派遣バイト明け、カレーを食べて泥のように眠る。ジャガイモの芽に重ねた「4.5ヶ月後」への決意

3月22日、日曜日
朝の7時、ようやく長い夜が終わりました。
昨夜から続いていた派遣会社のアルバイト。
夜通しの作業を終え、冷たい朝の空気を吸い込んだとき、体にはずっしりとした疲労と、それ以上の解放感が広がっていました。
そこから東京を出発し、静岡の事務所へと車を走らせる帰路。
ようやく自宅の敷居を跨いだときには、時計の針はすでに10時をまわっていました。
不思議なもので、極限まで疲れると眠気のピークは一度通り過ぎてしまいます。
それよりも、お腹が空いていました。
まずは温かいシャワーを浴びて、夜勤の汚れと強張った筋肉を解きほぐします。
そして、朝食。
テーブルに並んだのは、我が家のカレー。
その香りを嗅いだ瞬間、胃袋がようやく自分の居場所を思い出したかのように鳴りました。
しっかりとカレーを胃に収め、汚れた作業服を洗濯機に放り込む。
家事がひと段落したその瞬間、満腹感とともに強烈な睡魔が襲ってきました。
吸い寄せられるようにこたつへと潜り込み、私はそのまま、深い深い眠りへと落ちていきました。
夕暮れの覚醒、そして両親へ伝えた「これから」の道
次にパチリと目が覚めたとき、部屋はオレンジ色の夕陽に染まっていました。
時計を見ると、すでに夕方の5時。
あんなに騒がしかった午前中が嘘のように、家の中は静まり返っています。
ぼんやりとした頭を切り替え、私は机に向かいました。
来月から始まる「4.5ヶ月間の海技士資格短期養成学校」への準備を、一つひとつ粛々と進めるためです。
この数ヶ月が、私の人生にとって大きな転換点になる。
その重みを噛み締めながら、書類や荷物を整理して今日という時間をゆっくりと過ごしました。
夕食の席では、改めてこれからの進路について両親に話をしました。
「しっかり学んでくるよ」
そう告げると、両親は「安心して仕事ができれば、それが一番良い」と頷いてくれました。
言葉少なではありましたが、その一言に込められた信頼と安堵が、私の背中をそっと押してくれたような気がします。
食後は、明日からまたみっちりと組まれている派遣バイトのスケジュールを確認しました。
英気を養うために、今夜は無理をせず、早めに布団へ入ることに決めました。
畑で見つけた、私自身の未来のような「ジャガイモの芽」
ふと気になって、暗くなる前に庭の畑を覗いてみました。
そこには、先月2月の厳しい寒さのなかで植えたジャガイモが、元気に芽を出していました。
土を押し退け、力強く緑を覗かせるその姿。
厳しい寒さに耐え、地下でじっとエネルギーを蓄えていたあの時間は、無駄ではなかったのだと教えてくれているようでした。
「ああ、これは今の自分と同じだ」
そう思わずにはいられませんでした。
夜勤続きの今も、これから始まる養成学校での4.5ヶ月間も、すべてはこの芽のように、いつか大きな実りをもたらすための大切な準備期間。
土の中から必死に顔を出したジャガイモの芽に、私は自分の未来を重ねていました。
明日からもまた忙しい日々が始まりますが、この小さな芽が、私の心に確かな火を灯してくれたような気がします。
【結びに代えて】
ここまで読んでくださったあなたに、心から感謝いたします。
これは「完璧な誰か」の物語ではなく、試行錯誤を繰り返す一人の人間の、現在進行形の記録です。
第1話から順に読み進めていただくことで、単なるエピソード以上の「物語としての重み」を感じていただけるかもしれません。
あなたの「スキ」や「フォロー」が、暗い夜道を照らす灯火のように、この連載を続ける勇気をくれます。
その温かな反応のひとつひとつが、私がこの連載を書き続けていくための、何よりの原動力になります。
