいデートをしていない。なんだかときめきも無く、惰性で付き合っている気がする。
そろそろ結婚もしたいし、自分はお金を貯めるべくバイトを掛け持ちしているが、彼氏はどう考えているかわからない…

彼氏の愚痴が増えていきます。それに比例するように私たちはバックヤードの倉庫で徐々に会話する時間が長くなっていきます。

その時にはわたしも彼女のことを少なからず意識するようになっていました。今まで付き合ったこともないような年上の経験豊富な女性。わたしとは釣り合わないと思っていましたが、話を聞いていると、どこにでもいるごく普通の女の子です。そして勘違いかもしれませんが、彼女の方もわたしに好意を寄せてくれている気がするのです。

そんなある日、いつものようにA子さんと同じシフトになりました。夕方から閉店までのシフトでした。
閉店30分ほど前から徐々に雲行きが怪しくなり、ポツポツと大粒の雨が降ってきました。
そして雨足はどんどんと強くなり、5m先も見えないような豪雨となったのです。

閉店時間になっても雨は全く弱まらず、自転車でバイト先に通っていたわたしは傘を買って帰ってもびしょ濡れだなと考えていました。
するとバイト先の店長がA子さんに言いました。「A子さんは車で来てるよね?彼を送っていってあげてよ」

普段からあまり好きになれないワインうんちくたれまくりなクソ店長でしたが、この時ばかりはナイスアシスト!と思わずにはいられません。そして、A子さんも「仕方ないな。乗ってきなよ」とのこと。  

2人でお店の駐車場に停めてあるA子さんのハイラックスサーフまでびしょ濡れで走ったのを鮮明に覚えています。

帰りの車内ではFMが流れていました。内容は全く頭に入ってきません。
心なしかA子さんも緊張している様子で口数が少なく、それが私を更に緊張させます。いつもの軽口トークが全く弾みません。
雨が強く窓を打ちつける様子と不規則に揺れるバックミラーのドリームキャッチャーをただただ眺めていました。

そして車は私の住んでいたマンションの近くのセブンイレブンの駐車場に着きます。マンションは目と鼻の先です。
なぜか2人とも一言も話しませんでした。

そして目と目を合わせて、沈黙のまま見つめあう2人。彼女はくすりと笑いながら「着いたよ」と掠れた声で言います。黙って頷く私。2人の顔は徐々に近づいていきます。そして、彼女は目を瞑ります。
私の心臓は異常な速度でビートを刻み、FMの音を完全に掻き消しました。

A子さんの髪から雨の匂いがしました。

数十秒後に2人の顔が離れた後、私の頭はフルに回転していました。この後どうするべきか、何をいえばいいんだろう。A子さんには彼氏がいるんだ。私の家はすぐそこだ。家に誘うべきか。断られたらどうしよう。わたしは年下だ。車で送ってもらった身分で彼女を家に誘うのは違くないか…

そしてわたしは言ったのです。

「帰ります」 (なんでやねん!)

彼女は少し驚いたような、寂しそうな顔をしたような気がしました。でも私の気のせいかもしれない。

その後、A子さんとは何度か同じシフトに入ることもありましたが、2人とも何事もなかったかのような態度で接するだけでした。
そしてA子さんは数ヶ月後に新たな職場が見つかったとのことでバイトを辞めていくのでした。

はじめてのお金じゃ無くて、はじめてのキスのお話でした…。

失礼しました。


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