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下弦の月は僕を照らしている


春に
爛漫と花やぎを見せた木々は
今は
ひっそりと
沈黙を守っているように見える

時雨は
木々の営みを閉じ込める

沈黙は続くが
内なる声に耳を澄ます

すると 
僅かにきこえる音

木々に宿った魂は
一刻たりとも
その営みを止めてはいない

風花が宙を飾る

やがて
訪れた宵闇の空に
冴えざえと
一番星が輝くころ
月光は
静かに地上を照らす

今宵は下弦の月

下弦の月は未熟だ
これから
三日月になり
  やがて望月になる

粛々と
その準備している

僕は
月を見上げる

未完の僕はまだ道半ば
その道は何処かに
ほんとうに繋がっているのか

月は
僕を見下ろしている

白い吐息を吐く
静寂が辺りを包んでいる
冬ざれは続かない

春は必ず訪れる
月は必ず満月になる

営みは脈々と
途切れることなく命を紡ぐ

そして
下弦の月は

今日も僕を照らしている



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