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【教えて池田さん②】電気の基礎編

グループ会社shuffle(照明・空間演出を手がける照明会社)の池田さんが、社内の新人スタッフ向けに開いている勉強会「教えて池田さん」。

現場で欠かせない知識を、わかりやすく教えてもらっています。

第2回のテーマは「電気」です。

電気を理解する3つの基本

電気は、照明・音響・映像・パソコン・携帯電話など、私たちの生活やイベントに欠かせないエネルギーです。

理解しておきたいのは電圧(V)・電流(A)・電力(W)の3つ。

電気はよく水の流れに例えられ、電圧は水圧、電流は水の量、電力は水車を回す力にあたります。

電流(A)は電気の流れる量のことで、電線が太いほど多く流せます。
電力会社との契約は、一人暮らしで20〜30A、一般家庭で40〜60Aが多くなっています。

電圧(V)は電気を流すための圧力で、水が落ちる高さに相当し、高いほど電気の勢いが強くなります。
家庭用コンセントは100Vが一般的ですが、業務用機械では200V以上のものもあります。

たとえば、海外で使われている220〜240V対応のドライヤーを、そのまま日本の100Vコンセントで使うとどうなるでしょうか。

電圧が半分以下になるため、ドライヤーが本来出せる熱や風の勢いも大きく落ちてしまい、「スイッチは入るけれど、全然温かい風が出ない」という状態になります。電化製品は電圧に合わせて設計されているため、対応電圧の違う機器を使う際は注意が必要です。

直流(DC)と交流(AC)の違い

直流(DC)は電気が一方向に流れる電気で、乾電池やモバイルバッテリー、ノートPCなどが例です。

交流(AC)は電気の向きが交互に変わる電気で、家庭用コンセントやホール電源、発電機などがこれにあたります。


消費電力(W)とイベント現場での考え方

消費電力(W)は、電気機器を動かすために必要な電力の大きさで、W=V×Aの式で計算します。

消費電力を把握していないと、ブレーカーが落ちたり電源容量が不足したりするため、イベント現場では照明・音響・映像機器の消費電力を事前に確認し、必要な回路数や発電機容量を計算することが重要です。


発電所から家庭まで電気が届く仕組み

発電所で作られた電気は、一度非常に高い電圧に変換して送電されます。

電圧を高くすることで電流を小さくでき、電線の熱損失を抑えて遠くまで効率よく電気を送ることができるためです。

その後、変電所で徐々に電圧を下げ、家庭や施設では100Vや200Vとして利用されます。

周波数(Hz)と東西の違い

交流電源は一定の周期で電流の向きが入れ替わり、この繰り返し回数を周波数(Hz)と呼びます。

日本では東日本が50Hz、西日本が60Hzという2種類が使われており、これは明治時代に東京はドイツ製、大阪はアメリカ製の発電機を導入したことに由来します。

モーターを使う機器や古い照明機器では周波数の違いによる影響を受けることがあり、映像撮影でも設定を誤るとフリッカー(ちらつき)が発生することがあります。

分電盤と家庭へ電気が届く流れ

電柱には高圧電線(6,600V)が通っており、柱上変圧器で電圧を下げたあと、単相3線式(100V・200V)や三相3線式(200V)として各家庭や店舗に供給されます。

分電盤は、送られてきた電気を各部屋や機器へ分配する設備で、使い過ぎや漏電時に自動で電気を遮断し、設備や人を守る役割もあります。
主幹ブレーカー、漏電ブレーカー、分岐ブレーカーで構成されています。


発電機と移動電源車

発電機には小型(出力1.8kVA程度)と大型(出力60kVA程度)があります。

小型は持ち運びやすく設置も簡単ですが発電容量が小さく、大型は電気設備の無い場所でも大容量の電源を長時間供給できる一方、運搬に車両や重機が必要になります。

移動電源車は、トラックに大型発電機と分電盤を搭載した設備で、屋外イベントや停電時の非常用電源として、大容量の電気を安全に供給できます。


イベント現場で使われるコンセント

イベント現場ではコンセントの種類も様々です。

ツイストプラグは3相200Vで厨房機器や空調機器に、ストレートプラグは3相200Vで工場やフォークリフト充電に使われます。

舞台照明でよく使われるのが20A C型(単相100V、劇場・ホールで最もよく見るコネクタ)で、20A D型(単相200V)はムービングライトやプロジェクターに、30A C型は大容量照明回路に使われます。

カムロックコネクタは大電流用で、色ごとに相が決まっており、接続順序を誤ると重大事故につながるため注意が必要です。


アース(接地)の役割

アース(接地)とは、電気機器の金属部分を地面とつなぐ安全設備で、漏電時に電気を地面へ逃がし、感電や火災を防ぎます。洗濯機・電子レンジ・冷蔵庫など、水回りや金属部分の多い家電では、このアース接続が推奨されています。仮設分電盤や発電機、音響・映像機器などでも、安全確保のため接地工事を行うことがあります。

日本では100Vが一般的ですが、海外では220V〜240Vが主流です。台湾110V、マレーシア220V、ベトナム220V、フィリピン220V、タイ220V、シンガポール230V、カンボジア220V、インドネシア220Vとなっており、コンセント形状も国によって異なります。海外案件では、使用電圧・周波数(50Hz/60Hz)、コンセント形状、アースの有無を事前に確認することが重要です。


まとめ

イベント現場では、照明・音響・映像など、あらゆる機材が電気によって動いています。そのため、電圧・電流・電力といった基本的な知識を理解しておくことは、安全な現場運営だけでなく、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。

また、発電機や分電盤、コンセントの種類、アースの役割など、それぞれの設備には重要な意味があります。海外案件では電圧や周波数、コンセント形状も異なるため、事前確認が欠かせません。

電気は一見難しく感じますが、基本を押さえておくことで現場での判断力や対応力は大きく変わります。

今回ご紹介した内容を、日々の業務やイベント運営にぜひ役立ててみてください。


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