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アルトとバリトン・サックスの対話

ピアノレス・カルテット……聴いたことがあるだろうか?
ジャズでカルテットといえば、普通はサックス、ピアノ、ベース、ドラムで構成される。でもアルバム『Two of a Mind』は、ピアノレスのカルテットだ。ピアノの代わりに、2本のサックスが互いに会話している。
ポール・デスモンドの澄んだアルトが鳥のさえずりのようにすべると、低くしなやかなジェリー・マリガンのバリトンがその土台を支え、背景をつくり上げる。リズム・パートにピアノは要らない。ドラムがリズムを担い、メロディの部分を2本のサックスの対話で満たすのも悪くない。
ポール・デスモンドとジェリー・マリガンは、このアルバム以前にも一緒に録音している。その作品が『Blues in Time』だ。これもピアノレスのアルバムで、『Two of a Mind』は2作目のピアノレス作品になる。
エピソードとして、このアルバムをつくるとき、2人のミュージシャンはかなり忙しいスケジュールの合間を縫って集まり、録音したという。ポール・デスモンドは当時人気を博していたデイヴ・ブルーベック・カルテットの中心メンバーで、ジェリー・マリガンも自身の名義でさまざまなプロジェクト・アルバムをつくっていたからだ。そのため、クレジットを見れば分かるように、ベースとドラムの奏者は曲ごとに替わっている。
このアルバムに収められた曲名を見てみると、なかなか面白い。英語の “of one mind”、つまり「考えが同じ」という言い回しを少しひねって、“Two of a Mind” というタイトルにしている。考えは違っていても、うまく調和する姿を表しているということだろうか……。"Blight of the Fumble Bee" というタイトルもちょっと変だ。Bumble Bee ではなく Fumble Bee? Flight ではなく Blight? もともとはリムスキー=コルサコフの有名な曲「Flight of the Bumblebee」をもじったものに見える。無理に訳すなら、「調子の悪い蜂の立ち枯れ病」といったところだろう。
アルバムそのものは、ジャズらしくかなりひねりが効いていて形式も崩している。でも曲を聴いてみると、まったく実験的には感じず、気楽に聴ける。日曜日の朝にぴったり、という感じだろうか。僕のベスト・トラックは、アルバムの表題曲『Two of a Mind』にしておこう。


Two of a Mind

Song list

  1. All the Things You Are

  2. Stardust

  3. Two of a Mind

  4. Blight of the Fumble Bee

  5. The Way You Look Tonjght

  6. Out of Nowhere


Credits
Paul Desmond : Alto Saxophone
Gerry Mulligan : Bariton Saxophone
Wendell Marshall · Joe Benjamin · John Beal : Bass
Connie Kay · Mel Lewis : Drums


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