令和8年熊本地震備忘録④とんでもない誕生日の幕開け
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7/30 朝ごはんを求めて
とんでもない誕生日の幕開けです。
祖父が朝食を買いに行く、というのでついて行くことに。
店々が閉まっている中、奇跡的に祖父宅の近くのコンビニが開いていました。
店に入ったがいいものの、店内はガランとしていました。
やはりすぐ食べられるようなものは残っていませんでした。
しかたなくカレー味のカップ麺を買った祖父が、「おいは普通んとが好きばってんな」とぶつくさ言っていました。言ってる場合か。
しかも祖父は財布を持ってきてませんでした。まじではっ倒すぞジジイ。
残り物もほとんどないコンビニに車がどんどんと吸い込まれていく様子を見た祖父が「シャバはきゃんこっになっとっとや」と驚いていました。
…何目線の発言?仙人かなんかか?
帰ってこれまた文句を言いながらカップ麺をすすり終えた祖父から、「10時から店の開くけん、買い物に行くぞ」と声をかけられました。
え、私も行くの前提なんだ…。
9:45 買い物に行くはずだった
買い物に出発!…かと思いきや。
祖父が「車にガソリンを入れたい」と言い出しました。
…本当に状況わかってんのか?このジジイ…。
やんわりと「昨日ガソリン入れるの30分かかったし、先に買い物行こうよ」と促してみましたが聞く耳を持たず。
近所のガソスタへ行くことになりました。
やはりガソスタは長蛇の列。
「えらいなろどっない」と言いながら列の最後尾を目指します。
列、およそ1km。
ガス欠ギリギリのチキチキレースが始まりました。
列に並び始めてからおよそ30分。
300mほど進んだでしょうか。
無情にも点灯する給油ランプ。
…どうしてそんなギリギリで生きてるんだまじで。
「エンジン切るばい」
気温32度。
ギラギラと照りつける太陽と、そよりともしない風。
かくして、灼熱天然サウナが爆誕したのでした。
ちょっと進んではエンジンを切り、エンジンをかけてはちょっと進んでを繰り返して1時間半。
やっと、やっと順番が回ってきました。
時刻は正午前になっていました。
たかが給油に2時間。
11:58 「こっばあるしこくれ」
車にご飯を食べさせた後、人間のご飯の調達へ。
倒壊した家々や、隆起したマンホールを横目に急ぎました。
いざスーパーに着き、駐車場へ入ろうとすると入り口がありません。
もともと入り口だったところが隆起して縁石くらいの高さになっていたのです。
無理くり乗り越えて入り(まじで車ごめん)、車を停めて店内へ。
やはり、すぐ食べれるようなものは何もありませんでした。
祖父宅が幸運だっただけで、他のところはライフライン全滅してたので仕方がありません。
もう一件小さな商店に寄ることを決め、スーパーを後にしました。
ありがたいことに、小さな商店も開いていました。
が、やっぱりお惣菜などは残っておらず帰ろうかしていたところに、店員さんが裏から何かを出してきました。
「おにぎりセット」と書かれたお惣菜パックでした。
祖父が「こっばあるしこくれ」と店員さんへ言いました。
店員さんは「これは予約品でそろそろ取りに来なるけん、売れません」と返しました。
しょうがないけん帰ろう、と祖父に伝えようとしたその時。
祖父が「4つでよかよ」と言いました。
このクソジジイ、話聞いてたか?他人様のものだって言われてるじゃないか。
結局、店員さんが3つ融通してくれました。
ぶつくさと文句を言いながら受け取る祖父の横で私は謝り倒すことしかできませんでした。
こうして、私が立ち寄れない店が1つ増えました。
13:00? HAPPY BIRTHADY!
誕生日なのにケーキはおろか、食べ物に困る。
スマホのメールボックスにはさまざまなファンクラブからの『HAPPY BIRTHDAY!』メールが届いていました。
私がそのメールに目を通せたのは誕生日から10日ほど経ってからでした。
