【マイソングス〜よじれて朝ジャズ】 朝日のようにさわやかに / モダン・ジャズ・カルテット MJQ (1955)
ステキなオトナの朝活、朝ジャズ。
朝に聴くと心地良いジャズの曲をご紹介してみます。
ジャズを知らない方も大スキな方も、ちょっとお耳を傾けながらご一読を。
ほら、一緒によじれちゃいましょ。
今日はこちらの一曲。
パリ、コンコルド広場、朝7時、気温15℃。ひんやりとした夏の朝の空気に包まれた石畳の真ん中にそびえるオベリスクを見ていると、やっぱり頭の中には貴方、ミルト・ジャクソンのヴィブラフォンが鳴り響く。
ただでさえガランとした八月のパリ。無理矢理騒ごうと繰り出したピガール辺りでやっぱり肩透かしを食らって安シャンパンで悪酔いした身には、石畳に反響するこの金属的なヴィブラフォンがオトナの朝に刺激的だな。
どこかバロック的な几帳面なリズムで滑り出すイントロは、退廃的なアツい夜をすっかりと塗り替えて、優しい朝日を運んでくれる。確かに起き抜けの体で聴くクラシックにはドビュッシーよりもバッハがイイ。どちらにせよドビュッシーはアタシに合わない。
なんでもピアニストのジョン・ルイスが敬愛するバッハに影響を受け、冒頭の数小節をそっくりのカノンに仕上げているかららしい。
元々はオペレッタの中で演奏され、リズムもタンゴだったというからここでのこの拍子の取り方にも納得がいく。
すべてが淡々と激しく盛り上がることもなく、まるでタイプを打つ美女を見ているよう。甘いだけでなくクールな中にもきらりと光るような魅力はヴィブラフォンという楽器と同じ。この神秘的な感じがこの楽器の音色が好きな理由。ちょっぴりそんな女に憧れてみたり。
タイトルだって『朝日のようにさわやかに』と言いながら、原題は『Softly, as in a Morning Sunrise』で、「さわやかに」という言葉は使われていない。「やわらかに」ぐらいな感じのはず。日の出る国に生まれたアタシたちはどうしても朝日に「さわやかさ」を求める人種なのかもしれない。
けれども朝はそっと起こしてほしい。ざっとカーテンを開けるんじゃなく、まるで愛の光が忍び込んでくるように、腕をやさしくさすりながら肩まで撫でるように包みこんでほしい。なんなら優しい口ずけもほしい。欲張りだけどそんな時間ももうすぐおしまい。
少しざわつく九月になった。曲だけだったらこのMJQの演奏で一日の始まりがちょっぴり切なくなったってそろそろ秋だからそれもありかと思えるけれど、作詞をしたのが『ドレミの歌』を作ったあのオスカー・ハマースタインⅡだと知ったらそのギャップに驚いてしまう。
アカデミックな和声で終わる最後のフレーズを聴きながら、秋って人肌恋しい季節かも、と薄いジャケットを羽織り出かける。
前回はこちら。
あはん♥
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