それぞれのホーム

電車を待つ人には、いろんな人がいる。

アイスを食べている人、
花束を持っている人、
2人で笑い合っている男女、
なにかに苛立っている顔、
それとは対照的に、ぽかんと浮かんだ笑顔。

誰かの今日が、ここで一度交差して、
それぞれの場所へ、またばらばらに進んでいく。
そんな風に思えるのは、電車のホームに立っているときくらいだ。

いくつもの人生がすれ違って、
交わらずに、でも確かに“同じ時間”を過ごしている。

そんな中に、俺もいた。
アイスを食べているわけでもなく、
花束を持っているわけでもなく、
誰かと笑い合っているわけでもない。
ただ、誰かを待っていた。
いや、もう誰も来ないと知りながら、
「もしかしたら」と思って、立っていた。

電車が来て、誰かが降りて、誰かが乗っていく。
俺はそこにいながら、
なんとなく、自分の役割が終わったような気がしていた。

でもきっと、そうやって立っている誰かも、
心のどこかでは、似たようなことを思っているのかもしれない。

ホームは、ただの通過点。
それでも、そこにはいくつものドラマが詰まっている。

そんな気がした。

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