明日が待ち遠しくなる春の手仕事『大人のブラッドオレンジコンフィrecipe』
新年度の慌ただしさに、
心がどこか置き去りになりそうな4月。
そんな時、私の元に届いたのは、
愛媛産の無農薬ブラッドオレンジ。

皮に針を刺すと、
弾けるようにオレンジの香りが立ち上がり、
部屋の空気が一瞬で「春」に塗り替えられる。
まな板の上に並んだ断面は、
ルビーのように深い赤。

ひとつひとつ、
赤の入り方が違うのが面白くて、
じっと見惚れてしまう。
自然が生み出すグラデーションは、
どんなインクよりも鮮やかで。
今はただ、
厚さを揃えて切ることだけに集中して……。

余計な思考を止めて、
等間隔に包丁を動かす。
忙しさに追われていた心が、
この単純な繰り返しの中で、
少しずつ、
本来あるべき場所へと
静かに着地していくのがわかる。
一見、難しそうに思える手仕事も
実際は、目の前の小さな工程をひとつずつ、
丁寧にこなしていくだけ。
それは、自分らしい暮らしを育てることも、
きっと同じ。
今回は、
「洋酒を効かせた大人のレシピ」に

『大人のブラッドオレンジコンフィ』
【材料】
• 無農薬ブラッドオレンジ
• 砂糖(果実の重さの80〜100%)
• 水(ヒタヒタになる量)
• 洋酒(グランマニエやホワイトラムなど)
• お好みで:クローブなどのスパイス
【作り方】
1. 香りを引き出す
洗ったオレンジの皮に針で10箇所ほど穴を開ける。
弾ける香りに、まずは心から癒されて。
2. 苦味を抜く
たっぷりの水で沸騰するまで茹でてから、5時間から半日ほど冷水につける。
ゆっくりと、苦味が抜けていくのを待つ時間。
3. 等間隔に刻む
5mm厚にスライスする。
香りに包まれ、カットするたびに現れる色のグラデーションにワクワクする、一番楽しい作業✴︎
4. シロップの準備
ひたひたの水、お好みの洋酒、半量の砂糖を鍋に入れ、好みのスパイスとともに15分ほど煮て、鍋の中で冷ます。
5. 瓶へ移す
煮沸消毒した容器に、美しくスライスを並べ入れ、シロップを注く。
6. 翌日のひと手間
シロップだけを鍋に戻し、
残りの砂糖の1/3と好みの洋酒を加え、元の量と同じくらいになるまで煮詰める。
冷めたら再び瓶に注ぎ戻して。
7. 数日かけて育てる
2日目、3日目も同様に、残りの砂糖を半分ずつ足して、煮詰めては浸透させていく。

お好みで、網に並べてセミドライに仕上げるのもおすすめです。

艶やかになっていく様子が楽しくて、
お好みの状態になる前に、
ついつい手が伸びて半分くらいになってしまうのですが。
一気に仕上げようと焦らなくていい。
毎日少しずつ甘みが浸透していく様子を眺めるのは、
自分自身の呼吸を整えていく時間にも似ています。
すぐ完成しないからこそ、
ワクワクがずっと長続きする。
時間をかけて育てる楽しさは、
なんだかすごく「お得」な気がして。
「明日を待つ理由」がキッチンにあるって、
なんだかすごく贅沢なことだと思うのです。

ケーキに忍ばせようか、
それともオランジェットにしようか。
ワクワクが止まりません。
ブラッドオレンジの赤に力をもらった、
4月の手仕事。
この赤が、
あなたの春も明るく照らしてくれますように。
