自分の小説を客観的に読む方法
本が好きな人ほど、読者として人の小説を読むと「もっとこうすれば面白いのに」「ここがおかしいぞ」と気づくことができるのに、自分の小説だと、どうしても客観的に読むことができなくて、どこが悪いかわからない、もっと言えば、面白いのかつまらないかも判断不能という人がほとんどではないでしょうか。
私もそうです。この問題に対してよく言われる一番の対策は
「原稿を寝かせる」
可能な限り、読まずに置いておく、のです。小説の内容を忘れるくらいが理想だそうです。しかし、そんな時間はなかなか取れなくて、「ええい、もう応募(提出)してしまえ」ということになって、あえなく撃沈する。
そんなことがよくありました。
私は最近になって、自分の小説を客観的に読む方法に気づきました。
まだノウハウとしてきちんと完成したわけではないのですが、今、自分が書き上げた小説で試している方法が割と良いという実感があるので、ご紹介してみます。
自分の小説に疑問出しをする
(ダメ出しではありません。それは暗くなるのでやめましょう)
やることは難しくありません
①書き上げた小説を前にして
②「これっておかしくないか?」「現実的にあるか?」と考がえながら読む
③気になったことを調べて直す
これだけです。自分の小説の内容を忘れようと思っても難しいし、思いの丈の詰まった小説を人のもののように客観的に読むことも無理だと思います。
なので「疑問出し」で良いと開き直りました。
たとえばですが、こんなシーンがあるとします。
《小型の金属製スーツケースに入れた爆弾を飛行機に乗せて、地上から遠隔操作で爆破する》
というストーリーです。ちょっとベタですが例なので。
ここで疑問出しをします。
・爆弾を入れたスーツケースって金属探知機に引っかからないのか
・遠隔操作って金属製スーツケースの中でも良いのか
・飛行機が飛び立ってしまったら地上から電波は届くのか
というような、まっとうな疑問です。
これをひとつずつ調べて答を書いていくのです。
・プラスティック爆弾だから金属探知機に引っかからない
→でもX線探知機はどうするか・・・
・遠隔操作は金属のケースだと不可→金属はやめる
・地上から飛行機に電波は届かない→設定に無理あり。
時限爆弾など別の筋を考える
こんな風に疑問出しをして、おかしなことを潰していくことで、小説を読む読者が、疑問に感じることを解決することができます。
これをすると、少なくとも小説が良くなります。
これって自分の小説を客観的に読むことと同じなのではないでしょうか。
勢いで書いたシーンなどはあらためて「どこかおかしなところはないか」と思いながら読むと、辻褄が合わなかったり、現実的でないことが書かれているものです。
あるいは、現実に起こりうるとしっかり調べたのに、それが説明不足になっていることがあります。作者だけがわかっているパターンです。
さらに、調子に乗って楽しく書いている時ほど、細かいところは見て見ぬ振りをして先へ先へと書き急いでしまうものです。でもこの「細かいところ」に読者は気がついて、それが説明もなく進んでいくと興ざめするのだと思います。(私が読者ならそうです)
この作業は、本来は書きながら一度しているはずです。あれこれ考えて、現実的なストーリーにしているわけなので。ただし、それが「粗い」ケースが多いと思います。どうしても書いていると夢中になったり、先を急いでしまいます。
「書き終えたらじっくり読み直して修正しよう」と思うのですが、いざ書き終わったら「やった」と達成感にひたって、早く次を考えたくなって、「細かいところ」や「粗い」ところをそのままにしてしまうのです。
以上、自戒を込めて書きましたが、今、私は書き上げた小説をこのようにして疑問出し→加筆修正の作業をしています。結構、良いです。
と言うか、やって良かった、と胸をなで下ろすようなこともあります。
もしお手元にできあがった小説があったら、最後の作業としてこの疑問出し、やってみたらいかがでしょうか。
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