中国シャオミEVに試乗した もう米国車を買いたくない/WSJ By Joanna Stern …aalto のちょほほ日記@2026.02.21
WSJの記事が面白い。引用のみ。
ここで言う米国車とは「ステラ」を指すと思われる…ちょほほ。
中国シャオミEVに試乗した もう米国車を買いたくない
驚異的な航続距離、カスタマイズ可能なインテリア、洗練されたソフトウエア――「SU7マックス」を数週間運転して恋に落ちた
親愛なるシャオミSU7マックスへ
最後に一緒に過ごしてからもう1カ月。今ではうちのフォード「マスタング・マッハE」に乗るたびに、私はあなたを思い出さずにいられない――その長い航続距離、モジュール式の内装、ばかばかしいほど大きなインフォテインメント(情報・娯楽)画面のことを。
夜になると、調整可能なカラー照明が恋しくなる。週末には、子どもたちがワイヤレスカラオケマイクやトランシーバー、あとそうそう、後部座席のミニ冷蔵庫を懐かしがっている。
どうか米国に戻ってきて…私のために。
いつまでも
ジョアンナ
中国の小米(シャオミ)が手がけるEV(電気自動車)セダンの旗艦モデル「SU7 Max(マックス)」は、他の中国製自動車と同様、米国市場から実質的に締め出されている。それでも筆者は昨年末、中国で高い人気を誇るこのモデルを、米ニュージャージー州のうらぶれた通りで2週間乗り回した。小米で以前働いていた友人がこれを購入し、米国で運転するための一時的許可を取得した。彼は寛容にも筆者が長時間ドライブするのを認めてくれた。
筆者が車内で過ごした時間は、自動車業界の専門家がつぶやいてきた感想ーーなんてこった、中国はデジタル強化されたEV競争の勝者になりつつあるーーを裏付けるものだった。
小米や比亜迪(BYD)、吉利汽車などの中国EVメーカーは世界的に高い評価を得ている。1回の充電による航続距離が長く、デジタルプラットフォームが深く融合されているからだ。ソフトウエアは、真新しいスマートフォンのようにスムーズに動き、地図を読み込むために5回も画面をたたく必要はない。その上、大抵は西側の競合モデルよりも価格が数万ドル安い。欧州とメキシコでは、テスラや他の競合するEVを抜き去っている。
「競争上の現実は、EV業界では中国車が圧倒的な存在だということだ」。米フォード・モーターのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は昨年のインタビューで筆者にこう語った。「われわれが中国車で経験しているものと、テスラ、GM、あるいはフォードの車は比べものにならない」。ファーリー氏でさえ、小米のSU7を運転した後は、離れがたく感じたと語っている。フォードは現在、中国車と真っ向勝負するために自社のEVラインアップを再構築しており、3万ドル(約470万円)の電動ピックアップトラックを投入する計画だ。
状況を全く理解していなかった筆者を、シャオミとの出会いが変えた。SU7マックスの内面にも外見にもほれ込み、もう手に入らないものを欲しがっている――少なくとも今のところは手に入らない。だが、永遠に待たなくてもよいかもしれない。中国の優れたEVを体験する日はそう遠くはなさそうな兆しも現れている。コネクテッドカー スマートフォン、タブレット、洗濯機、トースター、ダニ掃除機――小米は電気を使うものなら何でも製造し、中国で販売している会社だ。自動車が次第に車輪付きコンピューターの様相を呈すると、小米はEV製造に乗り出した。
SU7マックスは、ハイテク企業が自動車を製造する(自動車メーカーがハイテク製品を作るのではなく)と聞いて想像する通りの印象だ。16.1インチの大型インフォテインメント画面は、小米が開発したアンドロイドベースの基本ソフト(OS)「HyperOS(ハイパーOS)」で動き、アプリが満載されている。大半は中国語アプリだから理解できないが、筆者はiPhone(アイフォーン)を車載システムと連携するアップルの「CarPlay(カープレー)」の達人でもある。カープレーは車内の大型画面で美しく表示された。16.1インチの大型ディスプレーは小米のOS「ハイパーOS」で動作するが、アップルの「カープレー」にも対応している
お気に入りのちょっとした機能がある。ナビの指示で、音楽が途切れないことだ。ナビの音声は、運転席のヘッドレストのスピーカーから聞こえる。一方、楽曲やポッドキャストは他の全ての場所で途切れることなく再生される。
数年前に筆者がEV選びをしたのをご記憶だろうか。テスラや他の会社がボタンやノブを廃止し、タッチスクリーンに機能を集約することについて、筆者は不満をぶちまけた。だが小米ならどちらかを選ぶ必要はない。別売りの薄型コントロールバーがあり、それをスクリーンの下に磁気でパチンと取りつければ、正真正銘の物理的ボタンで音楽や環境を操作できる。奇跡は起こるものだ。 他のモジュールも簡単にくっつく。例えば、LEDバーがそうだ――ファミリーセダンというよりも、独ベルリンのナイトクラブのような雰囲気を醸し出したい人にぴったりだ。
だが本当の魔法は、小米のエコシステムの中で生きる人のためにある。筆者は小米のスマートフォン「17 Pro Max(プロ・マックス)」を全て直接メインディスプレーにミラーリングできた。小米の本格的なタブレット――ゲームとアプリを満載した――は、前部座席の背面にはめ込むと、後部座席の乗客が目の前で操作でき、直ちに環境制御パネルと化す。
ブルートゥース対応のマイクはサウンドシステムと連動し、カラオケアプリがお気に入りのカラオケ曲(それはもちろん、ホイットニー・ヒューストンの「I Wanna Dance With Somebody(すてきなSomebody)」だ)の歌詞を表示する。長距離トランシーバーのおかげで、理由は言うまでもないがベッドの下にそれを持って隠れることにした子どもたちと、運転席から通信できる。ミニ冷蔵庫は後部2席の間に設置され、多くの画面のどこからでも温度を調節できる。オプションになっているガジェットやアクセサリー(ボタンや冷蔵庫、カラオケマイクなど)を活用し、ドライバーは車をカスタマイズできる われわれ米国人は小米とは住む世界が違う。小米の車はまるでアップルが長い間うわさされていた「アップルカー」を実際に開発し、全てが機能していたら、こうだっただろうと思われるものだ。
イージーライダー
筆者が気に入ったのは、中国の電気街を訪れたような気分だけが理由ではない。この車を運転するのも大好きだ。トルク、サスペンション、その他の謎めいたクルマ用語についての深い議論は、同僚のダン・ニール記者に任せる。ただ筆者に言えるのは、このEVは静かで滑らかな走りを実現する一方で、筆者のマスタング・マッハEや数年前に試乗したテスラの「モデルY」に比べてスポーティーな感覚が強いことだ。
中国語のスキル不足で、自動運転機能はテストできなかった。だがニュージャージー州の自宅からニューヨーク市まで運転する時に一度、高度な運転支援モードをオンにしてみた。するとブレーキをかける時も、ハンドルを操作する時も、加速する時も、筆者のフォード・マスタング・マッハEに比べて滑らかだった。特に大渋滞のオランダトンネルをノロノロ運転で進んだ時、加減速の滑らかさを実感した。筆者はマスタングを運転中に何度もこうした渋滞に巻き込まれている。
ニューヨークと往復する同じルートで、1回の充電による航続距離は筆者の期待値を超えていた(期待値はマスタング・マッハEを基準にしている)。ある非常に寒い日――車載電池は通常こうした日に打撃を受ける――、往復約80キロ走るのに使ったのはフル充電の30%以下だった。小米は、SU7マックスの航続距離が810キロだと豪語している。筆者は自宅で充電するため、アダプターをつけた(中国は異なるプラグを使用している)レベル2充電器を使用した。
筆者が取材したアナリストらによると、これらの車の長期的な信頼性や安全性能は不明だという。本気で購入を考えるならば、明らかにもっと情報が必要だろう。だが筆者が短期間乗った印象は、SU7は巧みに設計され、巧みに組み立てられた車ということだった。小米「SU7マックス」は、洗練されたデザインと本格的なテクノロジーを組み合わせている――内部も外装もボンネットの下もグローバルな障壁 もうお分かりだろうが、筆者はこの車の全てに心を奪われた。価格設定も含めてだ。中国で発売された時の価格は29万9900元(約680万円)からと、テスラのモデルYとほぼ同水準だ。しかし小米に乗った時の方が高級に感じる。筆者が取材した専門家らによると、もちろん、もしSU7マックスが米国で販売されれば、価格はもっと高くなるという。
「if(もし)」なのか、それとも「when(販売された時)」と言うべきか。現在、中国製EVには、他の関税に上乗せする形で100%の輸入関税が課せられている。また、中国のコネクテッドビークル(CV)技術に対する米政府の制限措置もある。だがこうした大きな障壁は長く続かないかもしれない。 1月初め、デトロイト経済クラブで演説したドナルド・トランプ米大統領は、中国の自動車メーカーが米国の工場と労働者を使って米国で車を製造するならば、歓迎すると述べた。「中国を受け入れてみよう」とトランプ氏は述べた。
「小米SU7のような車がここで手に入るようになるのは間違いない」。自動車コンサルティング会社ダン・インサイツのマイケル・ダンCEOは筆者にこう語った。
「中国のメーカーは、扉さえ開けば、いつでも飛び込む準備ができている。その扉が開くのは輸入を通じてではなく、米国の工場を通じてだ」とダン氏は言い、今後2年間に起きる可能性があると述べた。
吉利汽車は実際その計画を口にしている。一方、小米は現在そのような計画はないと述べた。
あなたを待っているわ、シャオミ。いつか私たちはまた一緒になれる。
***――筆者のジョアンナ・スターンはWSJパーソナルテクノロジー担当シニアコラムニスト
Dark blue electric vehicle on a sunny, winter day with Joanna Stern making a peace sign from the driver's seat.米ニュージャージー州で小米の「SU7マックス」に試乗するWSJのジョアンナ・スターン記者By Joanna Stern | Photography by Matt Genovese for WSJ2026年2月17日 07:13 JST保存シェア文字サイズ
