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【楽しい日本酒の世界】徳島の美酒をワイングラスでも飲む

夏の四国旅行で見つけた一本が、徳島県の本家松浦酒造場の水ト米だ。透き通った緑のボトルに黒字のラベル、金色の縁取りと金色の鯛のイラスト、白文字の水ト米のフォント、いずれもセンスがいいし、全体が調和している。

純米原酒と正面に書いてあるが、アルコール度数は14度と決して高くない。精米歩合は65%と純米として興味をそそる高さでもないし、酒米の種類が書かれているわけでもない。私好みの味かどうかは実は判断できなかった。

それでも店内の数ある純米酒からこの一本を選んだのは、ボトルのデザインが醸し出す圧倒的なセンスだった。購入の決め手がボトルデザインというパターンは私にとって珍しいので、もう少しだけデザインについて書かせてもらう。

シンプルなスクリュータイプのキャップは一般的なものだが、上面にも赤色の鯛が描かれていてオシャレだ。ボトル全体がハイセンスなので、パーティに持って行きたくなる。赤ワインの隣に置いてあっても違和感ないだろう。

私はこの向きの方が好きだ

さてデザイン評はこれくらいにして、肝心の味だ。いつもの通り常温で、切子グラスに注いで飲む。ボトルに入っている時は分からなかったが、完全な透明ではなく少し濁っている。

まずほのかに香る甘い米の香りが良く、何度も嗅ぎたくなる。口に入れると、とろりとしていて甘いのだが、そのほのかな甘さが心地よい。そして喉越しはスッキリしている。そのせいか、すぐ次の一口が欲しくなる。普段の一杯より早くグラスが空になる、素晴らしい味だった。

Amazonでも高評価で、ワイングラスで飲むことをおすすめしている人もいた。そこでワイングラスに入れて飲んでみた。

グラスを口に近づけると、切子グラスではほのかなと表現した香りが、グラス上部に漂ったことで、香り高い白ワインのように感じた。私の好きなシャルドネの放つ香りに近い気がした。切子グラスの時よりさらに長く嗅いでいたくなる良い香りだ。

香りを堪能し終えて、次は味の違いを感じてみよう。口に入れたあとの味は、香りほどの大きな差は感じなかった。(ワイングラスで日本酒を飲み慣れていないので、脳はワインの味を想定していたのか、一瞬バグった感覚があったのは面白かった)

一点違いがあるとすると、ワイングラスは、口に含むときに傾ける角度が、切子グラスより必然的に急になる。つまり喉に近いところまで一気に流れてくるのだ。つまり舌の先で楽しむ時間が短く、一気に口全体に広がる。段々と口の奥に入っていく日本酒用のグラスやお猪口に比べて、味を楽しむフェーズが減った気がした。

今回気に入ったお酒をワイングラスでも飲んでみるという体験を初めてしてみて、とても面白かった。よくワイングラスで飲みたい日本酒という賞もあるが、そういう賞を作る意義も前より理解できた。

グラス選びはともあれ、今回飲んだ水ト米は常に一本置いておきたいと感じる素晴らしい酒だった。今日は軽く一杯で終えようと思っても、これを注いだら決して一杯では済まないなと思う。そういう惹きつける魅力を持つ徳島のお酒だった。オススメだ。

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