【カリキュラム研究 002】公開1年・ますます注目🇬🇧イギリス 【PSHE協会】の<ウェルビーイング科目カリキュラム案><小学生版>「Foundations for Wellbeing」
こんにちは!
今回のレポートは、こちらの記事の続編です。昨年2025秋のまとめ記事のパート2になります。
徹底解説の長編です!
前回2025年秋の記事では、
2020年からイギリスの幼・小・中・高で義務化された、
ウェルビーイングのための新分野カリキュラム
<PSHE=Personal, Social, Health and Economic (education)>
について概要をご紹介しました。
また、特に、2025年10月20日に発表された
中高生向けのカリキュラム案として「Wellbeing for Life」の
概要ニュースもお伝えしました。
今回の記事では、そもそもの基盤となっている
小学生向けカリキュラム 「Foundations for Wellbeing(ウェルビーイングの基礎)」 について、
順序が逆になりましたが、概要をレポートします。
この小学生プログラム「Foundations for Wellbeing」は昨年2025年春に公開されてから、1年という節目になります。
今回は、PSHE協会からのニュースレターをもとに、その内容をレビューいたします!
どんなプログラム?
イギリスの小学生が学ぶ
ウェルビーイング科目「Foundations for Wellbeing」は、
英国PSHE協会と、ヨーク大学の研究者が2025年までに共同開発して発表しました。
⭐リンク先はこちら
University of Yorkとの共同開発による Foundations for Wellbeing 概要
イギリス政府がこのウェルビーイング科目を2020年から履修義務化したことが背景にあります。
子どもたちが感情・注意・行動をコントロールする力を身につけることを目的とし、
<それらを身に着けることは、生涯にわたるウェルビーイングに影響する>
という研究結果に基づいています。
イギリス小学校のウェルビーイングカリキュラムの主な特徴
主な特徴は以下です。
特徴1<1年5レッスン×7年間=全35レッスン>
:幼児期(EYFS)から小学6年生(Year 6)まで、7年間かけて、各学年5レッスンずつ構成。
イギリス小学校の一般的な授業時間は多くの小学校では、
・1コマ 45~60分/ PSHEは週1回 / 年間30~40回程度という運用が一般的です。PSHE協会の教材もその枠組みで使われることを前提に作られています。
特徴2 すぐに使える授業資料
PowerPointスライド、生徒向け教材、アニメーション動画、ポスターなどが用意されており、教師がすぐに授業で活用できる設計になっています。
リンクと内容はこんな感じ。
無料ポスター(Regulation Strategies Posters)
児童向けアニメーションガイド(Animated Guides)

特徴3 段階的な学びの設計
まず「感情に気づく」
👉「注意を向ける」
👉「考え方を理解する」
👉「心配への対処」
👉「反応を調整する」
この5つのステップを毎年繰り返しながら、学年に応じて内容を発展させるスパイラル型カリキュラムです。
学年が上がるにつれて
【感情リテラシー(Emotional Literacy:自分や他者の感情に気づき、理解し、言葉にする力)】と
【感情調整能力(Emotion Regulation:感情とうまく付き合いながら行動を選択する力)】
が育まれるよう、系統的に構成されています。
特徴4 科学的根拠にもとづく自己調整スキル
カリキュラム案は、最新の社会情動的学習(SEL)研究や神経発達理論をもとに開発されており、
自己調整(self-regulation)のスキルを育成します。
これらのスキルは、行動面・学習面・ウェルビーイング面の向上に役立つとされています。
特徴5 2026年施行のDfE(イギリス教育省)新RSHEガイドラインに対応
カリキュラムは、2025年に公表され2026年9月から適用される
新しい科目分野である
RSHE(Relationships, Sex and Health Education)に求められいてる要件、
とくに「Mental Wellbeing(心の健康)」領域の新しい国(イギリス)のガイドラインに対応して作られています。
PSHE協会の研究ブログも充実
PSHE協会では、単に教材を提供するだけでなく、その背景にある研究や教育実践を解説するブログシリーズも公開しています。
▼ブログ一覧のリンクはこちら
Foundations for Wellbeing & Wellbeing for Life Blog Series
近年公開された主なテーマには次のようなものがあります。
なかなか面白く、深い内容かと思います。
① メンタルヘルス教育とマインドフルネス、その価値の違い
The value of mental health education vs mindfulness
PSHE協会は、「マインドフルネスを実践すること」と「メンタルヘルスについて学ぶこと」は異なる教育的価値を持つと整理し、Foundations for Wellbeing が採用するアプローチの理論的背景を解説しています。
The value of mental health education vs mindfulness
② 気候変動への不安をPSHE教育でどう扱うか
Developing skills to manage climate anxiety through primary PSHE
気候変動への不安(Climate Anxiety)は子どもたちにも広がっています。この記事では、PSHE教育を通して感情への気づきや自己調整スキルを育み、不安と向き合う方法を紹介しています。
Developing skills to manage climate anxiety through primary PSHE
③ 「ゆっくり深呼吸する」― リラクゼーション技法のアニメーションガイド紹介
‘A few slow breaths’ — introducing two animated guides to relaxation techniques
スタンフォード大学などの研究を踏まえ、子どもが実践しやすい「ゆっくり呼吸する」「筋弛緩法」のアニメーション教材を紹介しています。PSHE協会が開発した無料動画の背景も解説されています。
A few slow breaths — introducing two animated guides to relaxation techniques
また、実際のアニメーション教材はこちらです。
Free animated guides for pupils
④ PSHE教育を通じた「所属感(Belonging)」の育み方
Promoting belonging through PSHE education
子どものメンタルヘルスにとって重要な「所属感(Belonging)」に焦点を当てた記事です。PSHE教育が人間関係づくりや学校へのつながり感を育む役割について解説しています。
Promoting belonging through PSHE education
今、ウェルビーイング教育が求められている
政策立案者・教育者・保護者のいずれからも、子どものメンタルヘルスへの関心が高まっており、イギリスの学校のPSHEカリキュラムに
ウェルビーイング教育を組み込むことの重要性は
かつてないほど高まっていると報告されています。
PSHE協会は、最新の心理学研究や脳科学をふまえた研修コースも提供しており、教員が研究の背景を学ぶことで、
自信をもってウェルビーイングの授業に臨めるよう支援しています。
このレポートでは、
日本ではまだあまり知られていないこうしたイギリスの最新ウェルビーイング教育の取り組みのニュースを、引き続きレポートしていきます。
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次回レポートは 6月12日(金)
【カリキュラム研究 003】 \イギリスで国定化を議論中//【PSHEの関連科目「比較宗教教育」RE(Religous Education】AI時代だからこその——人格と倫理観を育てる、イギリスの画期的な科目
をお届けいたします!
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