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オリオンとプリズムと煌めき

斎藤宏介が出演した音楽番組「Sound Inn S」が非常に良かったので感想を残します。

全3曲、それぞれ名だたるアレンジャーさんによる編曲でしたが、音楽的な好奇心が掻き立てられる素晴らしいアレンジだったな!
いやー良かった。何度も何度もリピートしちゃった。



🔸「Sound Inn S」について

恥ずかしながらこの番組の存在を知らず。BS-TBSで毎月第3土曜日に放送されている音楽番組(今度から日曜に変更だそう)。
1974年にTBS系列局でスタート、1981年に終了。2015年から新たに「Seiko presents Sound Inn "S"」として放送しているそうです。

めっちゃ古株な番組なんですね。
「時を超えた、ここでしか聴くことのできない上質なサウンド」のコンセプトで、「フジテレビの『ミュージックフェア』に対抗した大人の音楽番組として放送開始」とwikiにありました。なるほど。

ゲストラインナップを見ても、音楽的に楽しいことをやろうとしているのがわかります。演歌歌手からベテラン歌手、売れっ子シンガーソングライター、声優まで幅広い。

ユニゾン20周年の武道館映像作品、TenTwenty「煌めき」のリリースプロモーションのタイミングなので話が来たのかわかりませんが、ロックバンドのギターボーカルが単独で出演するのは珍しいのではないかと思いました。

でも、過去のラインナップに名を連ねても違和感がないのが斎藤宏介だな。
(なお次回のゲストは鈴木雅之。振り幅ー!)

番組ナレーターが、「透明感の奥底に潜む、どこか陰のある魅力的なハイトーンボイス。そんな彼の歌声を、ここでしか聞くことのできないスペシャルセッションでお楽しみ下さい」と言っていた。

透明感だとかハイトーンだとかトゲを持つだとか、斎藤宏介プロフィールの定型になっているけれど、「どこか陰のある」という説明は珍しい気がしました。
事務所が考えたのか番組の人が作ったのか知らないけど、好きな表現だな。


🌟オリオンをなぞる

斎藤宏介×笹路正徳(Arrange)

1曲目はUNISON SQUARE GARDENの「オリオンをなぞる」。

アレンジャーの笹路氏は、宏介の大好きなスピッツの他、TUBE、松田聖子、イエモン、プリンセス・プリンセスなどもプロデュースされている方。個人的にはプリプリの名前が熱い(世代)。

最近たまに宏介の目元がスピッツのマサムネさんと似ていると感じます。少年性と色気と秘めた情熱が見え隠れするような点において。主観ですが。

宏介は、シングルツアーでも使用していた"レディキラー"ストラトキャスターを携え、笹路氏はピアノで、バイオリンやトランペットなど大所帯編成でした。こんなに豪華絢爛な編成で見れるとは!

ユニゾンの「オーケストラを観にいこう」公演でも、オーケストラ(USGフィルハーモニック)と共にオリオンを演奏をしたので、バンドとオーケストラの融合の凄みは実感していましたが、やっぱり何度聞いてもいいなぁと思う。

「kaleido proud fiesta」を初めて聞いた時の、胸が躍る感じをちょっと思い出しました。ユニゾンらしい疾走感にストリングスが絡みついてくることが新鮮で、得体の知れないパワーを感じてドキドキ、ワクワクする感じ。

Bメロのフルートが非常に可愛らしく新鮮に聞こえました。USGフィルハーモニックにフルートはいなかったと思うし。

ゴスペルも軽々と歌いこなしそうな男性コーラスが2名いて、田淵&貴雄以外の「暫定ロマン」「最高ロマン」の新たな可能性を感じちゃった。

各々の音色が輝きつつ、ちゃんと宏介のギターで表現して欲しいパートは生かしてくれているのだなと感じて、それも好きでした。
レディキラーによる2番直前のアーミング、(いつも通り)かっけー。

宏介が、3曲中最も余裕しゃくしゃくだった。だってもうオリオンは2011年からずっとやり続けている。
積み重ねて鍛錬してきたからこそ、今の圧倒的なパフォーマンスがあるのだ、それは本当にすごいことなのだなとしみじみ思い知らされました。

笹路氏が「演奏するの速いし大変」「これだけ色々弾いて歌う人もそんなにいない」と評価してくれていた。凄腕アレンジャーさんにもそう言わしめるのだなぁ。

ライブ以外で、このようなアウェイとも言える晴れ舞台で、客観的に聞いてもやっぱり永遠に名曲なのでは、と思ってしまった。

昨日までをちゃんと愛して
見たことない景色を見るよ
「ココデオワルハズガナイノニ」

「オリオンをなぞる」作詞・田淵智也

この歌詞が今さらすごくいいなと思う。
タイバニの世界だけでなく、当時のユニゾンの心境と重なると思いますが、「昨日までをちゃんと愛して」って大事なことだと思います。
今と未来の自分の肯定に繋がっていくから。

宏介が、「音楽を通して人の心を動かす一番大事なものは?」と質問しており、笹路氏は「それはやっぱり一生懸命やること」と。

当然その答えをわかっていて質問したのだろう、定期的に正解を外に求めて自身で納得し、前に進む原動力のひとつとしているのかな、と感じました。

私が斎藤宏介に心動かされるのは、メロディーとか歌とかテクニックはもちろんあるけど、「一生懸命さ」も大きな要素です。
無理のある頑張り過ぎは良くないけどね。

🌟プリズム

斎藤宏介×坂本昌之(Arrange)

2曲目はカバーです。選曲はYUKIの「プリズム」

アレンジャーの坂本氏は、平原綾香の「Jupiter」を編曲しており、徳永英明やJUJUなども手がける方。

坂本氏が、「選曲が素晴らしい。非常にセンスが高い。ごめんなさい、ちょっと生意気な発言で」とおっしゃっていましたが、私も選曲のセンスが非常に高いと思うんですよね!(ごめんなさいね生意気で)

宏介が「選曲は悩んだが、最終的に好きな曲にした」と話していました。

そして「プリズム」について以下の解釈を。

「僕の解釈だと悲しい曲というか、深い悲しみを曲の中に持っているんだけど、でも曲の読後感がすごくキラキラとしていて、前向きになれて、そこが特に好きですね」

「YUKIさんの印(しるし)が押されているっていうこと、それって多分『売れづらい』ことだと思うんです。癖の強い歌って聞きづらいから。

でも、ちゃんと『YUKIさんが歌っているという個性』と、『圧倒的なポピュラリティー』を同時に持っているっていうところが、この曲のボーカリストとしての凄さだと思います。」

なぜYUKIのことを尊敬しており好きなのか、明確に理解できた気がしました。
憧れでありシンパシーもあるのだろうなぁ。自分の癖(個性)を大切にしつつポピュラリティーを持っていたい、と言う。

自身の冠番組「斎遊記」の歌詞を深堀りするコーナーもそうですが、このように宏介の曲に対する解釈を聞くのが好きです。

坂本氏はピアノで、宏介はハンドマイクで。
バックは「オリオンをなぞる」に引き続き豪華なメンバーです。ハープや女性コーラスも加わりました。

私も大好きな曲ですが、久しぶりに聞くと、イントロのピアノで「エルトン・ジョン(Your Song)かな?」って思う、名曲感。

曲の世界に入り込んで歌っている様子に、YUKIと曲へのリスペクトと、斎藤宏介の個性のバランスの良さを感じて引き込まれました。優美でありながら熱を帯びている。

「曲の読後感がすごくキラキラ」と言っていたけれど、ラストの「咲くのは光の輪 高鳴るは、胸の鼓動」が、全てを持っていくのがこの曲のすごいところ。

「プリズム」は、JUDY AND MARYが解散した直後に書き下ろした作品の一つで、複雑な思いを抱えつつ、乗り越えて新たに踏み出して行こう、というYUKIの決意が読み取れる。

だからこそ、希望に満ち溢れるような、光が辺り一面に降り注ぐかのような、未来を向いたラストに癒される。

ファルセットへの切り替えが好きなのですが、YUKIの雰囲気から大きく離れず、でも斎藤宏介がにじんでくるような歌唱でした。

歌について、「体重をどれだけ乗っけられるか」「その人が歌っているから、という感動な気がする」と話していましたが、まさに宏介の体重が乗っかってくるような歌でした。
最後のフェイクとナナナナも良かったなぁ!

カメラワークもかっこ良くて、間奏のハープソロから、宏介が歌いきって折り曲げた身体を元に引き戻す瞬間、下からカットインして再び歌い出す躍動感!(文字で伝わるのか。)
照明の光の輪がいっぱい照らしてくれているのも幻想的でジーンときました。

懐かしくてYUKIの「プリズム」を久々に聞いたけど、やっぱいいなぁ。
宏介もキーが高いけど、YUKIはべらぼうに高くてそれが好き。力強くキュートにぐんぐん伸びて来て、ハートにスッと飛び込んでくるからやられちゃうのよ。


私は斎藤宏介の「プリズム」を聞いてみたかったのです。

ジュディマリは、それまでポップスや昭和歌謡、昭和のアイドルが大好きだった私に、「バンドってかっこいいんだ」と初めて教えてくれた存在です。
YUKIがソロになった頃はライブにも行っていました。東京公演のチケットが取れなくて、旅行を兼ねて京都で見たツアーで、初めて生「プリズム」を聞いて感動したことがあります。

ユニゾンのファンになった頃(10年前ぐらい)、宏介が弾き語りで「プリズム」をカバーしていたことを知りました。ソースは過去の公式ブログ。

宏介が女性ボーカリストの曲をカバーするの似合うから好き。ソロ企画「SK's Session3」で椎名林檎の「丸ノ内サディスティック」を披露した時は「ヒーッ!」ってなりました。良すぎて。「ヒーッ!」って(しつこい)。
最近だと、FC限定ライブでカバーした、新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」もめっちゃ良かったですね!
いちいち選曲が素晴らしくて唸っちゃうよ。名曲&自分の個性をいかせる、というね。

YUKIのカバーも聞いてみたいに決まっています。「我が物顔」だって。にやにや(妄想)。

「いつかまた、気が向いたら弾き語りでやってくれないかな」とささやかに願っていたけれど、まさかテレビでこんなにも豪華編成で聞けるとは想像もできなかった。
番組告知で選曲を知った時は小躍りしたわよ。

いやー生きてると楽しいことがありますね。
選曲のセンスが非常に高いですね!(ごめんなさいね生意気で)

ザギンでは、今回と違ってギターを弾きながら歌ったのでしょう。それもいいな。
「見たことのない場所へと  まだ歩いていけると思ったんだ」
このフレーズも、昔は今と異なる心境で歌っていたのだろうな。
本人も、テレビでこんな風にカバーを披露するなんて、当時は思ってもみなかったかもですね。

真面目な話、坂本氏も言っていた通り、名曲(YUKIが「紅白」でも歌った曲)だけどそこまでカバーされているイメージのない「プリズム」を、特別なテレビ番組で選曲してスペシャルなものに仕上げて視聴者に披露してくれるの、本当に気が利いている。

「プリズム」を聞きたかった2015年の私。良かったね!
いつかPerfumeの「マカロニ」も聞ける日が来ちゃったりして?という夢を勝手に見ます。ふふふ。ママママカロニッ♪

🌟煌めき

TenTwenty×本間昭光(Arrange)

ラストはすってぃ(須藤優)も登場し、TenTwentyの最新曲「煌めき」をやりました。
やった、めっちゃ聞きたかった!

本間氏は「EIGHT-JAM」でたまにお見掛けするお顔。ポルノグラフィティや槇原敬之などを手がけるプロデューサーで、宏介とは「EIGHT-JAM」のフェスでも共演経験あり。

「煌めき」をTenTwentyのライブで1度だけ聞いたことがありますが、サポートギターの粂さんがアコースティックギターを弾いていました。

今日は宏介がアコギ、すってぃがアップライトベース、本間氏はシンセ、サポートミュージシャンは人数が減り楽器もちょっと変わりました。
タンバリンと鉄琴が軽やか。そしてイントロがバンジョーで、カントリー感が増す!

セミアコギターの方が、終始ボトルネック奏法をしており、のびやかさや揺れに、この曲の醸し出す旅情をいつもより強く感じました。

もともとバグパイプっぽいギターの音色が特徴的なケルト風の曲調ですが、バイオリンが入ることでクラシカルさが増し、崇高な仕上がりになってびっくりしました。
まるで音楽の都・ウィーンへひとっ飛びしたみたいな世界観です。

一方で、大所帯でワイワイと楽しいエンタメ要素も強まり、ディズニーランドのクリッターカントリーのBGMを連想しました。

大サビ前の間奏が、原曲よりも尺を取ったアレンジで、ゴージャスで華やかおおお!と思いました。トランペット、トロンボーンの音がユニークで楽しい!似合うー!

すってぃが、「『煌めき』の新たな一面を見れた」「楽曲の解釈が変わるので、とても刺激的で楽しかった」と話していましたが、まさに「煌めき」の底知れない新たな可能性を感じて、めっちゃ高まりました。
いつかライブでカルテットとかオーケストラと共演して欲しいと妄想しちゃう。

ロックバンドとピアノ、ストリングスやホーンも良いですよね。豊かな音楽体験。
つい最近、くるり×カルテット(バイオリン2、チェロ、ビオラ)の共演を渋谷公会堂で見て、えらく感じ入ったことを引きずっているので、余計にそう思っちゃう。

すってぃは楽器の特性上、立ち位置が固定されており、コーラスも無し。
いつものライブと比べると横の動きはなかったけれど、いつもと違うアップライトベース姿も渋くて、すってぃ独特のノリで弾んでいるのはいつも通りカッコ良くて、いつも通り楽しそうで癒されました。

宏介は、「オリオンをなぞる」は余裕しゃくしゃくで完璧に、「プリズム」はボーカリストとして冷静と情熱を込めて、そして「煌めき」は好きな音楽を自由に表現できることの楽しさ、まだ知らない人に届いて欲しいという、確固たる意思を伴う表現力の豊かさを感じました。煌めいていたわぁ。

最後のキメ、バンジョーに合わせてアコギの弦を左手でポン!って鳴らしたも好きだわ。

宏介がTenTwenyについて、「ユニゾンは一部分に特化したバンドなので、そこ以外の部分で何か音楽表現をしたいと思った時に、一番頼りになる男(すってぃ)と組んでやっている」と話していました。
「一部分に特化したバンド」っていう表現が的確過ぎてさすがだな、と思う。

そして、私が今一番見たいのはやっぱり「煌めき」で見せた斎藤宏介の顔だなぁと思う。
次回のTenTwentyのライブが待ち遠しいです。
ライブでは、「煌めき」のMVみたいに間奏で宏介がスライドしないのかな?と期待。

最後に、「あまりこの言葉は使いたくないけれど、自分の音楽人生の集大成の日だなって思いました」と、清々しい笑顔を見せていました。

ファンとしても、斎藤宏介の魅力を色んな角度から見せてもらって、知っているはずなのに、まだまだ知らないかもしれない、これからも何が出てくるのか楽しみなミュージシャンだな!と改めて思ってしまったな。

本当に良質な番組で大満足。アレンジャーさんってすげぇ。
後日、TenTwentyのインスタライブで、リハ1回やって「ここはこう適当にやっといてー」って本間さんに言われて、めちゃくちゃ痺れたって笑っていました。リハほぼやんないのね!プロフェッショナルー!

見れて良かった、センキューTBS、センキューフォーザミュージック〜
(思わず歌いたくなるbonobos)
(みんなbonobosって知ってる?)




「煌めき」ついては、こちらでたくさん感想を書いています。

トップの写真は、昨年末に撮影した帝国ホテル(日比谷)のイルミネーション。オリオンとプリズムと煌めきっぽいよね!

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