【夜勤の記録】開店前のショッピングモール、試験勉強、そして日常の境界線
3月6日 金曜日
今日の仕事は、いつもと少し毛色が違う。
夜の大型ショッピングモールという、非日常の空間での什器作成作業だ。
幸いにも現場は自宅から近く、直行直帰の許可も出ている。
勝手知ったる現場ということもあり、心にはどこか穏やかな余裕が漂っていた。
静かな一日から、賑わいの裏側へ。
そんな、ある一日の記録をここに残しておきたい。
夜勤前、静寂の中で進める試験対策と読書
夜からの出勤に備え、日中は自宅でゆっくりと過ごすことにした。
窓から差し込む光を感じながら、2週間後に控えた試験に向けてペンを走らせる。
参考書の内容が頭に染み込んでいく感覚と、刻一刻と近づく試験へのわずかな焦燥。
それらをなだめるように、合間にページをめくる読書の時間が、今の私には何よりの贅沢だ。
昼下がりの穏やかな時間は、夜通しの仕事に向けた「静かな助走」でもある。
夕方、少し早めの食事を済ませてから、深い眠りに落ちた。
これから始まる夜の現場に向けて、心と体をフラットな状態に整えていく。
非日常の風景。夜のショッピングモールでの什器作成
家を出て、夜の街を通り抜け、目的のショッピングモールへと向かう。
以前も働いたことがあるこの現場は、どこに何があるか、どのような手順で動くべきか、その「勝手」が肌感覚で分かっている。
その安心感は、夜勤という特殊な労働形態において、大きな支えになる。
業務は、新規アパレル店舗の什器作成だ。
まだ誰もいない、照明が少し落とされたモール内は、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っている。その静寂を破るように、新しい什器が組み上がっていく音だけが響く。
「新しく何かが始まる場所」を、自分の手で形にしていく。
その作業は、肉体的な疲労を伴いながらも、どこかクリエイティブな充足感を私に与えてくれた。
昼と夜、日常と非日常の境界線で思うこと
昼間の静かな読書と、夜の賑わいの裏側での肉体労働。
この全く異なる二つの時間が、私という一人の人間の中で地続きになっている。
机に向かって知識を蓄えるインプットの時間も、現場で汗を流して形を作るアウトプットの時間も、どちらが欠けても今の自分は成立しない。
誰もいない夜の通路を歩きながら、ふと「自分はいま、どこに向かおうとしているのか」という問いが頭をよぎる。
特別なドラマがあるわけではない。
けれど、この試行錯誤の積み重ねこそが、いつか確かな物語になるのだと信じている。
【結びに代えて】
ここまで読んでくださったあなたに、心から感謝いたします。
これは「完璧な誰か」の物語ではなく、試行錯誤を繰り返す一人の人間の、現在進行形の記録です。
第1話から順に読み進めていただくことで、単なるエピソード以上の「物語としての重み」を感じていただけるかもしれません。
あなたの「スキ」や「フォロー」が、暗い夜道を照らす灯火のように、この連載を続ける勇気をくれます。
その温かな反応のひとつひとつが、私がこの連載を書き続けていくための、何よりの原動力になります。
