破けるステテコ事件②
破けるステテコ事件
ビリ……
ビリリリー‼︎⚡️
姉の叫ぶ声と、ステテコの破ける音が重なった。
中学生の姉と、酒に酔った父。
取っ組み合いの喧嘩の結果である。
その喧嘩は、唐突に始まるスコールのようだった。
きっかけ?
こたつの中で足がぶつかった、ぶつかっていない。その程度である。しかし我が家では、その程度が前線になる。
取っ組み合う二人。
その最中、首からへそまで一直線。
裂けるステテコ。父の大嵐は、ステテコの被害を受けさらに勢力を増す。
それでも、負けるのはたいてい姉だ。体格差も力の差もある。勝てるわけがない。
それでも立ち向かう。
強いものにも負けじと食らいつく姿は、本当に、少しかっこいい。
しかし体格差で敵わない姉は逃げ
風呂場へ駆け込み、バタンと鍵を閉める。
父も追う。
ドンドンドンガシャガシャガシャ‼︎
古いドアが悲鳴をあげる。
上下左右、鍵のかかったドアを揺さぶる父。
そして――
ガシャーン!
小窓が割れた。
その瞬間。嵐を止める者が現れる。
母である。
どんな低気圧も、どんな竜巻も、最終的には母が止める。
止めるのが遅くないかって?
日常茶飯事なので、きっとベストなタイミングがあるのだ。
そして私はというと。
嵐と大嵐が衝突する中、テレビを見ながら味噌汁をすする。
我が家の通常運転である。
